2013/09/05(木) - 11:01
個人タイムトライアルの第11ステージを制したのは、ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・レオパード)。総合1位はヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)、複合賞はニコラス・ロッシュ(アイルランド、サクソ・ティンコフ)へ移行した。
ステージ優勝、敢闘賞のファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・レオパード)
トップタイムを叩きだしたファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・レオパード) photo:Unipublic/Graham Watson今日のコースプロファイルを最初に確認したときの第一印象は、クライマー向けの登りだということで、休息日明けの自分の状態も予想できていなかった。だから、あまり高望みはしていなかった。登りは約18kmで、かなりハードだった。ニーバリに勝てるかもわからなかった。
ステージ優勝と敢闘賞を獲得したファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・レオパード) photo:CorVos終盤になってやっとタイムトライアルらしくなって、自分なりのペースで走れたが、あとは戦略と脚の問題だった。レースのあいだは、自分自身のこと、とくに走りとペースに集中して、やるべきことを続けた。だから、単純に課題を終えただけだ。
優勝してトップに立つのはいつも気持ちが良い。だけど、今日は単なる勝ったというよりは、さまざまな要因があったのも大きい。今日は自分の調子が良かった。それから、今日のレース用に最適なタイヤをチョイスできたことなども大きい。
今の自分の第一目標は世界選手権だ。だけど、ブエルタに出場している理由は、ここでしっかり走ることだ。クリス・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)は非常に強いし、総合成績でニーバリに肉薄している。
ぼくたちは今回のブエルタに全力で挑んでいる。チームとしてステージ3勝になるし、上位3位以内にも2回は入っている。チームとして、これからなにを達成できるのかを日々見極めていきたたい。ブエルタはハードだ。だが、ブエルタは美しい。
総合1位、ステージ4位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
ステージ4位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Unipublic/Graham Watson(個人TTを終えた第一印象は?)風が強くて、とてもハードなタイムトライアルだった。ペースを維持するのが難しかったが、良いレースができたと思う。
マイヨロホに返り咲いたヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Unipublic/Graham Watsonあれ以上の結果は望めなかった。トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)やカンチェラーラのように58Tや56Tといった大きなギアを回せなかった。せいぜい55T×11Tが、今日の自分のベストだった。
(昨日の休息日のハプニングについて)ハチに刺されてしまった。ここまでずっと苦しかったが、コンディションは上がってきている。しっかり走れるようになったと思うので、これでブエルタを途中で去るつもりはない。今朝は目が大きく腫れ上がっていて、まだ痛みが残っているが、徐々に治ってきている。
アレルギーショックも起きてない。UCIからも許可を得て、一目で見て腫れ上がったとわかる目の治療にクスリを使った。ただ、MPCC[信頼できる自転車界を作るムーヴメント]が、この治療行為に同意してくれるかは確認していない。
(レースへの影響は?)自分のパフォーマンスにまったくの影響がなかったかはわからない。次第に調子が上がってきて、スタート後もしっかり走れた。
(マイヨロホは防衛できそう?)日々の自分の調子を確認していきたい。まだ重要な山岳ステージが控えている。タイムトライアルが終わってもメインとなるライバルたちは同じだ。
ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、それにホーナーもいる。可能性が高いのはロドリゲスとバルベルデだ。ロドリゲスは今日はかなり順位を落としたが、バルベルデはメカニック・トラブルさえなければ、かなりの成績だったと思う。
山岳賞、総合4位のクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)
マイヨロホを着てTTを走るクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード) photo:Unipublic/Graham Watsonうれしくはないが満足はしている。レースの序盤に、ハチが1匹、唇に止まった。とても邪魔だったし、怖ろしかった。追い払うこともできなかった。ハチを飲み込んでしまおうかとも思った。ときどき咳払いもしてみた。それから、着ていたスキンスーツにもトラブルがあった。とてもガッカリした!
