6月29日(土)に開催された3Tのクラブライド「XPDTN JAPAN CLUB RIDE」を国内マーケティング担当の樋口さんがレポート。グラベルロードのEXPLOROで、霧が立ち込める雰囲気たっぷりの林道を駆け抜けた非日常感溢れるライドの模様をお届けしよう。なお今後も全国各地で3Tのクラブライドを開催予定だ。レポートを読んで気になった方は、公式サイトをチェックしてぜひ参加してみてほしい。



G20期間中ながらスムーズに伊丹空港から輪行G20期間中ながらスムーズに伊丹空港から輪行 photo:Hayato.Higuchi
3Tが世界中で開催している3日間のグラベルライド「XPDTN3」を日本版に落とし込み、1dayのグラベルライドイベントとして、今年から3Tが開催している「XPDTN JAPAN CLUB RIDE(エクスペディションジャパンクラブライド)」。6月15日の青森県白神山地での初回開催に続いて、舞台を宮城県北部に移し第2回を開催した。

起点となる宮城県加美郡加美町までは、飛行機、東北新幹線、陸羽東線に乗り継いで輪行で移動。G20大阪の開催と重なり、出発空港である伊丹空港は多少の混雑があったものの、空港での輪行パッキングを終えて搭乗。仙台空港から空港アクセス線、東北新幹線と乗り継いで、古川駅で陸羽東線に乗車した。わずか2駅の短い区間ではあるが、2両編成の在来線での輪行移動は、自転車での旅行気分を盛り上げてくれる。

西古川駅で輪行解除し、EXPLOROで走り出す。今回のスタート&ゴール地点である加美町薬莱までは平坦基調の国道347号線。時折小雨の中になったが、田園風景を眺めながら気持ちのいいサイクリングを楽しんで現地に入った。

古川駅からは陸羽東線で輪行移動。2両編成の車両は旅気分を盛り上げる古川駅からは陸羽東線で輪行移動。2両編成の車両は旅気分を盛り上げる photo:Hayato.Higuchi起点となる加美町薬莱のペンションKAMIFUJI。ランチやディナーメニューもおすすめ起点となる加美町薬莱のペンションKAMIFUJI。ランチやディナーメニューもおすすめ photo:Hayato.Higuchi

ライド前夜は5万分の1地形図を囲んで、ライドルートを確認ライド前夜は5万分の1地形図を囲んで、ライドルートを確認 photo:Hayato.Higuchi
グラベルライドイベントを前に前泊で現地入りした参加者方と夕食を済ませ、宿泊先のペンションKAMIFUJIで、5万分の1地形図を広げ、今回のライドルートやその周辺に拡がるグラベルロードを確認した。3T XPDTN JAPAN CLUB RIDEは、ツーリングマップルを参考にルートを大まかに確認。今回は仙台市を拠点とするサイクリングクラブのVELO CLUB ARAIの小野寺氏の協力を得てルートを設定した。

その上で、あらためて地形図を見てルートを確認すると、ルートの全体像が見えてくる上、山中に無数に広がる支線に対しても備える事になるためライド中のロストも防ぐ事に繋がる。地図アプリを利用したスマートフォンでのルート確認よりも、大きく広げて周辺を確認できるため、ライド中も地形図を携行するのがベストだ。

朝食までのひと時をハンモックで過ごす朝食までのひと時をハンモックで過ごす photo:Hayato.Higuchi
翌朝は7時スタートのため、11時前には就寝。5時過ぎに起床して、天候を確認しながら朝食の時間まで準備を行う。天気予報は曇り。14時頃から雨が降る予報。宿の周りも濃い霧が出ており、目の前の薬莱山さえ、見る事ができない。

朝食を済ませ集合。簡単な自己紹介の後、XPDTN JAPAN CLUB RIDEスタート。今回の参加者は9名。仙台のバイクショップ「BELLE EQUIPE」の遠藤さんにサポートカーでの伴走を協力いただいた。

スタート前。霧が立ち込める中スタートだスタート前。霧が立ち込める中スタートだ photo:Hayato.Higuchi
最初のグラベル区間を前に。背中の向こうにはグラベルの登りが待っている最初のグラベル区間を前に。背中の向こうにはグラベルの登りが待っている photo:Hayato.Higuchi
米どころの東北ならではの水田脇の舗装路を抜けながら小一時間走ると、林道入口になる。あらためてのスタート集合写真を撮影し、400mほどグラベルを登っていく。傾斜も急ながら、ウェットコンディションという事もありトラクションもかかりにくく朝からハードなグラベルクライムとなった。加美町から、こけしで有名な大崎市鳴子地区にかけて東北でも有数の林道が広がっている。しまった路面が多いものの、時折水路となって流れた路面もあり注意が必要だ。

