2012/09/04(火) - 12:24
山岳ステージ3日目のブエルタ・ア・エスパーニャ2012第16ステージ。ダリオ・カタルドとトーマス・デヘントの2名が最後まで逃げ切り、最大斜度25%のクイトゥ・ネグルをカタルドが制した。総合勢では最終局面でホアキンがコンタドールをうまく抑えて4秒差でゴール。フルームは大きくタイムを失った。
ステージ優勝・敢闘賞のダリオ・カタルド(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
(ブエルタでの目標について)今大会の目標はステージ優勝で、総合成績ではなかった。運のいいことに、それが実現した。昨日の落車の影響に苦しむこともなかった。ずっと逃げ続けるのは大変だった。トーマス・デヘントと一緒に誰が追走しているかを聞いて、ふたりともコントロールされるのを恐れた。それで、かなりハードに抵抗して、追走集団との差をキープすることができた。
(クイトゥ・ネグルの登りについて)たしかにとても厳しい登りだった。とくに終盤にかけては。これは誇張ではない。こういう厳しい勾配で、選手たちが苦しんでいるように見えるけど、選手たちはもうこういう登りには慣れている。ジロのモンテ・ゾンコランを登ったときは、最後の10kmがこのような感じだった。今日みたいなステージだと、誰もが自転車競技が過酷なスポーツだと信じてしまうだろう。でも、僕たち選手はそれをこなせる。うまい具合にレースのオーガナイザーが明日を休養日にしてくれている。ありがたい。
(将来の総合成績について)自分が数多くのレースに出る必要があることと、ステージレースでの競争力を付けるには経験が不足していることに最近気がついた。それに、このような大きなステージレースに対する準備の方法も知っておく必要がある。今回はブエルタの前にツール・ド・ランとクラシカ・サンセバスティアンを走った。第1週が苦しくなりそうなのは予想していて、徐々に慣れていくだろうと思った。実際、その通りだった。今回ここに来たもうひとつの理由は、ブエルタの遙か先にあるゴールを見据えて、そこにギアを合わせることにあった。
(これからの目標について)個人的に努力を重ねてきた目標がある。自分のうちに秘めた強い願望なんだけど、これはずっと隠しておきたいと思っている。でも、まあ、今日は優勝したので、その目標がジロ・デ・ロンバルディアだと言ってもよさそうだ。何度も挑戦してきた中で今回は手応えを感じている。今年はベストコンディションでスタートラインに立ちたい。自分の将来については、チームのことを考慮しなきゃいけないし、自分の将来の役割や来年の動向を把握する必要もあるので、まだ話す段階ではない。
(ブエルタの総合優勝予想について)ブエルタのスタート以来、(ホアキン)ロドリゲスが優勝すると予想してきた。大会前に受けたいくつかの取材でも同じ意見を述べた。現段階で、彼は自らが偉大なチャンピオンであることを示している。優勝に値するよ。
総合1位・ポイント賞・複合賞のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
クイトゥ・ネグルはとてもハードな登りだった!
今日のレースは序盤からハイペースだった。30~40人の選手たちが失速していきそうな状況をコントロールするのは難しかった。選手の身体は明らかに昨日のステージで疲れ切っていた。だから、2名の選手(トーマス・デヘントとダリオ・カタルド)が逃げたときは助かった。彼らがステージ優勝するだけの差を作れたのは、こういう理由があった。
エウスカルテルとサクソバンクは登りの序盤からハイペースだった。だから、コンタドールを追わざるを得なかった。あまり心配はしていなかった。好調だったし、だから序盤から対応していった。自分のブエルタでの総合優勝の可能性が何パーセントあるのかはわからない。でも、今日は総合優勝に向けて大きく前進したと思う。この3日間は過酷だったし、ガリシアのステージでみんな疲れ切っている。フルームを見てみなよ。このようなレースでは、弱いことが大きな代償を払うことになる。いまだにバッドデイ(不調の日)がやってこないかを恐れている。
重要なステージは、あと2つ。フエンテ・デ(第17ステージ)とボラ・デル・ムンド(第20ステージ)だ。ここまで走ってきた方法が今後も通用すればいいと願っている。カチューシャはチームとしてレースをコントロールできることを示したけど、自分には大きなアドバンテージがない。だから防戦することになるだろう。ぼくは最大限の成果、つまりブエルタの総合優勝を求めて戦うことに、すべてを集中することにした。このクイトゥ・ネグルの頂上までの登りはサイクリングとしては、とても素晴らしい。自転車好きなら、ここまで自転車で登ってきてほしい。あの勾配と絶景に夢中になるファンも多いだろう。その価値は保証する!
