2010/05/20(木) - 15:40
5月9日に開催された石見グランフォンド2010。今年からワンデイ開催となったこのイベントを、実際に走った読者レポーターがつづります。書き手は島根県在住で自転車ライフを楽しんでいる「こなき部長」さん。
昨年の出雲路センチュリーライド2009 で、こなき部長は161kmにチャレンジ。見事完走して実走記を寄せていただきました。そして今回は最長200kmに挑戦! その道程にはどのような困難が待ち受けているのでしょう...。
早速、ロングライドイベントの猛者「こなき部長」さんのレポートをお届けしましょう!
皆さんこんにちは!こなきです。いよいよ今年もこの日が来ました。石見グランフォンド2010。
この大会は、世界遺産「石見銀山」を有する島根県大田市を中心に行われる、時間や順位を競わないロングライドイベントだ。今年で開催5年目となるが、私は過去2回参加しており、今回で連続3年目となるエントリー。
石見グランフォンドの特徴としてあげられるのが、毎年コースが大幅に変更されるという点ではないだろうか。
初参加した一昨年は2日間開催の往復コースでトータル300kmを走破。
昨年は1日のみの開催で200kmを走り抜き、バスでスタート地点に戻る単方向走行だった。
そして今年は、1日開催でスタートとゴール地点を共にする往還型。距離は140/180/200kmをコース半ばで自由に選択可能な柔軟性もありがたい。140kmは峠を減らし、比較的になだらかなコース設定。
180/200kmは起伏に富んだチャレンジングなコースで、終盤の「粕淵チェックポイント」到着制限時刻が設定されており、これに間に合わなければ180kmへ迂回させられる訳だ。私が目標とするのは、もちろん200kmのフルコース走破。
何より、今年の最大のウリ(?) は累積標高が3,000mを超えるという触れ込み。
そして文字通り「山場」となるのは、余りにも過激なので昨年はコース採用を見送られた「石見高原林道」だ。最大斜度17%が参加者を迎え撃つ!
石見のコースは年々過激になりつつあり、参加者たちを恐々とさせることも怠らない。にもかかわらず、エントリー人数は484人。
昨年のエントリーが268人らしいので倍近い人数と言うから驚きである!
― 6:30
スタート地点の久手海水浴場。この日の気温15度。ひんやりとした空気の中だが、既に現地は多くの参加者と、その熱気で溢れていた。 天気も良好なので、ウィンドブレーカや雨具などの準備をしなくて良いのでGood!
着いて最初にすることが、受付と出走サインに記名すること。 ここに名前を書くことで、本日実際に走りますよ! と宣言する訳だ。 そして7時から、主催・サイクリストビューさんのブリーフィング(事前説明)が始まる。
スタートが一斉出発では無いので、「今の時点の意気込みとして180/200kmアタックの人を優先的にスタートさせてあげてください! 140kmを走る意思の人は、後のほうからスタートして下さい」との配慮もありがたい。
なぁ~んて聞きつつも、皆さんそれとなく位置移動(笑)
じわりじわりと前の方、前の方ににじり寄っている。市街地では基本的に追い越し禁止なので前に出ておきたいという思いと、最初のチェックポイントが混むので、前に抜け出したいとの思いでしょう。それもこれも、粕淵の制限時間をクリアするために!
― 7:15
参加者の熱意あふれる中、定刻のスタートが切られる。
交通規制とかも無いので、並走しないよう1名1名順番にスタートしていく。 しかし海水浴場から出る所の信号で、いきなり引っかかっての渋滞。イラッ!その後も市街地走行が続くので、赤信号の都度停車してイラッ!
