2012/03/07(水) - 17:03
グランツール。選手の誰もが憧れる最高の舞台。だが、この舞台を目指しているのは決して選手だけではない、選手を支えるチームのスタッフも同じこと。
大西氏はこの頂点を目指してメカニックの世界に飛び込んだ。
今回は、彼とタイヤとの関わりを通じてメカニックの世界を垣間見てみよう。
「パナレーサータイヤとの出会い」高校生時代に僕が初めて乗ったロードレーサーは、25年モノの頂き物でした。その自転車の保管状態は悪くなかったものの、とてもそのまま乗れる状態ではありませんでした。
大西氏はこの頂点を目指してメカニックの世界に飛び込んだ。
今回は、彼とタイヤとの関わりを通じてメカニックの世界を垣間見てみよう。
「パナレーサータイヤとの出会い」高校生時代に僕が初めて乗ったロードレーサーは、25年モノの頂き物でした。その自転車の保管状態は悪くなかったものの、とてもそのまま乗れる状態ではありませんでした。
まず始めに走り出すために必要だったのはタイヤ。しかもチューブラータイヤを張り付けなくてはいけませんでした。当時高校一年生だった自分は当然お金もなかったので、作業できる事は自分でやらないといけないですし、タイヤ自体に掛けられるお金も少なかったのを覚えています。
その時がパナレーサーのタイヤとの出会いになった時でした。メンテナンス本を片手に、練習用のチューブラータイヤを初めてのリムセメントに苦戦しながらはめた時のことを今でも覚えています。
「はたしてこれでちゃんと接着できているのだろうか」「センターはどれくらいしっかり出せばいいのか」。すべては自分で乗ってみるしかありませんでした。ただ、その自転車の作業をしているときは楽しくて、毎日夜遅くまで時間を忘れて作業をしていました。
チューブラータイヤを開いてパンク修理をしたこともあります。普通の縫い針でタイヤの裏側を縫ったので、とても大変な思いをしました。結局そのタイヤを後で使った時にはパンクしていました、おそらく縫い針でパンクさせてしまったのだと思います。
その時のチューブラータイヤはパナレーサーの「practice」。僕にとっては自転車の構造を学ぶpractice(練習)でした。今でもラインナップに載っていて嬉しく思います。
「ショップ店員としてのパナレーサー」自分が4年間働かせて頂いたショップ「なるしまフレンド」は、商品在庫量も多く、商品が次から次へ流れていくとても忙しいお店でした。タイヤに関しても国内に流通しているほぼ全てのメーカー、ほとんどのモデルを在庫していました。これは道具としてのタイヤの良し悪しを見極める“眼”を養うことができたきっかけだと思っています。
とにかくたくさんの商品に触れることが出来る最高の環境だったと思います。同時に、実業団に登録し、選手として実際にレースで使用して学べたことが、とても自分の経験になったと感じます。
当時のパナレーサータイヤは、メインにバリアントやエクストリームというモデル展開でした。
海外メーカーは値段などのグレードによってモデルを分けている中、明確な目的別に分けられたモデル展開はとてもわかりやすく、お客さんにだけでなく新米店員だった自分にもとても良い印象でした。
もちろんモノには長所が有れば短所があります。当時使っていた練習グレードのクリンチャータイヤは、価格もリーズナブルでグリップも良く、走行感も良いと、気に入って何度も使っていたのですが、タイヤサイドにひびの様なものができるタイヤでした。もちろん構造的にも安全性にも全く問題無かったのですが、精神衛生に少し良くなかったのを覚えています。
しかし、その練習用タイヤのモデルチェンジ後はひびが出なくなり、パナレーサーのタイヤは日々進化していると思いました。その後そのモデルはカラーラインナップを増やし、広く万人に使ってもらえる高バランスタイヤになりました。パナレーサーの担当の方もその点をよく把握していて、目に見えない改良をすぐにするなど、さすがmade in JAPANの品質だなと思いました。
色々なタイヤを使って自分のタイヤに対する考えが出来あがってきたなか、注目したのはそれぞれのタイヤメーカーの国籍です。
ヨーロッパのタイヤメーカーは、各国ごとで大きく特徴が分かれると思いました。もちろんその国の道を選手が走ってテストし、そのデーターをフィードバックしているのだから当たり前と言えば当たり前です。石畳が多い国、上り坂が多い国、道にタールが染み出ている国など、道路状況は国ごとに特徴があります。
