2014/09/19(金) - 09:31
今年も世界遺産・富士山をぐるりと反時計回りに一周する「Mt.Fujiエコサイクリング」、通称富士エコサイが開催された。今年もあいにくの雨模様となってしまったが、およそ400人が120kmコースを駆け抜けた。
MCは絹代さん。さすが手慣れた様子でスムーズに進行してくれた
アメニモマケズ会場に集まった400名の参加者。この時点ではまだ空が明るかった
時間通りに第1グループがスタート。20名のウェーブでゆっくりと走り出す
今年で開催6回目を迎え、世界遺産登録を果たしたことでいまだ人気冷めやらない富士山をぐるっと1周するMt.FUJI エコサイクリング、通称「エコサイ」。そのルートは120kmで富士山を一周するメインコース「富士山一周サイクリング」と、25kmほぼ平坦でキッズ向きの「ファミリーサイクリング」の2つ。120kmコースは山中湖や朝霧高原といった名所を巡りつつ、その獲得標高は1600mほど。楽でもないし、でも決してキツすぎもしない絶妙な塩梅だ。
モトスタッフに見送られてスタート。サポートライダーの皆さんと協力して参加者の安全をサポートしてくれた
雨粒が叩き付ける中を行く。気温は16℃ほどと寒かった そんな景色も、単純に走りでも楽しめるエコサイだが、懸念材料が一つある。それは雨。なんと過去にはたったの1回しか晴天に恵まれておらず、私が取材した昨年大会も序盤は大雨に降られてしまうというたたられっぷりなのだ。今年は幸いにも事前の天気予報が曇りとあって、今年こそは楽しげな様子をレポートする!と意気込んだのだが…。
結論から言うと、今年も太陽の下でエコサイを楽しむ夢は叶わなかった。それどころか、「バケツをひっくり返したかのような」という言葉はこの時のためにあるのだな、という程の大雨に降られてしまったのだ。
高速道路を山中湖に向かう途中。白みはじめる空が照らしたのは、山肌に低く重く乗しかかる雨雲だった。まだ黒い山と、真っ白にそれを包み込む雲のコントラストは、まるで山水画を見ているかのようだ。会場に到着する頃にはいよいよフロントガラスを叩く雨音も大きくなり、道路は完全なウェットに。「なにも毎年エコサイの開催日を狙わなくてもいいじゃないか…」と思いつつ、撮影機材を浸水させないように準備を進める。昨年は大雨によってクルマでの随行取材だったため、今年は不完全燃焼感を取り除くべく自分の脚で走っておきたかったのだ。
絹代さんのアナウンスのもと、雨支度の参加者さんが20人ずつのウェーブでゆっくりとスタートを切っていく。降ってしまったものはしょうがない。せっかくのイベントなんだから楽しまなきゃ損だ!皆さんもそんなことを思ったのか、意外にも表情は暗くない。
レジャー施設が並ぶ山中湖畔から趣ある旧鎌倉往還を抜け、車列は富士急ハイランドを通過する。名物の絶叫マシンの上部は完全に霧の中に姿を隠している。こんなコンディションで乗ったら余計に怖さも増すんだろうか…。
雨を吹き飛ばすくらいのナイススマイル!
かの有名な「青木ヶ原樹海」のただ中を走る
第1エイドを通過後しばらく「富士パノラマライン」を行けば、そこに現れるのはかの有名な「青木ヶ原樹海」。続いて精進湖、本栖湖、朝霧高原と景勝地を次々と通過するのだが、こうも雨では避暑地ならではの美味しい空気と広々とした風景、というわけにもいかず本当に残念だ。昨年ほど寒さが厳しくないのがせめてもの救いかな…。
ちなみに、エコサイのコースは観光バスがひっきりなしに通るルートが多く組み込まれているので、路面はその実けっこう荒れている。特に富士急周辺の4車線道路は路面がひび割れて石畳状になっているし、その"パヴェ"がはがれてしまい、ぽっかりと大穴が空いている所もある。私は雨を見越して26cのクリンチャータイヤを装備していったが大正解だった。このエントリーを読んで来年の参加を検討してくれる方がいれば、是非太めのタイヤかをオススメしたいところだ。
