2014/06/08(日) - 09:38
世界遺産となった富士山を舞台としたサイクルイベント、Mt.富士ヒルクライムが6月1日(日)に開催された。雲一つない快晴のもと、6,165名のサイクリストが富士スバルラインを駆け登った。今年で11回目の開催となった、日本最大のヒルクライムイベントの様子を紹介しよう。
過去最高の晴天に恵まれた第11回Mt.富士ヒルクライム
今年で第11回目の開催となった人気のヒルクライムイベントがMt.富士ヒルクライムだ。定員6,500名と、国内のサイクリングイベントでは最大規模を誇る同大会は、富士吉田市の富士北麓公園をメイン会場とし、スバルラインを5合目まで駆けのぼる。距離25km、標高差1,270m、平均勾配5.2%、最大勾配7.8%と比較的なだらかなコースを走るため、完走率も98.4%と高く、初心者にも人気の大会だ。
今年は2月の大雪の影響で雪融けが遅れたことに起因する大雪崩がおき、大会コースとなるスバルラインが4合目付近で分断され、復旧工事後も雨天の場合はスバルラインが通行止めとなるなど、多少の不安材料もあったものの、大会当日蓋を開けてみれば、雲一つない青空が富士山麓に集まったサイクリストを迎えてくれた。
雲一つない快晴のもと、6000人のサイクリストが集った
大会スポンサーのクレのブースではオイルアップ体験ができる
先導車をつとめたメルセデス・ベンツのブース
実は、富士ヒルクライムがこれほどの好天に恵まれるのは珍しく、11年の歴史の中で最も天気の良い大会だったとのこと。前日の受付日には、ヒルクライム講座や計量バイクコンテストといったステージイベントと同時に、50を超える出展ブースが集まったサイクルエキスポが催され、それだけで一つのイベントとして成立しているのではないかと思うほど。実際、前日イベントだけに訪れる人もいるとのことだった。
出展ブースは様々で、最新モデルの展示・試乗から、イベント限定のセールを行う販売ブース、愛車のオイルアップやメンテナンスをしてくれるようなブースなど様々な趣向を凝らしたブースがあり、全部じっくりと見て回れば1時間や2時間ではとても回れないほどのボリューム。
たくさんの人でにぎわう出展ブース
サイクリングしまなみのブースも出展
計量バイクコンテスト
フレームが当たる大抽選会
また、ステージイベントは坂バカとしておなじみのモデル、日向涼子さんによるヒルクライム講座や、大会当日実際に使用する仕様で愛車を計量し、最軽量バイクや最重量バイクを表彰する計量バイクコンテスト、過去に10回以上90分以内に完走した人を表彰する「Mt.富士クライマーズメンバー」表彰式、カーボンフレームが当たる大抽選会などが行われ、大いに盛り上がった。
また、新たな試みとして追加料金を支払うことにより、好きな写真を入れたオリジナルナンバーカードや、専用バイクラック、トイレや待機エリアが用意されたり、会場に近い駐車場が優先的に割り当てられるエグゼクティブサービスが導入された。先着200名の枠は1日で埋まったとのことで、多くの方が快適に過ごされていた様子。
待機列へと向かう多くの参加者
エグゼクティブサービスのバイクラックはスタート脇に用意され、スタートまで快適に待つことができる
多くの自転車が並べられる待機エリア
日向さんとまことさん、今中さんが並ぶゲストエリア
大会当日は、エントリー時の申告タイム順にスタート順序が決められる。例年とは会場レイアウトが大幅に異なるものの、手際よく下山用荷物預かり所から、スタート待機所へと参加者を誘導していく大会スタッフたち。自転車イベントだけではなく、ランニングイベントも多く手がけるアールビーズによるイベント運営は安定している。
トップレベルのアスリートが集う「主催者選抜クラス」がスタートしたのち、女子の部、男子年代別と順番にスタートしていく。6,165名のサイクリストが混乱なくスタートしていく様は圧巻だ。計測開始地点は、スバルライン料金所手前の胎内交差点を左折した先となり、そこまでは各スタートブロックごとに先導車が付き、ニュートラル走行となる。
主催者選抜クラスがスタートする
富士山のふもとを走っていく
4合目を超えると一気に視界が開ける
10.5km地点と、17.2km地点の2つに関門が設けられているものの、制限時間にはかなり余裕があるため初心者でも足切りを心配する必要はほとんど無いだろう。関門は給水所を兼ねており、コップで水を受け取ったり、ボトルに詰めてもらったりできる。日差しが強かったため、多くの人が給水を受けていた。
3月の雪崩が直撃し、トイレなどの建築物にその爪痕を残す大沢駐車場では、和太鼓による応援が参加者たちの背中を押してくれる。第2関門を過ぎると、いきなり視界が開け眼下に富士吉田の市街が広がる。低い位置に雲が出ている天気であれば、雲を抜けて雲海が下に広がる幻想的な風景と遭遇することも。その先の19km~20kmは、最も勾配がきつく、山岳スプリット区間として区間計測が行われるため、総合を狙うことができなくてもスプリット賞を狙うこともできる。
ここからもがけ!!
