2011/11/01(火) - 11:40
RCS6シリーズの下に位置するモデルが「RA6」シリーズであり、この「RA6エキップ」(以下RA6)は、メインコンポにシマノ・105を搭載した上位機種となる。カーボンバックを搭載せずにオールアルミのフレームとすることで、その価格は完成車のRCS6エキップに比べて1万5000円、フレームでは2万円抑えられている。
アンカー RA6 Equipe
入門者にとって初期投資の金額は悩ましい問題の筆頭。スポーツバイクを始めるにはバイク以外の用品の購入も考えなければならず、となると一見すると小さく思えるRCS6との1万5000円の価格差は、そうともいえない。この価格があればヘルメットやシューズいずれかを購入できるので、RCS6の下にRA6を据えているのはビギナーに配慮した良心的なラインナップ構成といえるだろう。
こうして入門モデルに細かなラインナップを揃えるあたりも、アンカーが学生や入門者に人気の高い秘訣の1つだ。
さて、このRA6だが、カーボンバックの部分以外は基本的にRCS6のフレーム形状を踏襲している。ハイドロフォーミングを駆使して作られる6061アルミチューブは、角形、三角、縦横扁平などエッジを立てた形状が多く、素材が本来持つ軽量性を最大限に損なうことなく必要な剛性を追求する。
特にダウンチューブはヘッドチューブ側を四角、BB側は菱形という非常に凝った形状だ。走りの要となるダウンチューブ~BB~シートチューブ、いわゆるボトムラインを高剛性にして脚力を逃がさない強固なものにするのは、上級モデルであるRMZ、RHM9RSの直系のレーシングコンセプトだ。
アルミフレームのウイークポイントである乗り心地については、路面からの入力に対して積極的にシートステーがしなるよう縦横に扁平加工を施したシートステーによって、この素材にして最大の振動吸収性が追求されている。
トップチューブは左右の頂点を横方向に広げて、路面からの突き上げに対しチューブが積極的に振動を拡散させる。フレームのアッパー部にしなやかさを持たせて乗り心地を高める
ダウンチューブは角型の断面に整形されたヘッド部から、BBに向かって徐々に菱形断面に形状を変える。横方向に広げた形状とすることでBB部分のウイップが抑制される
これまでのアンカーのアルミフレームには見られなかった角断面に整形されたダウンチューブが斬新だ。ヘッドからBBにかけての強固な剛性を作り出す源になる
フォーククラウンからブレードに至るまでボリューム感にあふれるフロントフォーク。モノコック構造のフルカーボンになったことで、スタビリティ、振動吸収性共に向上している
RCS6同様ハイドロフォーミングで仕上げられ、外観のアクセントになるエアロフィンを思わせるシートチューブの突起。シートポストは31.6㎜径のタイプをセットする
そして、ヘッドチューブはロワーベアリングのベアリングを1-1/4インチにボリュームアップしたテーパードタイプ。コラムからブレードに至るまでワンピースモノコックで製造されるフロントフォークは、従来モデルに比べて270gという大幅な軽量化を達成。フロント周りの剛性アップと共に、軽量化によって俊敏なステアリングフィールの向上にも貢献している。
また、振動吸収性についても、先代モデルのアルミ製のコラム&クラウンタイプに比べて大幅に向上したのも大きな進化といえるだろう。
ロワーベアリングに1-1/4インチ径を採用しつつも、すっきりとしたフォルムにまとめられたテーパードヘッドチューブ。フロントフォークとの一体感もすばらしい
アルミ製のシートステーは直線的にリヤエンドに結ばれる。チューブ自体を縦横に扁平加工させることで振動吸収性を図り、ストレート形状によって加速性を高める狙いがある