まぁ、焦る必要は無いのだが、スタート直後のテンション揚がってる状態の者としては、ちょっと焦るってのがホンネ。ズバーンッと走りたいよね。
行っては停まり、行っては停まりを繰り返しつつ市街地を抜けると…いやぁ~皆さんピッチ早いわ! 私は、この辺りではまだ体力温存させときたいので、前を走る人に牽いてもらって楽をさせて頂く(笑)
― 8:30
ここまでは起伏も無いので、早々に最初のチェックポイント「高山そば道場」に到着。
ここではその名に相応しく、補給食として出雲蕎麦が振舞われている。出雲の蕎麦はしっかりとした歯応えで風味が良いことで有名。とっても賞味したいが、時間が気になるので食べずにチェックシートへのスタンプ貰うと、記名だけでスタートした。後で思うと、やっぱり食べとけば良かったと後悔。
その後もコースは比較的なだらかで、緩やかに登る道が続く。と思いきや、下りに差し掛かると、道幅の狭い林道になる。下り勾配が比較的キツく、なのに道幅は狭く、左にはガードレールが無くて川だ。
植林された木々を縫う道は、落葉や山からの湧き水で濡れており、ロードバイク向けコースとしては滑りやすく、かなりコンディションが悪い。 それを承知の上で、事故の無いように走るのが参加者の務めであり、テクニック。スピードを抑えつつもコーナーは慎重に周る。
そんな区間が2kmほどあったかな。 大きな道に出ると、目前には見覚えのあるカラフルな桜江大橋があらわれる。
― 9:19
これを渡るとスグに第2チェックポイント、桜江B&G海洋センターに到着。ココまでの距離50.46km。
ここでもサインとスタンプだけ。だけれど、ここで初めての意思表示。
140kmを走る人は名前の後に「S」(Short)、180/200kmに向かう人は「L」(Long)を記入。 補給食はバナナ半分だけ頂いて再スタート。焦ってんのかって?えぇ、焦ってます。当然です。昨年は脚切りにすべり込みセーフでしたからね。
― 9:26
桜江を発ってスグに最初の運命の分かれ道が来る。
140kmのショートコースと、180/200kmを目指すロングコースの分かれ道。私と前後して走っている人たちは、左折して橋を渡りロングを目指す!!
そして待ち構える登坂、糸谷渓谷の崖っぷちを登る。斜度7%が6キロほどと続くが、ここの坂が有難いのは、斜度がほぼ均一なことかな。
峠を過ぎ日貫へと出るが、平坦道を走ることなくスグまた上りへと。そう、迫って来ています。今年最大の山場「石見高原林道」。徐々に、しかし確実に近づいています。 AS1とAS2で食べてないので、まだ坂が緩やかなウチに走りながら補給食を摂る。のんびり走りながら食べていると、前方の山肌に石見高原林道が見えてきた。
石見高原林道に行くまでの10%強の登坂が、昨年もここを登った水越峠へ至る坂。昨年は終盤で迎えたので相当厳しかったが、今年は序盤なのでまだ余裕あり。
― 10:21
そして、水越峠のてっぺんまで来たら、コース立哨員の姿発見。「右に行ってくださぁ~い!」
そう!ここからが石見高原林道。最大斜度17%と言われる坂道。のっけからいきなりの12%!
どうですか、参加者たちの「よじ登る」様子は。 そして、後ろを振り返ってみると・・・何かスゴい斜度なんですけど。
しかし、石見の道は何故か斜度表示の標識が多いよね。そして、こんな皮肉なヤツも・・・。
ある意味、不謹慎な標識がポツリ。悪かったねぇ、遅くて(笑)。
この林道で抜かれる・抜かれる。「頑張って!!」と数人に言われ、続けて抜かれる。あちゃー、遅いワ。練習量不足の証拠か、情けない。
― 10:39
ようやくの思いで林道のてっぺんまで来ると、オートバイサポーターの姿が。
このバイクサポートが秀逸!!
「次のエイドまで、あと3km」とか「ここが高原林道 ファイト」とか書いたボードを持って、オートバイで追い抜いていくのよ。かっこえぇし、参加者にいろんな情報を伝えてくれる。今年初めての試みと思うが、本当に心の支えになった。
― 11:08
高原林道の峠を過ぎて急激に下り降りると、次のチェックポイント・邑南町役場へと到着。既に多くの方がお弁当食べてます。
ボリュームのある弁当を急いでかき込む。先を急ぎたいのはヤマヤマだが、食べておかないと、また去年みたいに後半でハンガーノックに陥っちゃうから。 急いで弁当を食べ終え、自販機で水を買いCCDを溶かして再スタート。
― 11:40
正午近くなり気温も上昇。原山トンネルへと向かう7%の坂道では気温25度の表示。
坂の途中にあるAS5の縄文村では給水が可能なんだが、先を急ぎたいので通過。
― 12:04
原山のトンネルから急激に下り、浜田道の瑞穂インターを過ぎたところで左折指示。
またまた登りである。しかも、だらだらと長い。加えて風も出てきた。この辺りは「風の谷」と呼ばれているらしいが、アゲンストは勘弁して欲しい。
この辺りから腰に若干の痛みが出てき始める。マ、マズい・・・。
だが、この程度の事で心が折れる私では無いのだ。(笑)
次回、腰の痛みと伴に後半に続く・・・。
report:こなき
昨年の出雲路センチュリーライド2009 で、こなき部長は161kmにチャレンジ。見事完走して実走記を寄せていただきました。そして今回は最長200kmに挑戦! その道程にはどのような困難が待ち受けているのでしょう...。
早速、ロングライドイベントの猛者「こなき部長」さんのレポートをお届けしましょう!
