2010/07/11(日) - 18:38
ツール最初の山岳テストは、シャヴァネルに2つ目のステージ優勝とピノーの山岳ジャージ維持というフランス人ファンにとってたまらない結果になった。そして日本のファンもユキヤの献身的な走りに胸を熱くしたことだろう!
中級山岳以上の最初の山岳テスト
ツール最初の山岳ステージということに加え、土曜日とあって沿道に観客の多いこと。後半の山岳地帯に入ると、白地に赤文字で「JURA」とい書かれた旗と、黄色に赤いボタンのマークに「Made
in JURA」の旗がやたらと目立つ。JURA地方のPRにとバラ巻かれたもののようだ。
ジュラ山脈の地形それ自体がフランスとスイスの国境をなしているとおり、レースが目指すのはスイス国境にほど近いゴールのレ・ルッススキー場だ。ちなみにレ・ルッスはフランスのスキー発祥の地だそうだ。
細かい山道を縫って山間部を走る<再びの>クラシックのようなコースに、地図とにらめっこでショートカットを繰り返しながらプレスカーで追いかける。中級山岳といえど、実際は立派に厳しい山道。山岳が得意でない選手には歯が立たないコースに思えた。
メイン集団を引き続けたユキヤ 山岳もイケる?
ゴール2つ手前の2級山岳ヴグラン峠で集団を待つ。ラジオツールが「ビーボックスのジャポネ、アラシロがプロトンを引いている」と、普段伝えない情報までオマケして伝えてくれていた。ユキヤは集団を引き連れ、力強いペダリングでぐいぐいと山道を登る。
タイム差はどんどん縮まり、ピノーを含む先頭集団から3分弱の差をもってBboxブイグテレコムの青いジャージが先頭を固めるメイン集団が現れた。その先頭にユキヤ。「まだ引いている!」
日本人が集団の先頭を引く光景はやはり目を引くせいか、フランス2のモトTVカメラがユキヤにかぶりつきで並走する(こちらとしては撮影の邪魔です)。
先頭固定で「献身的に」引き続けたユキヤの役割は、この日エースで臨んだニコラ・ヴォゴンディとサブエースのトマ・ヴォクレール、ピエリック・フェドリゴらを最後の勝負が掛かる局面までにできるだけいい位置まで引き上げることだった。ユキヤはほぼ先頭固定で集団を引き続け、逃げ集団とのタイム差縮小に大きく貢献した。
沿道の観客たちもこちらが日本人と知ってか「アラシロ、ナンバワーン!」(なぜか英語)と声をかけてくれる。
ユキヤが山でこれだけの仕事ができることに驚いた、と言っては失礼だろうか?
5月のジロ・デ・イタリア第20ステージの最高標高山岳であるガリビエ峠でも主要選手を含む集団からそれほど遅れずにこなしたこともあり、すでに大きく登坂力を向上させた実感はあった。しかし回復力が差となって現れるグランツール第3週目のそれと違い、今ツール初めての山岳で見せた印象的なその走りは、ユキヤがオールラウンドな力をつけつつあることを確信させてくれる。
たしかにかつて67kgあった体重は6月末の時点で63kgと過去最高に軽く、去年と比べると絞りきれた身体が別人のようなシルエットだ(だから撮影してて見つけにくい)。トレードマークのぷりっとしたお尻は小さくなってしまったが、それと引換えに登れる力を身につけたようだ。パワーウェイトレシオの向上ということか。
ボーネンがいなくても成功したクイックステップ
レ・ルッスのゴール前4km、勾配がなくなる頂上で撮影することにした。シャヴァネルがアタックし、ピノーに迫る。
ジュラ山脈に「アレ、シルヴァン!」「アレ、ピノー!!」の声がこだまする(シャヴァネルは人気を確立しているからファーストネームになる?)。逃げるピノーにシャヴァネルが追いついたとき、フランス人観客の熱狂ぶりは最高潮に達した。でもすぐにシャヴァネルはピノーを置いて行ってしまう。
シャヴァネルはゴール後に明かしている。「ピノーは僕を引こうとしたけど、彼は本当に疲れていたから無理だったね」。
ピノー「最後の上りでは全開だった。シルヴァンが一人で来ていることを知って助けようと思った。それができたのはたった20mだったけど」。
シャヴァネルの2勝目と、ピノーのマイヨアポアキープ。2つの結果はクイックステップにとって大成功だ。
ちょうど1週間前、ロッテルダムで開かれたクイックステップのチーム記者会見に興味を示すジャーナリストがほとんどいなかった。エーススプリンターのボーネンを欠くチームに、「どうやって闘うつもりだ」といった冷たい声がかけられ、チームはただ「アタックにつぐアタックで攻撃する。このツールで1勝出来れば成功だろう。しかし2つ、3つと狙う」と話していた。そしてその通り、ここまでの一週間で、すでにその目標は達成してしまった。
クイックステップの大成功は、ボーネンで闘うよりも良かったのではないかと言う声が聞こえてきそうだ。
「大怪我転じて福となす」 脚に火が点いたシャヴァネル
2勝目を挙げたシャヴァネルは言う。「キャリア最高の日だよ。第2ステージで勝ってマイヨジョーヌを取ったけど、人は僕に『勝てなかっただろう』と言った。僕は今日その疑いを晴らして、ツールのステージに勝てることを証明したよ。今日はチャンスとその脚があると思っていたんだ。脚に火が点いているよ!
