2016/02/18(木) - 19:28
ベルギー・ゾルダーにて開催された2016年のシクロクロス世界選手権より、同大会を走ったプロバイクを3編に分けて紹介。Vol.2ではジェレミー・パワーズのフォーカスや、日本代表勢のバイクをピックアップ。
ジェレミー・パワーズ(アメリカ、アスパイアーレーシング)
フォーカス MARES CX
ジェレミー・パワーズ(アメリカ、アスパイアーレーシング)のフォーカス MARES CX photo:Makoto.AYANO
パワーズのニックネームであるJ-Powの文字が記されている photo:Makoto.AYANO
もう1台も星条旗カラーとされている photo:Makoto.AYANO
アメリカナショナルチャンピオンとして世界選手権に出場したジェレミー・パワーズ(アメリカ、アスパイアーレーシング)。バイクは、星条旗カラーを纏ったフォーカス「MARES CX」だ。ディスクブレーキ専用ながらフレーム単体で1,000gと非常に軽量で、ホイール交換に要する時間を大幅に短縮した独自規格のスルーアクスルを搭載することが特徴の1台である。マット塗装のバイクは製品版と見分けがつかないものの次期モデルのプロトとのことだ。
コンポーネントはスラムのサポートを受け、フロントシングル仕様のForce1を使用。クランクアームだけはロードコンポの最上位グレードであるRED22としている。ブレーキは油圧式だ。
サドルは、センターに深い溝を設けたVERSUS仕様のフィジークANTARES photo:Makoto.AYANO
油圧ブレーキ対応のDoubleTapレバー photo:Makoto.AYANO
クランクブラザースのCANDYペダルは赤と青のアルマイトが施されたアメリカチャンピオン仕様 photo:Makoto.AYANO
ジップのホイールに、FMBタイヤを組み合わせる photo:Makoto.AYANO
ホイールはスラムグループのジップで、2台用意したうちの1台には45mmハイトの303を、もう1台には24mmハイトの202をアッセンブル。なお、ディスクブレーキ仕様の202には本来チューブラーがラインアップされておらず、パワーズのために特別に用意されたものと考えられる。タイヤはFMBで、世界選手権ではオールラウンドモデルのSLALOMをチョイスした。
ハンドル、ステム、シートポストは、ホイールと同じくジップ。サドルはフィジークで、センターに深い溝を設けたVERSUS仕様のANTARESを使用する。ペダルは、赤と青のアルマイトが施されたアメリカチャンピオン仕様のクランクブラザース CANDYだ。
ジュリアン・タラマルカス(スイス、エラ・ムルプロテック)
スティーブンス SUPER PRESTIGE DISC
ジュリアン・タラマルカス(スイス、エラ・ムルプロテック)のスティーブンス SUPER PRESTIGE DISC photo:Makoto.AYANO
母国スイスのDTスイスのホイールに、スイス国旗が描かれたデュガスのタイヤをセットする photo:Makoto.AYANOジュリアン・タラマルカス(スイス、エラ・ムルプロテック)のバイクは、スイスカラーが目を引くスティーブンスSUPER PRESTIGE DISC。ホイールは母国スイスが誇るDTスイスとし、デュガスのタイヤにもスイスの国旗が描かれている。
コンポーネントは、ドライブトレインがシマノDURA-ACE Di2、ブレーキがST-R785とBR-R785の組み合わせだ。ホイールはDTスイスRC38T dbで、タイヤにはデュガスのオールラウンドモデルTyphoon Cottonを組み合わせている。ハンドル、ステム、シートポストはシマノPROで統一、サドルはセライタリアFliteとした。ペダルはシマノSPDだ。
スティーブン・ハイド(アメリカ、キャノンデール・シクロクロスワールド)
キャノンデール SUPERX HI-MOD DISC
スティーブン・ハイド(アメリカ、キャノンデール・シクロクロスワールド)のキャノンデール SUPERX HI-MOD DISC photo:Makoto.AYANO
アメリカ勢の中ではトップの23位で世界選手権をフィニッシュしたスティーブン・ハイド(アメリカ、キャノンデール・シクロクロスワールド)。バイクはキャノンデールSUPERX HI-MODのディスクブレーキ仕様。軽さと剛性のバランスに優れる「バリステック」カーボンや、振動吸収性を高める「S.A.V.E」など、ロードバイクのSUPERSIX EVOと共通のテクノロジーが多く取り入れた1台だ。
コンポーネントはスラムのサポートを受け、フロントシングル仕様のForce1を採用する。ブレーキは油圧式だ。ホイールはスラム系列のジップで、リムハイト45mmの303をメインに使用。タイヤはチャレンジTEAM EDITIONで、世界選手権ではオールラウンドモデルのGRIFOをチョイスした。
アメリカ勢の中ではトップの23位で世界選手権をフィニッシュしたスティーブン・ハイド
