2017/10/18(水) - 09:03
日本からも毎年多くの参加者が集うホノルルセンチュリーライド。今年は天気が崩れる心配もなくベストコンディションでライドを楽しんだ大会当日のレポートを、初参加のCW編集部員ムラタが実走レポートでお届けします(大会前日レポートはこちら)。
まだ辺りが真っ暗な朝5時過ぎ、眠い目をこすりながら大会会場のカピオラニ公園に到着した我々CW編集部一行。すでに多くの参加者が集まっており、これから始まるセンチュリーライドに向けワクワクが止まらないといったテンションが各所から伝わってくる。東武トップツアーズのツアー参加者は会場内に専用テントも設けられ、タイヤに空気を入れたり軽いメカニックを受けたりというサービスも用意された。
ひたすらクーラーの効いた会社のデスクで作業をしていたこの夏だけに、前日ライドの日焼けによるダメージをやや引きずりつつ、仕事着とも言えるサイクルジャージに身を包めば気が引き締まる。約1700人の参加者がスタート位置に並べば最後尾はもう見えないほどで、その風景は圧巻。しかもその参加者の内約3分の1に当たる600人ほどが日本からのエントリーとのことでさらに驚きだ。
ホノルルセンチュリーライドは最長100マイル(約160km)を走るロングライドイベント。ホノルル市街からオアフ島を反時計回りに進み、80km地点のスワンジービーチパークにて折り返すルートとなる。細かい登りは多少あるものの、概ね海岸沿いの平坦基調な道を行く初心者にも安心のコースレイアウトだ。ハワイの美しい海を眺めながらのライドという、最高のロケーションを存分に楽しめるのがこのイベントの醍醐味だろう。
”最長”100マイルと書いたのは、走力や体調によって途中で折り返すことができるから。ルート上には折り返し地点として25マイル(40km)、50マイル(80km)、75マイル(120km)と等間隔にエイドステーションが設けられるため、あらゆるレベルの人が無理なく楽しめるようになっているのだ。ただ、50マイル以上は通過制限時間が設定されているためそれなりのスピードは求められる。
スタート時間が近づくと陽気なMCが会場を盛り上げ、参加者も今か今かとウズウズしている様子が伝わってくる。驚いたのが、海外のイベントなのに英語のMCに続いて日本語のMCも流れること。この大会はJALも協賛し日本からも多く人が参加することもあり、日本人への配慮が随所に感じられるようになっている。「おはようございます~」と馴染みのある日本語でスタート前の緊張もほぐれたに違いない。
距離別に複数のコースを用意し、そのコースごとのスタートとなることが多い日本のロングライドイベント。それに対しホノルルセンチュリーライドは参加者全員が同じルートを辿るため、事前の申請で選択した走力別にA、B、Cの3つのグループでスタートすることになる。2000人弱の参加者がわずか3グループに分けられたのみで一斉にスタートするため、自転車の列は止めどなく続くことに。ただ、それだけに自分に合ったスピードの隊列を見つけやすいのではないだろうか。
「3、2、1、0!」の合図でスタートが切られると、MCの人も「いってらっしゃーい!」と送り出してくれる。まるで国内のイベントのようだ。その中でも走り出す参加者を見渡せば、屈強なお兄さんからナイスバディなお姉さんまで実に海外らしいサイクリストの姿も目に入ってくる。「国籍は違えど、みな自転車という共通の趣味で繋がっているんだな」と実感。
カピオラニ公園を抜けダイアモンドヘッド脇の海岸線を行く。前日のライドでも走った道で勝手も分かっており、スタート直後から安心して走行できる。車両は右側通行ということもあり、往路はより海岸を近くで望める位置でライドを楽しめるのだ。朝焼けのオレンジ色の陽を正面から受け眩しさを感じつつ、まだ気温の高くない爽やかな朝を突き進む。
スタートからわずか2kmほどで現れるダイアモンドヘッド下のビューポイント。朝早いとあり日中の真っ青な海の風景とは異なる情景がまた味わい深い。多くの人が足を止め記念撮影を行っていた。