オーソドックスな2本タイプのシートステーはねじれ剛性も高く、加速性能をスポイルしない。シートチューブに対する溶接位置を下げて路面からの突き上げを緩和する
ヘッド側を菱形断面に整形したトップチューブは、シート側に向かい徐々に形状が変化する。シートチューブの接合部分ではT字断面になり、振動吸収性向上が期待できる
オーソドックスな楕円断面のチェーンステー。タイヤとのクリアランスはしっかりと確保されているので、やや太めのタイヤを装備して乗り心地を高めることもできる
エントリークラスのモデルでは軽さと剛性のバランスもさることながら、入門者が起こしがちな転倒などのアクシデントに備えるための堅牢性をしっかり確保することも重要な要素だ。RA6のフレーム単体で1590g(490㎜サイズ)という重量は、過度な軽量化を追求せず十分な耐久性を持つチューブ肉厚を備えた上のスペックといえる。耐久性のバランスをしっかりととっているのも、世界一過酷な耐久試験を行うメーカーとして知られるブリヂストンサイクルならではであり、ユーザーは安心して乗り続けることができるだろう。
ジオメトリーをはじめ上位機種のレーシングコンセプトを受け継ぐRA6は、入門者にとって必要な価格とスペックのバランスを十分に吟味して設計された1台といっていい。数あるエントリークラスのレーシングバイクの中でも、そのバランス感はひときわ輝いている。
アンカー RA6 Equipe
「レースバイクとして通用する踏み出しの軽さと、振りの軽さ」
CW:RCS6エキップとはシートステーのカーボンバックが異なるだけでパーツ構成も含めて同じRA6ですが、これはどのような印象を受けましたか。
浅野:RCS6同様、RA6もこのクラスのモデルとしては非常に高い完成度を持っていると感じました。この価格とこの性能でロードバイクを始められるのはいいですね。
佐野:RCS6とRA6に乗るとアルミフレームもしっかり進化していることを実感できます。共にレースにも使えるレベルの性能が備わっているので、これからレースを始めたいような人には安心しておすすめできる1台です。
CW:レースで使える、使えないという部分はどんなところで分れてきますか?
佐野:やっぱり反応性の速さですね。アルミモデルというとカーボンフレームと比べると重量がかさんでしまうので、どうしても踏み出しの軽さとか、かかりの良さという部分でもたつき感がでるようなイメージもあります。RA6はそうした部分が少ないですね。アルミフレームらしいしっかりした剛性感もあり、踏めばしっかり進んでくれます。
浅野:確かにRA6に比べてRCS6は走りの軽さはあると思います。しかしRA6のレベルで不満があるかというと全くそうではありません。レースバイクとして通用する踏み出しの軽さ、バイクを振った時の軽さを持っています。
レースにも使えるレベルの性能が備わっており、安心しておすすめできる1台(浅野)
「アルミらしい剛性感、乗り心地もアルミとしてはとても高い」
CW:シートステーがアルミ製というのは、乗り心地において大きな差に現れますか?
浅野:RA6の方が少し路面から突きあげられる感覚はあります。しかしそれで下りが安定しないとか、体に大きなストレスがくるというレベルではないです。フルアルミのデメリットはないですし、そのレベルはアルミとしては高いので満足できます。
佐野:僕は正直なところ、両者で乗り心地の差はほとんど感じることはありませんでした。フルアルミのバイクとして考えれば振動吸収性のレベルはとても高いのでないでしょうか。それよりも乗ったときの軽さがカーボンバックの方がありますね。
CW:RCS6もフォークがフルカーボンになっていますが振動吸収性はどうですか?
