12月最初の週末、埼玉県彩湖道満グリーンパークを舞台に、スポーツバイクデモin埼玉が開催された。抜けるような青空の下、数多くの出展社が集まり、様々なバイクブランドを試乗することができる貴重なイベントに多くの人が集まった。



多くのブランドが集まったスポーツバイクデモin埼玉2014多くのブランドが集まったスポーツバイクデモin埼玉2014
みなさん思い思いに試乗を楽しまれてましたみなさん思い思いに試乗を楽しまれてました 気になる自転車を思う存分を試乗できました気になる自転車を思う存分を試乗できました


スポーツバイクデモは、関東を中心に展開する自転車小売チェーン「ワイズロード」が企画・運営する大規模試乗・展示会として定着した感のあるイベントだ。今年は関西でも開催され、ついに全国展開するイベントに成長した。

荒川に作られた貯水池である彩湖のほとりで、今年も開催されたスポーツバイクデモには本当に多くの人が集まっていた。特に目を引いたのは女性。大概の自転車イベントといえば、男子校か刑務所かといわんばかりの男女比である。だけど、スポーツバイクデモでは普通に街中の人混みを歩いているような錯覚を起こしてしまいそうになるほど「普通」に女性がいるのがなにより衝撃的だった。

きちんと自転車歴などをヒアリングしながら、サドル高などを調整してくれるので安心して試乗できますきちんと自転車歴などをヒアリングしながら、サドル高などを調整してくれるので安心して試乗できます 次の方どうぞ!キャノンデールのバイクラックは常に空っぽ。次の方どうぞ!キャノンデールのバイクラックは常に空っぽ。

市場最軽量完成車として話題のエモンダSLR10にも試乗できた市場最軽量完成車として話題のエモンダSLR10にも試乗できた メーカーの担当者から直接話を聞ける貴重な機会だメーカーの担当者から直接話を聞ける貴重な機会だ


今年、彩湖に集ったのは全国から集まったメーカーや代理店、計57社67ブランド。そのほとんどが試乗ができるということで、試乗できるバイクの量・質から言えば国内最大の試乗会といえるほど。陸上競技場のトラックエリアにずらっと並んだブースエリアは常に人でごった返しており、取材で移動するのにも一苦労するほどの盛り上がりを見せていた。

各メーカーの担当者に話を伺ってみても、「もう目が回りそうに忙しいです!」「30台持ってきた試乗車がずっと出払ったままです」といった感じでどのブースにも多くの試乗希望者が詰めかけていた。試乗レーンも常に満員御礼といった様子。

かなり真剣に購入を検討している人が訪れている割合も多いようで、どのブースの担当者もかなり満足気な表情だった。ぶらぶらと歩いていても来場者の熱意は伝わってくるほどで、ブースのスタッフを捕まえては直接でないと聞けないような、突っ込んだ質問をしている人の割合が多いな、という印象。

抜けるような青空の下多くのサイクリストが参加したワイズカップ抜けるような青空の下多くのサイクリストが参加したワイズカップ
レッドカーペットの上を出発していきますレッドカーペットの上を出発していきます 南側にかかる橋も攻略しがいのあるポイントです南側にかかる橋も攻略しがいのあるポイントです


これだけの人が集まっているのは、ただ単に多くのメーカーやブランドが集まっているからというだけでは、もちろんない。少しでも多くの人に彩湖へと足を運んでもらうため、スポーツバイクデモはただの試乗会にとどまらない、いろいろな企画を行っている。

もっとも大きいのは、彩湖を囲む周遊道路に作られた特設コースを舞台にした4時間エンデューロレース「ワイズカップ」だ。参加費の安さとアクセスのよさが相まって、エンデューロイベント単体としてみても高い人気を誇るイベントなのだ。

苦し楽しそうなみなさん苦し楽しそうなみなさん 仲間の帰りを待つ仲間の帰りを待つ

箱学も激走中!箱学も激走中! 応援にも熱が入ります応援にも熱が入ります


スポーツバイクデモ開始の9時と同時にスタートの号砲が鳴らされたワイズカップ。1周5kmの彩湖を周回するコースは基本的にフラットなレイアウトながら、北側の土手への登りと南側の橋の登り、そして吹き付ける風を考慮に入れたレース運びが要求される、攻略しがいのあるレースだ。