今朝の段階では、脚の調子も良かったので、マイヨロホをキープできそうな幻想を抱いていた。だけど、前に予想した通り、ニーバリから1分半〜2分ほど遅れてしまった。でも、山岳ステージでアシストが誰もいないような状態なら、戦略と運次第で優勝できると信じている。マイヨロホをしっかり狙い撃ちできた経験もある。また取り返したい。
複合賞、総合2位、ステージ6位のニコラス・ロッシュ(アイルランド、サクソ・ティンコフ)
複合賞ジャージをキープし続けるニコラス・ロッシュ(アイルランド、サクソ・ティンコフ) photo:Unipublic/Graham Watsonすぐに山岳ステージが控えているから、今後の予想は不可能だ。だけど、マイヨロホを取りに行くことは念頭に置いていない。今日は登りでそれなりに頑張って、バルベルデにちょっとタイム差をつけた。
こうしてチーム・リーダーとして扱われるのが、今回のケースが初めての経験だ。(前年まで在籍した)アージェードゥーゼルのスタッフたちを責めるつもりはまったくない。彼らはベストを尽くしてくれていた。ただ、ビャルヌ・リースGMの経験に基づく恩恵は計り知れないほど素晴らしい。
ステージ2位のトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
ステージ2位のトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Unipublic/Graham Watsonカンチェラーラがこれほど素晴らしい走りをするなんて予想していなかった。各チェックポイントでの計測を分析したい。おそらく下りで差が開いたのだと思う。だけど、世界選手権のコースには下りがないから、世界戦に向けての自信が揺らぐことはない。今日は、真の意味でのタイムトライアルのスペシャリスト向けのステージではなかった。
とてもハードで、登りもきつく、風も強かった。クライマーや総合系の選手などにとっては良いコースだった。今日は誰にでもチャンスがあって、ぼくもそれを活かした。天気のコンディションが他の選手と同じであることを願いつつ、ゴールした。自分としては全力で走った。とくにゴール間際では追い風も利用した。だけど、限界まで追い込んでなかった区間もあったようだ。
ステージ3位、総合6位のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル)
ステージ3位のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル)は総合6位に浮上 photo:Unipublic/Graham Watson超満足だ!今朝、コースを確認したときに好みのコースであることがわかった。ただ、自分のような小柄な選手には風の強さが気になった。バイクに乗っているときは絶好調だと感じていた。山頂を通過した後で、良いタイムだと教えてもらったが、そのときのベストタイムだとは知らなかった。
うまくバイクをチョイスできたこともあって、登りで望み通りの力を発揮できたのだと思う。下り区間は風が多く、カンチェラーラのような走り方はできなかった。しかし、この結果は自分としては大満足だ。人生最良のタイムトライアルを走ったと思う。おかげで、今後のブエルタへの励みになった。この好調さを維持できれば、総合5位でブエルタを終えるのも夢じゃない。
ステージ5位のダリオ・カタルド(イタリア、スカイプロサイクリング)
ステージ5位のダリオ・カタルド(イタリア、スカイプロサイクリング) photo:Unipublic/Graham Watsonレース中の補給として、スキンスーツの腕の部分にジェル状の補給食を押し込めていたのだけど、スタート直後の石畳区間で落としてしまった。それで、少しハンガーノックに近い状態になった。カンチェラーラにすぐに捕まってしまった。登りでは自分のペースを維持して、下りでは跳ぶように走ろうと心がけた。好調さは感じていた。良い結果を出せたステージだと思う。
総合3位、ステージ7位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
総合3位、ステージ7位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Unipublic/Graham Watsonパンクの被害を考慮しても、今日のタイムトライアルはこれまででベストな走りができていた。実はスキンスーツがタイトで苦しくて、バイクに乗ったときのベストポジションを探しにくかった。思い通りのペースになるまで、かなりの労力が必要だった。だけど、我ながら上出来のタイムトライアルだった。ライバルたちにも差を付けることができて満足だ。良いレベルでのレースもできたし、総合成績でもようやく上位3位に入れて満足している。
ステージ8位のジェローム・コッペル(フランス、コフィディス)
ステージ8位のジェローム・コッペル(フランス、コフィディス) photo:Unipublic/Graham Watsonタイムトライアルで良い走りができることを望んでいた。山頂ではカンチェラーラから40秒遅れた。実は走ることが辛くなっていた。ツール・ド・フランスの最終週では、ダニエル・ナバーロ(スペイン)のためにハードな仕事をこなして、彼を総合10位に押し上げた。それ以来、自転車競技を再び楽しめている。今回はステージ優勝とそれ以外にも結果を出そうと思っている。2014年のシーズンの準備として、今シーズンを良い形で終えられるように頑張りたい。
総合8位、ステージ15位のティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)
