2017/05/26(金) - 09:08
5月13日(土)と14日(日)の2日間にかけて開催されたグランフォンド軽井沢。その中でも初日に設けられた、軽井沢の雰囲気をサイクリングで味わいつつエイドで美味しい食事とスイーツが楽しめる人気カテゴリーの「ザ・グルメフォンド軽井沢」をレポート。
日本有数の避暑地であり、オシャレな町並みやアウトレットモールなど観光地としても人気の軽井沢を舞台に、浅間山一帯の雄大な景色を楽しめるロングライドイベントが「グランフォンド軽井沢」である。今年で8回目となり、毎年土曜日曜の両日ともにライドカテゴリーが設定されたボリュームあふれるイベントとなっている。
会場となる軽井沢プリンスホテルスキー場は、軽井沢駅から徒歩で10分ほど、上信越自動車道の碓氷軽井沢ICから車で20分ほどとアクセスは抜群。旧軽井沢や中軽井沢といった観光スポットからも遠くなく、土日のどちらかはゆっくり観光をして、もう一日でライドを楽しむというスケジュールを組んだ人もいたに違いない。
初日に設けられた「ザ・グルメフォンド軽井沢」は町内だけのエリアで28.7kmと程よい距離設定で、自転車初心者から親子連れやカップルにもオススメのカテゴリー。自転車とヘルメットの貸し出しプランもあるため、軽井沢観光ついでに自転車イベントにも参加してみるか、というくらい気兼ねなく走れるのも魅力のひとつだろう。二人乗り用自転車のタンデムも大会側で用意され、2人で一緒に走りたいという要望も叶えてくれるのも嬉しいところだ。
イベント当日の5月13日はあいにくの雨。会場に向かう道中では、車の窓ガラスに打ち付ける激しい雨にワイパーが追いつかないほどで、もしかして開催されないのではとヒヤヒヤ気分に。会場に着いてもしとしとと降り続く中、傘を差した参加者が時間が経つに連れ集まりだし、コーダーブルームやエヴァディオ等のブランドブースも設置され、公式でも開催のアナウンスが伝えられた。
ただ、参加者の危険回避の措置として、グルメフォンドでは自走せずとも車で各エイドを回ることが許可され、グランフォンドコースの半分を走るハーフカテゴリーではバスでコースとエイドを回るという対策も講じられた。それでもなお、グルメフォンドには200人弱の参加者がスタートラインに集まったというのだから、いかに多くの人がこのイベントを楽しみにしてきたかがこちらにも伝わってくるというものだ。
気温も低く寒々とした会場を盛り上げるべくステージ上に登場したのは、長野県を拠点に活動しているアイドルグループ「パラレルドリーム」のみなさん。華やかなパフォーマンスに、会場にいた人たちも徐々にステージ付近に集まりだす。ステージ上の演技だけでなく、開会式でのトークや出発の見送り、さらにはゴール時にも迎えてくれるなどイベントに献身的な彼女らに、ファンになったサイクリストの方々もいたのではないだろうか。
パラレルドリームの歌とダンスの後には続いて開会式が行われた。サイクルライフナビゲーターである絹代さんも登場し、参加者へ走行の注意喚起。車間を空けて走行、雨天でブレーキが効きにくい、滑りやすいからタイヤの空気圧を落として等一つ一つ丁寧な説明を聞きながら、その場で自分の自転車を確認している参加者も多く、皆の安全への意識の高さが窺えるものだった。
スタート合図の直前には、運営側が最終確認をしている空き時間を使って、サイクリングインストラクターの平野由香里さんがスタートラインに並ぶ参加者へアドリブで上半身のストレッチを呼びかける場面も。会場が一体となって腕を曲げ伸ばしたり、回したりで体をホットな状態に。カッパを着たままの参加者も多く見られたが、残念ながら雨は止まず、そのままスタートとなった。
このグルメフォンドでは大会推奨コースが定められながらも、途中に設けられた2つのエイドを時間内に通過しゴールまで戻ってくれば自由なルートを通っても良いという、いわゆるオリエンテーリングスタイルが採用されているのも特長だ。まずはお店が多く並び賑わいを見せる軽井沢本通りから、からまつの並木が雰囲気を醸し出す三笠通りを走り、国の重要文化財に指定されている西洋風の見た目が美しい旧三笠ホテルで折り返す。
天気が良いと軽井沢にそびえる離山や遠くには浅間山が見えるというが、この日は霧がかかってしまい遠くを見通すことはできなかった。緑が生い茂る雰囲気の良い別荘地を駆け、西へと進路を変える。中軽井沢でやや登りの区間が現れ、寒かった体も頑張って漕ぐ内に自然と温まったことだろう。熱が冷めない内に最初のエイドへ駆け込もう。
