2014/06/23(月) - 08:01
史上初の大会3連覇を目指して、世界チャンピオンがレース中盤にアタック。そのまま先頭グループに飛び乗り、タイミングを見極めて残り3kmで飛び出したルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)が独走でツール・ド・スイス第9ステージを制した。
「ウセーニュの奇岩」を通過するプロトン photo:Tim de Waele
ツール・ド・スイス2014第9ステージ image:www.tourdesuisse.chツール・ド・スイスの総合争いは、超級山岳ザース・フェーで決する。マルティニーの街を発ち、かつて氷河が削り取ったローヌ渓谷を東に向かい、3つのカテゴリー山岳を越えてザース・フェーに至る156.7km。フィニッシュ地点のザース・フェーは、地理的にはスイス最高峰(標高4609m)のモンテローザに近い。
アタックを仕掛けるマティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング) photo:Tim de Waele一日の獲得標高差は3600mで、9日間の中で最も難易度は高い。このクイーンステージでレースはスタート直後から慌ただしく動いた。
残り3kmを切ってアタックするルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ) photo:Tim de Waeleレース前半の1級山岳ヴェゾナと2級山岳サンマルタンでメイン集団からアタックが続発。総合で3分05秒遅れのスティーブ・モラビート(スイス、BMCレーシング)やオリバー・ツァウグ(スイス、ティンコフ・サクソ)、アンディ・シュレク(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)、ヨハン・チョップ(スイス、IAMサイクリング)を含む20名ほどの先頭グループが形成される。
懸命に追走するバウク・モレマ(オランダ、ベルキン) photo:Tim de Waeleモラビートの存在を警戒し、オメガファーマ・クイックステップ率いるメイン集団はタイム差を1分差に押さえ込む。しかし次なるライバルたちの一手にベルギーチームは反応出来なかった。
独走でフィニッシュにやってきたルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ) photo:Tim de Waeleレース後半の1級山岳アイショルで、オメガファーマ・クイックステップが最も逃がしてはいけない男たち、つまり総合3位ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)と総合4位マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)、そして総合5位バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)が揃ってアタック。先に逃げていたチームメイトたちの力を借りて、コスタらは先頭グループに合流した。
こうしてレースは総合3〜5位が先頭で逃げ、総合1位マルティンのオメガファーマ・クイックステップや総合2位ドゥムランのジャイアント・シマノが集団を率いて追撃する展開に。タイム差が2分を推移しながら最後の超級山岳ザース・フェーに突入した。
20kmかけて標高差1000m以上を駆け上がる超級山岳ザース・フェーで、IAMサイクリング勢が先頭グループをリード。マルティンとドゥムラン自身の懸命な追走によってタイム差は1分45秒まで縮まったが、先頭グループとメイン集団の距離がそれ以上近づくことはなかった。
メイン集団からロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)やエロス・カペッキ(イタリア、モビスター)、ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン)らがカウンターアタックを仕掛けたものの、いずれもマルティンがペースを刻んで捉える。その頃、先頭では再び総合3〜5位のトリオが動いた。
残り3kmを前にまずフランクが加速し、これにモレマとコスタが反応する。マルティンを含むメイン集団は2分以上後方であり、総合優勝の行方は先頭の3人に。するとここからアルカンシェルが飛び立った。
モレマとフランクの追走を振り切って、先頭を独走したディフェンディングチャンピオンのコスタ。逆転総合優勝を懸けたコスタがそのまま独走でフィニッシュした。
アルカンシェルを着るルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)が勝利 photo:Tim de Waele
最終日に総合首位の座を明け渡したトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Tim de Waeleアルカンシェルを着て、ステージ優勝と逆転総合優勝、そして大会3連覇を射止めたコスタ。劇的なフィナーレを演出した世界チャンピオンは「これ以上ないほど素晴らしい結果で一日を終えることが出来た」と喜びのコメントを残す。「ステージ優勝と総合優勝。本当にこれ以上のことを望めないと思うほど。ツール・ド・スイス3連覇は史上初めてであり、そんな偉業を成し遂げたことを誇りに思う。しかも今年は世界チャンピオンジャージを着ての勝利。そして今シーズン初勝利なんだ。色んな要素が絡み合って、今日という日が忘れられない日になりそう」。
ステージ2位のモレマが総合3位に。最終コーナーでバランスを崩しながらもステージ3位に入ったフランクが総合2位に入った。ドゥムランやクロイツィゲルとともに2分18秒差でフィニッシュし、リーダージャージを失いながらも総合4位でレースを終えたマルティンは「持てる力を尽くした。自分の走りには満足している。未来につながる1週間だったと思う」とコメントしている。
選手コメントはランプレ・メリダならびにオメガファーマ・クイックステップ公式サイトより。
ツール・ド・スイス2014第9ステージ結果
個人総合成績
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
山岳賞
ビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー)
チーム総合成績
ベルキン
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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こうしてレースは総合3〜5位が先頭で逃げ、総合1位マルティンのオメガファーマ・クイックステップや総合2位ドゥムランのジャイアント・シマノが集団を率いて追撃する展開に。タイム差が2分を推移しながら最後の超級山岳ザース・フェーに突入した。