総合2位のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)
ホアキン(ロドリゲス)がかなり強いという結果と事実とは別に、気持ち的には満足している。今日は脚の調子も良かった。チームとしては、レースをハードにすることもできた。レースをヒートアップして、おもしろくすることができた。
総合3位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
目標は総合成績でのトップ3圏内に入ることだ。それからチーム総合成績でリードを広げられたのも満足している。ぼくたちにとっては感慨深いブエルタになっている。現実的に表彰台も近づいてきた。コンタドールと(ホアキン)ロドリゲスの一騎打ちに割り込むつもりはなかった。フルームにタイム差を付けたことのほうが重要だ。
ステージ2位のトーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
残り1kmのフラムルージュの前に、ダリオ・カタルドに差を付けられた。残り500mで彼に追いついたけど、彼を追い抜いてステージ優勝するには遅すぎた。ふたりともレース中の過酷な登りで両脚のダメージは大きかった。今年のジロのステルヴィオ峠のときのように勝てるとはまったく考えないで、ひたすら追走集団とのタイム差ばかり気にしていた。ぼくたちは残り20kmまで逃げ切ることができた。クイトゥ・ネグルの最後では(ジロの第20ステージの)モルティローロ峠のことを思い出した。ステージ優勝できずに2位だったけど、自分としては十分な成績だ。
ステージ7位・総合9位のイゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
今日は人生の中でも最大級に過酷なレースだった。今日みたいなゴールと比較できるものは存在しない。チームとしては、全員が存在感のある走りをしているし、チーム総合の順位も上がっている。
ステージ10位のロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)
クイトゥ・ネグルほど過酷な場所は見たことがない!
最後の3kmは観客に少し押してもらいたいと思ったけど、そんなことは起きなかった。昨日と今日は、登りで自分のペースをなんとか維持した。でも、土曜日がバッドデイ(不調の日)だったのが心残りだ。
サクソバンク・ティンコフバンクのブラッドリー・マクギー第2監督
選手たちは、このコースの先頭で素晴らしい仕事をやり遂げた。彼ら以上に見事にできるチームはないだろう。アルベルト(コンタドール)は後ろを振り返ることもなく、辛抱強く走りきったけど、(ホアキン)ロドリゲスがまだまだ強かった。しかし、レースはマドリードに到着するまで終了ではない。これからも総合優勝を追い続ける。
山岳ステージでの過酷なアシスト仕事を語る土井雪広(アルゴス・シマノ)
今日はかなり厳しいコースレイアウトに笑うしかなかったですわ。笑
今日はゴーサインが出たので最初から全開でアタックを繰り返した。ワット数で表すのも慣れたことですが、最初の1時間の平均ワット数は336wアベレージ。笑
最初の山岳ポイントでも逃げは決まらず、苦しすぎてアタックしすぎたことを後悔した。笑
一回目の一級山岳はもう勾配がきつすぎてコンパクト36丁ー28丁に入りっぱなし。その登りを終え、もっとも厳しかった場所がやってきます。もっとも後悔した場所がやってきます。笑
下りを終え次の登に向けエウスカウテル、サクソのペースアップの時に行ったボトル運び。もう前に上がるのに口の中が血の味がした。スピードは常に50キロオーバーで、若干横風。
ボトル8本もって上がっていかなければいけない状況。前を見れば集団全体が1列状態。じつに集団が長い。まじで絶望的状況。ジッパーおっぴろげてボトル全部捨ててやろうかと思ったぐらい。笑
最後尾でどうやって前に上がろうか5分ぐらい悩みましたわ。本当に途方に暮れた瞬間でした。そこから奇跡的にやってきたちょっとした丘で一気に前までスプリントした。
最後の坂はもう言葉はいらないでしょう。ラスト3キロ必要ない。笑
勾配きつすぎて蛇行したいけど道が狭くてできないし。400w以上でてるのに5キロぐらいしか出なかったとさ。
(土井雪広のtarget="_blank">ブログより抜粋)
コメントはプレスリリース、チーム公式サイト、選手個人サイト、TVインタビュー、twitterなどより全文および一部抜粋。