その中でもパナレーサーは海外で活躍するチームにスポンサー供給するなどして、トータルで常に進化している印象を持っていました。どんな路面にも対応できるタイヤを日々目指していると感じます。
「ヨーロッパでレースメカニックになって」2年目に入った今年のシーズンインは2月初旬で、今年はイタリアも大寒波に見舞われ、雪の中の移動を体験しました。スタッドレスタイヤではない車両を運転する事になり、いざ車を動かしてみると、上り坂を全く登ってくれず、道で立ち往生してしまいました。
雪国に住んでいる人からすれば大した事は無いのかもしれませんが、イタリアの田舎の山の上の上り坂で雪の中立ち往生している自分の状況を考えると困り果てていました。滑るなどの不可抗力だとしても、チームの車には傷を付けるわけにはいかない。うかつに動かしてぶつけるわけにもいかず、その場はチームの人間に応援に来てもらい、何とかチェーンを巻いて出発して、シーズン開幕戦の会場に無事移動することが出来ました。
ロードレーサーのタイヤは細く、車輪は2つ。タイヤの及ぼす影響が大きいのでシビアに感じることが出来ますが、車でもタイヤの影響がここまで大きいとは知らなかったのですが、雪のおかげでとてもよく理解出来ました。
道路を走る乗り物の路面とのコンタクトはすべてタイヤです。乗り物の持っているポテンシャルを活かすも殺すもタイヤの影響を考慮せずには語れないと、身を持って体感しました。
タイヤの元々のポテンシャルとそれを活かすセッティングについても、レースメカという、常に移動を伴い、違う環境の中作業をする中で、色々と工夫が必要で有ることも日々学んでいます。
シーズン序盤は新しい機材が到着し、その機材の準備に日々追われています。その中でも大量にあるホイール周りの準備は重要かつスピードが要求されます。
何十セットもあるホイールに1本1本タイヤを取り付けていくので、作業の無駄を極力排徐しながら作業を進めていかないと時間的にも間に合わないですし、何より自分の体力が持ちません。準備の後にはレースシーズンが待っているのです。
大寒波のなか準備をしていて感じたのは、気温の低さによるゴムへの影響です。つまり固いのでタイヤを張るのがとても大変なのです。これはショップ店員時代に気付かなかったのですが、外での作業をするようになり気付きました。
先輩の西メカニックには「より良い作業状況を手に入れる事もメカニックの力量のうちだ」と言われ、アドバイスを頂きました。
エアコンの無い倉庫のなかで温かい空間を作るには、自分たちが乗ってきたクルマのエアコンを使うのです。タイヤを貼れる状態にまで温めつつ、作業している自分の手やタイヤが柔らかくなることで、腕の力を温存できる最高の環境になるわけです。
自分の体力を温存する事もとても大切で、遠征中に体調を崩すわけにはいかないですし、事故やミスをするわけにもいきません。
そんななかでも、パナレーサーを使っているチームNIPPOは、レース中にパンクで呼ばれることが非常に少ない印象です。日々の洗車や点検作業の時間をタイヤ交換に充てることが少なくなるので、体力的にも楽になります。
自分がヨーロッパのレースメカニックになって初めて担当するタイヤがパナレーサーで良かったと思いました。
冬の間、シクロクロスの遠征に帯同している西メカニックの経験を分けてもらい、寒い中でもより良い状態のタイヤを用意できる様になりました。
それでも「クリンチャータイヤ世代」の自分にとって、大量のチューブラータイヤを一定の高いクオリティーでスピーディーに貼ることは、まだまだ修行が必要です。
「メカニックについて」メカニックは選手と違ってたくさんの収入や名声を手に入れる事はできませんが、長く続けられる仕事だと思っています。若いうちは機動力を武器に、ベテランになれば経験を武器に働けます。
ヨーロッパじゅう、世界じゅうを転々とする仕事ですが、色々な事を見たり食べたり。とても充実した生活だと思います。
自分の目標はトップカテゴリーのチームでツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアをまわること。選手だけがそこを目指すわけではないと思います。ロードレースにおいてそこは「頂点」なのですから。
プロフィール
とにかくたくさんの商品に触れることが出来る最高の環境だったと思います。同時に、実業団に登録し、選手として実際にレースで使用して学べたことが、とても自分の経験になったと感じます。
当時のパナレーサータイヤは、メインにバリアントやエクストリームというモデル展開でした。
