2013/09/29(日) - 06:32
昨年同様、ゴール手前の登りで強烈なアタック。最大勾配16%のサルヴィアーティでアタックを成功させたマリアンヌ・フォス(オランダ)が、追いすがるエマ・ヨハンソン(スウェーデン)とロッセッラ・ラット(イタリア)を振り切った。
女子ナンバーワンを決めるエリート女子ロードレースが、9月28日、モンテカティーニ・テルメ発フィレンツェ着の140.0kmで行なわれた。コースはジュニア男子と共通で、後半にかけてフィレンツェ周回コースを5周する。
レース前半は、イタリアやロシア、アメリカといった強豪国が先頭を固めながら、逃げを一つも許さずに進行する。フィエーゾレとサルヴィアーティの登りを含む周回コースで、141名の選手たちによるサバイバルレースが繰り広げられた。
単発的なアタックはどれも決まらず、3周目に開催国イタリアのペースアップによる攻撃がスタート。イタリアとオランダが作る強力なペースによって集団の人数は見る見るうちに減り、4周目に先頭グループは8名まで絞られる。
先頭グループを形成したのは、グデルツォとロンゴボルギーニとラット(イタリア)、フォスとファンデルブレッヘン(オランダ)、ヨハンソン(スウェーデン)、スティーヴンス(アメリカ)、クロムウェル(オーストラリア)という精鋭メンバー。
最終周回のフィエーゾレでここからセレクションがかかり、フォス、ファンデルブレッヘン、ヨハンソン、ラット、スティーヴンスの5名に。そして迎えたサルヴィアーティの登りで、満を持したフォスが強烈なアタックを仕掛けた。
急勾配の登りを突き進んだフォスは、ヨハンソンとラットを5秒引き離して頂上をクリア。
協力体制を築けない後続2人をよそに、ダウンヒルと平坦路で踏み続けたフォスが最終ストレートに差し掛かる。後続2人の牽制する姿を確認したフォスが、そのままフィニッシュラインまで独走した。
2年連続、3度目のアルカンシェル獲得。フォスはロードレース以外にもシクロクロスで5回、トラックレースで2回世界チャンピオンに輝いている。大会連覇についてフォスは「イタリア勢が積極的に攻撃を仕掛けたので、今年は昨年よりもずっと厳しいレースだった」とコメントする。
世界トップに君臨する女王はまだ26歳。今後もフォスの旋風は継続するだろう。「最終周回に入った時点で、フィエーゾレではなく、サルヴィアーティでアタックすると心に決めていた。アンナ(ファンデルブレッヘン)がいなかったらこの勝利は無かったと思う。この1年間レインボージャージで走ってみて、絶対にまた着たいと思っていた」。
日本から参戦した與那嶺恵理(チームフォルツァ!)と上野みなみ(鹿屋体育大学)は、それぞれ40位とDNF。2人ともフィレンツェ周回コースの1周目でメイン集団から遅れてしまった。上野は「(周回コースまで)上手く集団の中で走っていたつもりでしたが、身体は休まっていなかった。それが登りに影響してしまいました。ただでさえ登りが強くないので、ペースに着いていけなかった。力不足でした」と敗因を語る。
12分遅れでフィニッシュラインを切った與那嶺は「(優勝した)フォスの走りを目の前で見たかった!」と悔やむ。結果には満足していないが、初挑戦の世界選手権で得るものは多かった様子。「1周目の登りで集団が40人ぐらいに絞られて、そこに入れなかった。前から落ちてくる選手を縫いながら前に上がれませんでした。今回走らせていただいて色んなことが見えました。来年は今年よりももっと良い成績で走れるようにしたいです」。
世界選手権は残り1日。最終日の9月29日にはエリート男子ロードレースが開催される。28日の時点で、29日の降水確率は90%。雷を伴う降雨の予報が出ている。
ロード世界選手権2013エリート女子ロードレース結果
1位 マリアンヌ・フォス(オランダ) 3h44'00"
2位 エマ・ヨハンソン(スウェーデン) +15"
3位 ロッセッラ・ラット(イタリア)
4位 アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ) +33"
5位 イヴリン・スティーヴンス(アメリカ) +46"
6位 リンダ・ヴィルムセン(ニュージーランド) +50"
7位 タティアナ・グデルツォ(イタリア) +52"
8位 エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア)
9位 ティファニー・クロムウェル(オーストラリア) +1'40"
10位 タティアナ・アントシナ(ロシア)
40位 與那嶺恵理(チームフォルツァ!) +12'09"
DNF 上野みなみ(鹿屋体育大学)
