2016/05/28(土) - 10:48
明暗くっきりと分かれたマリアローザ争い。「自分を信じ、乗り越えることができた」と振り返るニーバリの他、チャベス、クルウィスウィク、ザッカリンらのコメントを紹介します。
ステージ優勝を飾ったヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
今日は怒りを込めて走り、勝利した。ここ最近の不調に対処するのは厳しいものがあったが、自分を信じ、乗り越えることができた。今日は想像を絶するほど厳しいステージだった。標高のある登りで良い感触を得ていたので、苦しんでいる選手たちを振り切るようにアタックした。スカルポーニが逃げに入っていたことが味方したよ。グランツールの最終週は何が起こるか分からない。とても幸せな気持ちに包まれているけど、今はまだ浮き足立っている場合じゃない。まだ厳しいステージが残っている。
マリアローザを獲得したエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
何か夢のようだ。まったく信じられないよ。今日もチームは素晴らしい働きをしてくれて、すべてのオリカ・グリーンエッジメンバーに感謝したい。マリアローザは彼らと共に獲得したものだ。間違いなく厳しいステージだったが、チームと作戦を完遂すべく動いた。アニェッロ峠まではダミアン(ホーソン)がアシストをこなしてくれ、その後は逃げグループに入っていたルーベン(プラサ)が下り区間を牽ききってくれた。
ニーバリのダウンヒルに着いていくのは全く簡単じゃない。彼の下りはクレイジーだが、僕も頭のネジを外す必要があった。最終盤にニーバリがアタックした時は全力でついていこうと試みた。幸いにもあまり引き離されずに自分のリズムを見つけてゴールまで辿り着くことができたんだ。クルウィスウィクの落車は本当に残念だ。でも落車もロードレースの一部であり、今日の彼はアンラッキーだった。もしマリアローザを家に持ち帰ることができれば素晴らしいし、不可能でも全力を尽くしてチャレンジしたい。
落車しマリアローザを失ったステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ)
アニェッロ峠の頂上ですでに限界だった。完全にハンガーノックで、何かを身体に入れてニーバリやシャベスを追いかけなければいけなかった。落車のあの時、とんでもないミスをしてしまった。間違った動きでそのまま雪壁に突っ込んでしまった。自分のバイクはボロボロでレースを続行できるか分からなかった。
サドルに復帰すると身体中、特に背中と肋骨の周りがひどく感じた。そして何より、気持ちが切れた。タイムロスを最小限に抑えなければいけないと理解していたけれど、僕のジロは終わった。マリアローザが逃げてしまった。
マリアビアンカのボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ)
標高の高いアニェッロ峠では呼吸が苦しく、ライバル勢のアタックに対して自分のペースで登ることを選択した。マリアローザ達から少し遅れてしまったが、下りでは追い風に乗って全速力。最高時速は105kmをマークした。カルロス・ヴェローナが前から合流し、後半に登りが始まるまでサポートしてくれたので助かった。彼に感謝しなければならないね。リスルでもマイペースを刻むことができ、結果的に自分の走りに満足しているよ。
鎖骨と肩甲骨骨折を負ったイルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)
心温かいメッセージを送ってくれた全員に感謝したい。僕は大丈夫。早く回復したい。
遅れたバルベルデについて語るガルシア・アコスタ監督
今日は様々なことが起こった。アレハンドロはアニェッロ峠の頂上をニーバリたちから12秒遅れでクリアでき、下りではヘラーダのアシストを受けた。しかし無数のバイクのせいでペースが上がらず、前に追いつくことができなかった。それが最後まで響いてしまった。
逃げに乗ったマキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・ソウダル)
序盤のアタック合戦がもの凄く激しく、できるだけスマートに力を使わず逃げに乗ろうと試みた。アニェッロ峠ではチームスカイのペースメイクによって集団がばらけ、遅れた僕はダウンヒルをものすごい勢いで飛ばしスカルポーニに合流。でも彼はすぐ後ろのニーバリグループを待つと言ったので、単独で逃げ続けることになった。
下りは向かい風が強かったが、脚は良く回っていた。でもニーバリたちが残り10kmで僕を追い抜き、ペースを合わせることができなかった。
山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)
(アニェッロ峠の下りで)ペースを落として下りだすと、後ろからグロスと2人の選手が「遅すぎ」とでも言わんばかりに一気に抜いて行く。そして左コーナー手前でグロスが地面の凹みに突っ込んで跳ね上がる。ブレーキをかけて後輪が滑りバランスを崩して、右の雪の壁に突っ込む。グロスの後ろに居た2人も回避できずに壁に突っ込んだ。グロスに突っ込まれて抉られた雪の壁がバラバラになって道の真ん中辺りまで飛び散る。雪の壁に跳ね返されたグロスのバイクが道路の真ん中を結構な速さで滑って行く。バイクに突っ込まないように注意しながら回避する。
(中略)
前半のキツさが半端無かった。ホテルでスタキオッティとも話したが、とても(前に)上がれる状態じゃなかったし、キツ過ぎて(無線に)返事も出来ないと言っていた。ペースが落ち着いてからは少し休むことが出来たし、その後もグルペットだったので楽が出来たが、落ち着くまでが70km近くかかったので疲労が半端無い。筋肉もガチガチなのでしっかりストレッチをして、最後の山場である明日のレースに全力で挑みたい。血反吐を吐いてでも完走するつもりなので頑張りを見ておいて欲しい。(本人ブログ「Genki一杯」より抜粋)
※各コメントはレース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。
