2013/08/27(火) - 09:35
連載でお届けするプロバイクレポート。今回はツール第100回記念大会を走った最新鋭のTTバイクを特集する最終回。ロット・ベリソル、モビスター、レディオシャック・レオパード、ランプレ・メリダ、ヴァカンソレイユ・DCMのバイクを紹介する。
ロット・ベリソル < リドレー DEAN FAST >
ロット・ベリソルが使用するリドレー DEAN FAST photo:Makoto.AYANO
凹凸が少ない滑らかなフレーム形状 photo:Makoto.AYANO
面一となったステムとトップチューブ photo:Makoto.AYANO
リドレーは今ツールに合わせて新型TTバイク「DEAN FAST」を投入。面一となったステムとトップチューブやコンパクトなリアトライアングル、ブレーキの内装化などトレンドを網羅しつつも、旧型DEANと同様のヘッドチューブやロードモデルのNOAH FAST同様のF-Brakeなど、リドレーらしさが随所に見られる。
コンポーネントはカンパニョーロのレコードEPS。ケーブル類はすべて内装化され、クランクはSRMに換装される。ホイールもカンパニョーロでフロントにはBORA ULTRA 80、リアには11速のスプロケットに対応したBORA ULTRA TTを組み合わせる。
モビスター < ピナレロ GRAAL Carbon >
モビスターが使用するピナレロ GRAAL Carbon photo:Makoto.AYANO
長年ピナレロを使用するモビスターは、同じくピナレロを使用するチームスカイが新型BOLIDEを投入するのと同時にもう一つの新型SIBILOを投入する予定だったが、実際には旧型のGRAAL Carbonで今ツールを戦った。中には昨シーズン使用したフレームを使用している選手も見られた。おそらくは新型よりもポジションの馴染んだバイクで決戦を走りたいという意向からだろう。
昨シーズン使用したカラーのバイクの姿も photo:Makoto.AYANO
フロントブレーキのみTRPに換装されたバイクが多数 photo:Makoto.AYANO
ホイールに沿うようにして湾曲するシートチューブ photo:Makoto.AYANO
専用ハンドルではなく汎用的なハンドル/ステムを使用する photo:Makoto.AYANO
旧型フレームを使いながらも、メインコンポーネントは現行のカンパニョーロのレコードEPS。クランクはSRMに換装され、チェーンリングは恐らく10s時代のものが装着されていた。またフロントブレーキのみTRPに変更されたバイクが見られた。ホイールはフロントにBORA ULTRAもしくはULTRA80、リアにBORA ULTRA TTがアッセンブルされ、いずれもデカールがチームカラーに張り替えられていた。ハンドル周りは専用品ではなくFSA/ヴィジョンの汎用品を装着。
レディオシャック・レオパード < トレック Speed Concept >
アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・レオパード)のトレック Speed Concept photo:Makoto.AYANO
トレックはツール期間中に新型Speed Conceptを発表し、裏番組のツール・ド・オーストリアではファビアン・カンチェラーラ(スイス)がデビューウィンを飾ったものの、レディオシャックはツールでは引き続き旧型を使用した。コンポーネントはシマノサポートチームながら旧型の7970シマノデュラエースにSRMを組み合わせて使用。
KVF形状を多用したチューブ形状 photo:Makoto.AYANO
ボントレガーが製造する専用のハンドル周り photo:Makoto.AYANO
バッテリーはBBシェルの真下に設置される photo:Makoto.AYANO
「FIRST RIDE」と書かれたシュワルベのタイヤ photo:Makoto.AYANO
ホイールはフロントにボントレガーのアイオロス9、リアにロゴが消されたジップのディスクホイールをアッセンブル。ハンドルやステム、サドルはボントレガーで固められる。ボトルケージはトレックの名作「バッドケージ」でシートチューブに取り付けられたバイクが多くみられた。
ランプレ・メリダ < メリダ WARP TT >
アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・メリダ)のメリダ WARP TT photo:Makoto.AYANO
近年、意欲的にTTバイクの開発を進めるメリダは、ブランドとしては初のツールとなった今大会にWARP TTを供給。F1や戦闘機の設計にも用いられるCFD(Computational Fluid Dynamics)による解析と風洞実験を用いて設計が行われている。結果的に面一なステムとトップチューブやコンパクトなリアトライアングルなどのトレンドを取り入れつつ、ブレーキは一般的なキャリパータイプとして確実な制動と整備性を追求している。