text&photo:Kei Tsuji in Firenze, Italy
女子ナンバーワンを決めるエリート女子ロードレースが、9月28日、モンテカティーニ・テルメ発フィレンツェ着の140.0kmで行なわれた。コースはジュニア男子と共通で、後半にかけてフィレンツェ周回コースを5周する。
レース前半は、イタリアやロシア、アメリカといった強豪国が先頭を固めながら、逃げを一つも許さずに進行する。フィエーゾレとサルヴィアーティの登りを含む周回コースで、141名の選手たちによるサバイバルレースが繰り広げられた。
単発的なアタックはどれも決まらず、3周目に開催国イタリアのペースアップによる攻撃がスタート。イタリアとオランダが作る強力なペースによって集団の人数は見る見るうちに減り、4周目に先頭グループは8名まで絞られる。
先頭グループを形成したのは、グデルツォとロンゴボルギーニとラット(イタリア)、フォスとファンデルブレッヘン(オランダ)、ヨハンソン(スウェーデン)、スティーヴンス(アメリカ)、クロムウェル(オーストラリア)という精鋭メンバー。
最終周回のフィエーゾレでここからセレクションがかかり、フォス、ファンデルブレッヘン、ヨハンソン、ラット、スティーヴンスの5名に。そして迎えたサルヴィアーティの登りで、満を持したフォスが強烈なアタックを仕掛けた。
急勾配の登りを突き進んだフォスは、ヨハンソンとラットを5秒引き離して頂上をクリア。
協力体制を築けない後続2人をよそに、ダウンヒルと平坦路で踏み続けたフォスが最終ストレートに差し掛かる。後続2人の牽制する姿を確認したフォスが、そのままフィニッシュラインまで独走した。
2年連続、3度目のアルカンシェル獲得。フォスはロードレース以外にもシクロクロスで5回、トラックレースで2回世界チャンピオンに輝いている。大会連覇についてフォスは「イタリア勢が積極的に攻撃を仕掛けたので、今年は昨年よりもずっと厳しいレースだった」とコメントする。
世界トップに君臨する女王はまだ26歳。今後もフォスの旋風は継続するだろう。「最終周回に入った時点で、フィエーゾレではなく、サルヴィアーティでアタックすると心に決めていた。アンナ(ファンデルブレッヘン)がいなかったらこの勝利は無かったと思う。この1年間レインボージャージで走ってみて、絶対にまた着たいと思っていた」。
日本から参戦した與那嶺恵理(チームフォルツァ!)と上野みなみ(鹿屋体育大学)は、それぞれ40位とDNF。2人ともフィレンツェ周回コースの1周目でメイン集団から遅れてしまった。上野は「(周回コースまで)上手く集団の中で走っていたつもりでしたが、身体は休まっていなかった。それが登りに影響してしまいました。ただでさえ登りが強くないので、ペースに着いていけなかった。力不足でした」と敗因を語る。
12分遅れでフィニッシュラインを切った與那嶺は「(優勝した)フォスの走りを目の前で見たかった!」と悔やむ。結果には満足していないが、初挑戦の世界選手権で得るものは多かった様子。「1周目の登りで集団が40人ぐらいに絞られて、そこに入れなかった。前から落ちてくる選手を縫いながら前に上がれませんでした。今回走らせていただいて色んなことが見えました。来年は今年よりももっと良い成績で走れるようにしたいです」。
世界選手権は残り1日。最終日の9月29日にはエリート男子ロードレースが開催される。28日の時点で、29日の降水確率は90%。雷を伴う降雨の予報が出ている。
ロード世界選手権2013エリート女子ロードレース結果
1位 マリアンヌ・フォス(オランダ) 3h44'00"
2位 エマ・ヨハンソン(スウェーデン) +15"
3位 ロッセッラ・ラット(イタリア)
4位 アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ) +33"
5位 イヴリン・スティーヴンス(アメリカ) +46"
6位 リンダ・ヴィルムセン(ニュージーランド) +50"
7位 タティアナ・グデルツォ(イタリア) +52"
8位 エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア)
9位 ティファニー・クロムウェル(オーストラリア) +1'40"
10位 タティアナ・アントシナ(ロシア)
40位 與那嶺恵理(チームフォルツァ!) +12'09"
DNF 上野みなみ(鹿屋体育大学)
text&photo:Kei Tsuji in Firenze, Italy
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