2024/06/09(日) - 08:30
超級山岳にフィニッシュしたクリテリウム・デュ・ドーフィネ7日目で、ボーラ・ハンスグローエが圧巻のチーム力を披露。プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)が2連勝を決め、エヴェネプールは登りで遅れ総合6位に後退した。
約3週間後に迫ったツール・ド・フランスの前哨戦、クリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)は7日目を迎えた。この日は序盤から3つの1級山岳を越え、ラストに超級山岳サモエンヌ1600(距離10km/平均9.3%)を駆け上がる過酷な山岳決戦。翌日の大会最終日も山頂フィニッシュ(1級山岳)だが、155.3kmの距離に獲得標高差4,300mの山岳が詰め込まれたこの日が今大会のクイーンステージ(最難関ステージ)となった。
3連続山頂フィニッシュの初日だった前日を制し、総合首位に立ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ)とヤングライダー賞ジャージを着るレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)を先頭にレースはスタート。この日も第5ステージの落車の影響を引きずったテイオ・ゲイガンハート(イギリス、リドル・トレック)ら8名が未出走となり、154名から122名まで人数が減ったメイン集団では逃げを目指した争いが勃発した。
最終的に逃げグループを形成したのはフアン・アユソの棄権によって自由を得たマルク・ソレル(共にスペイン、UAEチームエミレーツ)など5名。一時は2分差を得た逃げ集団だったが、1つ目の1級山岳でワレン・バルギル(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)やギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)らも合流し、ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、アスタナ・カザクスタン)が頂上をトップ通過する頃にその人数は10名となった。
スタート後50kmが過ぎ、ボーラ・ハンスグローエが先導するメイン集団は3分のリードを許す。その中から逃げに入ることのできなかった山岳賞ランキングトップのマティス・ルベール(フランス、アルケアB&Bホテルズ)ら3名がアタック。しかしルベールは逃げ合流に至らず、唯一マーク・ドノヴァン(イギリス、Q36.5プロサイクリング)が先頭集団に追いついた。
2つ目の1級山岳もフォルトゥナートが先頭で通過し、雨が降るなか逃げ集団は3つ目の1級山岳コル・ド・ラ・ラマ(距離13.9km/平均7.1%)に足を踏み入れる。するとドノヴァンに続き強力クライマーであるマルタンが遅れ、頂上まで9kmを残した地点でバルギルがアタック。その動きに遅れて反応したソレルがバルギルを捉え、更に追い抜いた。
残り45kmで単独先頭に立ったソレルはコル・ド・ラ・ラマの頂上を越え、濡れた路面を慎重に下っていく。この時点でバーチャル総合リーダーに立ったソレルに対し、ボーラ・ハンスグローエはプロトン牽引の力を強め、タイム差を一気に縮めに行った。
超級サモエンヌ1600(距離10km/平均9.3%)に入った時点でソレルとメイン集団の差は4分21秒。逃げ切りも十分に考えられるリードだったものの、ここからボーラが高速牽引を披露する。そのハイペースはソレルとの差を縮めるだけでなく、ツールに向かうセップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)やジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス)を振り落とす。また雨が上がり、太陽が差し込む残り7km地点でエヴェネプールも脱落した。
前日と同じくジャイ・ヒンドレー(オーストラリア)からアレクサンドル・ウラソフ(ロシア)に引き継がれたボーラの牽引は強烈で、登りのリズムを掴めないソレルを残り2.1km地点で吸収する。それ以降もウラソフのハイペースはライバルたちのアタックを抑制し、先頭の9名がフラムルージュ(残り1km地点)を通過。そして先んじてスプリントを開始したログリッチに対し、マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)が反応した。
しかしヨルゲンソンはログリッチに並ぶことすらできず、マイヨジョーヌを纏ったログリッチが先にフィニッシュラインを通過。2日連続の勝利を手に入れた。
この日もライバルたちを圧倒するチーム力を味方に、2連勝で総合リードを拡大したログリッチ。「今日はステージ優勝を狙っていなかったものの、チームとして0km地点から展開をコントロールしなければならなかった。チームの一人ひとりが素晴らしい走りをしてくれた。僕は安全を第一に走り、勝利を掴む脚があった」と喜びを語っている。
同タイムフィニッシュで区間2位に入ったヨルゲンソンが総合2位(1分2秒遅れ)に上がった一方で、エヴェネプールは1分46秒遅れの13位。総合でも6位(2分15秒)に後退している。
約3週間後に迫ったツール・ド・フランスの前哨戦、クリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)は7日目を迎えた。この日は序盤から3つの1級山岳を越え、ラストに超級山岳サモエンヌ1600(距離10km/平均9.3%)を駆け上がる過酷な山岳決戦。翌日の大会最終日も山頂フィニッシュ(1級山岳)だが、155.3kmの距離に獲得標高差4,300mの山岳が詰め込まれたこの日が今大会のクイーンステージ(最難関ステージ)となった。
3連続山頂フィニッシュの初日だった前日を制し、総合首位に立ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ)とヤングライダー賞ジャージを着るレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)を先頭にレースはスタート。この日も第5ステージの落車の影響を引きずったテイオ・ゲイガンハート(イギリス、リドル・トレック)ら8名が未出走となり、154名から122名まで人数が減ったメイン集団では逃げを目指した争いが勃発した。
最終的に逃げグループを形成したのはフアン・アユソの棄権によって自由を得たマルク・ソレル(共にスペイン、UAEチームエミレーツ)など5名。一時は2分差を得た逃げ集団だったが、1つ目の1級山岳でワレン・バルギル(フランス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)やギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)らも合流し、ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、アスタナ・カザクスタン)が頂上をトップ通過する頃にその人数は10名となった。
