2012/02/19(日) - 09:43
2012年2月18日、ツアー・オブ・オマーン(UCI2.HC)第5ステージが行なわれ、難関グリーンマウンテンの頂上ゴールでヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)が優勝。ステージ2位のペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ)が総合首位に立った。
内陸の山岳地帯に向かうプロトン photo:A.S.O.ツアー・オブ・オマーンの総合争いを決定づけるのは、グリーンマウンテン(現地名ジャバル・アルアハダル)にゴールする第5ステージ。標高1235mの頂上に向かって、平均勾配10%ほどの登りが5kmにわたって続く。しかもゴール前2kmの平均勾配が13%を超える急勾配の本格山岳だ。
首都マスカットのオペラハウスをスタート後、8km地点でアタックが決まる。
FDJ・ビッグマットとカチューシャがコントロールするメイン集団 photo:A.S.O.逃げの切っ掛けを作ったのは、普段エーススプリンターのリードアウト役を務めるベルンハルト・アイゼル(オーストリア、チームスカイ)やグレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、ロット・ベリソル)の2名。
アイゼルとヘンダーソンにはマルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム)、アルバート・ティマー(オランダ、プロジェクト1t4i)、アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)、ウィリアム・クラーク(オーストラリア、チャンピオンシステム)が合流。6名による逃げが始まった。
タイム差は最大3分20秒まで広がったが、総合狙いのカチューシャやFDJ・ビッグマットが積極的にメイン集団を率い、逃げに必要以上のタイム差を与えない。結局逃げは16kmを残して全て吸収。直後のスプリントポイントは、総合敢闘賞ジャージを着るクラース・ロデウィック(ベルギー、BMCレーシングチーム)が先頭通過した。
結局集団は一つのままグリーンマウンテンの登りに突入。すぐさま30名ほどに人数を減らした集団から真っ先に飛び出したのはニーバリ。ゴールまで3kmを残して後続を22秒引き離したニーバリは、そのまま急勾配の登りを独走する。
後方ではペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ)が単独で飛び出して追走を試みるも、ラスト1kmでニーバリまで13秒。結局ニーバリがリードを守り抜き、独走のままゴールに飛び込んだ。
集団内で走るペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ) photo:A.S.O.
独走でゴールするヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) photo:A.S.O.
ステージ3位のサンディ・カザール(フランス、FDJ・ビッグマット) photo:A.S.O.
リーダージャージに袖を通したペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ) photo:A.S.O.ベリトスは10秒遅れの2位。そしてサンディ・カザール(フランス、FDJ・ビッグマット)が25秒遅れの3位。ブリヂストンアンカーのトマ・ルバ(フランス)が強豪に混ざって8位、そして清水都貴が1分30秒遅れの13位に入るという大健闘を見せた。
優勝したニーバリは「この勝利の感触をずっと待っていたんだ。この1年間は勝利に見放され、消化不良だった。もちろん全力で走ったのである程度の満足感は得ていたが、完璧な満足感をこの勝利でようやく得ることができた。2010年のように、また勝つ流れに乗りたい」と、言葉に嬉しさを込める。
この日の結果を受け、ステージ2位のベリトスが総合首位に浮上。ニーバリが1秒差で続く展開であり、最終ステージのボーナスタイムで逆転の可能性は充分にある。ニーバリは「平坦コースなので難しいかもしれないが、明日は何か動きを見せる必要がある」とコメントする。
最難関山岳ステージを終え、ブリヂストンアンカーのルバは総合9位、清水都貴は総合13位。チーム総合成績では8位をキープしている。
レース内容はレース公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2012第5ステージ結果
1位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)4h43'47"
2位 ペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ) +10"
3位 サンディ・カザール(フランス、FDJ・ビッグマット) +25"
4位 アルノー・ジャネソン(フランス、FDJ・ビッグマット) +30"
5位 トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン) +37"
6位 トムイェルテ・スラグテル(オランダ、ラボバンク) +47"
7位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +55"
8位 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカー) +57"
9位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) +1'01"
10位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ) +1'02"
13位 清水都貴(日本、ブリヂストンアンカー) +1'30"
52位 吉田隼人(日本、ブリヂストンアンカー) +6'17"
83位 西薗良太(日本、ブリヂストンアンカー) +8'18"
86位 井上和郎(日本、ブリヂストンアンカー) +9'07"
個人総合成績
1位 ペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ)18h20'58"
2位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +01"
3位 トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン) +17"
4位 サンディ・カザール(フランス、FDJ・ビッグマット) +21"
5位 アルノー・ジャネソン(フランス、FDJ・ビッグマット) +30"
6位 トムイェルテ・スラグテル(オランダ、ラボバンク)
7位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +47"
8位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ) +49"
9位 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカー) +50"
10位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) +52"
13位 清水都貴(日本、ブリヂストンアンカー) +1'30"
43位 吉田隼人(日本、ブリヂストンアンカー) +6'50"
66位 西薗良太(日本、ブリヂストンアンカー) +11'47"
74位 井上和郎(日本、ブリヂストンアンカー) +12'45"
ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)
新人賞
トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン)
総合敢闘賞
クラース・ロデウィック(ベルギー、BMCレーシングチーム)
チーム総合成績
レディオシャック・ニッサン
text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.