佐野:ボリューム感がアップしているので若干突き上げ自体はあるものの、しかしこれがアルミコラムだったら過労の原因になってしまいます。そういう意味では十分効果的です。突き上げ感自体はとくにウイークポイントになるようなことはないでしょう。乗り心地もそうですが、軽量化と剛性アップによる反応性の向上は大きなメリットだと思います。
CW:ハンドリングの扱いやすさはどうでしょうか。
浅野:RCS6と共通して、とても下りが走りやすかったですね。ハンドリングは自然な感覚でとても扱いやすいです。下りでの安定性もいいですし、高速コーナーからタイトターンまで自分の思った通りのラインで攻められる。癖のないRHM9のハンドリングをそのままに素材を置き換えただけですね。ビギナーの場合ロードバイクそのものの走りに不安定さがあるので怖さを感じると思います。ハンドリングをはじめちょっと癖のある走行特性のバイクだと恐怖感が増してしまうので、RA6とRCA6のような素直なハンドリングのバイクは無理なく乗れてとてもいいですね。
佐野:癖のない乗り味というのはアンカー独特なので誰にでも勧められるのですが、それに加えてアンカーの最新のモデルはこのアルミもカーボン、以前に比べて劇的に反応性がよくなっているのがいいところですね。
軽量化と剛性アップによる反応性の向上は大きなメリット(佐野)
CW:RA6、RCS6では価格とスペックが似ているため、お二人の走行性能の評価はやはり高いようですが、パーツのセレクトやカラーのバリエーションが多いのもアンカーの大きな特徴ですよね。
佐野:そうですね。うちのお店でも、同じ価格帯のバイクを検討される方は、アンカーのカラーオーダーとパーツセレクトが決め手になって選ぶケースも多いですね。
浅野:価格的や性能面でライバルになりそうなのは105仕様のキャノンデール・CAAD10になりますが、アンカーにカラーオーダーとパーツセレクトがあるのは大きなポイントですね。カラーリングも豊富なので自分の好みに合わせやすいです。標準で装備されているシマノ・WH-R500のホイールをグレードアップするだけでレースにも対応できる走行性能になるので、最初からアップチャージでホイールをいいものにしておけば無駄な出費も抑えますし。そういう細かな対応ができるのもアンカーのいいところです。
CW:パーツセレクトもホイールだけでなく、スプロケットやチェーンホイールの歯数を選んだり、さらにはアンカーフィッティングシステムによって最適なライディングポジションも求めることができます。細かな対応はアンカーならではですね。
浅野:これからロードバイクを始める人は、RA6かRCS6を買っておけば、まず間違いないでしょう。存分に走りを楽しむことができるでしょう。
![アンカー RA6 Equipe](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2011/09/11/ra.jpg)
入門者にとって初期投資の金額は悩ましい問題の筆頭。スポーツバイクを始めるにはバイク以外の用品の購入も考えなければならず、となると一見すると小さく思えるRCS6との1万5000円の価格差は、そうともいえない。この価格があればヘルメットやシューズいずれかを購入できるので、RCS6の下にRA6を据えているのはビギナーに配慮した良心的なラインナップ構成といえるだろう。
こうして入門モデルに細かなラインナップを揃えるあたりも、アンカーが学生や入門者に人気の高い秘訣の1つだ。
さて、このRA6だが、カーボンバックの部分以外は基本的にRCS6のフレーム形状を踏襲している。ハイドロフォーミングを駆使して作られる6061アルミチューブは、角形、三角、縦横扁平などエッジを立てた形状が多く、素材が本来持つ軽量性を最大限に損なうことなく必要な剛性を追求する。
特にダウンチューブはヘッドチューブ側を四角、BB側は菱形という非常に凝った形状だ。走りの要となるダウンチューブ~BB~シートチューブ、いわゆるボトムラインを高剛性にして脚力を逃がさない強固なものにするのは、上級モデルであるRMZ、RHM9RSの直系のレーシングコンセプトだ。
アルミフレームのウイークポイントである乗り心地については、路面からの入力に対して積極的にシートステーがしなるよう縦横に扁平加工を施したシートステーによって、この素材にして最大の振動吸収性が追求されている。
![トップチューブは左右の頂点を横方向に広げて、路面からの突き上げに対しチューブが積極的に振動を拡散させる。フレームのアッパー部にしなやかさを持たせて乗り心地を高める](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2011/09/11/ra-4.jpg)
![ダウンチューブは角型の断面に整形されたヘッド部から、BBに向かって徐々に菱形断面に形状を変える。横方向に広げた形状とすることでBB部分のウイップが抑制される](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2011/09/11/ra-9.jpg)
![これまでのアンカーのアルミフレームには見られなかった角断面に整形されたダウンチューブが斬新だ。ヘッドからBBにかけての強固な剛性を作り出す源になる](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2011/09/11/ra-22.jpg)
![フォーククラウンからブレードに至るまでボリューム感にあふれるフロントフォーク。モノコック構造のフルカーボンになったことで、スタビリティ、振動吸収性共に向上している](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2011/09/11/ra-8.jpg)