あさぎりフードパークエイドステーションで頂いた大福。素朴で美味しい
朝霧高原付近は富士山周辺随一の酪農エリア。牛乳が美味しいです
富士宮焼きそばパワーで元気が出てきた?美味しいエイドに皆もスマイル
富士ハーネスエイドステーションでは香ばしい匂いと共に富士宮焼きそばがお出迎え
このエコサイの特徴は、120kmのコース中に8カ所ものエイドステーションが設定されていることだ。過酷なコンディションとなってしまったが、ほぼ15kmおきにやってくるエイドと補給食、それからボランティアさんの「頑張ってね!」という言葉が本当に嬉しい。地元の和菓子屋さんがつくる大福や、富士山麓の牛乳(朝霧高原周辺は富士山イチの酪農エリアだそう)、そしてB級グルメとして有名となった富士宮焼きそばといった地元の味が各エイド毎に配られ、しかもお腹が膨れない適当な量であるため、ライダーにとってはありがたい。
深い霧と大雨の中を延々と登った先の「富士山こどもの国」エイドでは地元惣菜メーカーの協力により、その場で具材を詰めてくれるサンドイッチの提供もあった。
富士山こどもの国エイドステーションではその場でパンに具を詰めてくれるサービスが
筆者は腹持ちの良さそうなポテサラサンドをチョイス。優しい味わいで美味しかったです
人懐っこい盲導PR犬ともふれあうことができました。貴重な体験ができるのもエコサイならでは
一人で走っていても迷子にならないよう看板があちこちに。初心者でも安心だ
そんな各あるエイドの中でも際立つのが、98km地点に設定されたスルガ銀行のサイクルステーションだ。駿河銀行御殿場支店に併設されるこの施設は、「御殿場を走るサイクリストを応援したい」との思いから2年前にオープンし、今年から会員制をとりやめたことでより一層の賑わいを見せているそうだ。
グルメを謳うロングライドイベントのような目新しさや充実ぶりこそ無いが、エイドしかり、参加者が道を間違えないように要所要所で立哨してくれるスタッフさんしかり、JCA主催らしい安定感がエコサイにはある。
自衛隊演習地の真ん中を貫いて走る。霧がとても深かった
あまりの土砂降りに、これ以降はあまりカメラを取り出せない状況に...
今年から誰でも使えるようになったスルガ銀行のサイクルステーション。暖房の効いた部屋がどれだけ嬉しかったことか...
この施設も元々は社員さんの自転車好きが高じて作ってしまったそうだ。
スルガ銀行のサイクルステーションでは笑顔とシュークリームがお出迎え
サイクルステーションを出発すると、箱根裏街道を経由して最大の難所である籠坂峠へと向かう。昨年ならば晴れていたこの区間だが、今年はあろうことか前が見えない程の土砂降りに!横を通るクルマがしぶきをぶつけてくるし、目にも鼻にも雨粒が入ってくるし、もはや水泳をしているかのよう…。もはや撮影は絶対に無理だ。本当にキツい。
普段なら忌々しい登りでさえ、身体を暖める手段としてありがたく思えてしまうほどの雨と冷たさ。100km冷雨に打たれた身体が重たく、心は半分折れかけている。なんとか早くゴールに到着しようとペダルを回していたら、気づいたときには16kmの籠坂峠をほぼクリアできていた。
120kmを走り切って見事にゴール!雨の中大変お疲れさまでした
御年79歳!今大会最高齢の参加者さんも無事にゴールしました。凄い!
ゴール後に配られた豚汁がどれだけ身体に沁みたことか...
ここまで来ればゴールはすぐそこだ。身体を冷やさないように山中湖畔を飛ばし、14時過ぎにゴール。聞けば900名のエントリー中スタートしたのはおよそ400名で、その中でも多くのリタイアが出てしまったという。いやはや、今年も何とも大変な取材になってしまったものだ。願わくば来年こそ晴れてほしい。そうすればきっと、素敵な大会になるだろうから。
text&photo:So.Isobe



