2013/10/15(火) - 17:34
高まるシクロクロス熱。関東にまたひとつCX大会が誕生した。 初開催の茨城シクロクロスが取手市の小貝川リバーサイドパークで開催され、230人の参加者を集めた。
この大会自体は初企画だが、かつて茨城では20年ほど前まで同名のシクロクロス大会が同じく茨城県自転車競技連盟の主催により開催されていたため、「復刻開催」とも言うことができる。初開催ながらAJOCC(日本シクロクロス競技主催者協会)の認定をうけ、関東シクロクロスシリーズの初戦にもなった。
大会を企画した「スポーツサイクル普及委員会」の中心人物は、サイクルショップ「オンザロードつくば店」に勤める影山善明さんだ。影山さんはかつての茨城シクロクロス時代に同大会でシクロクロスをはじめ、今は関東近辺のシクロクロス大会に参加しているホビーCXレーサー。ここ数年の関東でのCXブームに乗り、かつての茨城シクロクロスを再び蘇らせたいという思いで企画したのが出発点となった。
「茨城でもう一度シクロクロスの大会をやるには、今しかないと思って」と影山さん。コースについては「ここはかつて常設BMXコースだったんですが、過去5年ほどの間使われることがなく、草が生え放題で荒れていた状態だったんです。その草を刈り取り、ボランティアなど協力者の皆さんの力でコースを造成して開催にこぎつけました」。
関東サイクルスポーツ運営委員会のメンバーとして秩父サイクルフェスティバル内の「関東シクロクロス・秩父」を開催している須藤大輔さんが、影山さんとともに今回のコースを設計した。コース設計のコンセプトは「誰でも走れる、どこでも観れる」。2kmのコースはさながら迷路のように複雑に曲がりくねり、コンパクトに凝縮されている。脇には土手があり、そこに上ればコース全体が見渡せるため観戦にも具合がいい。
カテゴリーはAJOCCにならいカテゴリー3、2、1、L、マスターズ、小中学生等となる。ここで上位になれば規定どおりカテゴリー昇格も可能だ。プログラム上最後のレースに60分のチーム耐久も用意された。
参加人数は230人。レースは朝8時半の小中学生の部から順次スタートした。カテゴリー3は2クラスに分けられた。カテゴリー2とL1とマスターズが同時一斉スタートの混走となったため、走る選手にとっては現在順位が分かりにくいレースになった。
■C1はノーマークの重田兼吾(CUORE)が三上和志(3UP)を下す
最上級のC1には22人が出場。有力選手として池本真也(和光機器AUTHOR)、関西から松井正史(シマノドリンキング)らが参戦。結成されたばかりのスネルシクロクロスチームも顔を揃え、会場の話題となった。20度を越える暑さのため、レース途中のピットでの補給が許可された。
レースは早々に池本、三上和志(3UP)、重田兼吾(CUORE)の3人が抜け出してパックを形成する。3人はテール・トゥー・ノーズで周回を重ねるが、まず池本が暑さにやられて遅れる。以降からラスト2周まで三上と重田の一騎打ちとなる。
テクニックに勝る三上。しかし体力で勝る重田には余裕があった。重田は呼吸を荒らげることなくスピードを上げていき、三上を引き離してゴールした。
ノーマーク状態だった重田は18歳、順天堂大学の自転車競技部員だ。ロードレースでは登りを得意としている。シクロクロスは高校2年生の時にはじめた。
重田は言う。「三上さんはコーナーが上手かったので、最後まで一緒に行くとやられると思い平坦路でスパートを掛けました。大学に入ってから練習で揉まれて走れるようになった。重いギアを踏む練習をしていたことが、走りの重い芝の路面で有利になりました。
シクロクロスは楽しいので、今後もできるだけ大会に出れるように部活の監督に相談中です」。
41歳の三上はサイクルハウス3UPの店長。「テクニックで勝っていたけど若さに負けました(笑)」と笑う。
カテゴリー2では武田耕大(ARAI MURACA TEAM A)が優勝し、2位の根本了慈(Champion System Japan)とともにC1への昇格を果たした。L1は武田和佳(ARAI MURACA)が優勝。マスターズは東北CXプロジェクトのオルガナイザーでもある菅田純也が優勝。C3Aは織田聖(Mistral)が制し、C3Bではチャンピオンシステムジャパン社長のあべ木亮二がぶっちぎり優勝を飾った。
■継続開催に向け動く
茨城シクロクロスは今後も継続開催される予定だ。影山さんは言う。
