ツール・ド・ポロ―ニュ第3ステージは集団スプリントで決着。残り1km前の登りで各チームのトレインが崩壊するなかで、主導権を握ったのはIAMサイクリング。先行するジャコモ・ニッツオーロとトム・ファンアスブロックの間から伸びたマッテオ・ペルッキ(イタリア、IAMサイクリング)が連勝を飾った。



ポーランド南部の雰囲気ある街並みをゆくポーランド南部の雰囲気ある街並みをゆく photo:Tim de Waele
ツール・ド・ポロ―ニュ第3ステージはザヴィエルチェをスタートし、ポーランド南部を代表する工業都市カトヴィツェに設けられた1周14.7kmのサーキットを4周回しフィニッシュする166km。落車により鎖骨を骨折したダビ・デラクルス(スペイン、エティックス・クイックステップ)を除く149名がスタートを切った。

前日に続き、逃げ集団に入ったマークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシング)前日に続き、逃げ集団に入ったマークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシング) photo:Tim de Waeleカトヴィツェの周回コースを走るプロトンカトヴィツェの周回コースを走るプロトン photo:Tim de Waeleチームメイトに守られながら走るリーダージャージのマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)チームメイトに守られながら走るリーダージャージのマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・アルペシン) photo:Tim de Waele僅差のスプリント争いを制したマッテオ・ペルッキ(イタリア、IAMサイクリング)がステージ連勝僅差のスプリント争いを制したマッテオ・ペルッキ(イタリア、IAMサイクリング)がステージ連勝 photo:Tim de Waeleレース序盤から逃げたのは山岳賞ジャージのアドリアン・クレク(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)、カミル・グラデク(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)、マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシング)という前日も逃げた3名と、マテイ・モホリッチ(スロベニア、キャノンデール・ガーミン)、イアン・ボスウェル(アメリカ、チームスカイ)、マルチン・ビアロブロッキ(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)を加えた計6名。しかし、この日も逃げ集団はスプリンターチームの支配下に置かれ、タイム差は2分以内で推移した。

最初のカテゴリー山岳となる135km地点の3級山岳はクレクがトップで通過し山岳ポイントを加算し、リードを拡大。ブルグハートとグラデクがドロップし4名となり、メイン集団が迫る中、先頭集団からは残り23km地点でビアロブロッキがアタックし、独走を開始。アタック後すぐにボスウェルが、残り13km地点の2級山岳ではヤッシャ・ズタリン(ドイツ、モビスター)がジョインを試みるも、共に成功せず。

最終的にビアロブロッキは残り4.2kmで、オリカ・グリーンエッジが牽引するメイン集団に吸収される。それと同時に、スプリンターチームによる位置取り争いが活発になり、グリーンエッジに、ジャイアント・アルペシンとトレックファクトリーレーシングを加えた3本のトレインが集団前方に。

しかし、残り1km手前の登りでチェコナショナルチャンピオンジャージを着るペトル・ヴァコツ(チェコ、エティックス・クイックステップ)がアタックすると、各チームのスプリントトレインは崩壊。ジャコモ・ニッツオーロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)とアシスト1人を従えたトム・ファンアスブロック(ベルギー、ロットNLユンボ)を含む7名と、集団との間にギャップが生まれる。

このギャップを詰めたのは、ただ1チームだけ3人を揃えたIAMサイクリング。登り終わった後の緩やかな下りで先頭7名をパスすると、ビセンテ・レイネス(スペイン)、ロジェ・クルーゲ(ドイツ)の順でそのまま先頭に立ち、集団を加速させる。

クルーゲが先頭から下がり、先頭でスプリントを開始したのはニッツオーロ。左手からはファンアスブロックが迫るも、この2人のわずかな隙間から、一旦踏み直したペルッキが急加速。ニッツオーロとの若手イタリアンスプリンター同士による争いを制し、連勝を飾った。

「今、僕は夢の中にいるよう。ワールドツアーでステージ2勝できるなんてはとてもファンタスティックだ。」とはペルッキ。「今日のスプリントは組み立てが難しかったし、非常に高速だった。残り1.2kmからの登りでは数名のライダーが飛び出して、大きな差ができた。このギャップを詰めて、僕を集団前方へと導いてくれたレイネスとクルーゲには特に感謝したい」と26歳のイタリア人スプリンターはコメントしている。

総合はマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)が首位をキープし、ステージ2位のニッツオーロがボーナスタイム獲得で2位に浮上。ニッツオーロのアシストを務めた別府史之は先頭と同タイムの95位でフィニッシュしている。

選手コメントは大会公式ホームページより。



2日連続でステージ優勝を飾ったマッテオ・ペルッキ(イタリア、IAMサイクリング)2日連続でステージ優勝を飾ったマッテオ・ペルッキ(イタリア、IAMサイクリング) photo:Tim de Waele




ツール・ド・ポローニュ2015第3ステージ結果
1位 マッテオ・ペルッキ(イタリア、IAMサイクリング)             3h48’41”
2位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
3位 トム・ファンアスブロック(ベルギー、ロットNLユンボ)
4位 ロベルト・フィラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
5位 ニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、ランプレ・メリダ)
6位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)
7位 マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)
8位 パウエル・フランクザク(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)
9位 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、アスタナ)
10位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、IAMサイクリング)
95位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)

個人総合成績
1位 マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)          9h51’50”
2位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)       +06”
3位 カレイブ・イワン(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)          +10”
4位 マークス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシング)
5位 ニッコーロ・ボニファツィオ(イタリア、ランプレ・メリダ)           +12”
6位 トム・ファンアスブロック(ベルギー、ロットNLユンボ)              
7位 セバスティアン・テュルゴー(フランス、AG2Rラモンディアール)         +16”
8位 サルヴァトーレ・プッチオ(イタリア、チームスカイ)
9位 ロレンソ・マンジン(フランス、FDJ)
10位 ニキアス・アルント(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)

ポイント賞
マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)

山岳賞
アドリアン・クレク(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)

チーム総合成績
ロットNLユンボ

text:Yuya.Yamamoto
photo:Tim de Waele

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