3T XPDTN JAPAN CLUB RIDEでは、3TのグラベルロードであるEXPLOROの試乗車にも乗る事ができる。実際、今回は走行距離60km。その40%を林道で占めるフィールドでの試乗は、EXPLOROの性能を存分に楽しめ、EXPLOROの特徴であるエアロ効果やカーボンによる振動吸収性の良さ、ハンドリングフィール、ホイール径やタイヤサイズの選択肢の拡がりなどを体験できる。

ウェットコンディションのグラベルはトラクションがかかりにくく、テクニカルだウェットコンディションのグラベルはトラクションがかかりにくく、テクニカルだ photo:Hayato.Higuchi
下り区間を前に小休止下り区間を前に小休止 photo:Hayato.Higuchiアザミが咲く林道を行くアザミが咲く林道を行く photo:Hayato.Higuchi

初めてのグラベルライドに笑みがこぼれる初めてのグラベルライドに笑みがこぼれる photo:Hayato.Higuchi
フラット区間は引き締まった路面が多く、比較的走りやすいフラット区間は引き締まった路面が多く、比較的走りやすい photo:Hayato.Higuchi
今回の参加者は、シクロクロス経験者をはじめ、蔵王ヒルクライムでも上位に入るエキスパートライダーで構成。日本限定仕様のEXPLORO PRO 105に跨がり、初めてのグラベルライドがウェットコンディションとなった方も、泥まみれになりながらグラベルを笑顔で走行。抜群の振動吸収性を誇るカーボンフレームのEXPLOROに走破性が良く軽快な走行ができる700x37Cのタイヤ、そして安定したブレーキコントロール性能を持つSHIMANO105油圧ディスクブレーキの組合せは、マッドでハードなコンディションでも安心して走ることに繋がっていた。

途中バナナなどを補給。気温は18度程度で極端な寒さはなく、泥だらけの補給タイムも、皆さん和やかで楽しさが感じ取れた。霧で幻想的な雰囲気を醸し出す森の中、ハードなグラベル登りの疲れが癒される時間だ。休憩をとった後は、下り基調のグラベル区間に突入する。

バナナやチョコレートで補給。大人の泥んこ遊びに笑みがこぼれるバナナやチョコレートで補給。大人の泥んこ遊びに笑みがこぼれる photo:Hayato.Higuchi
試乗車のEXPLORO PRO105(白)とEXPLORO TEAM(黒)。どちらも高いグラベル走破性を持つ試乗車のEXPLORO PRO105(白)とEXPLORO TEAM(黒)。どちらも高いグラベル走破性を持つ photo:Hayato.Higuchi
時々水たまり区間を抜ける。靴は既に中まで水が浸透しているが楽しい時々水たまり区間を抜ける。靴は既に中まで水が浸透しているが楽しい photo:Hayato.Higuchi
霧雨ながら、前日までの雨により水たまりも多く、これまでの道のりよりも水を浴びる事が増えてきた。シューズの中は既にぐしょぐしょに水分を含んでいるのが感じ取れる。「ロードなら、このコンディションじゃ走らないけど、グラベルは楽しいですね」という声があがるほど、普段のライドとは違ったグラベルロードを体験してもらうことができた。

下り区間で抜群の安定感を誇るのが、27.5x2.1インチのグラベルプラス仕様としたEXPLORO TEAMだ。「意外に軽い」という印象で、チューブド仕様ながらも豊富なエアボリュームでシビアな下りラインでもスムーズなライディングで下っていた。また、私が普段使用しているEXPLORO LTDにも何人かの方に途中でバイクチェンジをしながら試乗してもらったが、愛用のグラベル用カーボンハンドルであるSUPERGHIAIAについても、「握りやすい」「持ちやすい」「下りで安心」と注目されていた。

木々の中、駆け抜けるグラベルライドは日常の喧騒を忘れる時間だ木々の中、駆け抜けるグラベルライドは日常の喧騒を忘れる時間だ photo:Hayato.Higuchi
今回は9名の参加者。交代でEXPLOROでのグラベルライドを体験今回は9名の参加者。交代でEXPLOROでのグラベルライドを体験 photo:Hayato.Higuchi
安定した下りパートを走るEXPLORO TEAM。27.5x2.1インチのグラベルプラス仕様だ安定した下りパートを走るEXPLORO TEAM。27.5x2.1インチのグラベルプラス仕様だ photo:Hayato.Higuchi
また、700x40Cのタイヤを履いても、フロントフォークには十分なクリアランスを確保しているため、見た目からも安心して下り区間へと入る事ができる。自分のバイクで走りながら、フィールドの途中でバイクチェンジをして行う試乗は、実際の使用下での比較を確実に行うことができる。グラベル上でのEXPLOROの評価はウィークポイントが聞こえない事も大きな特徴だ。