皆さんこんにちは!こなきです。いよいよ今年もこの日が来ました。石見グランフォンド2010。
この大会は、世界遺産「石見銀山」を有する島根県大田市を中心に行われる、時間や順位を競わないロングライドイベントだ。今年で開催5年目となるが、私は過去2回参加しており、今回で連続3年目となるエントリー。
石見グランフォンドの特徴としてあげられるのが、毎年コースが大幅に変更されるという点ではないだろうか。
初参加した一昨年は2日間開催の往復コースでトータル300kmを走破。
昨年は1日のみの開催で200kmを走り抜き、バスでスタート地点に戻る単方向走行だった。
そして今年は、1日開催でスタートとゴール地点を共にする往還型。距離は140/180/200kmをコース半ばで自由に選択可能な柔軟性もありがたい。140kmは峠を減らし、比較的になだらかなコース設定。
180/200kmは起伏に富んだチャレンジングなコースで、終盤の「粕淵チェックポイント」到着制限時刻が設定されており、これに間に合わなければ180kmへ迂回させられる訳だ。私が目標とするのは、もちろん200kmのフルコース走破。
何より、今年の最大のウリ(?) は累積標高が3,000mを超えるという触れ込み。
そして文字通り「山場」となるのは、余りにも過激なので昨年はコース採用を見送られた「石見高原林道」だ。最大斜度17%が参加者を迎え撃つ!
石見のコースは年々過激になりつつあり、参加者たちを恐々とさせることも怠らない。にもかかわらず、エントリー人数は484人。
昨年のエントリーが268人らしいので倍近い人数と言うから驚きである!
― 6:30
スタート地点の久手海水浴場。この日の気温15度。ひんやりとした空気の中だが、既に現地は多くの参加者と、その熱気で溢れていた。 天気も良好なので、ウィンドブレーカや雨具などの準備をしなくて良いのでGood!
着いて最初にすることが、受付と出走サインに記名すること。 ここに名前を書くことで、本日実際に走りますよ! と宣言する訳だ。 そして7時から、主催・サイクリストビューさんのブリーフィング(事前説明)が始まる。
スタートが一斉出発では無いので、「今の時点の意気込みとして180/200kmアタックの人を優先的にスタートさせてあげてください! 140kmを走る意思の人は、後のほうからスタートして下さい」との配慮もありがたい。
なぁ~んて聞きつつも、皆さんそれとなく位置移動(笑)
じわりじわりと前の方、前の方ににじり寄っている。市街地では基本的に追い越し禁止なので前に出ておきたいという思いと、最初のチェックポイントが混むので、前に抜け出したいとの思いでしょう。それもこれも、粕淵の制限時間をクリアするために!
― 7:15
参加者の熱意あふれる中、定刻のスタートが切られる。
交通規制とかも無いので、並走しないよう1名1名順番にスタートしていく。 しかし海水浴場から出る所の信号で、いきなり引っかかっての渋滞。イラッ!その後も市街地走行が続くので、赤信号の都度停車してイラッ!