和太鼓が応援してくれる
モデルの道端カレンさんも走った
安全なレース運営のためにモトマヴィックも協力してくれた
スプリット区間後の平坦区間では、空気が薄いためか非常に速度が乗りやすい。タイムを狙う人はここで踏みなおすとタイム短縮につながるだろう。早い選手は40km/hオーバーで駆け抜けていく平坦区間を終えると、最後に待ちうけるのは500mほどの登り区間。平坦区間の勢いだけでは登りきれない長さの坂なので、少し足を残しておいたほうが良いだろう。
さて、それではトップカテゴリのレースの模様を以下にレポートしよう。
激戦の主催者選抜クラスは本柳隆志(チームWADA)が制する
本大会より新たに設けられた「主催者選抜クラス」。旧第1ウェーブとして開催されていたこの組は、申込者のうち、Mt.富士ヒルクライムにおける過去の成績、および国内主要市民レース(全日本サイクリングin乗鞍、榛名山ヒルクライムin高崎、赤城山ヒルクライム、ツール・ド・おきなわ、等)の成績によって選抜された56名によって争われた。
ベンツに先導される主催者選抜クラス、リアルスタートまで束の間の静寂。
逃げる二人と後ろに迫るメイン集団
終盤に起きた落車によって勝負に絡む選手が絞られる
唯一MTBで出走した池田祐樹(トピーク・エルゴン) 出場者はゼッケン1を付ける乾友行(Team ARI)をはじめ、森正(宮川医療少年院)、村山利男(ヴィテス市川)ら強豪ヒルクライマーに加え、ツール・ド・おきなわ市民210km2位の原純一(KMCycle)、各レースで結果を残す風間博之(サイクルフリーダム)、高岡亮寛(イナーメ信濃山形)らが参加。またMTBプロレーサーの池田祐樹(トピーク・エルゴン)は選抜クラス中で唯一MTBを駆って出場した。
7時10分、見事に晴れ渡った富士山の下、メルセデス・ベンツの先導車を先頭にスタート。計測開始ポイントとなる胎内交差点まで、しばしのニュートラル走行を経て、富士スバルラインの料金所を過ぎたあたりから本格的なペースアップが始まった。
するとすぐさま乾友行や鈴木亮(Team ARI)、兼松大和(Green Road)に加え、台湾から参戦した太魯閣国際ヒルクライムの覇者、范永奕やBMCの営業担当ザック・レイノルズ(オープン参加)が抜け出し、5名の逃げが形成される。
ハイペースをキープする先頭は乾と兼松の2人となり、これを40秒差で集団が追う展開に。しかし勾配がさほど厳しくないスバルラインは集団有利に働き、10数名ほどが逃げる2名をキャッチした。
後続を5秒引き離して優勝した本柳隆志(チームWADA) photo:福島治男(ファンライド)勾配が強くなる中盤から断続的にアタックが掛かり続け、一時は10名ほどの集団ができたものの吸収。スピードの上がりきった集団内では残り1kmで乾友行らが絡む落車が発生。これを交したメンバーが最後のスプリント勝負になだれ込んだ。
そして残り300mから本柳隆志(チームWADA)が渾身のロングスプリント。他の選手が「本柳さんのスピードは圧倒的だった」と舌を巻くように、後続を5秒引き離しガッツポーズが決まった。
スプリントを制した本柳は「最後がとても遠かった!やっと勝つ事ができました。感動よりもホッとした気持ちと、信じられない気持ちが入り混じっています。練習に付き合ってくれた仲間に感謝したいですね。」とゴール直後に語ってくれた。
また、女子の総合優勝は富士急行スケート部に所属する松岡芙容。1時間13分35秒というタイムを出展ブースのレンタルバイクで叩き出し、ぶっちぎり優勝してみせた。
総合優勝の本柳隆志(チームWADA)と松岡芙容(富士急行スケート部)
5合目駐車場で下山用の荷物を受け取り、山小屋で名物の「富士山メロンパン」やソフトクリームを食べたり、記念写真を撮ったりと、思い思いにゴール後の余韻を味わった参加者達は下山の途につく。下山グループには、先導車と一般参加者から公募した「下山パトロール隊」が各グループに配置され、対向車線へのはみ出しなどの危険な行為を注意しながら下っていく。
奥庭駐車場までくれば、頂上までもう少し。
最も勾配が厳しい山岳スプリット区間
雪渓の横を駆け抜ける
下山誘導は、ずっとブレーキを握ってないといけないようなノロノロとした速度ではなく、ある程度のスピードで下っていく。このため、非力な女性や初心者でもブレーキを握りっぱなしで握力がなくなるということもなく、スムーズかつ安全な下山誘導となっている。