サドルはファブリックScoop
ペダルはシマノPD-M540
ジップのホイールに、チャレンジのTEAM EDITIONタイヤを組み合わせている
ハンドル、サドル、シートポストはジップで統一。サドルはイギリス発の新興パーツブランド「ファブリック(Fabric)」で、モデルは大きくカーブしたトラディショナルな座面形状を持つ「SCOOP」。表面に大きなブランドロゴがあしらわれた、恐らくはプロ供給専用仕様だ。ペダルはシマノSPDの廉価モデル「PD-M540」としている。
日本代表チームのバイク
竹之内悠(Toyo Frame)の東洋フレーム T-Carbon CX photo:Makoto.AYANO
日本代表チームからは、現地で撮影することのできた竹之内悠(Toyo Frame)、沢田時(ブリヂストンアンカー)、織田聖(Above Bike Store Cycle Club)の3名のバイクを紹介する。
男子エリートに出場した竹之内悠のバイクは東洋フレーム製で、グラファイトデザイン製カーボンチューブとクロモリチューブを組み合わせたハイブリッドモデルを使用。世界選手権で使用した2台のバイクはカーボンチューブ配置がバイクに異なっており、1台はトップチューブとダウンチューブが、もう1台は、トップチューブのみがカーボンであった。なお、フロントフォーク、ハンドル、ステムもグラファイトデザインだ。
グラファイトデザイン製のカーボンチューブを使用する
メッキが眩しいヘッドチューブには「東洋」の文字が記されている
竹之内が好んで使い続ける旧型のタイムATACペダル
カンチブレーキはシマノ製だ
メインコンポーネントはシマノDURA-ACEで、カンチブレーキもシマノ製。ホイールは35mmハイトのシマノWH-9000-C35-TUで、タイヤはデュガス。ペダルは好んで使用を続ける旧型のタイムATAC。シートポストは東洋フレーム製で、サドルはクラシックな座面を持つフィジークVOLTAをチョイスしている。
沢田時(ブリヂストンアンカー)のアンカー CX6 photo:Makoto.AYANO
U23に出場した沢田時のバイクはアンカーのアルミ製シクロクロスバイクCX6。ディスクブレーキ仕様もラインアップされるが沢田はカンチブレーキ仕様を選択している。メインコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、バッテリーが外出し。カンチブレーキはシマノ製としている。ホイールとタイヤは、35mmハイトのシマノWH-9000-C35-TUにデュガスという組み合わせ。ハンドル、ステム、シートポストはPROのVIBEシリーズで固められ、サドルはMTBでも使用するフィジークTUNDRA 2だ。
織田聖(Above Bike Store Cycle Club)のSteel Era MUDMAN
ジュニアに出場した織田聖のバイクは、神奈川県川崎市にある「Above Bike Store」のショップオリジナルバイク「Steel Era "MUDMAN"」。ディスクブレーキ仕様のCrMo製バイクで、シートステーの上部をモノステー仕様としている点が特徴的だ。ガーボンホイールは、Above Bike Storeのオリジナルホイールブランドである「WICKED」。メインコンポーネントはシマノ105としている。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
ジェレミー・パワーズ(アメリカ、アスパイアーレーシング)
フォーカス MARES CX
![ジェレミー・パワーズ(アメリカ、アスパイアーレーシング)のフォーカス MARES CX](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/04/cx16jpow-002.jpg)
![パワーズのニックネームであるJ-Powの文字が記されている](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/04/cx16jpow-007.jpg)
![もう1台も星条旗カラーとされている](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/04/cx16jpow-001.jpg)
アメリカナショナルチャンピオンとして世界選手権に出場したジェレミー・パワーズ(アメリカ、アスパイアーレーシング)。バイクは、星条旗カラーを纏ったフォーカス「MARES CX」だ。ディスクブレーキ専用ながらフレーム単体で1,000gと非常に軽量で、ホイール交換に要する時間を大幅に短縮した独自規格のスルーアクスルを搭載することが特徴の1台である。マット塗装のバイクは製品版と見分けがつかないものの次期モデルのプロトとのことだ。
コンポーネントはスラムのサポートを受け、フロントシングル仕様のForce1を使用。クランクアームだけはロードコンポの最上位グレードであるRED22としている。ブレーキは油圧式だ。