今年で開催6回目を迎え、世界遺産登録を果たしたことでいまだ人気冷めやらない富士山をぐるっと1周するMt.FUJI エコサイクリング、通称「エコサイ」。そのルートは120kmで富士山を一周するメインコース「富士山一周サイクリング」と、25kmほぼ平坦でキッズ向きの「ファミリーサイクリング」の2つ。120kmコースは山中湖や朝霧高原といった名所を巡りつつ、その獲得標高は1600mほど。楽でもないし、でも決してキツすぎもしない絶妙な塩梅だ。


結論から言うと、今年も太陽の下でエコサイを楽しむ夢は叶わなかった。それどころか、「バケツをひっくり返したかのような」という言葉はこの時のためにあるのだな、という程の大雨に降られてしまったのだ。
高速道路を山中湖に向かう途中。白みはじめる空が照らしたのは、山肌に低く重く乗しかかる雨雲だった。まだ黒い山と、真っ白にそれを包み込む雲のコントラストは、まるで山水画を見ているかのようだ。会場に到着する頃にはいよいよフロントガラスを叩く雨音も大きくなり、道路は完全なウェットに。「なにも毎年エコサイの開催日を狙わなくてもいいじゃないか…」と思いつつ、撮影機材を浸水させないように準備を進める。昨年は大雨によってクルマでの随行取材だったため、今年は不完全燃焼感を取り除くべく自分の脚で走っておきたかったのだ。
絹代さんのアナウンスのもと、雨支度の参加者さんが20人ずつのウェーブでゆっくりとスタートを切っていく。降ってしまったものはしょうがない。せっかくのイベントなんだから楽しまなきゃ損だ!皆さんもそんなことを思ったのか、意外にも表情は暗くない。
レジャー施設が並ぶ山中湖畔から趣ある旧鎌倉往還を抜け、車列は富士急ハイランドを通過する。名物の絶叫マシンの上部は完全に霧の中に姿を隠している。こんなコンディションで乗ったら余計に怖さも増すんだろうか…。


第1エイドを通過後しばらく「富士パノラマライン」を行けば、そこに現れるのはかの有名な「青木ヶ原樹海」。続いて精進湖、本栖湖、朝霧高原と景勝地を次々と通過するのだが、こうも雨では避暑地ならではの美味しい空気と広々とした風景、というわけにもいかず本当に残念だ。昨年ほど寒さが厳しくないのがせめてもの救いかな…。
ちなみに、エコサイのコースは観光バスがひっきりなしに通るルートが多く組み込まれているので、路面はその実けっこう荒れている。特に富士急周辺の4車線道路は路面がひび割れて石畳状になっているし、その"パヴェ"がはがれてしまい、ぽっかりと大穴が空いている所もある。私は雨を見越して26cのクリンチャータイヤを装備していったが大正解だった。このエントリーを読んで来年の参加を検討してくれる方がいれば、是非太めのタイヤかをオススメしたいところだ。




このエコサイの特徴は、120kmのコース中に8カ所ものエイドステーションが設定されていることだ。過酷なコンディションとなってしまったが、ほぼ15kmおきにやってくるエイドと補給食、それからボランティアさんの「頑張ってね!」という言葉が本当に嬉しい。地元の和菓子屋さんがつくる大福や、富士山麓の牛乳(朝霧高原周辺は富士山イチの酪農エリアだそう)、そしてB級グルメとして有名となった富士宮焼きそばといった地元の味が各エイド毎に配られ、しかもお腹が膨れない適当な量であるため、ライダーにとってはありがたい。
深い霧と大雨の中を延々と登った先の「富士山こどもの国」エイドでは地元惣菜メーカーの協力により、その場で具材を詰めてくれるサンドイッチの提供もあった。




そんな各あるエイドの中でも際立つのが、98km地点に設定されたスルガ銀行のサイクルステーションだ。駿河銀行御殿場支店に併設されるこの施設は、「御殿場を走るサイクリストを応援したい」との思いから2年前にオープンし、今年から会員制をとりやめたことでより一層の賑わいを見せているそうだ。
グルメを謳うロングライドイベントのような目新しさや充実ぶりこそ無いが、エイドしかり、参加者が道を間違えないように要所要所で立哨してくれるスタッフさんしかり、JCA主催らしい安定感がエコサイにはある。





サイクルステーションを出発すると、箱根裏街道を経由して最大の難所である籠坂峠へと向かう。昨年ならば晴れていたこの区間だが、今年はあろうことか前が見えない程の土砂降りに!横を通るクルマがしぶきをぶつけてくるし、目にも鼻にも雨粒が入ってくるし、もはや水泳をしているかのよう…。もはや撮影は絶対に無理だ。本当にキツい。
普段なら忌々しい登りでさえ、身体を暖める手段としてありがたく思えてしまうほどの雨と冷たさ。100km冷雨に打たれた身体が重たく、心は半分折れかけている。なんとか早くゴールに到着しようとペダルを回していたら、気づいたときには16kmの籠坂峠をほぼクリアできていた。



ここまで来ればゴールはすぐそこだ。身体を冷やさないように山中湖畔を飛ばし、14時過ぎにゴール。聞けば900名のエントリー中スタートしたのはおよそ400名で、その中でも多くのリタイアが出てしまったという。いやはや、今年も何とも大変な取材になってしまったものだ。願わくば来年こそ晴れてほしい。そうすればきっと、素敵な大会になるだろうから。
text&photo:So.Isobe
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