「復刻版として開催出来たので、今後も第2回、3回と開催していきたい。6年後に茨城国体を控えているので、イベントを通して今から審判を育てるという動きにも同調できたことが幸いです。今後も茨城県競技連盟の定例イベントとして開催できるように動いています。規模は小さくても継続開催したいと思っています。今回、幸いにして好評だったようなので、今シーズンじゅうにもう1戦企画したいですね。できれば1月か2月に第2回めを開催したいですね」。
優勝した重田兼吾(Team CUORE)とバイク
茨城シクロクロス大会2013結果 (暫定)
【Category 3 (C3A+L2)】
1位 織田 聖(mistral)
2位 須崎 真也(ABOVE BIKE)
3位 山瀧 純一(山瀧軍団)
【Category L2 (C3A+L2)】
1位 松崎 亜妃(ARAI MURACA)
2位 鈴木 成美(MilePostRacing)
3位 高橋 織江(B.C.KOZO)
【Category 3 (C3B)】
1位 あべ木亮二(Champion System)
2位 金子 恵治(TEAM TAMAGAWA)
3位 江川 樹一郎(Team Dirty Wheels)
【Category 2 (C2+L1+M)】
1位 武田 耕大(ARAI MURACA TEAM A)
2位 根本 了慈(Champion System Japan)
3位 根本 学(cycleclub3UP)
【Category L1 (C2+L1+M)】
1位 武田 和佳(ARAI MURACA)
2位 森 美穂子(Team・Y)
3位 林口 幸恵(B.C.KOZO)
【Category Master (C2+L1+M)】
1位 菅田 純也(TOHOKU CX Project)
2位 高橋 冬樹(cycleclub 3UP)
3位 一柳 達也(U.G.Works Bio-Racer Cycling team)
【Category 1 (C1)】
1位 重田兼吾(Team CUORE)
2位 三上 和志(cycleclub3UP)
3位 池本 真也(和光機器-AUTHOR)
4位 向山 浩司(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
5位 山辺 誠司(チーム埼玉県人)
6位 秋山 悟郎(GRUPPO ACQUA TAMA)
7位 金井 仁(デラピスタ)
8位 牧野 崇(COGS)
9位 金子 楓(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
10位 佐復 真人(WildBoars加波一族)
photo&text:Makoto.AYANO
この大会自体は初企画だが、かつて茨城では20年ほど前まで同名のシクロクロス大会が同じく茨城県自転車競技連盟の主催により開催されていたため、「復刻開催」とも言うことができる。初開催ながらAJOCC(日本シクロクロス競技主催者協会)の認定をうけ、関東シクロクロスシリーズの初戦にもなった。
大会を企画した「スポーツサイクル普及委員会」の中心人物は、サイクルショップ「オンザロードつくば店」に勤める影山善明さんだ。影山さんはかつての茨城シクロクロス時代に同大会でシクロクロスをはじめ、今は関東近辺のシクロクロス大会に参加しているホビーCXレーサー。ここ数年の関東でのCXブームに乗り、かつての茨城シクロクロスを再び蘇らせたいという思いで企画したのが出発点となった。
「茨城でもう一度シクロクロスの大会をやるには、今しかないと思って」と影山さん。コースについては「ここはかつて常設BMXコースだったんですが、過去5年ほどの間使われることがなく、草が生え放題で荒れていた状態だったんです。その草を刈り取り、ボランティアなど協力者の皆さんの力でコースを造成して開催にこぎつけました」。
関東サイクルスポーツ運営委員会のメンバーとして秩父サイクルフェスティバル内の「関東シクロクロス・秩父」を開催している須藤大輔さんが、影山さんとともに今回のコースを設計した。コース設計のコンセプトは「誰でも走れる、どこでも観れる」。2kmのコースはさながら迷路のように複雑に曲がりくねり、コンパクトに凝縮されている。脇には土手があり、そこに上ればコース全体が見渡せるため観戦にも具合がいい。
カテゴリーはAJOCCにならいカテゴリー3、2、1、L、マスターズ、小中学生等となる。ここで上位になれば規定どおりカテゴリー昇格も可能だ。プログラム上最後のレースに60分のチーム耐久も用意された。
参加人数は230人。レースは朝8時半の小中学生の部から順次スタートした。カテゴリー3は2クラスに分けられた。カテゴリー2とL1とマスターズが同時一斉スタートの混走となったため、走る選手にとっては現在順位が分かりにくいレースになった。
■C1はノーマークの重田兼吾(CUORE)が三上和志(3UP)を下す