![サドルは、センターに深い溝を設けたVERSUS仕様のフィジークANTARES](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/04/cx16jpow-005.jpg)
![油圧ブレーキ対応のDoubleTapレバー](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/04/cx16jpow-003.jpg)
![クランクブラザースのCANDYペダルは赤と青のアルマイトが施されたアメリカチャンピオン仕様](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/04/cx16jpow-006.jpg)
![ジップのホイールに、FMBタイヤを組み合わせる](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/04/cx16jpow-004.jpg)
ホイールはスラムグループのジップで、2台用意したうちの1台には45mmハイトの303を、もう1台には24mmハイトの202をアッセンブル。なお、ディスクブレーキ仕様の202には本来チューブラーがラインアップされておらず、パワーズのために特別に用意されたものと考えられる。タイヤはFMBで、世界選手権ではオールラウンドモデルのSLALOMをチョイスした。
ハンドル、ステム、シートポストは、ホイールと同じくジップ。サドルはフィジークで、センターに深い溝を設けたVERSUS仕様のANTARESを使用する。ペダルは、赤と青のアルマイトが施されたアメリカチャンピオン仕様のクランクブラザース CANDYだ。
ジュリアン・タラマルカス(スイス、エラ・ムルプロテック)
スティーブンス SUPER PRESTIGE DISC
![ジュリアン・タラマルカス(スイス、エラ・ムルプロテック)のスティーブンス SUPER PRESTIGE DISC](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/04/cx16swiss-001.jpg)
![母国スイスのDTスイスのホイールに、スイス国旗が描かれたデュガスのタイヤをセットする](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/04/cx16swiss-002.jpg)
コンポーネントは、ドライブトレインがシマノDURA-ACE Di2、ブレーキがST-R785とBR-R785の組み合わせだ。ホイールはDTスイスRC38T dbで、タイヤにはデュガスのオールラウンドモデルTyphoon Cottonを組み合わせている。ハンドル、ステム、シートポストはシマノPROで統一、サドルはセライタリアFliteとした。ペダルはシマノSPDだ。
スティーブン・ハイド(アメリカ、キャノンデール・シクロクロスワールド)
キャノンデール SUPERX HI-MOD DISC
![スティーブン・ハイド(アメリカ、キャノンデール・シクロクロスワールド)のキャノンデール SUPERX HI-MOD DISC](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/08/cxzolderHyde-001.jpg)
アメリカ勢の中ではトップの23位で世界選手権をフィニッシュしたスティーブン・ハイド(アメリカ、キャノンデール・シクロクロスワールド)。バイクはキャノンデールSUPERX HI-MODのディスクブレーキ仕様。軽さと剛性のバランスに優れる「バリステック」カーボンや、振動吸収性を高める「S.A.V.E」など、ロードバイクのSUPERSIX EVOと共通のテクノロジーが多く取り入れた1台だ。
コンポーネントはスラムのサポートを受け、フロントシングル仕様のForce1を採用する。ブレーキは油圧式だ。ホイールはスラム系列のジップで、リムハイト45mmの303をメインに使用。タイヤはチャレンジTEAM EDITIONで、世界選手権ではオールラウンドモデルのGRIFOをチョイスした。
![アメリカ勢の中ではトップの23位で世界選手権をフィニッシュしたスティーブン・ハイド](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/08/cxzolderHyde-003.jpg)
![サドルはファブリックScoop](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/08/cxzolderHyde-002.jpg)
![ペダルはシマノPD-M540](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/08/cxzolderHyde-004.jpg)