そこから進路はハイウェイへと突入。まだ車通りが少ないだけに、3車線もある道幅の広いハイウェイを独り占めした気分にすらなる。大会に合わせ一番右端の車線を自転車通行用に仕切ってあり、みな安心して走ることができただろう。走りやすい道だけに軽快なペースで進んでいく。
そのまま真っ直ぐ進めば前日ライドで訪れたハナウマベイへ向かう、という道を左折しハワイカイ地区の市街を抜ける。火山活動によってできた特徴的な地形のココクレーター脇を通るのだが、ここで登場するのがコース上でも数少ない登り坂ポイント「ハートブレイクヒル」だ。距離は約800mと短いものの、最大勾配7%に迫る斜度が参加者を苦しめる。
ここまで走り出してから20km弱。まだまだ余裕だと軽快に登っていく人、自転車を降りて歩く人と様々いるが、丘の頂上手前ではバルーンを持った応援隊が待ち構えており、参加者全員に大きな声援を送ってくれていた。英語日本語関係なく声を掛けてもらえるとなぜだか力が湧いてくるのは不思議なものである。頂上まで最後のひと踏みを頑張れば、あとは海岸線まで下るだけ。
程なくして到着したのは25マイルの折り返し地点となる第1エイドのサンディビーチパーク。スタートしてだいたい1時間ほどだろうか。時刻は7時過ぎと朝食にピッタリの時間帯で振る舞われるのは、ハワイでは定番のスイーツ「マラサダ」だ。揚げパンもしくはドーナツといった食べ物で、朝早いスタートで朝食を食べていなかったライダーにはこういったお腹にたまる食べ物が嬉しかったことだろう。
大量に積まれたマラサダはまさに食べ放題といった具合で、疲労も少ないこの序盤では何個でも食べられそうな勢いだ。他にもオレンジやバナナ、プレッツェルといったものも次から次へと補充されるほどたくさん用意された。これなら途中でエネルギー切れとなることも心配なさそうだ。
エイドを出発して綺麗な海岸沿いの道に感動したのも束の間、またも登りがやってくる。といってもこれも数百mほどしかない短いもの。ペースを抑えめに登っていると後ろから「アロハ~」と元気な声が近づいてくる。どこぞの現地ライダーかなと振り返ると軽快に走ってくるのはサポートライダーの須田さんだ。聞くと、道を間違え第1エイドをスルーしてきてしまったのだとか。まあ、須田さんなら補給なしでも余裕だろう、と特に心配はしない。
ここまで一人で走ってきただけに仲間が居るのは嬉しいこと。少しの間だけ付いていくことにした。さて、登り切った先はホノルルセンチュリーライド随一の絶景スポット「マカプウ岬」の展望台へ到着だ。
オアフ島の東端に位置するマカプウ岬。切り立った岩場の上に展望台が設けられ、そこからは目の前いっぱいにオーシャンビューが広がり、あまりの美しさに見とれてしまうほど。岬の端まではハイキング用の小道も整備され、さらに高い場所からも眺めを堪能できるようになっている。
陽の光を反射して輝きを放つ砂浜や、海岸線から内陸に向かって一気に壁のような造形を見せるオアフ島特有の自然に心打たれるとともに、目に飛び込んでくるのはぽっかりと浮かぶ小島。ラビットアイランドと呼ばれるその島は、うさぎが横たわっている姿に似ていることからそんな名称になったのだとか。時期によってはザトウクジラもその周辺で観察できるらしい。うーん、どこからみてもウサギには見えないぞとツッコミを入れつつ、眺めを十分に満喫したマカプウ岬を後にした。
ここまで100マイル中25マイルほど、まだまだ続くホノルルセンチュリーライド。次回は大会後編をお届けします。
東武トップツアーズ ホノルルセンチュリーライドツアーFacebookフォトアルバム
DAY1 大会前日 走り方講座&プラクティスライド
DAY2 大会当日 ホノルルセンチュリーライド&後夜祭
DAY3 大会翌日 タンタラスの丘モーニングライド&ノースショアライド