スタート後50kmが過ぎ、ボーラ・ハンスグローエが先導するメイン集団は3分のリードを許す。その中から逃げに入ることのできなかった山岳賞ランキングトップのマティス・ルベール(フランス、アルケアB&Bホテルズ)ら3名がアタック。しかしルベールは逃げ合流に至らず、唯一マーク・ドノヴァン(イギリス、Q36.5プロサイクリング)が先頭集団に追いついた。
2つ目の1級山岳もフォルトゥナートが先頭で通過し、雨が降るなか逃げ集団は3つ目の1級山岳コル・ド・ラ・ラマ(距離13.9km/平均7.1%)に足を踏み入れる。するとドノヴァンに続き強力クライマーであるマルタンが遅れ、頂上まで9kmを残した地点でバルギルがアタック。その動きに遅れて反応したソレルがバルギルを捉え、更に追い抜いた。
残り45kmで単独先頭に立ったソレルはコル・ド・ラ・ラマの頂上を越え、濡れた路面を慎重に下っていく。この時点でバーチャル総合リーダーに立ったソレルに対し、ボーラ・ハンスグローエはプロトン牽引の力を強め、タイム差を一気に縮めに行った。
超級サモエンヌ1600(距離10km/平均9.3%)に入った時点でソレルとメイン集団の差は4分21秒。逃げ切りも十分に考えられるリードだったものの、ここからボーラが高速牽引を披露する。そのハイペースはソレルとの差を縮めるだけでなく、ツールに向かうセップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)やジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス)を振り落とす。また雨が上がり、太陽が差し込む残り7km地点でエヴェネプールも脱落した。
前日と同じくジャイ・ヒンドレー(オーストラリア)からアレクサンドル・ウラソフ(ロシア)に引き継がれたボーラの牽引は強烈で、登りのリズムを掴めないソレルを残り2.1km地点で吸収する。それ以降もウラソフのハイペースはライバルたちのアタックを抑制し、先頭の9名がフラムルージュ(残り1km地点)を通過。そして先んじてスプリントを開始したログリッチに対し、マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)が反応した。
しかしヨルゲンソンはログリッチに並ぶことすらできず、マイヨジョーヌを纏ったログリッチが先にフィニッシュラインを通過。2日連続の勝利を手に入れた。
この日もライバルたちを圧倒するチーム力を味方に、2連勝で総合リードを拡大したログリッチ。「今日はステージ優勝を狙っていなかったものの、チームとして0km地点から展開をコントロールしなければならなかった。チームの一人ひとりが素晴らしい走りをしてくれた。僕は安全を第一に走り、勝利を掴む脚があった」と喜びを語っている。
同タイムフィニッシュで区間2位に入ったヨルゲンソンが総合2位(1分2秒遅れ)に上がった一方で、エヴェネプールは1分46秒遅れの13位。総合でも6位(2分15秒)に後退している。
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2024第7ステージ結果
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ) | 4:29:16 |
2位 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
3位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | +0:02 |
4位 | オイエル・ラスカノ(スペイン、モビスター) | |
5位 | デレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | |
6位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +0:08 |
7位 | サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:14 |
8位 | ローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ) | |
9位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | ミケル・ランダ(スペイン、スーダル・クイックステップ) | +0:33 |
13位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +1:46 |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ) | 21:16:50 |
2位 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:02 |
3位 | デレク・ジー(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | +1:13 |
4位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | +1:56 |
5位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | +1:58 |
6位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +2:15 |
7位 | ローレンス・デプルス(ベルギー、イネオス・グレナディアーズ) | +2:17 |
8位 | オイエル・ラスカノ(スペイン、モビスター) | +2:20 |
9位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | +2:54 |
10位 | ミケル・ランダ(スペイン、スーダル・クイックステップ) | +3:51 |
その他の特別賞
ポイント賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ) |
山岳賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ) |
ヤングライダー賞 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) |
チーム総合成績 | ボーラ・ハンスグローエ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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