第1エイドの「中野区軽井沢少年自然の家」では、サンドイッチボックスが振る舞われる。全粒粉のベジタブルたまごサンドのほかに、キッシュや2種類のサラダ、 ポルペッティにポテトグラタンと品数も多く、お腹いっぱいのボリュームである。しかし、今日は何より嬉しいのが冷えた体に沁み渡る温かいコーンポタージュ。思わずそのままボトルに詰めてもらいたい、そう思わせるほどに美味しいものであった。
本来であれば芝生の上でピクニック気分で食べるところであったが、濡れた地面はあいにくそれを許さない。テントの下に設置されたテーブルで雨を避けながら食べることに。車でエイドに来た参加者は、降りずとも窓から渡されるというドライブスルー方式により濡れずに受け取ることができ、自転車のイベントとしては中々斬新なスタイルが目を引いていた。
エイドを出発した後は進路は南へ。北陸新幹線の線路をくぐり、ややアップダウンのある道を行く。北側とは一気に雰囲気が変わりのどかな農村風景が広がる様子は、観光地だけでない軽井沢の側面が垣間見えたシーンだったと言えるだろう。下り切りに設置されたエイドを通り過ぎないようしっかり減速、さて皆がお待ちかねのスイーツへと歩を進める。
第2エイドは美術館やレストランが塩沢湖一帯に広がる複合施設である「軽井沢タリアセン」で休憩。今年はスイーツエイドとされ、3つのお菓子屋さんが実際にお店でも販売している自慢の商品を各々持ち寄った。天気が良ければそれぞれを持って湖の畔で食べたいなとなるところだったが、それは叶わず。テント内の待機列内でそれぞれを味わうという流れに。
水分補給に渡された水も少しお洒落に、ミックスベリーを沈めたベリー水として振る舞われ、ほんのり甘酸っぱい風味が体と心を癒やしてくれる。そのままの流れで次に渡されるのは地元小諸市にお店を構える「ちるちる」のジェラート。ご主人が酪農家ということもあり、搾りたての新鮮な牛乳を使った濃厚な味わいがたまらない。ただ、この日は気温も上がらずジェラートを食べるにはやや寒い。今一度天気の良い日に小諸までサイクリングをして、また食べたいと思わせてくれた。
スイーツエイドなのに”たこ焼き”を渡されたと驚いたお菓子は、群馬県高崎市でパロディーケーキで人気の「まちのくまさん」によるたこ焼き風シュークリーム。青のりやかつお節も上にかかっているかのように、細部まで似せて作られた小振りなシュークリームは、思わずパクリと一口で食べてしまえる手軽さが良かった。
最後は日本では原宿でしか食べられない「Anywhere Door」による新感覚スイーツの”コーンショット”。チョコやナッツなどで装飾されたコーンカップにエスプレッソを入れ、飲みながら容器まで食べられるというものだ。見た目もオシャレに、温かいエスプレッソも嬉しいとあって受け取った参加者もみな大満足の様子だった。
再度閑静な別荘地を抜けゴールを目指す。途中前が見えないほど濃い霧がかかるが、しっかりとリアライトを光らせ車間に注意して走る。軽井沢の駅前まで来ればゴールはすぐそこである。
雨の中約30kmの距離を走り切った参加者を持ち受けるのはゴールエイド。最後のグルメ、スイーツとして振る舞われたのは軽井沢と縁の深い名店「ブランジェ浅野屋」の定番商品フルーツライに4種のチーズが添えられたプレート。加えて、長野出身であるシェフパティシエ中村元計氏オリジナルのパンナコッタ。甘いものだけでなく、地元のトルコ料理屋「チャイハネ」特製のソーセージのチーズ包み揚げも渡され、これでもかと紙皿からこぼれんばかりのボリュームに。
頑張って走ったけれど、果たしてカロリー収支は大丈夫だろうかと思いたくなるような各エイドの充実さに、雨でツラい道中の記憶もどこかにいってしまったことと思う。もちろん晴れているに越したことはなかったが、参加者の思い出に残るものになったのではないだろうか。ぜひまた来年は好天を期待して、再度ここ軽井沢に足を運びたいものである。
次の日はお待ちかねのメインイベント、124kmで獲得標高2400mの山岳コースが引かれた「グランフォンド軽井沢」だ。CW編集部も実際にフルコースを実走取材、次記事でそのレポートをお伝えするとしよう。
