2019/01/27(日) - 15:52
正月が明けて間もない1月第1週、新興バイクブランドのCHAPTER2が企画するオーナーライドの一行とともに伊豆半島一周を旅してきた。海、峠、そして豊かな自然。旅情たっぷりの2日間・400kmのサイクリング旅の模様をお伝えしよう。
マイキーを先頭に修善寺から伊豆を縦断する道を行く photo:Makoto.AYANO
「2日間で伊豆半島をぐるっと一周しましょう!」 おなじみマイキーことマイケル・ライスさん(後述/CHAPTER2ジャパン代表)の声がけで決まったこの企画。日時は1月5、6日。2ヶ月に1度以上のペースで開催されているCHAPTER2オーナーライドの新春企画だ。正月気分明けきらぬ、というより、まだ真っ只中の休暇中、と言ったほうが良いかもしれない。
熱海駅に集合したC2オーナーライド参加者たち
熱海から出発。まだ薄ら寒い早朝の海岸線を行く photo:Makoto.AYANO
フェイスブックで告知されたこの旅に集まったのは10人。輪行やクルマで熱海駅に集合し、まずは顔合わせ。大阪からのグループもいたが、知人もいる。私も普段からこのC2コミュニティに入っているので、初顔合わせという感じもしないのがSNS時代の人間関係の面白さだ。
朝7時の気温は5度。伊豆とはいえ、さすがに1月第1週は寒い!。「伊豆は世界でももっとも美しいエリアだと思ってます。楽しみましょう!」と挨拶するマイキーさん。NHKワールドの「CYCLE AROUND JAPAN」や「奇跡体験!アンビリバボー」等にも出演するなど、タレントとして有名だ。
伊豆の東海岸線を走る。少し走れば峠へのアプローチにとりかかる
マイキーことマイケル・ライスさんとCHAPTER2の新作HURU
C2の前身とも言えるニールプライドだった時代から、マイキーとは旧知の仲の私、綾野(CW編集部)は、じつはマイキーと伊豆を走るのはこれで3度め。一度は2人で一周、2度めはニールプライドオーナーライドで。そして久々の3度めだ。他にもタイのステージレース、ツアー・オブ・フレンドシップに一緒に出たり。ブランド間移籍があったものの、こうして関係が続くのは大の親友だから。
海の見渡せるポイントで休憩。不思議な雲がぽっかり
つきあいが長いから知ってるけど、マイキーのプランするルートはいつもエグい(笑)。さらに坂の多い伊豆だから、必然的にけっこうキツイはず。「伊豆には平らなとこはありません」といきなり宣言するマイキーのこの言葉が、これからの道中を予感させた。では、2日間の旅へ。
熱海から少し海岸線を走ると、さっそく山伏峠へと登り始める。その峠の激坂ぶりは、サイクルスポーツセンターに東から向かったことがある人なら知っているだろう。いきなりのロングヒルクライムに、息切れ...。
山伏峠へは日差しをたっぷり浴びながらのヒルクライムだ photo:Makoto.AYANO
1月のライドでウィンターウェアを着込んでいたとしても、激坂を頑張って登れば汗だくになる。まばゆいお陽様も照ってきて、冬だというのに皆の身体からは湯気が立ち上る。
インタープロの国内チームカーでもあるC2サポートカーが伴走してくれる
愛嬌たっぷりのグレンちゃんがスマホで撮ったムービーを見せてくれる
海の見渡せる橋を登る。景色は最高だ photo:Makoto.AYANO
このツアーにはサポートカーが付く。その助手席からは、C2のキャラクター的存在の「グレンちゃん」(フィリピン人)の賑やかな声援を受けることになる。C2のプレゼンや試乗会に出席した人は、誰でも仲良しになっちゃう愛すべきキャラクター(?)なのだ。
修善寺の日本CSCに行くときに通る厳しい厳しい山伏峠を上り詰めた photo:Makoto.AYANO
CSC隣の伊豆ベロドロームではCHAPTER2ファミリーの高校生、そうた君がレースの最中だということで応援に立ち寄る。皆で高校生レースを観戦し、応援。souta君は数年前にニールプライドのバイクが欲しくてお小遣いを貯めていたが、いざ買えるまで貯金できるとマイク・プライド氏がCHAPTER2を立ち上げる。しかしそうた君も迷わずCHAPTER2の初作「TERE」を買ったというエピソードの持ち主。この日は数レースを走るということで、皆でエールを送った。
伊豆ベロドロームでは高校生のトラックレースが見学できた
C2ライダーでもある高校生そうた君の応援。
伊豆半島のルートのあちこちにサイクリングルートを示すブルーの矢印サインが
修善寺からは伊豆の真ん中を南下。途中e-bikeでツーリングしているサイクリストに出会ったり、道路にもサイクリングルートを示すブルーの矢印がペイントされていたりするのはさすが自転車の国になりつつある伊豆。天城峠を越え、河津七滝のループ橋を下って、伊豆名物の蕎麦やわさび丼をいただく。
E-bikeサイクリストが走っているのはさすが伊豆!