結果には満足している。ステージの序盤ではうまく走れていたが、終盤で少しタイムを失ってしまった。でも、体重が軽いから仕方がない。まだ総合成績で良い位置にいて、トップ10争いに残れている。トップ10入りは、自分の最初からの目標だ。
※ソースはレース公式リリース、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI
ステージ優勝、敢闘賞のファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・レオパード)
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優勝してトップに立つのはいつも気持ちが良い。だけど、今日は単なる勝ったというよりは、さまざまな要因があったのも大きい。今日は自分の調子が良かった。それから、今日のレース用に最適なタイヤをチョイスできたことなども大きい。
今の自分の第一目標は世界選手権だ。だけど、ブエルタに出場している理由は、ここでしっかり走ることだ。クリス・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)は非常に強いし、総合成績でニーバリに肉薄している。
ぼくたちは今回のブエルタに全力で挑んでいる。チームとしてステージ3勝になるし、上位3位以内にも2回は入っている。チームとして、これからなにを達成できるのかを日々見極めていきたたい。ブエルタはハードだ。だが、ブエルタは美しい。
総合1位、ステージ4位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)
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(昨日の休息日のハプニングについて)ハチに刺されてしまった。ここまでずっと苦しかったが、コンディションは上がってきている。しっかり走れるようになったと思うので、これでブエルタを途中で去るつもりはない。今朝は目が大きく腫れ上がっていて、まだ痛みが残っているが、徐々に治ってきている。
アレルギーショックも起きてない。UCIからも許可を得て、一目で見て腫れ上がったとわかる目の治療にクスリを使った。ただ、MPCC[信頼できる自転車界を作るムーヴメント]が、この治療行為に同意してくれるかは確認していない。
(レースへの影響は?)自分のパフォーマンスにまったくの影響がなかったかはわからない。次第に調子が上がってきて、スタート後もしっかり走れた。
(マイヨロホは防衛できそう?)日々の自分の調子を確認していきたい。まだ重要な山岳ステージが控えている。タイムトライアルが終わってもメインとなるライバルたちは同じだ。
ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)、それにホーナーもいる。可能性が高いのはロドリゲスとバルベルデだ。ロドリゲスは今日はかなり順位を落としたが、バルベルデはメカニック・トラブルさえなければ、かなりの成績だったと思う。
山岳賞、総合4位のクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)
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今朝の段階では、脚の調子も良かったので、マイヨロホをキープできそうな幻想を抱いていた。だけど、前に予想した通り、ニーバリから1分半〜2分ほど遅れてしまった。でも、山岳ステージでアシストが誰もいないような状態なら、戦略と運次第で優勝できると信じている。マイヨロホをしっかり狙い撃ちできた経験もある。また取り返したい。
複合賞、総合2位、ステージ6位のニコラス・ロッシュ(アイルランド、サクソ・ティンコフ)
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ステージ2位のトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
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ステージ3位、総合6位のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル)
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ステージ5位のダリオ・カタルド(イタリア、スカイプロサイクリング)
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総合3位、ステージ7位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
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ステージ8位のジェローム・コッペル(フランス、コフィディス)
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総合8位、ステージ15位のティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)
結果には満足している。ステージの序盤ではうまく走れていたが、終盤で少しタイムを失ってしまった。でも、体重が軽いから仕方がない。まだ総合成績で良い位置にいて、トップ10争いに残れている。トップ10入りは、自分の最初からの目標だ。
※ソースはレース公式リリース、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI