前年度の血液データに不規則な値　ティエナンロックの懲戒手続き開始

12月17日、UCI（国際自転車競技連合）はプレスリリースを出し、スカイプロサイクリングに所属するジョナサン・ティエナンロック（イギリス）のバイオロジカルパスポートのデータに不規則な値が認められたとして、イギリス車連に懲戒手続きを要請したと発表した。

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メイン集団をコントロールするジョナサン・ティエナンロック（イギリス、スカイプロサイクリング） photo:Cor Vos

2012年UCIヨーロッパツアーのステージレースで4勝したジョナサン・ティエナンロック（イギリス、当時エンドゥーラレーシング） photo:Cor VosUCIコンチネンタルチームのエンドゥーラレーシングに所属していた2012年に、ツアー・オブ・ブリテン、ツール・メディテラネアン、ツール・アルザス、ツール・デュ・オヴァールで鮮烈な勝利を飾り、2013年に鳴り物入りでスカイプロサイクリングに移籍した28歳のジョナサン・ティエナンロック。ここ数年で急速に力を伸ばしたイングリッシュクライマーにドーピング疑惑が浮上している。

2013年にスカイプロサイクリングに移籍したジョナサン・ティエナンロック（イギリス） photo:Cor Vos2013年9月、ロード世界選手権直前のタイミングでティエナンロックの2012年度のバイオロジカルパスポート血液データに「不規則な値」が見つかったことが明らかになった。UCIコンチネンタルチーム所属選手にバイオロジカルパスポートのデータ管理は義務づけられていないが、UCIプロチームへの移籍を視野に入れた2012年シーズン中盤からティエナンロックの血液データが記録されていた。

ティエナンロックのヒアリングと専門家による分析の結果、UCIはアンチドーピング規約違反（禁止薬物摂取の疑い）であると判断した。UCIはティエナンロックに対する懲戒手続き開始をイギリス自転車競技連盟に要請。今後イギリス車連が審議を行ない、ティエナンロックに処分を下す。

UCIの発表を受けてスカイプロサイクリングは即時プレスリリースを出し、トレーニングキャンプを始めとする全てのチーム活動にティエナンロックが参加していないことを確認するとともに、問題となった違反がチームとの契約以前であることを強調している。ティエナンロックは身の潔白を主張するために争う構えだ。

text:Kei Tsuji