狩野川を渡る吊橋を行く
天城峠のバス停標識には自転車積載可能のマークがあり、思わず誘惑に駆られる
長くてなだらかな登りをこなすと天城峠が近づいてきた photo:Makoto.AYANO
河津七滝のループ橋ではスリル満点のダウンヒルが楽しめる photo:Makoto.AYANO
当初のコースは海岸線を行き、下田まわりの予定だったが、日の短いこの時期、残り距離と海岸線の勾配を計算し、ルートを変更。婆娑羅峠経由で松崎を目指した。
堂ヶ島のサンセットはこれからがまさにクライマックス
美しくもダイナミックなサンセットに息を呑む瞬間
日の傾いた時間に着いた松崎では、堂ヶ島へと夕陽を観に行く。海蝕洞(波の侵食作用でできた洞窟)や、海に点在する小島の景観から「伊豆の松島」と讃えられるこの一帯。強風吹きすさぶ中、波しぶきを浴びつつ、ゴールデンサンセットを楽しんだ。
堂ヶ島の海岸線でダイナミックな波しぶきを浴びる photo:Makoto.AYANO
夜の食事は松崎の料亭で、海鮮と鍋。美味しくも暖かい、新年会の様相を呈した。ライトアップされたなまこ壁が美しい街。
ユニークなデザインの松崎の時計塔
地元でも人気の料亭「久遠(くおん)」でのディナーは新年会代わりだ
走り終わったらやっぱり麦酒ですね
松崎のシンボル、なまこ壁
そして宿は、この旅のハイライトともいうべき古民家の宿。松崎いちの名所、ときわ大橋のたもとの、築130年という木造の日本家屋に皆で泊まるのだ。正確には宿として経営されているわけではなく、マイキーの出演する「サイクルアラウンドジャパン」の番組プロデューサーである内田さんが、手入れしながら管理している家。内田さんはこの松崎が生まれ故郷で、お父様の代から親しんでいた古民家を買い取り、管理しているのだとか。
内田さんが管理する築130年の古民家。松崎の風景の要だ photo:Makoto.AYANO
古民家と最新バイク。なんともいえないミスマッチがお似合いだ photo:Makoto.AYANO
かつて自分が子供だった頃、祖父母の家がこんな造りだったのを思い出す。タイムスリップしたような懐かしさ。古くも、清潔で、かつ温かみのある日本家屋。しかもそれは松崎のシンボルであるときわ大橋と時計塔、なまこ壁の「和テイスト」の風景の一部となっている。そんな家に泊まれるなんて。
内田さんのサイクル番組の制作裏話に聞き入る
内田さんは、マイキーと一緒に日本じゅうを旅して番組をつくってきた人。今の「チャリダー」につながる流れもみてきた人で、サイクリストの我々とはすぐに話が弾んだ。そして、その番組は初回が伊豆で収録されたという。つまりルーツがこの松崎にあるサイクルアラウンドジャパンは、今年からアメリカ全土でも地上波で放送されることが決定したほどのモンスター番組に成長した。日本でもNHKオンデマンドでネット視聴が可能なので、皆さんも観てみてください。
松崎のときわ大橋と時計塔をバックに
CHAPTER2新作の「HURU(フル)」もレンタルできた
ときわ大橋を出発していくCHAPTER2オーナーライド一行
2日目は松崎から西伊豆の海岸線を北上。天気は少し下り坂だ。海岸線はアップダウンが多いことが通例だけど、西伊豆の海岸線はご多分にもその例にもれない。クルマは少なくて走りやすいが、いやというほど登りと下りが繰り返す。残念だったのは、西伊豆側を走るこの日は本来なら富士山が視線の先にあるはずだが、曇っているためその姿が拝めないこと。本来なら、一日中その姿を観ながら走れるのに。
西伊豆の海岸線はこんなアップダウンが絶え間なく繰り返す
何がぐるぐる回っているのかと思ったら、サンマ!
