2012/07/13(金) - 13:35
ヒルクライマーのシリーズ戦「JCA全日本ヒルクライムシリーズ/第二戦ツール・ド・美ヶ原高原自転車レース2012」が開催された。激坂、霧、雨の悪コンディションを制したのは乾友行だった。
7月1日に長野県松本市で開催されたツール・ド・美ヶ原高原自転車レース2012。全4戦設定されるJCA全日本ヒルクライムシリーズの第2戦には、全国各地から激坂に挑むべくヒルクライムフリークが多く集まった。
悪コンディションに見舞われたツール・ド・美ヶ原高原自転車レース2012
濃霧の中を上る
長野県・松本市は乗鞍ヒルクライムも開催するなど、自転車に力を入れている町。美ヶ原高原へと登るヒルクライムのスタート地点は、温泉と観光をアピールの中心となる浅間温泉の町中に設定される。
会社の仲間で参戦。イベントの正しい楽しみ方だ コースは街を抜けてから美鈴湖~美ヶ原スカイライン~武石峠~美ヶ原高原駐車場へと登る21.6kmで、標高差は1,270mをマークする。美ヶ原の特徴は、スタート後街を抜けてすぐに現れる激坂区間だ。
壁とも言える直線の坂道とつづら折れのコーナーに、たまらず脚を着く程に選手を苦しめる。坂のスタートの激坂区間からコース全体の3/4はひたすら登り、終盤の第3CPを超えて武石峠を通過すると平坦で下りもあったりと、傾斜の差が激しいコースと言える。
最速タイムは2011年に長沼隆行(VAXレーシング)が出した01:00:00。今年は長沼が出場せず、再びアマチュアレーサーによる決戦が繰り広げられた。
霧雨が視界を遮る荒天のレース
前日は快晴となったものの、大会当日は朝から暗い雲がかかり、小雨もぱらつく天気に。ゴール写真を収めるべくクルマでゴールへと向かったが、普段ならば美ヶ原高原から見える松本平や北アルプスが望めるものの、霧で真っ白に。頂上付近は風や雨が時折強く吹き、レースには過酷な状況になっていた。過去には荒天のため中止となったこともあるそうだが、遅れる事無く7時半にスタートが切られた。
チャンピオンクラス1位・乾友行(Team ARI)
チャンピオンクラスの勝負は、ゴール前に二人で現れた乾友行と森正のゴール勝負に持ち込まれ、スパートに成功した乾が1:00:58.390のタイムをもって優勝を飾った。2位は森、3位は黒岩信充(VAXレーシング)が1分36秒遅れで入った。
乾は昨年乗鞍ヒルクライム4位、実業団では竹芝サイクルレーシングJPT所属で富士山ヒルクライムJPT2位・栂池高原ヒルクライムJPT7位と上位に入り、今年は日本の蔵王ヒルクライム・エコで森に続いて2位となっている。強敵を押さえての優勝となった。
チャンピオンクラス2位・森正
チャンピオンクラス3位・黒岩信充(VAXレーシング)
優勝を飾った乾は、「レースはいい感じで走れましたね。最初は黒岩と森で3人でしたが尾根に上がったところで森と二人で争ってました。乗鞍も狙っていきます」と自信のコメントをしてくれた。
レベルの高いチャンピオンクラスの他にも男女クラスはロードの他、MTB、リカンベントやショートコースの小学生クラス、年齢別のロードでは79歳の方も完走を果たすといった、それぞれ目標を持ってヒルクライムに挑む姿が見られた。
優勝した乾友行(Team ARI)のバイク
優勝した乾友行(Team ARI) のキャノンデール・スーパーシックスEVO
バイクはキャノンデール・スーパーシックスEVO。各所に軽量パーツを組み込んだマニアックな仕様だ。ホイールはドイツの軽量パーツメーカー、ax-lightnessのSRT24。ブレーキはTHM Fibulaだ。コンポは軽量なSRAM REDを組み、ブラケットカバーを外し、5.3kgに仕上げた。
ブレーキは泣く子も黙るTHM Fibula
ホイールはax-lightness SRT24
また、女子カテゴリーを制した中込由香里(シーナック)選手からのレポートが届いたので、ここに合わせて紹介しよう。2位に4分差をつける圧勝を飾った中込は、この勝利で美ヶ原4連覇を飾った。
中込由香里による優勝レポート
今年も自分自身と向き合いながら、自然体でレースを走ると決めても、自分自身に言い聞かせる事と本心が食い違う事もある。楽しく走れて、今の自分の力がしっかりレースで出せれば良い、と言い聞かせつつも、やっぱり勝ちたいとか、良いタイムを出したいとか・・・
女子ロード優勝の中込由香里(team SY-Nak) ヒルクライムレースは、毎年同じコースで、タイムがしっかりと叩きつけられるので尚更でもある。色々な思いはあっても、コンディションもあがってきてはいるし、ヒルクライムを走れる楽しみな方が大きかった。ましてや前日に、日本MTB女子にオリンピック枠が回ってきた事を知り、テンションも上がった。
レース当日、予報通り朝から雨が降ってきた。降らないにこした事はなかったけれど、さほど気にならなかった。
女子ロード表彰式の様子 レースは自分のペースで進められた。
最初の激坂区間で、腰にこないように、乳酸が溜まらないように注意して走り、上手くクリアー出来た。しばらくして独走となり、少しでも速いタイムでのゴールを目指して走った。
苦しんだ分の最高の笑顔。また来年! 頂上付近は霧で視界が悪く風もあり、下り区間はビビリが入ってしまったし、気温も低くて身体が動き辛くなってきたが、最後までもがききった。優勝出来た事はとても嬉しかったし、4連覇も嬉しい。でも悪条件だったとはいえ、タイムを更新できなかったことはやはり悔しい。
これで良しと言い聞かせつつ、やはり本心もしっかり持てている。タイムを出そうと思ったら、やっぱりあの走り方ではダメだと思う所は沢山ある。欲も含めた自然体で、でも乗鞍にはもうちょっとあげていきたい。
雨に濡れ、すぐに冷え切っていく身体。頂上にストーブを焚いた暖かいお部屋を用意して下さっていて、とても有難かったです。多くの仲間達と走れたヒルクライムレースはほんとに楽しい。次は乗鞍で!
