2018/12/28(金) - 12:45
山口県長門市にて行われたロングライドイベント”ながとブルーオーシャンライドwith秋吉台”。シマノドリンキングで走るトップホビーレーサー、白石真吾さんがコースを監修した魅力いっぱいのイベントのレポートが届きました。
みなさんこんにちは。私、白石真悟が住む山口県長門市で行われた、青い海と秋吉台の絶景だけでなく、エイドのおいしいグルメ、さらにはシマノレーシングの選手や、パラサイクリング日本代表選手も一緒に走って参加者と触れ合った「ながとブルーオーシャンライドwith秋吉台」のレポートをお届けします。
11月24日(土)、山口県長門市と美祢市を巡るサイクリングイベント「ながとブルーオーシャンライドwith秋吉台」が開催された。2016年に同大会を初開催し、今年で3年目。三方を海に囲まれた長門市ながらこれまでは天候に恵まれず、なかなか「ブルーオーシャン」を拝めなかったが、今回は澄み渡る青空の下で大会当日を迎えた。
午前8時、メイン会場となる「道の駅センザキッチン」には、400人を超えるライダーが集まった。今年4月にオープンした道の駅は県内最大級の規模を誇るほか、長門市唯一のサイクルステーションとして、観光案内所に修理工具や空気入れ、サイクルラックを常備している。さらに5種類、約20台のレンタサイクルも用意され、本大会にもクロスバイクをレンタルして臨む参加者も見られた。
開会式では、まず大会を盛り上げるゲストライダーとして、シマノレーシングチームとパラサイクリング日本代表チームの選手が紹介された。その後、野寺監督から参加者へ交通ルールやマナーについて呼びかけがあり、準備万端。そして、1列ずつ順番にスタートを切り、深い青色が印象的な仙崎湾を眺めながら山を目指す。長い旅の始まりだ。
秋吉台カルストロードと地域の美食 里山で味わう贅沢プレート
美祢市に入った参加者は、最初のエイドポイント「秋吉台リフレッシュパーク」へ。トロン温泉も楽しめる、自然の恵みに溢れたオートキャンプ場だ。22km地点となるこの場所では「石窯パンの秋吉台高原牛100%バーガー」が提供された。いきなりの食べ応え抜群の一品に思わず顔がほころび「持って走ろうかな」という声も聞こえた。
そして、いよいよ「秋吉台カルストロード」へ。無数の白い石灰岩が立ち並ぶ景色を眺めながら、緩やかなカーブが続く道を進む。だんだんと気温も上がり、額から伝う汗を拭いつつ「どこまで登ればいいんだ」とこぼす参加者。ただその顔は、絶景を前にどこか笑っているようにも見えた。
秋吉台のアップダウンを終えて平坦な区間を迎えたとき、ふいに「がんばれー」の声が聞こえた。沿道の子どもたちは、バイクにまたがる参加者はもちろん、原付で同じ道を通り過ぎていく地元の方にまでブンブンと大きく手を振っていた。コース中には集落を抜ける箇所もあり、こうして地域の人と触れ合えるのもうれしいポイントだ。
そして2つ目のエイドポイント、45km地点となる「別府弁天池」に到着。ここで味えるのは、地元野菜と弁天池の湧水で作られたという特製の豚汁だ。元気あふれる地元女性の皆さんが、大鍋をかき混ぜながら出迎えてくれた。
中間点を過ぎ、再び長門市に戻ってきた参加者は、68km地点にある3つ目のエイドポイント「里山ステーション俵山」へ。この日のメインディッシュとも言える「里山プレート」は、長門市俵山地区の幸を詰め込んだ9品が並ぶ贅沢な一皿だ。
車窓からのブルーオーシャン
さらに本大会では、コースの途中で自転車と一緒に電車に乗る「トレインコース」も設定。今回は美祢市の於福駅で乗車する約51kmの「ショート」、長門市の人丸駅で乗車する約84kmの「ミドル」の2コースが用意された。
大会のヘッドマークをつけた特別な列車では、自転車とはまた違った景色を楽しみながら、道の駅センザキッチンそばの仙崎駅まで帰ることができる。車内では、ショートの参加者に海うなぎ丼、ミドルの参加者にスコーンとホットコーヒーが振る舞われた。
ロングライドに不安を抱く参加者にとって、帰りの心配がいらないトレインコースは、見所もぎゅっと詰め込まれたおすすめのコースだ。ミドルは日本海沿いを走る山陰本線に乗車し、スパートをかける参加者の姿と合わせて、車窓からのブルーオーシャンを楽しんだ。
青い海と棚田の絶景コントラスト