海外メーカーは値段などのグレードによってモデルを分けている中、明確な目的別に分けられたモデル展開はとてもわかりやすく、お客さんにだけでなく新米店員だった自分にもとても良い印象でした。
もちろんモノには長所が有れば短所があります。当時使っていた練習グレードのクリンチャータイヤは、価格もリーズナブルでグリップも良く、走行感も良いと、気に入って何度も使っていたのですが、タイヤサイドにひびの様なものができるタイヤでした。もちろん構造的にも安全性にも全く問題無かったのですが、精神衛生に少し良くなかったのを覚えています。
しかし、その練習用タイヤのモデルチェンジ後はひびが出なくなり、パナレーサーのタイヤは日々進化していると思いました。その後そのモデルはカラーラインナップを増やし、広く万人に使ってもらえる高バランスタイヤになりました。パナレーサーの担当の方もその点をよく把握していて、目に見えない改良をすぐにするなど、さすがmade in JAPANの品質だなと思いました。
色々なタイヤを使って自分のタイヤに対する考えが出来あがってきたなか、注目したのはそれぞれのタイヤメーカーの国籍です。
ヨーロッパのタイヤメーカーは、各国ごとで大きく特徴が分かれると思いました。もちろんその国の道を選手が走ってテストし、そのデーターをフィードバックしているのだから当たり前と言えば当たり前です。石畳が多い国、上り坂が多い国、道にタールが染み出ている国など、道路状況は国ごとに特徴があります。
その中でもパナレーサーは海外で活躍するチームにスポンサー供給するなどして、トータルで常に進化している印象を持っていました。どんな路面にも対応できるタイヤを日々目指していると感じます。
「ヨーロッパでレースメカニックになって」2年目に入った今年のシーズンインは2月初旬で、今年はイタリアも大寒波に見舞われ、雪の中の移動を体験しました。スタッドレスタイヤではない車両を運転する事になり、いざ車を動かしてみると、上り坂を全く登ってくれず、道で立ち往生してしまいました。
雪国に住んでいる人からすれば大した事は無いのかもしれませんが、イタリアの田舎の山の上の上り坂で雪の中立ち往生している自分の状況を考えると困り果てていました。滑るなどの不可抗力だとしても、チームの車には傷を付けるわけにはいかない。うかつに動かしてぶつけるわけにもいかず、その場はチームの人間に応援に来てもらい、何とかチェーンを巻いて出発して、シーズン開幕戦の会場に無事移動することが出来ました。
ロードレーサーのタイヤは細く、車輪は2つ。タイヤの及ぼす影響が大きいのでシビアに感じることが出来ますが、車でもタイヤの影響がここまで大きいとは知らなかったのですが、雪のおかげでとてもよく理解出来ました。
道路を走る乗り物の路面とのコンタクトはすべてタイヤです。乗り物の持っているポテンシャルを活かすも殺すもタイヤの影響を考慮せずには語れないと、身を持って体感しました。
タイヤの元々のポテンシャルとそれを活かすセッティングについても、レースメカという、常に移動を伴い、違う環境の中作業をする中で、色々と工夫が必要で有ることも日々学んでいます。
シーズン序盤は新しい機材が到着し、その機材の準備に日々追われています。その中でも大量にあるホイール周りの準備は重要かつスピードが要求されます。
何十セットもあるホイールに1本1本タイヤを取り付けていくので、作業の無駄を極力排徐しながら作業を進めていかないと時間的にも間に合わないですし、何より自分の体力が持ちません。準備の後にはレースシーズンが待っているのです。
大寒波のなか準備をしていて感じたのは、気温の低さによるゴムへの影響です。つまり固いのでタイヤを張るのがとても大変なのです。これはショップ店員時代に気付かなかったのですが、外での作業をするようになり気付きました。
先輩の西メカニックには「より良い作業状況を手に入れる事もメカニックの力量のうちだ」と言われ、アドバイスを頂きました。
エアコンの無い倉庫のなかで温かい空間を作るには、自分たちが乗ってきたクルマのエアコンを使うのです。タイヤを貼れる状態にまで温めつつ、作業している自分の手やタイヤが柔らかくなることで、腕の力を温存できる最高の環境になるわけです。
自分の体力を温存する事もとても大切で、遠征中に体調を崩すわけにはいかないですし、事故やミスをするわけにもいきません。
そんななかでも、パナレーサーを使っているチームNIPPOは、レース中にパンクで呼ばれることが非常に少ない印象です。日々の洗車や点検作業の時間をタイヤ交換に充てることが少なくなるので、体力的にも楽になります。