無事、メイン会場に戻れば富士吉田の名物「吉田うどん」がふるまわれ、ヒルクライムで消費したエネルギーを再充填できる。多くの参加者が集まって盛り上がる中で行われた表彰式では、チャンピオンジャージや地元産のフルーツなど多くの副賞が贈られた。
また、後日となるが、完走時間に応じて、ゴールド(1時間5分以内)、シルバー(1時間15分以内)、ブロンズ(1時間30分以内)のフィニッシャーリング(コラムスペーサー)とステッカーが贈られるのも、富士ヒルクライムの特徴。この完走証が、来年へのモチベーションとなり、多くのリピーターを集める一因となっている。
日本で唯一、6,000人以上の参加者を集めるワンデイレースイベント、「Mt.富士ヒルクライム」。沢山のブースやイベントといった参加者を楽しませるための試みがされ、富士山に集まったサイクリストたちも特別な一日を楽しんでいるように見えた。そして、なによりも日本一の山を登るというステータス、達成感は何にも代えがたいものがある。
今回は実走取材ということで、カメラを背負って皆さんと一緒に富士山を登ったが、何度登っても4合目を過ぎた先の風景は感動的だ。スバルラインの通行可能な時期であれば、いつでも登れるコースではあるが、志を共にするサイクリスト6,000人と登る気分はまた格別。その魅力に惹かれ、「表彰台」、「自己記録更新」、「完走」と、人それぞれ違う5合目を目指し、来年もまた富士山に集まるのだろう。
text&photo:So.Isobe,Naoki.Yasuoka
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今年で第11回目の開催となった人気のヒルクライムイベントがMt.富士ヒルクライムだ。定員6,500名と、国内のサイクリングイベントでは最大規模を誇る同大会は、富士吉田市の富士北麓公園をメイン会場とし、スバルラインを5合目まで駆けのぼる。距離25km、標高差1,270m、平均勾配5.2%、最大勾配7.8%と比較的なだらかなコースを走るため、完走率も98.4%と高く、初心者にも人気の大会だ。
今年は2月の大雪の影響で雪融けが遅れたことに起因する大雪崩がおき、大会コースとなるスバルラインが4合目付近で分断され、復旧工事後も雨天の場合はスバルラインが通行止めとなるなど、多少の不安材料もあったものの、大会当日蓋を開けてみれば、雲一つない青空が富士山麓に集まったサイクリストを迎えてくれた。
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出展ブースは様々で、最新モデルの展示・試乗から、イベント限定のセールを行う販売ブース、愛車のオイルアップやメンテナンスをしてくれるようなブースなど様々な趣向を凝らしたブースがあり、全部じっくりと見て回れば1時間や2時間ではとても回れないほどのボリューム。
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また、新たな試みとして追加料金を支払うことにより、好きな写真を入れたオリジナルナンバーカードや、専用バイクラック、トイレや待機エリアが用意されたり、会場に近い駐車場が優先的に割り当てられるエグゼクティブサービスが導入された。先着200名の枠は1日で埋まったとのことで、多くの方が快適に過ごされていた様子。
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トップレベルのアスリートが集う「主催者選抜クラス」がスタートしたのち、女子の部、男子年代別と順番にスタートしていく。6,165名のサイクリストが混乱なくスタートしていく様は圧巻だ。計測開始地点は、スバルライン料金所手前の胎内交差点を左折した先となり、そこまでは各スタートブロックごとに先導車が付き、ニュートラル走行となる。
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3月の雪崩が直撃し、トイレなどの建築物にその爪痕を残す大沢駐車場では、和太鼓による応援が参加者たちの背中を押してくれる。第2関門を過ぎると、いきなり視界が開け眼下に富士吉田の市街が広がる。低い位置に雲が出ている天気であれば、雲を抜けて雲海が下に広がる幻想的な風景と遭遇することも。その先の19km~20kmは、最も勾配がきつく、山岳スプリット区間として区間計測が行われるため、総合を狙うことができなくてもスプリット賞を狙うこともできる。