恋人岬で永遠の愛を誓い合う二人(本人たちは否定しています)
戸田港では港のすぐ脇のカニ料理の食堂に飛び込む。戸田はタカアシガニの水揚げで知られるだけあって、カニ料理とムツやキンメなど深海魚系の定食がかなりの安い値段で楽しめた。
カニ料理が楽しめる港の食堂に飛び込む
魚の定食など海の幸をいただく幸せ
戸田名物のタカアシガニの天丼をいただきます photo:Makoto.AYANO
日差しがなく、寒さを感じていたら、ポツポツと雨の気配。スーパーの軒下で雨宿りしてから走り出す。もともとは三島にゴールの予定だったけど、電車でクルマを取りに戻ったり輪行したりは面倒となって、スタートの熱海をゴール地点に変更。箱根峠を越える難ルートなのだけど、今回のメンツは全員が走れる人だったので躊躇なく決定。
みかんの無人販売スタンドで買い物。「人を信用し合う素晴らしさは日本ならでは」とマイキーさん
入江が可愛い大瀬崎の眺め
石造りのサイクルラックがなんともユニーク
箱根峠を登りつつ、雨に白いものが混じり始めた。なんと雪だ...。レインギアを着込んでいても、びっしょり濡れて、つま先や指先はかじかんできた。1月の第1週だというのに、「雪の中走ってるオレたちって馬鹿?」と自虐的になりながらも、幸くないのは峠を登っているから身体がホットに発熱しているということ。冷えるよりはマシだ。
隊列を組んで駆け抜けていくC2オーナーライド一行。息があっている
峠の手前のトンネルで雪やどりして、箱根峠を下る。試乗車に乗った女性はサポートカーに乗ってもらう。箱根峠は急な下りが長く続き、危険と判断したのだ。カーボンリムをブレーキ熱で破壊しないように気をつけながら休み休み下った。ディスクブレーキの良さはこういうときに痛感する。
ハードな行程だったけど、無事走り終えた2日間のライド。ログでは走行距離200kmで獲得標高4,000mだった。このライドも例に漏れず、C2オーナーライドは初心者が気安く参加することができないほどハードな内容であることも多いけど、だからこそ走った仲間同士の絆は深まる(初心者向けのイージーな企画もあります)。
CHAPTER2 TEREで走った林菜穂さん
CHAPTER2 REREで走った須山瑞季さん
希望者に貸し出してくれる試乗車はライドのたびに傷むし、コストがかかると想像する。それでもこんなライドを続けるのは、ブランドが目指していることを理解してほしいからだとマイキーは言う。思うに、C2のバイクを買うことは、仲間とのつながりや趣味の世界への切符を得るということも含まれているのだろう。日本でも人気が上がってきたC2のバイクだが、モノ以上にそういった広がりがあることも魅力的だ。気になる人はC2のSNSをチェックして、その様子を覗いてみてほしい。
マイキーたちは5月のGWのツアー・オブ・フレンドシップに出場する。その他にも国内・海外でいろいろなオーナーライドを企画中だ。サイクルモードOSAKAには創業者マイク・プライド氏も来て、ライドのチャンスがあるはずだ。そんな仲間に加わりたい人は、ぜひどうぞ。
なお、旅の様子は動画でもどうぞ。また、今回の旅でたっぷりと乗ったCHAPTER2の新モデル「HURU」についての実走インプレッションは追って紹介します。
photo&text:Makoto.AYANO
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「2日間で伊豆半島をぐるっと一周しましょう!」 おなじみマイキーことマイケル・ライスさん(後述/CHAPTER2ジャパン代表)の声がけで決まったこの企画。日時は1月5、6日。2ヶ月に1度以上のペースで開催されているCHAPTER2オーナーライドの新春企画だ。正月気分明けきらぬ、というより、まだ真っ只中の休暇中、と言ったほうが良いかもしれない。
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フェイスブックで告知されたこの旅に集まったのは10人。輪行やクルマで熱海駅に集合し、まずは顔合わせ。大阪からのグループもいたが、知人もいる。私も普段からこのC2コミュニティに入っているので、初顔合わせという感じもしないのがSNS時代の人間関係の面白さだ。