text&photo:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO
まだ辺りが真っ暗な朝5時過ぎ、眠い目をこすりながら大会会場のカピオラニ公園に到着した我々CW編集部一行。すでに多くの参加者が集まっており、これから始まるセンチュリーライドに向けワクワクが止まらないといったテンションが各所から伝わってくる。東武トップツアーズのツアー参加者は会場内に専用テントも設けられ、タイヤに空気を入れたり軽いメカニックを受けたりというサービスも用意された。
ひたすらクーラーの効いた会社のデスクで作業をしていたこの夏だけに、前日ライドの日焼けによるダメージをやや引きずりつつ、仕事着とも言えるサイクルジャージに身を包めば気が引き締まる。約1700人の参加者がスタート位置に並べば最後尾はもう見えないほどで、その風景は圧巻。しかもその参加者の内約3分の1に当たる600人ほどが日本からのエントリーとのことでさらに驚きだ。
ホノルルセンチュリーライドは最長100マイル(約160km)を走るロングライドイベント。ホノルル市街からオアフ島を反時計回りに進み、80km地点のスワンジービーチパークにて折り返すルートとなる。細かい登りは多少あるものの、概ね海岸沿いの平坦基調な道を行く初心者にも安心のコースレイアウトだ。ハワイの美しい海を眺めながらのライドという、最高のロケーションを存分に楽しめるのがこのイベントの醍醐味だろう。
”最長”100マイルと書いたのは、走力や体調によって途中で折り返すことができるから。ルート上には折り返し地点として25マイル(40km)、50マイル(80km)、75マイル(120km)と等間隔にエイドステーションが設けられるため、あらゆるレベルの人が無理なく楽しめるようになっているのだ。ただ、50マイル以上は通過制限時間が設定されているためそれなりのスピードは求められる。
スタート時間が近づくと陽気なMCが会場を盛り上げ、参加者も今か今かとウズウズしている様子が伝わってくる。驚いたのが、海外のイベントなのに英語のMCに続いて日本語のMCも流れること。この大会はJALも協賛し日本からも多く人が参加することもあり、日本人への配慮が随所に感じられるようになっている。「おはようございます~」と馴染みのある日本語でスタート前の緊張もほぐれたに違いない。
距離別に複数のコースを用意し、そのコースごとのスタートとなることが多い日本のロングライドイベント。それに対しホノルルセンチュリーライドは参加者全員が同じルートを辿るため、事前の申請で選択した走力別にA、B、Cの3つのグループでスタートすることになる。2000人弱の参加者がわずか3グループに分けられたのみで一斉にスタートするため、自転車の列は止めどなく続くことに。ただ、それだけに自分に合ったスピードの隊列を見つけやすいのではないだろうか。
「3、2、1、0!」の合図でスタートが切られると、MCの人も「いってらっしゃーい!」と送り出してくれる。まるで国内のイベントのようだ。その中でも走り出す参加者を見渡せば、屈強なお兄さんからナイスバディなお姉さんまで実に海外らしいサイクリストの姿も目に入ってくる。「国籍は違えど、みな自転車という共通の趣味で繋がっているんだな」と実感。
カピオラニ公園を抜けダイアモンドヘッド脇の海岸線を行く。前日のライドでも走った道で勝手も分かっており、スタート直後から安心して走行できる。車両は右側通行ということもあり、往路はより海岸を近くで望める位置でライドを楽しめるのだ。朝焼けのオレンジ色の陽を正面から受け眩しさを感じつつ、まだ気温の高くない爽やかな朝を突き進む。
スタートからわずか2kmほどで現れるダイアモンドヘッド下のビューポイント。朝早いとあり日中の真っ青な海の風景とは異なる情景がまた味わい深い。多くの人が足を止め記念撮影を行っていた。