text&photo:Akihiro.NAKAO
edit:So.Isobe
7月1日に長野県松本市で開催されたツール・ド・美ヶ原高原自転車レース2012。全4戦設定されるJCA全日本ヒルクライムシリーズの第2戦には、全国各地から激坂に挑むべくヒルクライムフリークが多く集まった。
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長野県・松本市は乗鞍ヒルクライムも開催するなど、自転車に力を入れている町。美ヶ原高原へと登るヒルクライムのスタート地点は、温泉と観光をアピールの中心となる浅間温泉の町中に設定される。
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壁とも言える直線の坂道とつづら折れのコーナーに、たまらず脚を着く程に選手を苦しめる。坂のスタートの激坂区間からコース全体の3/4はひたすら登り、終盤の第3CPを超えて武石峠を通過すると平坦で下りもあったりと、傾斜の差が激しいコースと言える。
最速タイムは2011年に長沼隆行(VAXレーシング)が出した01:00:00。今年は長沼が出場せず、再びアマチュアレーサーによる決戦が繰り広げられた。
霧雨が視界を遮る荒天のレース
前日は快晴となったものの、大会当日は朝から暗い雲がかかり、小雨もぱらつく天気に。ゴール写真を収めるべくクルマでゴールへと向かったが、普段ならば美ヶ原高原から見える松本平や北アルプスが望めるものの、霧で真っ白に。頂上付近は風や雨が時折強く吹き、レースには過酷な状況になっていた。過去には荒天のため中止となったこともあるそうだが、遅れる事無く7時半にスタートが切られた。
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チャンピオンクラスの勝負は、ゴール前に二人で現れた乾友行と森正のゴール勝負に持ち込まれ、スパートに成功した乾が1:00:58.390のタイムをもって優勝を飾った。2位は森、3位は黒岩信充(VAXレーシング)が1分36秒遅れで入った。
乾は昨年乗鞍ヒルクライム4位、実業団では竹芝サイクルレーシングJPT所属で富士山ヒルクライムJPT2位・栂池高原ヒルクライムJPT7位と上位に入り、今年は日本の蔵王ヒルクライム・エコで森に続いて2位となっている。強敵を押さえての優勝となった。
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優勝を飾った乾は、「レースはいい感じで走れましたね。最初は黒岩と森で3人でしたが尾根に上がったところで森と二人で争ってました。乗鞍も狙っていきます」と自信のコメントをしてくれた。
レベルの高いチャンピオンクラスの他にも男女クラスはロードの他、MTB、リカンベントやショートコースの小学生クラス、年齢別のロードでは79歳の方も完走を果たすといった、それぞれ目標を持ってヒルクライムに挑む姿が見られた。
優勝した乾友行(Team ARI)のバイク
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バイクはキャノンデール・スーパーシックスEVO。各所に軽量パーツを組み込んだマニアックな仕様だ。ホイールはドイツの軽量パーツメーカー、ax-lightnessのSRT24。ブレーキはTHM Fibulaだ。コンポは軽量なSRAM REDを組み、ブラケットカバーを外し、5.3kgに仕上げた。
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また、女子カテゴリーを制した中込由香里(シーナック)選手からのレポートが届いたので、ここに合わせて紹介しよう。2位に4分差をつける圧勝を飾った中込は、この勝利で美ヶ原4連覇を飾った。
中込由香里による優勝レポート
今年も自分自身と向き合いながら、自然体でレースを走ると決めても、自分自身に言い聞かせる事と本心が食い違う事もある。楽しく走れて、今の自分の力がしっかりレースで出せれば良い、と言い聞かせつつも、やっぱり勝ちたいとか、良いタイムを出したいとか・・・
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最初の激坂区間で、腰にこないように、乳酸が溜まらないように注意して走り、上手くクリアー出来た。しばらくして独走となり、少しでも速いタイムでのゴールを目指して走った。
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これで良しと言い聞かせつつ、やはり本心もしっかり持てている。タイムを出そうと思ったら、やっぱりあの走り方ではダメだと思う所は沢山ある。欲も含めた自然体で、でも乗鞍にはもうちょっとあげていきたい。
雨に濡れ、すぐに冷え切っていく身体。頂上にストーブを焚いた暖かいお部屋を用意して下さっていて、とても有難かったです。多くの仲間達と走れたヒルクライムレースはほんとに楽しい。次は乗鞍で!
text&photo:Akihiro.NAKAO
edit:So.Isobe
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