2011/07/23(土) - 15:26
2011年7月。世界最高峰の自転車レース「ツール・ド・フランス」にフランスのプロコンチネンタルチーム「ソール・ソジャサン(Saur-Sojasun)」が初出場する。フレッシュな選手を揃えたこのフレンチチームの足元を、パナレーサーが支える。
1999年の「ブエルタ・ア・エスパーニャ」におけるステージ優勝を皮切りに、2001年から2004年までは「ジロ・デ・イタリア」において4年連続ステージ優勝。特に、2004年の「ジロ・デ・イタリア」ではセルゲイ・ゴンチャール(ウクライナ、ディナルディ)が個人総合2位の快挙を成し遂げた。
2005年には、日本のタイヤブランドとして初めて「ツール・ド・フランス」に参戦。翌2006年は、チームミルラムがこの世界最高峰のレースを走りきり、名スプリンターのエリック・ツァベル(ドイツ)が個人総合ポイント賞で2位。続く2007年は、アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)が「ジロ・デ・イタリア」でマリアチクラミーノ(個人総合ポイント賞)に輝いた。
世界の最も厳しいシーンで戦い続けるトッププロ。彼らの挙げたこれらの実績が、パナレーサータイヤへの信頼をより確かなものにしてきたと言えよう。
そして2011年、パナレーサーは新たなパートナー、ソール・ソジャサンとともに、再びツール・ド・フランスに挑戦する。
ソール・ソジャサンはこれまで残念ながら勝利という明確な結果は得られていない。しかし、自転車競技、とりわけロードレースというものが、それだけが全てではないのはロードレースファンならおわかりだろう。彼らはレース序盤から積極的に動き、幾度もの逃げに加わり、レースを演出してきた。パリ、シャンゼリゼゴールを迎える前に、彼らのアタックの軌跡を振り返ってみよう。
ヴァンデ県の名所パッサージュ・デュ・ゴアから開幕したツール・ド・フランス2011、ソール・ソジャサンは第2ステージのチームTTを無難に乗り切ると、第3ステージでジミー・アングルヴァン(フランス)がスプリントに加わり、この日10位に入る。最終コーナーで不利を被ったようだが、ジョナタン・イヴェールをはじめとしたチームメイトが仕事をしてくれたことで、最終的に好位を取れたと言う。このような高速で勝負のかかる場面でも難なく立ち回れたのは、パナレーサーのタイヤが生み出すグリップ力のなせる業と言える。
そして第5ステージ、ソール・ソジャサンのツール最初の逃げが決まる。今大会最年少のアントニー・ドゥラプラス(フランス、ソール・ソジャサン)がホセイバン・グティエレス(スペイン、モビスター)ら3名とともに逃げ、最大6分のリードを得てレース終盤までレースを盛り上げた。
第7ステージではスタート1km地点でアタックを決めた4人の選手が逃げグループを形成。このメンバーに加わったのは前々日に誕生日を迎えたヤニック・タラバルドン(フランス、ソール・ソジャサン)。ジャンニ・メールスマン(ベルギー、FDJ)らと逃げ、メイン集団から最大7分のタイムギャップを稼ぎ出す。ガーミン・サーヴェロやHTCハイロードにコントロールされた集団に詰められながらも、残り12kmで吸収されるまで、大蛇のように迫る集団に抗ってみせた。
この結果、タラバルドンはこの日最も健闘した選手として、見事敢闘賞を獲得。表彰台に上った。
3度目の逃げは雨の第11ステージ。この日逃げたのはジミー・アングルヴァン(フランス、ソール・ソジャサン)ら6人。彼らは順調にローテーションを組み、スプリンターチームの支配から逃れようと走る。しかし4分まで開いたタイム差はその後それ以上広がらず。HTC・ハイロードが正確なタイムコントロールで集団を統率し、残り5km地点でボームのアタックがあったものの、この日も集団スプリントに持ち込まれた。
しかし雨の中、実に150kmを逃げ続け、悪天候でもグリップと安定性を失わないパナレーサータイヤの存在感を示したレースとなった。また、雨が降ると路面にゴミが浮いてパンクが起こり易くなることもあるが、高い耐パンク性能を誇るパナレーサーのタイヤはこうしたトラブルも起こさず、無事この日を終えた。
続く第12ステージもスタート直後に逃げが決まる。ローラン・マンジェル(フランス、ソール・ソジャサン)をはじめとした6名が先頭グループを形成。それを追うメイン集団はマイヨ・ジョーヌのトマ・ヴォクレール(フランス)を擁するユーロップカーがコントロール。全ての選手が総出で集団を牽引する。レース後半に山岳が集中していることもあり、集団は一定のペースを保ち、レース半ばでタイム差は9分まで開いた。119km地点にある中間スプリントでは、マンジェルが先頭で通過し、ソール・ソジャサンにスプリントポイントをもたらした。