前後共にブレーキケーブルの途中にアジャスターを設置する photo:Makoto.AYANO
写真を加工したユニークなステッカーが貼られる photo:Makoto.AYANO
リアにはダイレクトマウントのブレーキが装着される photo:Makoto.AYANO
フルクラムの新型ディスクホイール「レーシングスピードディスク」 photo:Makoto.AYANO
コンポーネントは9070系シマノデュラエースで、リアブレーキに新規格のダイレクトマウントタイプ使用する。ホイールはデカールがチームカラーのピンクに張り替えられたフルクラムでフロントは80mmハイトのレーシングスピードXLR 80、リアは新型のRACING SPEED DISCだ。ハンドル周りはヴィジョンの専用ハンドルと同じく専用のCNC削り出しステムを組み合わせる。
ヴァカンソレイユ・DCM < ビアンキ Pico Crono >
ヴァカンソレイユ・DCMが使用するビアンキ Pico Crono photo:Makoto.AYANO
チェレステカラーのファストフォワード フルカーボンディスク photo:Makoto.AYANO
ひときわ目を牽くゴールドのチェーンはKMC製 photo:Makoto.AYANO
ヴァカンソレイユが駆るのは直線的なデザインがオーソドックスなチェレステカラーのPico Crono。メインコンポーネントはバイクによって異なり、今年から使用するカンパニョーロのレコードEPSに加え昨年まで使用していた7900系シマノデュラエースが入り混じる。UCIプロツアーチームとしては少々不思議な状況だ。ホイールは前後共にチェレステカラーに彩られたファストフォワードでフロントには3スポークバトン、リアにはフルカーボンディスクがアッセンブルされる。
text:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANO
ロット・ベリソル < リドレー DEAN FAST >
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リドレーは今ツールに合わせて新型TTバイク「DEAN FAST」を投入。面一となったステムとトップチューブやコンパクトなリアトライアングル、ブレーキの内装化などトレンドを網羅しつつも、旧型DEANと同様のヘッドチューブやロードモデルのNOAH FAST同様のF-Brakeなど、リドレーらしさが随所に見られる。
コンポーネントはカンパニョーロのレコードEPS。ケーブル類はすべて内装化され、クランクはSRMに換装される。ホイールもカンパニョーロでフロントにはBORA ULTRA 80、リアには11速のスプロケットに対応したBORA ULTRA TTを組み合わせる。
モビスター < ピナレロ GRAAL Carbon >
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長年ピナレロを使用するモビスターは、同じくピナレロを使用するチームスカイが新型BOLIDEを投入するのと同時にもう一つの新型SIBILOを投入する予定だったが、実際には旧型のGRAAL Carbonで今ツールを戦った。中には昨シーズン使用したフレームを使用している選手も見られた。おそらくは新型よりもポジションの馴染んだバイクで決戦を走りたいという意向からだろう。
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レディオシャック・レオパード < トレック Speed Concept >
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ランプレ・メリダ < メリダ WARP TT >
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ヴァカンソレイユ・DCM < ビアンキ Pico Crono >
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ヴァカンソレイユが駆るのは直線的なデザインがオーソドックスなチェレステカラーのPico Crono。メインコンポーネントはバイクによって異なり、今年から使用するカンパニョーロのレコードEPSに加え昨年まで使用していた7900系シマノデュラエースが入り混じる。UCIプロツアーチームとしては少々不思議な状況だ。ホイールは前後共にチェレステカラーに彩られたファストフォワードでフロントには3スポークバトン、リアにはフルカーボンディスクがアッセンブルされる。
text:Yuya.Yamamoto
photo:Makoto.AYANO
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APIS(アピス) レーシングキャップ VACANSOLEIL DCM
APIS(アピス)