俵山からは一気に北上。道路に散らばる落ち葉を巻き上げながら、山道を抜けて油谷地区に入ると、だんだんと景色が開け、コバルトブルーの海が現れる。「ブルーオーシャンライド」の名前通りの、青い海を眺めながらのライドが幕を上げた。
90km地点となる4つ目のエイドポイント「大浜海水浴場」では、山口県産地鶏「長州黒かしわ」のもも肉を使った本格的な「地鶏カレー」を味わう。
海を見下ろしながら、木漏れ日に染まる山道を進むと「日本の棚田百選」と
しても知られる「東後畑棚田」が見えてきた。ここは日本海と棚田を一度に眺められるビュースポットで、全国からカメラマンが訪れる場所でもある。不規則な網目状に並ぶ田の黄色と海の青色は、吸い込まれそうなコントラストを生み出していた。
103km地点にある最後のエイドポイントは、黄波戸口集会所。山口県最古の温泉として知られる長門湯本温泉の萩焼ギャラリーカフェ「cafe&pottery音」のコーヒーや手作りケーキがいただけるポイントだ。
峠を越せば、ラストスパート。只の浜海水浴場の横を颯爽と駆け抜け、ゴールのセンザキッチンを目指す。そして訪れる終わりの瞬間。家族やスタッフ、地域の皆さんに迎えられ、ブルーのゴールゲートをくぐった。
長門市・美祢市の絶景と食を満喫し、地域の皆さんとのふれあいも楽しんだ1日。きれいだった場所、苦しかったコースにおいしかったメニュー、すべてが良い思い出になり、笑い合う参加者の姿が印象的なゴール後のひとときだった。
ゲストライダーによる「サイクルクリニック」と炭火焼を囲む交流会
大会前日の23日(金)には、ゲストライダーとして参加された「シマノレーシングチーム」の皆さんによる「サイクルクリニック」が行われた。会場は、前日受付も行われた道の駅センザキッチンの観光案内所「YUKUTE」前だ。
参加者は、選手や監督から乗車時のフォームチェックを受けたり、サドルの適正な位置を教わったりと、翌日に活かせるような有意義な時間を過ごした。その後はセンザキッチンを出発し、秋の景色を楽しみながら、紅葉の名所・大寧寺を目指してポタリング。最後は、すぐそばにある湯本温泉の足湯に浸かり、温かいコーヒーを味わいながら一息ついた。
ゲストライダーとポタリングを楽しんだ後は、メイン会場のセンザキッチンに併設されたバーベキュー場にて交流会が行われた。会場の盛り上がりが最高潮に達した頃、ゲストライダーがその場で自身のサインを書き込んだ大会オリジナルグッスを争奪するジャンケン大会を開催。見事勝ち抜いた幸運な参加者たちは、この世に2つとない記念の品をゲストライダーたちから手渡され、歓声をあげた。そして翌日の大会本番の健闘を誓い合い、会場を後にした。
シマノレーシングチーム 野寺秀徳監督コメント
イベントへの参加は一昨年と合わせて2度目。通常のレース活動とは異なりプレッシャー無くライドし、美味しいものも食べられるという贅沢な環境にチーム監督という立場上、若干の罪悪感すら感じながらの参加です。
私はイベントの最後尾付近を走行し、参加の皆さまと長門の海や秋吉台の素晴らしい景色をゆっくり楽しみながらの走行でした。が、沿道のスタッフから『ペースを上げてください!予定の電車に間に合いません!』と突然の厳しい檄が飛び、最後尾付近には緊張感が漂い始めました。
しかしながら、スタッフ含む参加の皆さんはそれすら楽しもうとする雰囲気があり、結局幾人かはサポート車両のお世話になりながらも笑顔でライドや食事を楽しみ、そして明るくイベント運営をしている姿が印象的でした。
ほかには無い素晴らしい走行環境、景色、食そして人々が集まるこの長門のイベントに、ぜひまた参加したいと感じるだけでなく、「選手強化の合宿地としてこのような素晴らしい環境があったのか!」と気づかされる一日となりました。
パラサイクリング日本代表 野口佳子選手コメント
本大会では、綺麗な会場に気分よく入り、初めてお会いするスタッフの方が笑顔で私たちを歓迎してくださったことで私のテンションは一気に上がりました。また、シマノレーシング選手の皆さんと同じステージに立たせていただき、同じゲストとしてお話しする場も作っていただいたことも新鮮でした。
どこを走ってもしっかり舗装された道路、おしゃれで美味しいエイドはサイクリストとして最高のイベントだと思いました!来年も呼んでいただけるように、そしてパラサイクリストと一緒に走ってみたいと思われるようにまた頑張ります。ありがとうございました。