text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO
日本有数の避暑地であり、オシャレな町並みやアウトレットモールなど観光地としても人気の軽井沢を舞台に、浅間山一帯の雄大な景色を楽しめるロングライドイベントが「グランフォンド軽井沢」である。今年で8回目となり、毎年土曜日曜の両日ともにライドカテゴリーが設定されたボリュームあふれるイベントとなっている。
会場となる軽井沢プリンスホテルスキー場は、軽井沢駅から徒歩で10分ほど、上信越自動車道の碓氷軽井沢ICから車で20分ほどとアクセスは抜群。旧軽井沢や中軽井沢といった観光スポットからも遠くなく、土日のどちらかはゆっくり観光をして、もう一日でライドを楽しむというスケジュールを組んだ人もいたに違いない。
初日に設けられた「ザ・グルメフォンド軽井沢」は町内だけのエリアで28.7kmと程よい距離設定で、自転車初心者から親子連れやカップルにもオススメのカテゴリー。自転車とヘルメットの貸し出しプランもあるため、軽井沢観光ついでに自転車イベントにも参加してみるか、というくらい気兼ねなく走れるのも魅力のひとつだろう。二人乗り用自転車のタンデムも大会側で用意され、2人で一緒に走りたいという要望も叶えてくれるのも嬉しいところだ。
イベント当日の5月13日はあいにくの雨。会場に向かう道中では、車の窓ガラスに打ち付ける激しい雨にワイパーが追いつかないほどで、もしかして開催されないのではとヒヤヒヤ気分に。会場に着いてもしとしとと降り続く中、傘を差した参加者が時間が経つに連れ集まりだし、コーダーブルームやエヴァディオ等のブランドブースも設置され、公式でも開催のアナウンスが伝えられた。
ただ、参加者の危険回避の措置として、グルメフォンドでは自走せずとも車で各エイドを回ることが許可され、グランフォンドコースの半分を走るハーフカテゴリーではバスでコースとエイドを回るという対策も講じられた。それでもなお、グルメフォンドには200人弱の参加者がスタートラインに集まったというのだから、いかに多くの人がこのイベントを楽しみにしてきたかがこちらにも伝わってくるというものだ。
気温も低く寒々とした会場を盛り上げるべくステージ上に登場したのは、長野県を拠点に活動しているアイドルグループ「パラレルドリーム」のみなさん。華やかなパフォーマンスに、会場にいた人たちも徐々にステージ付近に集まりだす。ステージ上の演技だけでなく、開会式でのトークや出発の見送り、さらにはゴール時にも迎えてくれるなどイベントに献身的な彼女らに、ファンになったサイクリストの方々もいたのではないだろうか。
パラレルドリームの歌とダンスの後には続いて開会式が行われた。サイクルライフナビゲーターである絹代さんも登場し、参加者へ走行の注意喚起。車間を空けて走行、雨天でブレーキが効きにくい、滑りやすいからタイヤの空気圧を落として等一つ一つ丁寧な説明を聞きながら、その場で自分の自転車を確認している参加者も多く、皆の安全への意識の高さが窺えるものだった。
スタート合図の直前には、運営側が最終確認をしている空き時間を使って、サイクリングインストラクターの平野由香里さんがスタートラインに並ぶ参加者へアドリブで上半身のストレッチを呼びかける場面も。会場が一体となって腕を曲げ伸ばしたり、回したりで体をホットな状態に。カッパを着たままの参加者も多く見られたが、残念ながら雨は止まず、そのままスタートとなった。
このグルメフォンドでは大会推奨コースが定められながらも、途中に設けられた2つのエイドを時間内に通過しゴールまで戻ってくれば自由なルートを通っても良いという、いわゆるオリエンテーリングスタイルが採用されているのも特長だ。まずはお店が多く並び賑わいを見せる軽井沢本通りから、からまつの並木が雰囲気を醸し出す三笠通りを走り、国の重要文化財に指定されている西洋風の見た目が美しい旧三笠ホテルで折り返す。
天気が良いと軽井沢にそびえる離山や遠くには浅間山が見えるというが、この日は霧がかかってしまい遠くを見通すことはできなかった。緑が生い茂る雰囲気の良い別荘地を駆け、西へと進路を変える。中軽井沢でやや登りの区間が現れ、寒かった体も頑張って漕ぐ内に自然と温まったことだろう。熱が冷めない内に最初のエイドへ駆け込もう。