![RCS6同様ハイドロフォーミングで仕上げられ、外観のアクセントになるエアロフィンを思わせるシートチューブの突起。シートポストは31.6㎜径のタイプをセットする](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2011/09/11/ra-19.jpg)
そして、ヘッドチューブはロワーベアリングのベアリングを1-1/4インチにボリュームアップしたテーパードタイプ。コラムからブレードに至るまでワンピースモノコックで製造されるフロントフォークは、従来モデルに比べて270gという大幅な軽量化を達成。フロント周りの剛性アップと共に、軽量化によって俊敏なステアリングフィールの向上にも貢献している。
また、振動吸収性についても、先代モデルのアルミ製のコラム&クラウンタイプに比べて大幅に向上したのも大きな進化といえるだろう。
![ロワーベアリングに1-1/4インチ径を採用しつつも、すっきりとしたフォルムにまとめられたテーパードヘッドチューブ。フロントフォークとの一体感もすばらしい](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2011/09/11/ra-12.jpg)
![アルミ製のシートステーは直線的にリヤエンドに結ばれる。チューブ自体を縦横に扁平加工させることで振動吸収性を図り、ストレート形状によって加速性を高める狙いがある](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2011/09/11/ra-20.jpg)
![オーソドックスな2本タイプのシートステーはねじれ剛性も高く、加速性能をスポイルしない。シートチューブに対する溶接位置を下げて路面からの突き上げを緩和する](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2011/09/11/ra-23.jpg)
![ヘッド側を菱形断面に整形したトップチューブは、シート側に向かい徐々に形状が変化する。シートチューブの接合部分ではT字断面になり、振動吸収性向上が期待できる](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2011/09/11/ra-15.jpg)
![オーソドックスな楕円断面のチェーンステー。タイヤとのクリアランスはしっかりと確保されているので、やや太めのタイヤを装備して乗り心地を高めることもできる](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2011/09/11/ra-17.jpg)
エントリークラスのモデルでは軽さと剛性のバランスもさることながら、入門者が起こしがちな転倒などのアクシデントに備えるための堅牢性をしっかり確保することも重要な要素だ。RA6のフレーム単体で1590g(490㎜サイズ)という重量は、過度な軽量化を追求せず十分な耐久性を持つチューブ肉厚を備えた上のスペックといえる。耐久性のバランスをしっかりととっているのも、世界一過酷な耐久試験を行うメーカーとして知られるブリヂストンサイクルならではであり、ユーザーは安心して乗り続けることができるだろう。
ジオメトリーをはじめ上位機種のレーシングコンセプトを受け継ぐRA6は、入門者にとって必要な価格とスペックのバランスを十分に吟味して設計された1台といっていい。数あるエントリークラスのレーシングバイクの中でも、そのバランス感はひときわ輝いている。
![アンカー RA6 Equipe](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2011/09/11/ra-24.jpg)
スペック
フレーム | SQシェイプ アルミニウム A6061 |
フォーク | カーボンモノコック ストレート形状 スーパーオーバーサイズ |
サイズ | 430、460、490、520、550㎜ |
メインコンポ | シマノ・105 |
ホイール | シマノ・WH-R500 |
タイヤ | ブリヂストン・エクステンザRR-2X 700×23C |
ハンドル | アンカー/ニットー・M101F |
ステム | アンカー・アルミニウム |
シートポスト | アンカー・アルミニウム φ31.6×300L |
サドル | アンカー・レーシングM-ホワイト/レッド |
重量 | 9.0㎏(490㎜ ペダル付き)、 1590g(490㎜フレーム単体)、 2050g(490㎜フレームセット) |
カラー | レーシングカラー5色、 シングルカラー32色から選択可 (一部カラーはアップチャージが必要) |
価格 | 180,000円(完成車標準価格) 90,000円(フレームセット標準価格) ※セレクトパーツの仕様によって価格は変わります。 |
インプレッション
「レースバイクとして通用する踏み出しの軽さと、振りの軽さ」
(浅野浩一 YOU CAN八王子店)
CW:RCS6エキップとはシートステーのカーボンバックが異なるだけでパーツ構成も含めて同じRA6ですが、これはどのような印象を受けましたか。浅野:RCS6同様、RA6もこのクラスのモデルとしては非常に高い完成度を持っていると感じました。この価格とこの性能でロードバイクを始められるのはいいですね。
佐野:RCS6とRA6に乗るとアルミフレームもしっかり進化していることを実感できます。共にレースにも使えるレベルの性能が備わっているので、これからレースを始めたいような人には安心しておすすめできる1台です。
CW:レースで使える、使えないという部分はどんなところで分れてきますか?