首都マスカットのオペラハウスをスタート後、8km地点でアタックが決まる。

アイゼルとヘンダーソンにはマルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム)、アルバート・ティマー(オランダ、プロジェクト1t4i)、アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)、ウィリアム・クラーク(オーストラリア、チャンピオンシステム)が合流。6名による逃げが始まった。
タイム差は最大3分20秒まで広がったが、総合狙いのカチューシャやFDJ・ビッグマットが積極的にメイン集団を率い、逃げに必要以上のタイム差を与えない。結局逃げは16kmを残して全て吸収。直後のスプリントポイントは、総合敢闘賞ジャージを着るクラース・ロデウィック(ベルギー、BMCレーシングチーム)が先頭通過した。
結局集団は一つのままグリーンマウンテンの登りに突入。すぐさま30名ほどに人数を減らした集団から真っ先に飛び出したのはニーバリ。ゴールまで3kmを残して後続を22秒引き離したニーバリは、そのまま急勾配の登りを独走する。
後方ではペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ)が単独で飛び出して追走を試みるも、ラスト1kmでニーバリまで13秒。結局ニーバリがリードを守り抜き、独走のままゴールに飛び込んだ。




優勝したニーバリは「この勝利の感触をずっと待っていたんだ。この1年間は勝利に見放され、消化不良だった。もちろん全力で走ったのである程度の満足感は得ていたが、完璧な満足感をこの勝利でようやく得ることができた。2010年のように、また勝つ流れに乗りたい」と、言葉に嬉しさを込める。
この日の結果を受け、ステージ2位のベリトスが総合首位に浮上。ニーバリが1秒差で続く展開であり、最終ステージのボーナスタイムで逆転の可能性は充分にある。ニーバリは「平坦コースなので難しいかもしれないが、明日は何か動きを見せる必要がある」とコメントする。
最難関山岳ステージを終え、ブリヂストンアンカーのルバは総合9位、清水都貴は総合13位。チーム総合成績では8位をキープしている。
レース内容はレース公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2012第5ステージ結果
1位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)4h43'47"
2位 ペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ) +10"
3位 サンディ・カザール(フランス、FDJ・ビッグマット) +25"
4位 アルノー・ジャネソン(フランス、FDJ・ビッグマット) +30"
5位 トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン) +37"
6位 トムイェルテ・スラグテル(オランダ、ラボバンク) +47"
7位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +55"
8位 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカー) +57"
9位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) +1'01"
10位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ) +1'02"
13位 清水都貴(日本、ブリヂストンアンカー) +1'30"
52位 吉田隼人(日本、ブリヂストンアンカー) +6'17"
83位 西薗良太(日本、ブリヂストンアンカー) +8'18"
86位 井上和郎(日本、ブリヂストンアンカー) +9'07"
個人総合成績
1位 ペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ)18h20'58"
2位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +01"
3位 トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン) +17"
4位 サンディ・カザール(フランス、FDJ・ビッグマット) +21"
5位 アルノー・ジャネソン(フランス、FDJ・ビッグマット) +30"
6位 トムイェルテ・スラグテル(オランダ、ラボバンク)
7位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +47"
8位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ) +49"
9位 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカー) +50"
10位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) +52"
13位 清水都貴(日本、ブリヂストンアンカー) +1'30"
43位 吉田隼人(日本、ブリヂストンアンカー) +6'50"
66位 西薗良太(日本、ブリヂストンアンカー) +11'47"
74位 井上和郎(日本、ブリヂストンアンカー) +12'45"
ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)
新人賞
トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン)
総合敢闘賞
クラース・ロデウィック(ベルギー、BMCレーシングチーム)
チーム総合成績
レディオシャック・ニッサン
text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.
フォトギャラリー
Amazon.co.jp