自分がヨーロッパのレースメカニックになって初めて担当するタイヤがパナレーサーで良かったと思いました。
冬の間、シクロクロスの遠征に帯同している西メカニックの経験を分けてもらい、寒い中でもより良い状態のタイヤを用意できる様になりました。
それでも「クリンチャータイヤ世代」の自分にとって、大量のチューブラータイヤを一定の高いクオリティーでスピーディーに貼ることは、まだまだ修行が必要です。
「メカニックについて」メカニックは選手と違ってたくさんの収入や名声を手に入れる事はできませんが、長く続けられる仕事だと思っています。若いうちは機動力を武器に、ベテランになれば経験を武器に働けます。
ヨーロッパじゅう、世界じゅうを転々とする仕事ですが、色々な事を見たり食べたり。とても充実した生活だと思います。
自分の目標はトップカテゴリーのチームでツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアをまわること。選手だけがそこを目指すわけではないと思います。ロードレースにおいてそこは「頂点」なのですから。
プロフィール
ヨーロッパじゅう、世界じゅうを転々とする仕事ですが、色々な事を見たり食べたり。とても充実した生活だと思います。
自分の目標はトップカテゴリーのチームでツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアをまわること。選手だけがそこを目指すわけではないと思います。ロードレースにおいてそこは「頂点」なのですから。
プロフィール
ソール・ソジャサン ニュース |
トロフェオ・デイア2012(UCI 1.1) |
8位 ジェレミー・ギャラン選手(ソール・ソジャサン) 関連ニュース:チームスカイのノルダーグが山岳コースで独走勝利を飾る |
ブエルタ・ア・アンダルシア2012(UCI 2.1) |
プロローグ 3位 ジェローム・コッペル選手(ソール・ソジャサン) 関連ニュース:プロジェクト1t4iのグレッチュが優勝 土井雪広は95位スタート 第2ステージ 10位 ジェローム・コッペル選手(ソール・ソジャサン) 関連ニュース:大会制覇に大きく前進 頂上ゴールを制したバルベルデが総合リーダーに 第3ステージ 7位 ステファヌ・プーリース選手(ソール・ソジャサン) 関連ニュース:登りで縮小した集団によるスプリント フレイレが今季2勝目をマーク 個人総合3位 ジェローム・コッペル選手(ソール・ソジャサン) 関連ニュース:モレーノが最終頂上ゴール制覇 バルベルデが総合優勝に輝く |
パリ〜ニース2012(UCI ワールドツアー) |
第1ステージ 10位 ジェローム・コッペル選手(ソール・ソジャサン) 関連ニュース:ラーションが初日の個人TT制覇 ウィギンズやマルティンは雨に沈む |
Panaracerサポート選手の注目リザルト |
GPコスタ・デッリ・エトルスキ2012(UCI 1.1) |
5位 マキシミリアーノ・リケーゼ選手(チームNIPPO) 関連ニュース:ヴィヴィアーニがイタリア開幕戦連覇 中根、小森、内間、榊原のコメント |
ジロ・ディ・レッジョカラブリア2012(UCI 2.1) |
第2ステージ 3位 マキシミリアーノ・リケーゼ選手(チームNIPPO) 関連ニュース:スプリント2連勝のヴィヴィアーニが完全優勝 NIPPOの中根英登が逃げる |
アジア自転車競技選手権2012 |
ロード個人タイムトライアル 女子エリート 2位 上野みなみ選手(鹿屋体育大学) 関連ニュース:ロード個人タイムトライアルで上野みなみと西村大輝がともに2位に ロード個人タイムトライアル 男子U23 2位 山本元喜選手(鹿屋体育大学) 関連ニュース:個人TT U23で山本元喜が2位 西谷泰治は7位に終わる |
明治神宮外苑大学クリテリウム2012 |
グループ1優勝 黒枝士揮選手(鹿屋体育大学) 女子優勝 塚越さくら選手(鹿屋体育大学) 関連ニュース:鹿屋体育大の黒枝士揮・塚越さくらが制した都心のクリテ |
トライアスロン ITUコンチネンタルカップ・クラモント大会 |
7位 細田雄一選手(グリーンタワー・稲毛インター) |
東京マラソン2012 |
車イスマラソン 女子優勝(5連覇) 土田和歌子選手(サノフィ・アベンティス) |
アドベンチャーレース 第10回パタゴニアエクスペディションレース |
準優勝 チーム・イーストウインド |
提供:パナソニック ポリテクノロジー株式会社