第15ステージでは、FDJのミカエル・ドラージュ(フランス)が仕掛けたアタックにアントニー・ドゥラプラス(フランス、ソール・ソジャサン)らが合流。5名の逃げグループを形成し、ドゥラプラスは残り15kmで集団に飲み込まれるまで奮闘を続けた。
そして快晴のガップをスタートした第17ステージ、この日序盤のアタックに火をつけたのはソール・ソジャサンだ。集団が警戒して逃げがなかなか決まらず、ソール・ソジャサンの選手達を中心としたアタック合戦が繰り返される。そうして50km地点を過ぎたところでようやく10名が飛び出す。これに乗ったのはジョナタン・イヴェール(フランス、ソール・ソジャサン)。
最終的に14名で形成された逃げ、その中からエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)が勝利した。ジョナタン・イヴェールは最後の下りでリズムを失い遅れてしまったが、9位でフィニッシュし、今ツール2度目のトップ10入りをチームにもたらした。
翌日の第18ステージは三たびアントニー・ドゥラプラス。これでソール・ソジャサンは実に7度もの逃げを演出したことになる。
これまでチームは第7ステージのヤニック・タラパルドンによる敢闘賞獲得に加え、エースのジェローム・コッペルがラルプデュエズを上位でこなし、現在総合14位、新人賞3位まで順位を上げている。総合やジャージを確実に狙える高額年俸の選手を擁さない新生チームとしては、及第点以上の健闘と言える。特にアントニー・ドゥラプラスは今大会最年少という若さながら、3度の逃げを展開し、将来に期待を持たせる力を見せた。彼は第11ステージのスプリントでも13位に入っている。
最後の山岳決戦を終え、あとは個人TTと最終ステージ、栄光のシャンゼリゼを駆け抜けるだけ。世界一厳しいと言われる真夏の3週間の戦いを完走することは、それだけでも大きな栄誉だ。ソール・ソジャサンはパナレーサーのタイヤに支えられ、今まさにそれを成し遂げようとしている。
ソール・ソジャサン Saur-Sojasun
フランス籍のプロコンチネンタルチームで、2011年はツール・ド・フランスの出場権を獲得。メンバー全てがフランス人という純血チーム。スポンサーは水道会社のソール、そして大豆食品メーカーであるソジャサン(ともにフランス企業)がつとめる。
エーススプリンターのジミー・カスペールは今季GPドナン、デパン3日間、西フランドル3日間、ツール・ド・ピカルディなどで2勝を挙げている。ほかにジョナタン・イヴェールがパリ〜トロイとクラシカ・プリマヴェッラ、アンダルシア一周で3勝、ジミー・アングルヴァンもアンダルシア一周でステージ1勝を挙げている。
ツール・ド・フランスでは急成長中の若手、ジェローム・コッペルの活躍にも期待がかかる。
ソール・ソジャサン チームオフィシャルサイト
Equipe cycliste professionnelle Saur-Sojasun
http://www.saur-sojasun.com/
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新しい戦闘力 パナレーサー RACE
パナレーサーRACEシリーズ 乗り比べインプレッション
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グランツールに挑み続けるパナレーサー
パナレーサーは、より優れた製品を開発するために、早くから本場ヨーロッパでのスポンサード活動を展開。グランツールにおいても好成績を収めている。写真でソール・ソジャサンのこれまでの活躍を振り返りながら、パナレーサーが歩んだグランツール挑戦の歴史を紐解いてみよう。1999年の「ブエルタ・ア・エスパーニャ」におけるステージ優勝を皮切りに、2001年から2004年までは「ジロ・デ・イタリア」において4年連続ステージ優勝。特に、2004年の「ジロ・デ・イタリア」ではセルゲイ・ゴンチャール(ウクライナ、ディナルディ)が個人総合2位の快挙を成し遂げた。
2005年には、日本のタイヤブランドとして初めて「ツール・ド・フランス」に参戦。翌2006年は、チームミルラムがこの世界最高峰のレースを走りきり、名スプリンターのエリック・ツァベル(ドイツ)が個人総合ポイント賞で2位。続く2007年は、アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)が「ジロ・デ・イタリア」でマリアチクラミーノ(個人総合ポイント賞)に輝いた。