text: Seiya.YAMASAKI
photo:kei.Tsuji,CorVos,Unipblic
ステージ優勝・敢闘賞のダリオ・カタルド(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
(ブエルタでの目標について)今大会の目標はステージ優勝で、総合成績ではなかった。運のいいことに、それが実現した。昨日の落車の影響に苦しむこともなかった。ずっと逃げ続けるのは大変だった。トーマス・デヘントと一緒に誰が追走しているかを聞いて、ふたりともコントロールされるのを恐れた。それで、かなりハードに抵抗して、追走集団との差をキープすることができた。
(クイトゥ・ネグルの登りについて)たしかにとても厳しい登りだった。とくに終盤にかけては。これは誇張ではない。こういう厳しい勾配で、選手たちが苦しんでいるように見えるけど、選手たちはもうこういう登りには慣れている。ジロのモンテ・ゾンコランを登ったときは、最後の10kmがこのような感じだった。今日みたいなステージだと、誰もが自転車競技が過酷なスポーツだと信じてしまうだろう。でも、僕たち選手はそれをこなせる。うまい具合にレースのオーガナイザーが明日を休養日にしてくれている。ありがたい。
(将来の総合成績について)自分が数多くのレースに出る必要があることと、ステージレースでの競争力を付けるには経験が不足していることに最近気がついた。それに、このような大きなステージレースに対する準備の方法も知っておく必要がある。今回はブエルタの前にツール・ド・ランとクラシカ・サンセバスティアンを走った。第1週が苦しくなりそうなのは予想していて、徐々に慣れていくだろうと思った。実際、その通りだった。今回ここに来たもうひとつの理由は、ブエルタの遙か先にあるゴールを見据えて、そこにギアを合わせることにあった。
(これからの目標について)個人的に努力を重ねてきた目標がある。自分のうちに秘めた強い願望なんだけど、これはずっと隠しておきたいと思っている。でも、まあ、今日は優勝したので、その目標がジロ・デ・ロンバルディアだと言ってもよさそうだ。何度も挑戦してきた中で今回は手応えを感じている。今年はベストコンディションでスタートラインに立ちたい。自分の将来については、チームのことを考慮しなきゃいけないし、自分の将来の役割や来年の動向を把握する必要もあるので、まだ話す段階ではない。
(ブエルタの総合優勝予想について)ブエルタのスタート以来、(ホアキン)ロドリゲスが優勝すると予想してきた。大会前に受けたいくつかの取材でも同じ意見を述べた。現段階で、彼は自らが偉大なチャンピオンであることを示している。優勝に値するよ。
総合1位・ポイント賞・複合賞のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
クイトゥ・ネグルはとてもハードな登りだった!
今日のレースは序盤からハイペースだった。30~40人の選手たちが失速していきそうな状況をコントロールするのは難しかった。選手の身体は明らかに昨日のステージで疲れ切っていた。だから、2名の選手(トーマス・デヘントとダリオ・カタルド)が逃げたときは助かった。彼らがステージ優勝するだけの差を作れたのは、こういう理由があった。
エウスカルテルとサクソバンクは登りの序盤からハイペースだった。だから、コンタドールを追わざるを得なかった。あまり心配はしていなかった。好調だったし、だから序盤から対応していった。自分のブエルタでの総合優勝の可能性が何パーセントあるのかはわからない。でも、今日は総合優勝に向けて大きく前進したと思う。この3日間は過酷だったし、ガリシアのステージでみんな疲れ切っている。フルームを見てみなよ。このようなレースでは、弱いことが大きな代償を払うことになる。いまだにバッドデイ(不調の日)がやってこないかを恐れている。
重要なステージは、あと2つ。フエンテ・デ(第17ステージ)とボラ・デル・ムンド(第20ステージ)だ。ここまで走ってきた方法が今後も通用すればいいと願っている。カチューシャはチームとしてレースをコントロールできることを示したけど、自分には大きなアドバンテージがない。だから防戦することになるだろう。ぼくは最大限の成果、つまりブエルタの総合優勝を求めて戦うことに、すべてを集中することにした。このクイトゥ・ネグルの頂上までの登りはサイクリングとしては、とても素晴らしい。自転車好きなら、ここまで自転車で登ってきてほしい。あの勾配と絶景に夢中になるファンも多いだろう。その価値は保証する!