朝7時の気温は5度。伊豆とはいえ、さすがに1月第1週は寒い!。「伊豆は世界でももっとも美しいエリアだと思ってます。楽しみましょう!」と挨拶するマイキーさん。NHKワールドの「CYCLE AROUND JAPAN」や「奇跡体験!アンビリバボー」等にも出演するなど、タレントとして有名だ。
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C2の前身とも言えるニールプライドだった時代から、マイキーとは旧知の仲の私、綾野(CW編集部)は、じつはマイキーと伊豆を走るのはこれで3度め。一度は2人で一周、2度めはニールプライドオーナーライドで。そして久々の3度めだ。他にもタイのステージレース、ツアー・オブ・フレンドシップに一緒に出たり。ブランド間移籍があったものの、こうして関係が続くのは大の親友だから。
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熱海から少し海岸線を走ると、さっそく山伏峠へと登り始める。その峠の激坂ぶりは、サイクルスポーツセンターに東から向かったことがある人なら知っているだろう。いきなりのロングヒルクライムに、息切れ...。
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このツアーにはサポートカーが付く。その助手席からは、C2のキャラクター的存在の「グレンちゃん」(フィリピン人)の賑やかな声援を受けることになる。C2のプレゼンや試乗会に出席した人は、誰でも仲良しになっちゃう愛すべきキャラクター(?)なのだ。
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CSC隣の伊豆ベロドロームではCHAPTER2ファミリーの高校生、そうた君がレースの最中だということで応援に立ち寄る。皆で高校生レースを観戦し、応援。souta君は数年前にニールプライドのバイクが欲しくてお小遣いを貯めていたが、いざ買えるまで貯金できるとマイク・プライド氏がCHAPTER2を立ち上げる。しかしそうた君も迷わずCHAPTER2の初作「TERE」を買ったというエピソードの持ち主。この日は数レースを走るということで、皆でエールを送った。
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そして宿は、この旅のハイライトともいうべき古民家の宿。松崎いちの名所、ときわ大橋のたもとの、築130年という木造の日本家屋に皆で泊まるのだ。正確には宿として経営されているわけではなく、マイキーの出演する「サイクルアラウンドジャパン」の番組プロデューサーである内田さんが、手入れしながら管理している家。内田さんはこの松崎が生まれ故郷で、お父様の代から親しんでいた古民家を買い取り、管理しているのだとか。
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かつて自分が子供だった頃、祖父母の家がこんな造りだったのを思い出す。タイムスリップしたような懐かしさ。古くも、清潔で、かつ温かみのある日本家屋。しかもそれは松崎のシンボルであるときわ大橋と時計塔、なまこ壁の「和テイスト」の風景の一部となっている。そんな家に泊まれるなんて。
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内田さんは、マイキーと一緒に日本じゅうを旅して番組をつくってきた人。今の「チャリダー」につながる流れもみてきた人で、サイクリストの我々とはすぐに話が弾んだ。そして、その番組は初回が伊豆で収録されたという。つまりルーツがこの松崎にあるサイクルアラウンドジャパンは、今年からアメリカ全土でも地上波で放送されることが決定したほどのモンスター番組に成長した。日本でもNHKオンデマンドでネット視聴が可能なので、皆さんも観てみてください。