最上級のC1には22人が出場。有力選手として池本真也(和光機器AUTHOR)、関西から松井正史(シマノドリンキング)らが参戦。結成されたばかりのスネルシクロクロスチームも顔を揃え、会場の話題となった。20度を越える暑さのため、レース途中のピットでの補給が許可された。
レースは早々に池本、三上和志(3UP)、重田兼吾(CUORE)の3人が抜け出してパックを形成する。3人はテール・トゥー・ノーズで周回を重ねるが、まず池本が暑さにやられて遅れる。以降からラスト2周まで三上と重田の一騎打ちとなる。
テクニックに勝る三上。しかし体力で勝る重田には余裕があった。重田は呼吸を荒らげることなくスピードを上げていき、三上を引き離してゴールした。
ノーマーク状態だった重田は18歳、順天堂大学の自転車競技部員だ。ロードレースでは登りを得意としている。シクロクロスは高校2年生の時にはじめた。
重田は言う。「三上さんはコーナーが上手かったので、最後まで一緒に行くとやられると思い平坦路でスパートを掛けました。大学に入ってから練習で揉まれて走れるようになった。重いギアを踏む練習をしていたことが、走りの重い芝の路面で有利になりました。
シクロクロスは楽しいので、今後もできるだけ大会に出れるように部活の監督に相談中です」。
41歳の三上はサイクルハウス3UPの店長。「テクニックで勝っていたけど若さに負けました(笑)」と笑う。
カテゴリー2では武田耕大(ARAI MURACA TEAM A)が優勝し、2位の根本了慈(Champion System Japan)とともにC1への昇格を果たした。L1は武田和佳(ARAI MURACA)が優勝。マスターズは東北CXプロジェクトのオルガナイザーでもある菅田純也が優勝。C3Aは織田聖(Mistral)が制し、C3Bではチャンピオンシステムジャパン社長のあべ木亮二がぶっちぎり優勝を飾った。
■継続開催に向け動く
茨城シクロクロスは今後も継続開催される予定だ。影山さんは言う。
「復刻版として開催出来たので、今後も第2回、3回と開催していきたい。6年後に茨城国体を控えているので、イベントを通して今から審判を育てるという動きにも同調できたことが幸いです。今後も茨城県競技連盟の定例イベントとして開催できるように動いています。規模は小さくても継続開催したいと思っています。今回、幸いにして好評だったようなので、今シーズンじゅうにもう1戦企画したいですね。できれば1月か2月に第2回めを開催したいですね」。
優勝した重田兼吾(Team CUORE)とバイク
茨城シクロクロス大会2013結果 (暫定)
【Category 3 (C3A+L2)】
1位 織田 聖(mistral)
2位 須崎 真也(ABOVE BIKE)
3位 山瀧 純一(山瀧軍団)
【Category L2 (C3A+L2)】
1位 松崎 亜妃(ARAI MURACA)
2位 鈴木 成美(MilePostRacing)
3位 高橋 織江(B.C.KOZO)
【Category 3 (C3B)】
1位 あべ木亮二(Champion System)
2位 金子 恵治(TEAM TAMAGAWA)
3位 江川 樹一郎(Team Dirty Wheels)
【Category 2 (C2+L1+M)】
1位 武田 耕大(ARAI MURACA TEAM A)
2位 根本 了慈(Champion System Japan)
3位 根本 学(cycleclub3UP)
【Category L1 (C2+L1+M)】
1位 武田 和佳(ARAI MURACA)
2位 森 美穂子(Team・Y)
3位 林口 幸恵(B.C.KOZO)
【Category Master (C2+L1+M)】
1位 菅田 純也(TOHOKU CX Project)
2位 高橋 冬樹(cycleclub 3UP)
3位 一柳 達也(U.G.Works Bio-Racer Cycling team)
【Category 1 (C1)】
1位 重田兼吾(Team CUORE)
2位 三上 和志(cycleclub3UP)
3位 池本 真也(和光機器-AUTHOR)
4位 向山 浩司(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
5位 山辺 誠司(チーム埼玉県人)
6位 秋山 悟郎(GRUPPO ACQUA TAMA)
7位 金井 仁(デラピスタ)
8位 牧野 崇(COGS)
9位 金子 楓(SNEL CYCLOCROSS TEAM)
10位 佐復 真人(WildBoars加波一族)
photo&text:Makoto.AYANO