5月12日(日)に群馬サイクルスポーツセンターで開催された「第2回クロモリロードレース」。関東圏を中心にスチールバイク乗りが集結し、およそ90名の参加者がのんびりとした雰囲気の中、それぞれのペースでサーキット走行を楽しんだ。

晴天の下で開催された第2回クロモリロードレース晴天の下で開催された第2回クロモリロードレース

こだわりのクロモリロードレーサーが勢揃いしたこだわりのクロモリロードレーサーが勢揃いした 新緑に囲まれた群馬CSCを走る新緑に囲まれた群馬CSCを走る 今回第2回目の開催を迎えた「クロモリロードレース」は、その名の通り「鉄」フレームオンリーのレース系イベント。昨今ジワジワと再び人気を取り戻しているクロモリバイクに的を絞ったユニークなイベントで、関東圏を中心に全国からクロモリフリークが会場に集った。

エンデューロだけあって補給も大事!エンデューロだけあって補給も大事! クロモリロードレースが開催されたのは、各種ホビー/実業団レースでお馴染みの群馬県利根郡にある群馬サイクルスポーツセンター。山間に敷設された1周6kmのアップダウンコースがその舞台となった。昨年の初回大会には200名以上が集ったそうだが、この日は各地で大きなイベントが重なってしまった影響で、今回の参加者はおよそ90名という規模に。

ロードレースと名のつく大会だが、種目は1時間と4時間のエンデューロのみというシンプルさ。会場を見回してみてもローラー台でアップしている人はほんの僅かで、レース開始時間も遅めなのとあって仲間とおしゃべりをしたり、マイペースで走ってみたり...5月始めのポカポカ陽気の中、そんなユルい雰囲気が一日を通して流れていた。

取材する前こそ"ダブルレバーのクラシックバイクが多いのかな"と思っていたのだが、実際にはクラシック志向のマシンは少なく、新型コンポーネント+カーボンフォークという組み合わせのバイクも少なくなかった。話を聞いていると金属バイクの持つレーシング性能に魅力を感じる方が多く、事実4時間エンデューロのトップグループは非常にレベルの高い走りを披露してくれた。


という感じでイベントは終始のんびりとした雰囲気のまま、大きなアクシデントも無く終了を迎えた。ただ1点、せっかくクロモリファンばかりが集ったのだから、参加者どうしがもっと自転車談義に花を咲かせるような工夫があっても良かったように思う。以下に紹介する愛車自慢コーナーの取材でも、こんなにも皆さんが楽しそうにしゃべってくれることはそうないのだから。

4時間エンデューロで優勝を飾った小山内健太選手。愛車はピンクのパナソニック4時間エンデューロで優勝を飾った小山内健太選手。愛車はピンクのパナソニック 1時間エンデューロ優勝の沼幸夫選手。EXTAR PROTONを駆る1時間エンデューロ優勝の沼幸夫選手。EXTAR PROTONを駆る


今静かなるブームを迎えている金属バイク。今回のクロモリロードレースでも20代の若いライダーやカーボンから乗り換えた人も少なからずあり、単なる懐古主義に留まらない金属バイクの魅力に気づき始めた方が増えていることを肌で感じてきた。

それが意味するのは恐らく、自転車ブームが熟成期に入りより多様化し、コアなサイクリストが徐々に増えつつあること。話を聞いているとカーボンバイクからの乗り換え率が非常に高かった。かく言う私自身も、レーシングクロモリCXバイクをきっかけにその魅力にはまってしまった一人だ。一口に自転車といっても、非常に幅広く、かつ奥が深い。そんなことに気付かされたイベントだった。

クラシックな装いで雰囲気バッチリ!クラシックな装いで雰囲気バッチリ! 根強い支持を誇るコルナゴの名車・マスター根強い支持を誇るコルナゴの名車・マスター


ラックにズラリ並んだクロモリロードレーサーたちラックにズラリ並んだクロモリロードレーサーたち カーボンフォークを組み込んだ最新スペックのバイクも少なくなかったカーボンフォークを組み込んだ最新スペックのバイクも少なくなかった


さて、それでは恒例の愛車自慢コーナーをお届けします。余りにも取材したい自転車が多く困ってしまった(笑)のだが、こちらでは8台を紹介。記事で紹介しきれなかった方はごめんなさい。他の写真はシクロワイアードのFacebookアルバムにアップしています。必見!




吉田彰さん Kinfolk handcrafted by Fukuda of Raizin works

吉田彰さん Kinfolk handcrafted by Fukuda of Raizin works吉田彰さん Kinfolk handcrafted by Fukuda of Raizin works
関西で自身のハンドメイドブランド「Kinfolk(キンフォーク)」を展開する吉田さん。ストリートバイクに強く、海外(特にアメリカ)のメッセンジャーから大きな支持を受けているブランドだ。従来兵庫のVIVALO製作によるラグドフレームを展開していたが、この度桐生のライジンワークス製作による、フィレット仕様のレーサーラインの展開を開始することとなった。

ショッキングピンクにロゴが映える。日東製のボトルケージも美しいショッキングピンクにロゴが映える。日東製のボトルケージも美しい KinfolkのオリジナルヘッドバッヂKinfolkのオリジナルヘッドバッヂ


ショッキングピンクと、ピンヒールのようなストレートフォークが美しい「Kinfolk handcrafted by Fukuda of Raizin works」は、そんなライジン製Kinfolkの初号機。美しいストレート形状のリアバックや、左側シートステーのみに記されたロゴなどこだわり抜いた1台だ。「見た目で選びました(笑)」という筆記体ロゴのロルフプリマホイールが全体のカラーを引き締め、線の細い日東製のステンレスボトルゲージは繊細さを与えている。構想期間1年以上を経て完成したハンドメイドクロモリレーサーだ。



諏訪剛篤さん VOGUE Racing

諏訪剛篤さん VOGUE Racing諏訪剛篤さん VOGUE Racing
1時間エンデューロにご参加の諏訪さんの愛車は、高比良ビルダーが鎌倉の工房「オリエント工業」で作るVOGUE(ヴォーグ)ロードレーサー。レッドの強いピンクとダークグレーに塗られたこのバイクは、20年ほど前から乗っていた車両と全く同じバイクをオーダーして出来上がったもの。

クランクは初期型のデュラエースを愛用クランクは初期型のデュラエースを愛用 VOGUEの特徴であるイラスト入りロゴVOGUEの特徴であるイラスト入りロゴ


カイセイのスチールパイプで組まれ、VOGUEの特徴であるイラスト入りロゴやヘッドマークはもちろん健在。メインコンポーネントはアルテグラだが、クランクは初期型のデュラエースを愛用する。「気持ちのよい走り心地があって、スプリントの伸びなどはカーボンバイクに引けを取りません。まだまだあと15~6年は乗ることができるでしょうね」


愛車自慢のコーナーは、vol.2に続きます。

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