世界の最も厳しいシーンで戦い続けるトッププロ。彼らの挙げたこれらの実績が、パナレーサータイヤへの信頼をより確かなものにしてきたと言えよう。
そして2011年、パナレーサーは新たなパートナー、ソール・ソジャサンとともに、再びツール・ド・フランスに挑戦する。
ツール・ド・フランス2011 ソール・ソジャサンレポート
果敢にチャレンジし、数多の逃げを演出したソール・ソジャサン
プロトンは最後の山岳決戦となったラルプデュエズの頂上にゴールし、ツールの行程は残り2日となった。ソール・ソジャサンはこれまで残念ながら勝利という明確な結果は得られていない。しかし、自転車競技、とりわけロードレースというものが、それだけが全てではないのはロードレースファンならおわかりだろう。彼らはレース序盤から積極的に動き、幾度もの逃げに加わり、レースを演出してきた。パリ、シャンゼリゼゴールを迎える前に、彼らのアタックの軌跡を振り返ってみよう。
ヴァンデ県の名所パッサージュ・デュ・ゴアから開幕したツール・ド・フランス2011、ソール・ソジャサンは第2ステージのチームTTを無難に乗り切ると、第3ステージでジミー・アングルヴァン(フランス)がスプリントに加わり、この日10位に入る。最終コーナーで不利を被ったようだが、ジョナタン・イヴェールをはじめとしたチームメイトが仕事をしてくれたことで、最終的に好位を取れたと言う。このような高速で勝負のかかる場面でも難なく立ち回れたのは、パナレーサーのタイヤが生み出すグリップ力のなせる業と言える。
そして第5ステージ、ソール・ソジャサンのツール最初の逃げが決まる。今大会最年少のアントニー・ドゥラプラス(フランス、ソール・ソジャサン)がホセイバン・グティエレス(スペイン、モビスター)ら3名とともに逃げ、最大6分のリードを得てレース終盤までレースを盛り上げた。
第7ステージではスタート1km地点でアタックを決めた4人の選手が逃げグループを形成。このメンバーに加わったのは前々日に誕生日を迎えたヤニック・タラバルドン(フランス、ソール・ソジャサン)。ジャンニ・メールスマン(ベルギー、FDJ)らと逃げ、メイン集団から最大7分のタイムギャップを稼ぎ出す。ガーミン・サーヴェロやHTCハイロードにコントロールされた集団に詰められながらも、残り12kmで吸収されるまで、大蛇のように迫る集団に抗ってみせた。
この結果、タラバルドンはこの日最も健闘した選手として、見事敢闘賞を獲得。表彰台に上った。
3度目の逃げは雨の第11ステージ。この日逃げたのはジミー・アングルヴァン(フランス、ソール・ソジャサン)ら6人。彼らは順調にローテーションを組み、スプリンターチームの支配から逃れようと走る。しかし4分まで開いたタイム差はその後それ以上広がらず。HTC・ハイロードが正確なタイムコントロールで集団を統率し、残り5km地点でボームのアタックがあったものの、この日も集団スプリントに持ち込まれた。
しかし雨の中、実に150kmを逃げ続け、悪天候でもグリップと安定性を失わないパナレーサータイヤの存在感を示したレースとなった。また、雨が降ると路面にゴミが浮いてパンクが起こり易くなることもあるが、高い耐パンク性能を誇るパナレーサーのタイヤはこうしたトラブルも起こさず、無事この日を終えた。
続く第12ステージもスタート直後に逃げが決まる。ローラン・マンジェル(フランス、ソール・ソジャサン)をはじめとした6名が先頭グループを形成。それを追うメイン集団はマイヨ・ジョーヌのトマ・ヴォクレール(フランス)を擁するユーロップカーがコントロール。全ての選手が総出で集団を牽引する。レース後半に山岳が集中していることもあり、集団は一定のペースを保ち、レース半ばでタイム差は9分まで開いた。119km地点にある中間スプリントでは、マンジェルが先頭で通過し、ソール・ソジャサンにスプリントポイントをもたらした。
第15ステージでは、FDJのミカエル・ドラージュ(フランス)が仕掛けたアタックにアントニー・ドゥラプラス(フランス、ソール・ソジャサン)らが合流。5名の逃げグループを形成し、ドゥラプラスは残り15kmで集団に飲み込まれるまで奮闘を続けた。
そして快晴のガップをスタートした第17ステージ、この日序盤のアタックに火をつけたのはソール・ソジャサンだ。集団が警戒して逃げがなかなか決まらず、ソール・ソジャサンの選手達を中心としたアタック合戦が繰り返される。そうして50km地点を過ぎたところでようやく10名が飛び出す。これに乗ったのはジョナタン・イヴェール(フランス、ソール・ソジャサン)。