まぁ、焦る必要は無いのだが、スタート直後のテンション揚がってる状態の者としては、ちょっと焦るってのがホンネ。ズバーンッと走りたいよね。
行っては停まり、行っては停まりを繰り返しつつ市街地を抜けると…いやぁ~皆さんピッチ早いわ! 私は、この辺りではまだ体力温存させときたいので、前を走る人に牽いてもらって楽をさせて頂く(笑)
― 8:30
ここまでは起伏も無いので、早々に最初のチェックポイント「高山そば道場」に到着。
ここではその名に相応しく、補給食として出雲蕎麦が振舞われている。出雲の蕎麦はしっかりとした歯応えで風味が良いことで有名。とっても賞味したいが、時間が気になるので食べずにチェックシートへのスタンプ貰うと、記名だけでスタートした。後で思うと、やっぱり食べとけば良かったと後悔。
その後もコースは比較的なだらかで、緩やかに登る道が続く。と思いきや、下りに差し掛かると、道幅の狭い林道になる。下り勾配が比較的キツく、なのに道幅は狭く、左にはガードレールが無くて川だ。
植林された木々を縫う道は、落葉や山からの湧き水で濡れており、ロードバイク向けコースとしては滑りやすく、かなりコンディションが悪い。 それを承知の上で、事故の無いように走るのが参加者の務めであり、テクニック。スピードを抑えつつもコーナーは慎重に周る。
そんな区間が2kmほどあったかな。 大きな道に出ると、目前には見覚えのあるカラフルな桜江大橋があらわれる。
― 9:19
これを渡るとスグに第2チェックポイント、桜江B&G海洋センターに到着。ココまでの距離50.46km。
ここでもサインとスタンプだけ。だけれど、ここで初めての意思表示。
140kmを走る人は名前の後に「S」(Short)、180/200kmに向かう人は「L」(Long)を記入。 補給食はバナナ半分だけ頂いて再スタート。焦ってんのかって?えぇ、焦ってます。当然です。昨年は脚切りにすべり込みセーフでしたからね。
― 9:26
桜江を発ってスグに最初の運命の分かれ道が来る。
140kmのショートコースと、180/200kmを目指すロングコースの分かれ道。私と前後して走っている人たちは、左折して橋を渡りロングを目指す!!
そして待ち構える登坂、糸谷渓谷の崖っぷちを登る。斜度7%が6キロほどと続くが、ここの坂が有難いのは、斜度がほぼ均一なことかな。
峠を過ぎ日貫へと出るが、平坦道を走ることなくスグまた上りへと。そう、迫って来ています。今年最大の山場「石見高原林道」。徐々に、しかし確実に近づいています。 AS1とAS2で食べてないので、まだ坂が緩やかなウチに走りながら補給食を摂る。のんびり走りながら食べていると、前方の山肌に石見高原林道が見えてきた。
石見高原林道に行くまでの10%強の登坂が、昨年もここを登った水越峠へ至る坂。昨年は終盤で迎えたので相当厳しかったが、今年は序盤なのでまだ余裕あり。
― 10:21
そして、水越峠のてっぺんまで来たら、コース立哨員の姿発見。「右に行ってくださぁ~い!」
そう!ここからが石見高原林道。最大斜度17%と言われる坂道。のっけからいきなりの12%!
どうですか、参加者たちの「よじ登る」様子は。 そして、後ろを振り返ってみると・・・何かスゴい斜度なんですけど。
しかし、石見の道は何故か斜度表示の標識が多いよね。そして、こんな皮肉なヤツも・・・。
ある意味、不謹慎な標識がポツリ。悪かったねぇ、遅くて(笑)。
この林道で抜かれる・抜かれる。「頑張って!!」と数人に言われ、続けて抜かれる。あちゃー、遅いワ。練習量不足の証拠か、情けない。
― 10:39
ようやくの思いで林道のてっぺんまで来ると、オートバイサポーターの姿が。
このバイクサポートが秀逸!!
「次のエイドまで、あと3km」とか「ここが高原林道 ファイト」とか書いたボードを持って、オートバイで追い抜いていくのよ。かっこえぇし、参加者にいろんな情報を伝えてくれる。今年初めての試みと思うが、本当に心の支えになった。
― 11:08
高原林道の峠を過ぎて急激に下り降りると、次のチェックポイント・邑南町役場へと到着。既に多くの方がお弁当食べてます。
ボリュームのある弁当を急いでかき込む。先を急ぎたいのはヤマヤマだが、食べておかないと、また去年みたいに後半でハンガーノックに陥っちゃうから。 急いで弁当を食べ終え、自販機で水を買いCCDを溶かして再スタート。
― 11:40
正午近くなり気温も上昇。原山トンネルへと向かう7%の坂道では気温25度の表示。
坂の途中にあるAS5の縄文村では給水が可能なんだが、先を急ぎたいので通過。
― 12:04
原山のトンネルから急激に下り、浜田道の瑞穂インターを過ぎたところで左折指示。
またまた登りである。しかも、だらだらと長い。加えて風も出てきた。この辺りは「風の谷」と呼ばれているらしいが、アゲンストは勘弁して欲しい。
この辺りから腰に若干の痛みが出てき始める。マ、マズい・・・。
だが、この程度の事で心が折れる私では無いのだ。(笑)
次回、腰の痛みと伴に後半に続く・・・。
report:こなき