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スプリット区間後の平坦区間では、空気が薄いためか非常に速度が乗りやすい。タイムを狙う人はここで踏みなおすとタイム短縮につながるだろう。早い選手は40km/hオーバーで駆け抜けていく平坦区間を終えると、最後に待ちうけるのは500mほどの登り区間。平坦区間の勢いだけでは登りきれない長さの坂なので、少し足を残しておいたほうが良いだろう。
さて、それではトップカテゴリのレースの模様を以下にレポートしよう。
激戦の主催者選抜クラスは本柳隆志(チームWADA)が制する
本大会より新たに設けられた「主催者選抜クラス」。旧第1ウェーブとして開催されていたこの組は、申込者のうち、Mt.富士ヒルクライムにおける過去の成績、および国内主要市民レース(全日本サイクリングin乗鞍、榛名山ヒルクライムin高崎、赤城山ヒルクライム、ツール・ド・おきなわ、等)の成績によって選抜された56名によって争われた。
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7時10分、見事に晴れ渡った富士山の下、メルセデス・ベンツの先導車を先頭にスタート。計測開始ポイントとなる胎内交差点まで、しばしのニュートラル走行を経て、富士スバルラインの料金所を過ぎたあたりから本格的なペースアップが始まった。
するとすぐさま乾友行や鈴木亮(Team ARI)、兼松大和(Green Road)に加え、台湾から参戦した太魯閣国際ヒルクライムの覇者、范永奕やBMCの営業担当ザック・レイノルズ(オープン参加)が抜け出し、5名の逃げが形成される。
ハイペースをキープする先頭は乾と兼松の2人となり、これを40秒差で集団が追う展開に。しかし勾配がさほど厳しくないスバルラインは集団有利に働き、10数名ほどが逃げる2名をキャッチした。
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スプリントを制した本柳は「最後がとても遠かった!やっと勝つ事ができました。感動よりもホッとした気持ちと、信じられない気持ちが入り混じっています。練習に付き合ってくれた仲間に感謝したいですね。」とゴール直後に語ってくれた。
また、女子の総合優勝は富士急行スケート部に所属する松岡芙容。1時間13分35秒というタイムを出展ブースのレンタルバイクで叩き出し、ぶっちぎり優勝してみせた。
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下山誘導は、ずっとブレーキを握ってないといけないようなノロノロとした速度ではなく、ある程度のスピードで下っていく。このため、非力な女性や初心者でもブレーキを握りっぱなしで握力がなくなるということもなく、スムーズかつ安全な下山誘導となっている。
無事、メイン会場に戻れば富士吉田の名物「吉田うどん」がふるまわれ、ヒルクライムで消費したエネルギーを再充填できる。多くの参加者が集まって盛り上がる中で行われた表彰式では、チャンピオンジャージや地元産のフルーツなど多くの副賞が贈られた。
また、後日となるが、完走時間に応じて、ゴールド(1時間5分以内)、シルバー(1時間15分以内)、ブロンズ(1時間30分以内)のフィニッシャーリング(コラムスペーサー)とステッカーが贈られるのも、富士ヒルクライムの特徴。この完走証が、来年へのモチベーションとなり、多くのリピーターを集める一因となっている。
日本で唯一、6,000人以上の参加者を集めるワンデイレースイベント、「Mt.富士ヒルクライム」。沢山のブースやイベントといった参加者を楽しませるための試みがされ、富士山に集まったサイクリストたちも特別な一日を楽しんでいるように見えた。そして、なによりも日本一の山を登るというステータス、達成感は何にも代えがたいものがある。
今回は実走取材ということで、カメラを背負って皆さんと一緒に富士山を登ったが、何度登っても4合目を過ぎた先の風景は感動的だ。スバルラインの通行可能な時期であれば、いつでも登れるコースではあるが、志を共にするサイクリスト6,000人と登る気分はまた格別。その魅力に惹かれ、「表彰台」、「自己記録更新」、「完走」と、人それぞれ違う5合目を目指し、来年もまた富士山に集まるのだろう。
text&photo:So.Isobe,Naoki.Yasuoka
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