20kmかけて標高差1000m以上を駆け上がる超級山岳ザース・フェーで、IAMサイクリング勢が先頭グループをリード。マルティンとドゥムラン自身の懸命な追走によってタイム差は1分45秒まで縮まったが、先頭グループとメイン集団の距離がそれ以上近づくことはなかった。
メイン集団からロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)やエロス・カペッキ(イタリア、モビスター)、ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン)らがカウンターアタックを仕掛けたものの、いずれもマルティンがペースを刻んで捉える。その頃、先頭では再び総合3〜5位のトリオが動いた。
残り3kmを前にまずフランクが加速し、これにモレマとコスタが反応する。マルティンを含むメイン集団は2分以上後方であり、総合優勝の行方は先頭の3人に。するとここからアルカンシェルが飛び立った。
モレマとフランクの追走を振り切って、先頭を独走したディフェンディングチャンピオンのコスタ。逆転総合優勝を懸けたコスタがそのまま独走でフィニッシュした。
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ステージ2位のモレマが総合3位に。最終コーナーでバランスを崩しながらもステージ3位に入ったフランクが総合2位に入った。ドゥムランやクロイツィゲルとともに2分18秒差でフィニッシュし、リーダージャージを失いながらも総合4位でレースを終えたマルティンは「持てる力を尽くした。自分の走りには満足している。未来につながる1週間だったと思う」とコメントしている。
選手コメントはランプレ・メリダならびにオメガファーマ・クイックステップ公式サイトより。
ツール・ド・スイス2014第9ステージ結果
1位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
2位 バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)
3位 マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)
4位 スティーブ・モラビート(スイス、BMCレーシング)
5位 オリバー・ツァウグ(スイス、ティンコフ・サクソ)
6位 アンドレ・カルドソ(ポルトガル、ガーミン・シャープ)
7位 ジェレミー・ロワ(フランス、FDJ.fr)
8位 マルセル・ウィス(スイス、IAMサイクリング)
9位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
10位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
15位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)
3位 マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)
4位 スティーブ・モラビート(スイス、BMCレーシング)
5位 オリバー・ツァウグ(スイス、ティンコフ・サクソ)
6位 アンドレ・カルドソ(ポルトガル、ガーミン・シャープ)
7位 ジェレミー・ロワ(フランス、FDJ.fr)
8位 マルセル・ウィス(スイス、IAMサイクリング)
9位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
10位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
15位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
4h13'14"
+14"
+24"
+47"
+1'28"
+1'41"
+1'48"
+2'18"
+14"
+24"
+47"
+1'28"
+1'41"
+1'48"
+2'18"
個人総合成績
1位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
2位 マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)
3位 バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)
4位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
6位 スティーブ・モラビート(スイス、BMCレーシング)
7位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール)
8位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
9位 ハニエル・アセベド(コロンビア、ガーミン・シャープ)
10位 エロス・カペッキ(イタリア、モビスター)
2位 マティアス・フランク(スイス、IAMサイクリング)
3位 バウク・モレマ(オランダ、ベルキン)
4位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 トム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・シマノ)
6位 スティーブ・モラビート(スイス、BMCレーシング)
7位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール)
8位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
9位 ハニエル・アセベド(コロンビア、ガーミン・シャープ)
10位 エロス・カペッキ(イタリア、モビスター)
33h08'35"
+33"
+50"
+1'13"
+2'04"
+2'47"
+3'00"
+3'03"
+3'20"
+3'46"
+33"
+50"
+1'13"
+2'04"
+2'47"
+3'00"
+3'03"
+3'20"
+3'46"
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
山岳賞
ビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー)
チーム総合成績
ベルキン
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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