text&photo:Shingo.Shiraishi
みなさんこんにちは。私、白石真悟が住む山口県長門市で行われた、青い海と秋吉台の絶景だけでなく、エイドのおいしいグルメ、さらにはシマノレーシングの選手や、パラサイクリング日本代表選手も一緒に走って参加者と触れ合った「ながとブルーオーシャンライドwith秋吉台」のレポートをお届けします。
11月24日(土)、山口県長門市と美祢市を巡るサイクリングイベント「ながとブルーオーシャンライドwith秋吉台」が開催された。2016年に同大会を初開催し、今年で3年目。三方を海に囲まれた長門市ながらこれまでは天候に恵まれず、なかなか「ブルーオーシャン」を拝めなかったが、今回は澄み渡る青空の下で大会当日を迎えた。
午前8時、メイン会場となる「道の駅センザキッチン」には、400人を超えるライダーが集まった。今年4月にオープンした道の駅は県内最大級の規模を誇るほか、長門市唯一のサイクルステーションとして、観光案内所に修理工具や空気入れ、サイクルラックを常備している。さらに5種類、約20台のレンタサイクルも用意され、本大会にもクロスバイクをレンタルして臨む参加者も見られた。
開会式では、まず大会を盛り上げるゲストライダーとして、シマノレーシングチームとパラサイクリング日本代表チームの選手が紹介された。その後、野寺監督から参加者へ交通ルールやマナーについて呼びかけがあり、準備万端。そして、1列ずつ順番にスタートを切り、深い青色が印象的な仙崎湾を眺めながら山を目指す。長い旅の始まりだ。
秋吉台カルストロードと地域の美食 里山で味わう贅沢プレート
美祢市に入った参加者は、最初のエイドポイント「秋吉台リフレッシュパーク」へ。トロン温泉も楽しめる、自然の恵みに溢れたオートキャンプ場だ。22km地点となるこの場所では「石窯パンの秋吉台高原牛100%バーガー」が提供された。いきなりの食べ応え抜群の一品に思わず顔がほころび「持って走ろうかな」という声も聞こえた。
そして、いよいよ「秋吉台カルストロード」へ。無数の白い石灰岩が立ち並ぶ景色を眺めながら、緩やかなカーブが続く道を進む。だんだんと気温も上がり、額から伝う汗を拭いつつ「どこまで登ればいいんだ」とこぼす参加者。ただその顔は、絶景を前にどこか笑っているようにも見えた。
秋吉台のアップダウンを終えて平坦な区間を迎えたとき、ふいに「がんばれー」の声が聞こえた。沿道の子どもたちは、バイクにまたがる参加者はもちろん、原付で同じ道を通り過ぎていく地元の方にまでブンブンと大きく手を振っていた。コース中には集落を抜ける箇所もあり、こうして地域の人と触れ合えるのもうれしいポイントだ。
そして2つ目のエイドポイント、45km地点となる「別府弁天池」に到着。ここで味えるのは、地元野菜と弁天池の湧水で作られたという特製の豚汁だ。元気あふれる地元女性の皆さんが、大鍋をかき混ぜながら出迎えてくれた。
中間点を過ぎ、再び長門市に戻ってきた参加者は、68km地点にある3つ目のエイドポイント「里山ステーション俵山」へ。この日のメインディッシュとも言える「里山プレート」は、長門市俵山地区の幸を詰め込んだ9品が並ぶ贅沢な一皿だ。
車窓からのブルーオーシャン
さらに本大会では、コースの途中で自転車と一緒に電車に乗る「トレインコース」も設定。今回は美祢市の於福駅で乗車する約51kmの「ショート」、長門市の人丸駅で乗車する約84kmの「ミドル」の2コースが用意された。
大会のヘッドマークをつけた特別な列車では、自転車とはまた違った景色を楽しみながら、道の駅センザキッチンそばの仙崎駅まで帰ることができる。車内では、ショートの参加者に海うなぎ丼、ミドルの参加者にスコーンとホットコーヒーが振る舞われた。
ロングライドに不安を抱く参加者にとって、帰りの心配がいらないトレインコースは、見所もぎゅっと詰め込まれたおすすめのコースだ。ミドルは日本海沿いを走る山陰本線に乗車し、スパートをかける参加者の姿と合わせて、車窓からのブルーオーシャンを楽しんだ。
青い海と棚田の絶景コントラスト
俵山からは一気に北上。道路に散らばる落ち葉を巻き上げながら、山道を抜けて油谷地区に入ると、だんだんと景色が開け、コバルトブルーの海が現れる。「ブルーオーシャンライド」の名前通りの、青い海を眺めながらのライドが幕を上げた。