佐野:やっぱり反応性の速さですね。アルミモデルというとカーボンフレームと比べると重量がかさんでしまうので、どうしても踏み出しの軽さとか、かかりの良さという部分でもたつき感がでるようなイメージもあります。RA6はそうした部分が少ないですね。アルミフレームらしいしっかりした剛性感もあり、踏めばしっかり進んでくれます。
浅野:確かにRA6に比べてRCS6は走りの軽さはあると思います。しかしRA6のレベルで不満があるかというと全くそうではありません。レースバイクとして通用する踏み出しの軽さ、バイクを振った時の軽さを持っています。
![レースにも使えるレベルの性能が備わっており、安心しておすすめできる1台(浅野)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2011/09/11/ride-53.jpg)
「アルミらしい剛性感、乗り心地もアルミとしてはとても高い」
(佐野友哉 YOU CAN海老名店)
CW:シートステーがアルミ製というのは、乗り心地において大きな差に現れますか?浅野:RA6の方が少し路面から突きあげられる感覚はあります。しかしそれで下りが安定しないとか、体に大きなストレスがくるというレベルではないです。フルアルミのデメリットはないですし、そのレベルはアルミとしては高いので満足できます。
佐野:僕は正直なところ、両者で乗り心地の差はほとんど感じることはありませんでした。フルアルミのバイクとして考えれば振動吸収性のレベルはとても高いのでないでしょうか。それよりも乗ったときの軽さがカーボンバックの方がありますね。
CW:RCS6もフォークがフルカーボンになっていますが振動吸収性はどうですか?
佐野:ボリューム感がアップしているので若干突き上げ自体はあるものの、しかしこれがアルミコラムだったら過労の原因になってしまいます。そういう意味では十分効果的です。突き上げ感自体はとくにウイークポイントになるようなことはないでしょう。乗り心地もそうですが、軽量化と剛性アップによる反応性の向上は大きなメリットだと思います。
CW:ハンドリングの扱いやすさはどうでしょうか。
浅野:RCS6と共通して、とても下りが走りやすかったですね。ハンドリングは自然な感覚でとても扱いやすいです。下りでの安定性もいいですし、高速コーナーからタイトターンまで自分の思った通りのラインで攻められる。癖のないRHM9のハンドリングをそのままに素材を置き換えただけですね。ビギナーの場合ロードバイクそのものの走りに不安定さがあるので怖さを感じると思います。ハンドリングをはじめちょっと癖のある走行特性のバイクだと恐怖感が増してしまうので、RA6とRCA6のような素直なハンドリングのバイクは無理なく乗れてとてもいいですね。
佐野:癖のない乗り味というのはアンカー独特なので誰にでも勧められるのですが、それに加えてアンカーの最新のモデルはこのアルミもカーボン、以前に比べて劇的に反応性がよくなっているのがいいところですね。
![軽量化と剛性アップによる反応性の向上は大きなメリット(佐野)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2011/09/11/ride-59.jpg)
CW:RA6、RCS6では価格とスペックが似ているため、お二人の走行性能の評価はやはり高いようですが、パーツのセレクトやカラーのバリエーションが多いのもアンカーの大きな特徴ですよね。
佐野:そうですね。うちのお店でも、同じ価格帯のバイクを検討される方は、アンカーのカラーオーダーとパーツセレクトが決め手になって選ぶケースも多いですね。
浅野:価格的や性能面でライバルになりそうなのは105仕様のキャノンデール・CAAD10になりますが、アンカーにカラーオーダーとパーツセレクトがあるのは大きなポイントですね。カラーリングも豊富なので自分の好みに合わせやすいです。標準で装備されているシマノ・WH-R500のホイールをグレードアップするだけでレースにも対応できる走行性能になるので、最初からアップチャージでホイールをいいものにしておけば無駄な出費も抑えますし。そういう細かな対応ができるのもアンカーのいいところです。
CW:パーツセレクトもホイールだけでなく、スプロケットやチェーンホイールの歯数を選んだり、さらにはアンカーフィッティングシステムによって最適なライディングポジションも求めることができます。細かな対応はアンカーならではですね。
浅野:これからロードバイクを始める人は、RA6かRCS6を買っておけば、まず間違いないでしょう。存分に走りを楽しむことができるでしょう。
提供:ブリヂストンサイクル株式会社 企画/制作:シクロワイアード