最終的に14名で形成された逃げ、その中からエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)が勝利した。ジョナタン・イヴェールは最後の下りでリズムを失い遅れてしまったが、9位でフィニッシュし、今ツール2度目のトップ10入りをチームにもたらした。
翌日の第18ステージは三たびアントニー・ドゥラプラス。これでソール・ソジャサンは実に7度もの逃げを演出したことになる。
これまでチームは第7ステージのヤニック・タラパルドンによる敢闘賞獲得に加え、エースのジェローム・コッペルがラルプデュエズを上位でこなし、現在総合14位、新人賞3位まで順位を上げている。総合やジャージを確実に狙える高額年俸の選手を擁さない新生チームとしては、及第点以上の健闘と言える。特にアントニー・ドゥラプラスは今大会最年少という若さながら、3度の逃げを展開し、将来に期待を持たせる力を見せた。彼は第11ステージのスプリントでも13位に入っている。
最後の山岳決戦を終え、あとは個人TTと最終ステージ、栄光のシャンゼリゼを駆け抜けるだけ。世界一厳しいと言われる真夏の3週間の戦いを完走することは、それだけでも大きな栄誉だ。ソール・ソジャサンはパナレーサーのタイヤに支えられ、今まさにそれを成し遂げようとしている。
ソール・ソジャサン Saur-Sojasun
チームプロフィール
フランス籍のプロコンチネンタルチームで、2011年はツール・ド・フランスの出場権を獲得。メンバー全てがフランス人という純血チーム。スポンサーは水道会社のソール、そして大豆食品メーカーであるソジャサン(ともにフランス企業)がつとめる。
エーススプリンターのジミー・カスペールは今季GPドナン、デパン3日間、西フランドル3日間、ツール・ド・ピカルディなどで2勝を挙げている。ほかにジョナタン・イヴェールがパリ〜トロイとクラシカ・プリマヴェッラ、アンダルシア一周で3勝、ジミー・アングルヴァンもアンダルシア一周でステージ1勝を挙げている。
ツール・ド・フランスでは急成長中の若手、ジェローム・コッペルの活躍にも期待がかかる。
ソール・ソジャサン チームオフィシャルサイト
Equipe cycliste professionnelle Saur-Sojasun
http://www.saur-sojasun.com/
ソール・ソジャサンを支えるパナレーサーのタイヤ
RACEシリーズ
パナレーサーのロードレーシングトップモデルが「RACE」シリーズ。
オールラウンドタイプのtype A(All-around)、耐パンク強化タイプのtype D(Duro)、そして軽量タイプのtype L(Light)がラインナップされ、用途や目的に合わせてチョイスできる。全タイプとも従来のEVO3シリーズと同じく高いグリップ力を誇る。
type Aでは従来のバリアントEVO3PTに比べて20g軽量化。type Dはシリーズ最強の耐パンク性能を誇り、type Lは耐パンクベルトを内蔵しながら、20Cで175g、23Cで185gの軽さを実現している。
オールラウンドタイプのtype A(All-around)、耐パンク強化タイプのtype D(Duro)、そして軽量タイプのtype L(Light)がラインナップされ、用途や目的に合わせてチョイスできる。全タイプとも従来のEVO3シリーズと同じく高いグリップ力を誇る。
type Aでは従来のバリアントEVO3PTに比べて20g軽量化。type Dはシリーズ最強の耐パンク性能を誇り、type Lは耐パンクベルトを内蔵しながら、20Cで175g、23Cで185gの軽さを実現している。
サイズ及び重量 |
type D:700x23C 230g、700x25C 260g type A:700x23C 210g、700x25C 240g type L:700x20C 175g、700x23C 185g |
サイドカラー |
type D:ブラック、ブラウン type A:ブラック、レッド、ブルー type L:ブラック |
参考価格 | type D 6,480円(税込) type A 5,680円(税込) type L 5,680円(税込) |
関連リンク
新しい戦闘力 パナレーサー RACE
パナレーサーRACEシリーズ 乗り比べインプレッション
提供:パナソニック ポリテクノロジー株式会社 制作:シクロワイアード