90km地点となる4つ目のエイドポイント「大浜海水浴場」では、山口県産地鶏「長州黒かしわ」のもも肉を使った本格的な「地鶏カレー」を味わう。
海を見下ろしながら、木漏れ日に染まる山道を進むと「日本の棚田百選」と
しても知られる「東後畑棚田」が見えてきた。ここは日本海と棚田を一度に眺められるビュースポットで、全国からカメラマンが訪れる場所でもある。不規則な網目状に並ぶ田の黄色と海の青色は、吸い込まれそうなコントラストを生み出していた。
103km地点にある最後のエイドポイントは、黄波戸口集会所。山口県最古の温泉として知られる長門湯本温泉の萩焼ギャラリーカフェ「cafe&pottery音」のコーヒーや手作りケーキがいただけるポイントだ。
峠を越せば、ラストスパート。只の浜海水浴場の横を颯爽と駆け抜け、ゴールのセンザキッチンを目指す。そして訪れる終わりの瞬間。家族やスタッフ、地域の皆さんに迎えられ、ブルーのゴールゲートをくぐった。
長門市・美祢市の絶景と食を満喫し、地域の皆さんとのふれあいも楽しんだ1日。きれいだった場所、苦しかったコースにおいしかったメニュー、すべてが良い思い出になり、笑い合う参加者の姿が印象的なゴール後のひとときだった。
ゲストライダーによる「サイクルクリニック」と炭火焼を囲む交流会
大会前日の23日(金)には、ゲストライダーとして参加された「シマノレーシングチーム」の皆さんによる「サイクルクリニック」が行われた。会場は、前日受付も行われた道の駅センザキッチンの観光案内所「YUKUTE」前だ。
参加者は、選手や監督から乗車時のフォームチェックを受けたり、サドルの適正な位置を教わったりと、翌日に活かせるような有意義な時間を過ごした。その後はセンザキッチンを出発し、秋の景色を楽しみながら、紅葉の名所・大寧寺を目指してポタリング。最後は、すぐそばにある湯本温泉の足湯に浸かり、温かいコーヒーを味わいながら一息ついた。
ゲストライダーとポタリングを楽しんだ後は、メイン会場のセンザキッチンに併設されたバーベキュー場にて交流会が行われた。会場の盛り上がりが最高潮に達した頃、ゲストライダーがその場で自身のサインを書き込んだ大会オリジナルグッスを争奪するジャンケン大会を開催。見事勝ち抜いた幸運な参加者たちは、この世に2つとない記念の品をゲストライダーたちから手渡され、歓声をあげた。そして翌日の大会本番の健闘を誓い合い、会場を後にした。
シマノレーシングチーム 野寺秀徳監督コメント
イベントへの参加は一昨年と合わせて2度目。通常のレース活動とは異なりプレッシャー無くライドし、美味しいものも食べられるという贅沢な環境にチーム監督という立場上、若干の罪悪感すら感じながらの参加です。
私はイベントの最後尾付近を走行し、参加の皆さまと長門の海や秋吉台の素晴らしい景色をゆっくり楽しみながらの走行でした。が、沿道のスタッフから『ペースを上げてください!予定の電車に間に合いません!』と突然の厳しい檄が飛び、最後尾付近には緊張感が漂い始めました。
しかしながら、スタッフ含む参加の皆さんはそれすら楽しもうとする雰囲気があり、結局幾人かはサポート車両のお世話になりながらも笑顔でライドや食事を楽しみ、そして明るくイベント運営をしている姿が印象的でした。
ほかには無い素晴らしい走行環境、景色、食そして人々が集まるこの長門のイベントに、ぜひまた参加したいと感じるだけでなく、「選手強化の合宿地としてこのような素晴らしい環境があったのか!」と気づかされる一日となりました。
パラサイクリング日本代表 野口佳子選手コメント
本大会では、綺麗な会場に気分よく入り、初めてお会いするスタッフの方が笑顔で私たちを歓迎してくださったことで私のテンションは一気に上がりました。また、シマノレーシング選手の皆さんと同じステージに立たせていただき、同じゲストとしてお話しする場も作っていただいたことも新鮮でした。
どこを走ってもしっかり舗装された道路、おしゃれで美味しいエイドはサイクリストとして最高のイベントだと思いました!来年も呼んでいただけるように、そしてパラサイクリストと一緒に走ってみたいと思われるようにまた頑張ります。ありがとうございました。
text&photo:Shingo.Shiraishi
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