![ジップのホイールに、チャレンジのTEAM EDITIONタイヤを組み合わせている](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/08/cxzolderHyde-005.jpg)
ハンドル、サドル、シートポストはジップで統一。サドルはイギリス発の新興パーツブランド「ファブリック(Fabric)」で、モデルは大きくカーブしたトラディショナルな座面形状を持つ「SCOOP」。表面に大きなブランドロゴがあしらわれた、恐らくはプロ供給専用仕様だ。ペダルはシマノSPDの廉価モデル「PD-M540」としている。
日本代表チームのバイク
![竹之内悠(Toyo Frame)の東洋フレーム T-Carbon CX](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/08/cxzolderJPN-006.jpg)
日本代表チームからは、現地で撮影することのできた竹之内悠(Toyo Frame)、沢田時(ブリヂストンアンカー)、織田聖(Above Bike Store Cycle Club)の3名のバイクを紹介する。
男子エリートに出場した竹之内悠のバイクは東洋フレーム製で、グラファイトデザイン製カーボンチューブとクロモリチューブを組み合わせたハイブリッドモデルを使用。世界選手権で使用した2台のバイクはカーボンチューブ配置がバイクに異なっており、1台はトップチューブとダウンチューブが、もう1台は、トップチューブのみがカーボンであった。なお、フロントフォーク、ハンドル、ステムもグラファイトデザインだ。
![グラファイトデザイン製のカーボンチューブを使用する](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/08/cxzolderJPN-007.jpg)
![メッキが眩しいヘッドチューブには「東洋」の文字が記されている](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/08/cxzolderJPN-003.jpg)
![竹之内が好んで使い続ける旧型のタイムATACペダル](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/08/cxzolderJPN-008.jpg)
![カンチブレーキはシマノ製だ](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/08/cxzolderJPN-004.jpg)
メインコンポーネントはシマノDURA-ACEで、カンチブレーキもシマノ製。ホイールは35mmハイトのシマノWH-9000-C35-TUで、タイヤはデュガス。ペダルは好んで使用を続ける旧型のタイムATAC。シートポストは東洋フレーム製で、サドルはクラシックな座面を持つフィジークVOLTAをチョイスしている。
![沢田時(ブリヂストンアンカー)のアンカー CX6](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/08/cxzolderJPN-005.jpg)
U23に出場した沢田時のバイクはアンカーのアルミ製シクロクロスバイクCX6。ディスクブレーキ仕様もラインアップされるが沢田はカンチブレーキ仕様を選択している。メインコンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、バッテリーが外出し。カンチブレーキはシマノ製としている。ホイールとタイヤは、35mmハイトのシマノWH-9000-C35-TUにデュガスという組み合わせ。ハンドル、ステム、シートポストはPROのVIBEシリーズで固められ、サドルはMTBでも使用するフィジークTUNDRA 2だ。
![織田聖(Above Bike Store Cycle Club)のSteel Era MUDMAN](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/02/08/cxzolderJPN-001.jpg)
ジュニアに出場した織田聖のバイクは、神奈川県川崎市にある「Above Bike Store」のショップオリジナルバイク「Steel Era "MUDMAN"」。ディスクブレーキ仕様のCrMo製バイクで、シートステーの上部をモノステー仕様としている点が特徴的だ。ガーボンホイールは、Above Bike Storeのオリジナルホイールブランドである「WICKED」。メインコンポーネントはシマノ105としている。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
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