豪華な賞品が用意されているということもあり、トップ集団の争いはかなり熾烈なものとなったよう。しかし、一方で多くのトビ賞も用意されていたので、トップを狙えるほどの足がない人でも楽しみながら、ポカポカとした陽射しの降りそそぐ彩湖を走ることができたよう。

仲間の帰りを待つ間、ずらっと並んだ出展ブースを見て回れるのもほかのイベントではなかなか無い。エンデューロといえば中だるみの時間があるものだが、ワイズカップは最初から最後まで盛り上がり続けることのできる、稀有なイベントとして認知されてきたのではないだろうか。

ラブライブ!のコスプレでダンスを披露してくれた3人ラブライブ!のコスプレでダンスを披露してくれた3人
コスプレパフォーマンスショーには多くの観客が詰めかけたコスプレパフォーマンスショーには多くの観客が詰めかけた 人気漫画「BLEACH」の舞台を演じてくれた人気漫画「BLEACH」の舞台を演じてくれた


そして、もうひとつ。今年の新たな試みとしてはじめられたのが、コスプレ企画。国内唯一のキャラクターコスプレ専門誌「COSPLAY MODE」とのコラボレーションで、公式に会場がコスプレOKとして謳われ、専用の更衣室が用意されたり、コスプレイヤーによるステージイベントが開催されたりというもの。

弱虫ペダルとのコラボレートを業界のなかでもいち早く積極性を見せたり、店員にアニメファンが多かったりすることで有名なワイズロードならではの着眼点といえる。これがかなり受け入れられていたようで、ステージイベントには多くの参加者が詰めかけていた。

マラソンをはじめとしたスポーツイベントに、ゲストとして呼ばれた芸能人やアイドルグループが行うステージイベントというのは、私見ではあるがたいていの場合、それらの熱烈なファン層とイベント参加者の層がかぶらず、アイドル目当てに来た熱狂的ファン(イベント自体には参加していないし、そのスポーツをやる気は毛頭ない、いわゆるおっかけ)がステージ前を陣取り、本来の参加者がかなり引き気味でその様子を見つめる、というのがありがちなパターンなのだ。

MCの綾川さんとゲストの3人でMCの綾川さんとゲストの3人で ヤッターマンにショッカーが混ざってますヤッターマンにショッカーが混ざってます

箱学ジャージのお二人箱学ジャージのお二人 総北と京都伏見の二人。ライバルですね!総北と京都伏見の二人。ライバルですね!

メイドさんも走ってました!メイドさんも走ってました! 痛車で参加する人も多かったです痛車で参加する人も多かったです


だが、そういった上滑りな雰囲気を感じさせることがなかったのは、「スポーツバイクデモに参加したサイクリスト」がコスプレイベントでも盛り上がっていたということに尽きるだろう。もちろん、サイクリスト=アニメファンというようなことを言うつもりは毛頭ないが、結構な割合で両者は重なっているのだな、という印象を受けた。この流れは、弱虫ペダルを入口にスポーツバイクを始める層がいる間は続いていくだろう。

コスプレしながら走っている人も多く、季節らしいサンタクロースから、弱虫ペダルのキャラクターまで思い思いの扮装で自転車を楽しんでいた。多くの「痛車」が見られたのも特徴で、レースをかなり上位で走っている人もいた様子。

敢闘賞でハイエンドカーボンフレームをもらって大喜び!敢闘賞でハイエンドカーボンフレームをもらって大喜び! アウトレットブースには長蛇の列ができていました。アウトレットブースには長蛇の列ができていました。


他にも、会場限定の特価品がたくさん出されたアウトレットには終日行列ができていたり、ホイールバランサーやバイオレーサーといったワイズのサービスを受けられるブースがあったりと、多くの人が楽しんだスポーツバイクデモ。「走って!見て!試して!買える!お得!5拍子揃ったスポーツバイクの祭典」というキャッチコピーに恥じない盛り上がりを見せてくれた。また来年、開催されることが今から待ち遠しい人もいるのでは?


text&photo:Naoki.Yasuoka

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