text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka
ステージ優勝を飾ったヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
今日は怒りを込めて走り、勝利した。ここ最近の不調に対処するのは厳しいものがあったが、自分を信じ、乗り越えることができた。今日は想像を絶するほど厳しいステージだった。標高のある登りで良い感触を得ていたので、苦しんでいる選手たちを振り切るようにアタックした。スカルポーニが逃げに入っていたことが味方したよ。グランツールの最終週は何が起こるか分からない。とても幸せな気持ちに包まれているけど、今はまだ浮き足立っている場合じゃない。まだ厳しいステージが残っている。
マリアローザを獲得したエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
何か夢のようだ。まったく信じられないよ。今日もチームは素晴らしい働きをしてくれて、すべてのオリカ・グリーンエッジメンバーに感謝したい。マリアローザは彼らと共に獲得したものだ。間違いなく厳しいステージだったが、チームと作戦を完遂すべく動いた。アニェッロ峠まではダミアン(ホーソン)がアシストをこなしてくれ、その後は逃げグループに入っていたルーベン(プラサ)が下り区間を牽ききってくれた。
ニーバリのダウンヒルに着いていくのは全く簡単じゃない。彼の下りはクレイジーだが、僕も頭のネジを外す必要があった。最終盤にニーバリがアタックした時は全力でついていこうと試みた。幸いにもあまり引き離されずに自分のリズムを見つけてゴールまで辿り着くことができたんだ。クルウィスウィクの落車は本当に残念だ。でも落車もロードレースの一部であり、今日の彼はアンラッキーだった。もしマリアローザを家に持ち帰ることができれば素晴らしいし、不可能でも全力を尽くしてチャレンジしたい。
落車しマリアローザを失ったステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ)
アニェッロ峠の頂上ですでに限界だった。完全にハンガーノックで、何かを身体に入れてニーバリやシャベスを追いかけなければいけなかった。落車のあの時、とんでもないミスをしてしまった。間違った動きでそのまま雪壁に突っ込んでしまった。自分のバイクはボロボロでレースを続行できるか分からなかった。
サドルに復帰すると身体中、特に背中と肋骨の周りがひどく感じた。そして何より、気持ちが切れた。タイムロスを最小限に抑えなければいけないと理解していたけれど、僕のジロは終わった。マリアローザが逃げてしまった。
マリアビアンカのボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ)
標高の高いアニェッロ峠では呼吸が苦しく、ライバル勢のアタックに対して自分のペースで登ることを選択した。マリアローザ達から少し遅れてしまったが、下りでは追い風に乗って全速力。最高時速は105kmをマークした。カルロス・ヴェローナが前から合流し、後半に登りが始まるまでサポートしてくれたので助かった。彼に感謝しなければならないね。リスルでもマイペースを刻むことができ、結果的に自分の走りに満足しているよ。
鎖骨と肩甲骨骨折を負ったイルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)
心温かいメッセージを送ってくれた全員に感謝したい。僕は大丈夫。早く回復したい。
遅れたバルベルデについて語るガルシア・アコスタ監督
今日は様々なことが起こった。アレハンドロはアニェッロ峠の頂上をニーバリたちから12秒遅れでクリアでき、下りではヘラーダのアシストを受けた。しかし無数のバイクのせいでペースが上がらず、前に追いつくことができなかった。それが最後まで響いてしまった。
逃げに乗ったマキシム・モンフォール(ベルギー、ロット・ソウダル)
序盤のアタック合戦がもの凄く激しく、できるだけスマートに力を使わず逃げに乗ろうと試みた。アニェッロ峠ではチームスカイのペースメイクによって集団がばらけ、遅れた僕はダウンヒルをものすごい勢いで飛ばしスカルポーニに合流。でも彼はすぐ後ろのニーバリグループを待つと言ったので、単独で逃げ続けることになった。
下りは向かい風が強かったが、脚は良く回っていた。でもニーバリたちが残り10kmで僕を追い抜き、ペースを合わせることができなかった。
山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)
(アニェッロ峠の下りで)ペースを落として下りだすと、後ろからグロスと2人の選手が「遅すぎ」とでも言わんばかりに一気に抜いて行く。そして左コーナー手前でグロスが地面の凹みに突っ込んで跳ね上がる。ブレーキをかけて後輪が滑りバランスを崩して、右の雪の壁に突っ込む。グロスの後ろに居た2人も回避できずに壁に突っ込んだ。グロスに突っ込まれて抉られた雪の壁がバラバラになって道の真ん中辺りまで飛び散る。雪の壁に跳ね返されたグロスのバイクが道路の真ん中を結構な速さで滑って行く。バイクに突っ込まないように注意しながら回避する。
(中略)
前半のキツさが半端無かった。ホテルでスタキオッティとも話したが、とても(前に)上がれる状態じゃなかったし、キツ過ぎて(無線に)返事も出来ないと言っていた。ペースが落ち着いてからは少し休むことが出来たし、その後もグルペットだったので楽が出来たが、落ち着くまでが70km近くかかったので疲労が半端無い。筋肉もガチガチなのでしっかりストレッチをして、最後の山場である明日のレースに全力で挑みたい。血反吐を吐いてでも完走するつもりなので頑張りを見ておいて欲しい。(本人ブログ「Genki一杯」より抜粋)
※各コメントはレース/チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイト/Twitter/Facebookより。
text:So.Isobe,Naoki.Yasuoka
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