2度目の集団スプリントでポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)が2度目のステージ優勝をマーク。期待の20歳がまた一つ勝ち星を加えている。



スーダル・クイックステップとイスラエル・プレミアテックが集団をコントロール photo:CorVos

ツアー・オブ・ブリテン(UCI2.Pro)第4日目は、イングランドのイースト・ミッドランズを走る138.5kmの短距離ステージ。獲得標高1,000m少々というスプリンター向けレイアウトだが、この日も強風によって終始アタックが頻発した。

リアルスタートと同時に飛び出したトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)は抜け出せず、変わって飛び出したベン・スイフト(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)を含む逃げグループが先行。総合成績に関係しないメンバーばかりだったため、首位スティーブン・ウィリアムズ(イギリス)擁するイスラエル・プレミアテックはこの動きを静観した。

スーダル・クイックステップとイスラエル・プレミアテックが集団をコントロール photo:CorVos

集団スプリントで大会2勝目を掴んだポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

残り15kmを切って、逃げグループからはTT能力に優れる19歳リアム・オブライエン(アイルランド、リドル・トレック・フューチャーレーシング)が単独走に持ち込んだものの、強い向かい風もあって集団を振り切るには至らない。カウンターでジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)が、続いてイネオス勢が次々とアタックを繰り出したものの、ポール・マニエ(フランス)の集団スプリントに切り替えたウルフパック勢のコントロールを突き崩すことはできなかった。

ヨナス・アブラハムセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)の最終リードアウトで始まった集団スプリント。アラフィリップのアシストを受けたマニエは、悪い位置取りを挽回しようと後方から早駆けしたイーサン・ヴァーノン(イギリス、イスラエル・プレミアテック)を風除けに使って猛加速。繰り下がりでポイント賞ジャージを着る20歳が大会2勝目をマークした。

「最後は追い風で高速のスプリント勝負だった。自信があったし、良いスプリントができて、一日レースを作ったチームに報いることができて嬉しい。ステージ1勝することが目標だったので最高の気分だ」とマニエは振り返る。「スーダル・クイックステップのメンバーでいることを誇りに思うよ。強いモチベーションになるし、貢献できることは最高に嬉しい」と加えている。

総合首位ウィリアムズたちは安全に集団内フィニッシュしたため総合成績の変動はなし。本日開催の第5ステージもノーザンプトンにフィニッシュするスプリントステージだ。
ツアー・オブ・ブリテン2024第4ステージ結果
1位 ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) 3:50:03
2位 イーサン・ヴァーノン(イギリス、イスラエル・プレミアテック)
3位 アーランド・ブリクラ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)
4位 ノア・ホブス(イギリス、エキップコンチネンタル・グルパマFDJ)
5位 マテウジュ・ゴヴェカル(スロバキア、バーレーン・ヴィクトリアス)
個人総合成績
1位 スティーブン・ウィリアムズ(イギリス、イスラエル・プレミアテック) 14:50:47
2位 オスカー・オンリー(イギリス、dsmフェルミニッヒ・ポストNL) +0:16
3位 マーク・ドノヴァン(イギリス、Q36.5プロサイクリング) +0:41
4位 ジョセフ・ブラックモア(イギリス、イスラエル・プレミアテック)
5位 トム・ドネンワース(フランス、デカトロンAG2Rラモンディアル・デベロップメントチーム)
その他の特別賞
ポイント賞 ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)
山岳賞 カラム・ソーンリー(イギリス、トリニティレーシング)
ヤングライダー賞 オスカー・オンリー(dsmフェルミニッヒ・ポストNL)
チーム総合成績 イスラエル・プレミアテック
text:So Isobe
photo:Tour of Britain, CorVos