そこから進路はハイウェイへと突入。まだ車通りが少ないだけに、3車線もある道幅の広いハイウェイを独り占めした気分にすらなる。大会に合わせ一番右端の車線を自転車通行用に仕切ってあり、みな安心して走ることができただろう。走りやすい道だけに軽快なペースで進んでいく。
そのまま真っ直ぐ進めば前日ライドで訪れたハナウマベイへ向かう、という道を左折しハワイカイ地区の市街を抜ける。火山活動によってできた特徴的な地形のココクレーター脇を通るのだが、ここで登場するのがコース上でも数少ない登り坂ポイント「ハートブレイクヒル」だ。距離は約800mと短いものの、最大勾配7%に迫る斜度が参加者を苦しめる。
ここまで走り出してから20km弱。まだまだ余裕だと軽快に登っていく人、自転車を降りて歩く人と様々いるが、丘の頂上手前ではバルーンを持った応援隊が待ち構えており、参加者全員に大きな声援を送ってくれていた。英語日本語関係なく声を掛けてもらえるとなぜだか力が湧いてくるのは不思議なものである。頂上まで最後のひと踏みを頑張れば、あとは海岸線まで下るだけ。
程なくして到着したのは25マイルの折り返し地点となる第1エイドのサンディビーチパーク。スタートしてだいたい1時間ほどだろうか。時刻は7時過ぎと朝食にピッタリの時間帯で振る舞われるのは、ハワイでは定番のスイーツ「マラサダ」だ。揚げパンもしくはドーナツといった食べ物で、朝早いスタートで朝食を食べていなかったライダーにはこういったお腹にたまる食べ物が嬉しかったことだろう。
大量に積まれたマラサダはまさに食べ放題といった具合で、疲労も少ないこの序盤では何個でも食べられそうな勢いだ。他にもオレンジやバナナ、プレッツェルといったものも次から次へと補充されるほどたくさん用意された。これなら途中でエネルギー切れとなることも心配なさそうだ。
エイドを出発して綺麗な海岸沿いの道に感動したのも束の間、またも登りがやってくる。といってもこれも数百mほどしかない短いもの。ペースを抑えめに登っていると後ろから「アロハ~」と元気な声が近づいてくる。どこぞの現地ライダーかなと振り返ると軽快に走ってくるのはサポートライダーの須田さんだ。聞くと、道を間違え第1エイドをスルーしてきてしまったのだとか。まあ、須田さんなら補給なしでも余裕だろう、と特に心配はしない。
ここまで一人で走ってきただけに仲間が居るのは嬉しいこと。少しの間だけ付いていくことにした。さて、登り切った先はホノルルセンチュリーライド随一の絶景スポット「マカプウ岬」の展望台へ到着だ。
オアフ島の東端に位置するマカプウ岬。切り立った岩場の上に展望台が設けられ、そこからは目の前いっぱいにオーシャンビューが広がり、あまりの美しさに見とれてしまうほど。岬の端まではハイキング用の小道も整備され、さらに高い場所からも眺めを堪能できるようになっている。
陽の光を反射して輝きを放つ砂浜や、海岸線から内陸に向かって一気に壁のような造形を見せるオアフ島特有の自然に心打たれるとともに、目に飛び込んでくるのはぽっかりと浮かぶ小島。ラビットアイランドと呼ばれるその島は、うさぎが横たわっている姿に似ていることからそんな名称になったのだとか。時期によってはザトウクジラもその周辺で観察できるらしい。うーん、どこからみてもウサギには見えないぞとツッコミを入れつつ、眺めを十分に満喫したマカプウ岬を後にした。
ここまで100マイル中25マイルほど、まだまだ続くホノルルセンチュリーライド。次回は大会後編をお届けします。
東武トップツアーズ ホノルルセンチュリーライドツアーFacebookフォトアルバム
DAY1 大会前日 走り方講座&プラクティスライド
DAY2 大会当日 ホノルルセンチュリーライド&後夜祭
DAY3 大会翌日 タンタラスの丘モーニングライド&ノースショアライド
text&photo:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO
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