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2日目は松崎から西伊豆の海岸線を北上。天気は少し下り坂だ。海岸線はアップダウンが多いことが通例だけど、西伊豆の海岸線はご多分にもその例にもれない。クルマは少なくて走りやすいが、いやというほど登りと下りが繰り返す。残念だったのは、西伊豆側を走るこの日は本来なら富士山が視線の先にあるはずだが、曇っているためその姿が拝めないこと。本来なら、一日中その姿を観ながら走れるのに。
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戸田港では港のすぐ脇のカニ料理の食堂に飛び込む。戸田はタカアシガニの水揚げで知られるだけあって、カニ料理とムツやキンメなど深海魚系の定食がかなりの安い値段で楽しめた。
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日差しがなく、寒さを感じていたら、ポツポツと雨の気配。スーパーの軒下で雨宿りしてから走り出す。もともとは三島にゴールの予定だったけど、電車でクルマを取りに戻ったり輪行したりは面倒となって、スタートの熱海をゴール地点に変更。箱根峠を越える難ルートなのだけど、今回のメンツは全員が走れる人だったので躊躇なく決定。
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箱根峠を登りつつ、雨に白いものが混じり始めた。なんと雪だ...。レインギアを着込んでいても、びっしょり濡れて、つま先や指先はかじかんできた。1月の第1週だというのに、「雪の中走ってるオレたちって馬鹿?」と自虐的になりながらも、幸くないのは峠を登っているから身体がホットに発熱しているということ。冷えるよりはマシだ。
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峠の手前のトンネルで雪やどりして、箱根峠を下る。試乗車に乗った女性はサポートカーに乗ってもらう。箱根峠は急な下りが長く続き、危険と判断したのだ。カーボンリムをブレーキ熱で破壊しないように気をつけながら休み休み下った。ディスクブレーキの良さはこういうときに痛感する。
ハードな行程だったけど、無事走り終えた2日間のライド。ログでは走行距離200kmで獲得標高4,000mだった。このライドも例に漏れず、C2オーナーライドは初心者が気安く参加することができないほどハードな内容であることも多いけど、だからこそ走った仲間同士の絆は深まる(初心者向けのイージーな企画もあります)。
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希望者に貸し出してくれる試乗車はライドのたびに傷むし、コストがかかると想像する。それでもこんなライドを続けるのは、ブランドが目指していることを理解してほしいからだとマイキーは言う。思うに、C2のバイクを買うことは、仲間とのつながりや趣味の世界への切符を得るということも含まれているのだろう。日本でも人気が上がってきたC2のバイクだが、モノ以上にそういった広がりがあることも魅力的だ。気になる人はC2のSNSをチェックして、その様子を覗いてみてほしい。
マイキーたちは5月のGWのツアー・オブ・フレンドシップに出場する。その他にも国内・海外でいろいろなオーナーライドを企画中だ。サイクルモードOSAKAには創業者マイク・プライド氏も来て、ライドのチャンスがあるはずだ。そんな仲間に加わりたい人は、ぜひどうぞ。
なお、旅の様子は動画でもどうぞ。また、今回の旅でたっぷりと乗ったCHAPTER2の新モデル「HURU」についての実走インプレッションは追って紹介します。
photo&text:Makoto.AYANO
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