鳴子温泉の町に降り立ち、コンビニエンスストアで休憩。川渡温泉から舗装のヒルクライムで登り返す。休憩を挟んでの登りは少し脚に来るが、時折止む霧雨も気になることなく舗装林道を登っていくと、最後のグラベルの下り区間を迎える。終盤には、参加者の眼も身体もグラベルにすっかりと慣れてきたからか?下りのペースも速めに感じる。グラベルのギャップもコーナリングも前半よりも明らかに速いペースだ。

グラベル終盤となると、下りのスピードもアップグラベル終盤となると、下りのスピードもアップ photo:Hayato.Higuchi
知らなかった道を走る。エクスペディションライドの一つのテーマだ知らなかった道を走る。エクスペディションライドの一つのテーマだ photo:Hayato.Higuchi
「グラベルは下りが楽しいね!」というBELLE EQUIPEの遠藤さんも自らEXPLORO TEAMで仙台周辺のグラベルを走っている。今年はグラベルのショップイベントを企画しようと、伴走用の軽トラックを購入。マットグリーンにペイントされた軽トラックはグラベルライドにぴったりだ。遠藤さん曰く、「EXPLOROは乗ったら欲しくなるよ」というバイクとの事。グラベルハンドルのSUPERGHIAIAも遠藤さんお気に入りアイテムの一つだ。

最後のグラベル区間を下り終えると、再び水田の中を抜けゴールの薬莱山に向かう。湿度が高く霧が立ち込める梅雨の水田もまた幻想的だ。最後の舗装登りを経てゴール。脚、背中は泥だらけに。しかし、参加者の皆さんには全員笑顔でグラベルライドを楽しんでもらった。「いやー最初はこのコンディションで走るのか?と、思っていましたが楽しかったです。こんなに楽しいものとは思わなかった」とは参加者の声。

宮城の田園地帯を抜ける。四季のフィールドを感じ取れる区間宮城の田園地帯を抜ける。四季のフィールドを感じ取れる区間 photo:Hayato.Higuchi
27.5x2.1のタイヤを装着できるEXPLOROは楽しめるフィールドの幅が広い27.5x2.1のタイヤを装着できるEXPLOROは楽しめるフィールドの幅が広い photo:Hayato.Higuchiこの日のために伴走用軽トラを準備したBELLEEQUIPE遠藤社長。自らもEXPLOROでグラベルを走っているこの日のために伴走用軽トラを準備したBELLEEQUIPE遠藤社長。自らもEXPLOROでグラベルを走っている photo:Hayato.Higuchi

EXPLORO PROO 105で走り「想像以上に楽しかった」とご満悦EXPLORO PROO 105で走り「想像以上に楽しかった」とご満悦 photo:Hayato.Higuchi
グラベルの満足感で満たされながら、薬莱の温泉につかってペンションKAMIFUJIで遅めのランチで補給。温泉から出る頃には雨も激しくなったが、今回のXPDTN JAPAN CLUB RIDE NARUKOは、幸い天候に若干恵まれた。

3T XPDTN CLUB RIDEはこの後、8月群馬県、10月北海道、11月広島での開催を予定。他日程についても現在企画中。ライド情報は3TジャパンのWEBサイトで最新の情報を掲載している。また、3T JAPANのフェイスブックページでは各ライドのムービーを掲載。XPDTN JAPAN ムービーを見て「行ってみたい!」と思ったら、3T EXPLOROで走ってみよう。EXPEDITION JAPAN by 3T EXPLORO。あなたの知らなかった日本の道がそこにあるはずだ。

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グラベルライドの後は、お楽しみの温泉とランチが待っているグラベルライドの後は、お楽しみの温泉とランチが待っている photo:Hayato.Higuchi
グラベルはEXPLOROの性能を発揮するのに適した一つのフィールドだグラベルはEXPLOROの性能を発揮するのに適した一つのフィールドだ photo:Hayato.Higuchi

text&photo:HAYATO HIGUCHI
協力:VELO CLUB ARAIBELLE EQUIPE



樋口準人(3Tマーケティング担当)樋口準人(3Tマーケティング担当) 筆者プロフィール:樋口準人(3Tマーケティング担当)

ロングライド、ヒルクライム、シクロクロスと四季を通じて自転車に乗りながら、最近は毎週林道に出かけ空撮を楽しむドローングラファー。3TのグラベルロードEXPLOROを知り尽くし、日本各地で開催している3T XPDTN JAPAN CLUB RIDEをアテンドしている。


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