第1エイドの「中野区軽井沢少年自然の家」では、サンドイッチボックスが振る舞われる。全粒粉のベジタブルたまごサンドのほかに、キッシュや2種類のサラダ、 ポルペッティにポテトグラタンと品数も多く、お腹いっぱいのボリュームである。しかし、今日は何より嬉しいのが冷えた体に沁み渡る温かいコーンポタージュ。思わずそのままボトルに詰めてもらいたい、そう思わせるほどに美味しいものであった。
本来であれば芝生の上でピクニック気分で食べるところであったが、濡れた地面はあいにくそれを許さない。テントの下に設置されたテーブルで雨を避けながら食べることに。車でエイドに来た参加者は、降りずとも窓から渡されるというドライブスルー方式により濡れずに受け取ることができ、自転車のイベントとしては中々斬新なスタイルが目を引いていた。
エイドを出発した後は進路は南へ。北陸新幹線の線路をくぐり、ややアップダウンのある道を行く。北側とは一気に雰囲気が変わりのどかな農村風景が広がる様子は、観光地だけでない軽井沢の側面が垣間見えたシーンだったと言えるだろう。下り切りに設置されたエイドを通り過ぎないようしっかり減速、さて皆がお待ちかねのスイーツへと歩を進める。
第2エイドは美術館やレストランが塩沢湖一帯に広がる複合施設である「軽井沢タリアセン」で休憩。今年はスイーツエイドとされ、3つのお菓子屋さんが実際にお店でも販売している自慢の商品を各々持ち寄った。天気が良ければそれぞれを持って湖の畔で食べたいなとなるところだったが、それは叶わず。テント内の待機列内でそれぞれを味わうという流れに。
水分補給に渡された水も少しお洒落に、ミックスベリーを沈めたベリー水として振る舞われ、ほんのり甘酸っぱい風味が体と心を癒やしてくれる。そのままの流れで次に渡されるのは地元小諸市にお店を構える「ちるちる」のジェラート。ご主人が酪農家ということもあり、搾りたての新鮮な牛乳を使った濃厚な味わいがたまらない。ただ、この日は気温も上がらずジェラートを食べるにはやや寒い。今一度天気の良い日に小諸までサイクリングをして、また食べたいと思わせてくれた。
スイーツエイドなのに”たこ焼き”を渡されたと驚いたお菓子は、群馬県高崎市でパロディーケーキで人気の「まちのくまさん」によるたこ焼き風シュークリーム。青のりやかつお節も上にかかっているかのように、細部まで似せて作られた小振りなシュークリームは、思わずパクリと一口で食べてしまえる手軽さが良かった。
最後は日本では原宿でしか食べられない「Anywhere Door」による新感覚スイーツの”コーンショット”。チョコやナッツなどで装飾されたコーンカップにエスプレッソを入れ、飲みながら容器まで食べられるというものだ。見た目もオシャレに、温かいエスプレッソも嬉しいとあって受け取った参加者もみな大満足の様子だった。
再度閑静な別荘地を抜けゴールを目指す。途中前が見えないほど濃い霧がかかるが、しっかりとリアライトを光らせ車間に注意して走る。軽井沢の駅前まで来ればゴールはすぐそこである。
雨の中約30kmの距離を走り切った参加者を持ち受けるのはゴールエイド。最後のグルメ、スイーツとして振る舞われたのは軽井沢と縁の深い名店「ブランジェ浅野屋」の定番商品フルーツライに4種のチーズが添えられたプレート。加えて、長野出身であるシェフパティシエ中村元計氏オリジナルのパンナコッタ。甘いものだけでなく、地元のトルコ料理屋「チャイハネ」特製のソーセージのチーズ包み揚げも渡され、これでもかと紙皿からこぼれんばかりのボリュームに。
頑張って走ったけれど、果たしてカロリー収支は大丈夫だろうかと思いたくなるような各エイドの充実さに、雨でツラい道中の記憶もどこかにいってしまったことと思う。もちろん晴れているに越したことはなかったが、参加者の思い出に残るものになったのではないだろうか。ぜひまた来年は好天を期待して、再度ここ軽井沢に足を運びたいものである。
次の日はお待ちかねのメインイベント、124kmで獲得標高2400mの山岳コースが引かれた「グランフォンド軽井沢」だ。CW編集部も実際にフルコースを実走取材、次記事でそのレポートをお伝えするとしよう。
text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO
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