総合2位のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)
ホアキン(ロドリゲス)がかなり強いという結果と事実とは別に、気持ち的には満足している。今日は脚の調子も良かった。チームとしては、レースをハードにすることもできた。レースをヒートアップして、おもしろくすることができた。
総合3位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
目標は総合成績でのトップ3圏内に入ることだ。それからチーム総合成績でリードを広げられたのも満足している。ぼくたちにとっては感慨深いブエルタになっている。現実的に表彰台も近づいてきた。コンタドールと(ホアキン)ロドリゲスの一騎打ちに割り込むつもりはなかった。フルームにタイム差を付けたことのほうが重要だ。
ステージ2位のトーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
残り1kmのフラムルージュの前に、ダリオ・カタルドに差を付けられた。残り500mで彼に追いついたけど、彼を追い抜いてステージ優勝するには遅すぎた。ふたりともレース中の過酷な登りで両脚のダメージは大きかった。今年のジロのステルヴィオ峠のときのように勝てるとはまったく考えないで、ひたすら追走集団とのタイム差ばかり気にしていた。ぼくたちは残り20kmまで逃げ切ることができた。クイトゥ・ネグルの最後では(ジロの第20ステージの)モルティローロ峠のことを思い出した。ステージ優勝できずに2位だったけど、自分としては十分な成績だ。
ステージ7位・総合9位のイゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)
今日は人生の中でも最大級に過酷なレースだった。今日みたいなゴールと比較できるものは存在しない。チームとしては、全員が存在感のある走りをしているし、チーム総合の順位も上がっている。
ステージ10位のロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)
クイトゥ・ネグルほど過酷な場所は見たことがない!
最後の3kmは観客に少し押してもらいたいと思ったけど、そんなことは起きなかった。昨日と今日は、登りで自分のペースをなんとか維持した。でも、土曜日がバッドデイ(不調の日)だったのが心残りだ。
サクソバンク・ティンコフバンクのブラッドリー・マクギー第2監督
選手たちは、このコースの先頭で素晴らしい仕事をやり遂げた。彼ら以上に見事にできるチームはないだろう。アルベルト(コンタドール)は後ろを振り返ることもなく、辛抱強く走りきったけど、(ホアキン)ロドリゲスがまだまだ強かった。しかし、レースはマドリードに到着するまで終了ではない。これからも総合優勝を追い続ける。
山岳ステージでの過酷なアシスト仕事を語る土井雪広(アルゴス・シマノ)
今日はかなり厳しいコースレイアウトに笑うしかなかったですわ。笑
今日はゴーサインが出たので最初から全開でアタックを繰り返した。ワット数で表すのも慣れたことですが、最初の1時間の平均ワット数は336wアベレージ。笑
最初の山岳ポイントでも逃げは決まらず、苦しすぎてアタックしすぎたことを後悔した。笑
一回目の一級山岳はもう勾配がきつすぎてコンパクト36丁ー28丁に入りっぱなし。その登りを終え、もっとも厳しかった場所がやってきます。もっとも後悔した場所がやってきます。笑
下りを終え次の登に向けエウスカウテル、サクソのペースアップの時に行ったボトル運び。もう前に上がるのに口の中が血の味がした。スピードは常に50キロオーバーで、若干横風。
ボトル8本もって上がっていかなければいけない状況。前を見れば集団全体が1列状態。じつに集団が長い。まじで絶望的状況。ジッパーおっぴろげてボトル全部捨ててやろうかと思ったぐらい。笑
最後尾でどうやって前に上がろうか5分ぐらい悩みましたわ。本当に途方に暮れた瞬間でした。そこから奇跡的にやってきたちょっとした丘で一気に前までスプリントした。
最後の坂はもう言葉はいらないでしょう。ラスト3キロ必要ない。笑
勾配きつすぎて蛇行したいけど道が狭くてできないし。400w以上でてるのに5キロぐらいしか出なかったとさ。
(土井雪広のtarget="_blank">ブログより抜粋)
コメントはプレスリリース、チーム公式サイト、選手個人サイト、TVインタビュー、twitterなどより全文および一部抜粋。
text: Seiya.YAMASAKI
photo:kei.Tsuji,CorVos,Unipblic
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