今日の登りは山というよりは4%の勾配。それが僕に向いていると分かっていたんだ」。
シャヴァネルの第2ステージの勝利は、選手たちの自主的なニュートラりゼーションに助けられた面がある。雨やオイルで滑り易くなった路面のおかげで、落車があまりに多く起こったため、後方メイン集団の選手たちがレースをやめてしまったからだ。
「僕ら(クイックステップ)にとって信じられないほどのツールになっている。僕たちはチーム全体で臨んで、パーフェクトにコトが進んでいる。スパでの勝利はよっぽどのことだけど、僕らは2度目の勝利を挙げた。素晴らしいよ。3勝目を狙うよ!」。
4月のリエージュ~バストーニュ~リエージュのゴール前で大落車に見舞われ、脳震盪と頭蓋骨骨折という大怪我を負ったシャバネルは、今ツールへの出場はほぼ絶望視されていた存在だ。しかし予想に反して出場。そして誰も予想だにしないステージ2勝を挙げてしまった。
シャヴァネルは5月をケガの治療と療養にあて、レースを走らずに過ごした。そのことが結果的には良い走りにつながっていると言う。
「今このツールでの体調の良さをみる限り、僕は来年は5月にレースを走らないようにしようと思うよ」。
かつてツールでは逃げても逃げても捕まり続けてきたが、2008年にはようやく逃げきって初のステージ優勝を遂げているシャヴァネル。この勝利がツールでの3勝目だ。
アタックにつぐアタックが走りの信条。その走りから春のクラシック要員としてコフィディスからクイックステップに移籍。ボーネンとのダブルエースとして十分なサポート体制でクラシックに臨むも、カンチェラーラに苦汁を飲まされてきた。しかしツールでその走りが実り、幸せの頂点に。
公言通り攻撃に出たピノー、マイヨアポアを守る
すでにレース前に公言していたとおりにマイヨアポアを守るためにアタックしたピノー。公言以上に最後の山岳ポイント以外の5つの山頂をトップ通過し、赤い水玉ジャージを守りきった。
ピノーは言う「マイヨアポアを確実にするためにポイントを稼がなきゃならなかった。僕はよくアタックしすぎると批判されるけど、このツールではそれがうまく行っている。いい逃げに乗ったけど、サミュエル(ドゥムラン)と闘うことになると思った。でもうまく行ったよ。最後の坂では全力を出し尽くした」。
フランス人によるステージ優勝2つとマイヨジョーヌ2つ、そしてマイヨアポア。まだツールも序盤戦とはいえ、ここまでの結果はフランス人ファンにとって十分満足出るものだ。
レース後、フランス人ファンたちは大盛り上がりでレ・ルッスを下った。滝のような土砂降りの雨がTシャツ姿でそぞろ歩くファンたちを濡らすが、難民のようになって尚喜びの歌を歌いながら駐車場までの遠い道のりを歩くフランス人たちの陽気な表情が印象に残った。
しかし、来る水曜日、7月14日にはキャトーズ・ジュイエ=フランス革命記念日が待っている。
本当のマイヨジョーヌ争奪戦の前に
「ツールの総合が狙えるのではないか」というオールラウンダー説もどこへやら、カンチェラーラはやはり山を先頭集団ではこなせなかった。サクソバンクのチームメイトたちに付き添われて最後の山を登ったカンチェラーラは言う。「僕は出し切っていた。暑かった。本当に暑かった。僕にはもうたくさんだ。ジャージは守れなかった。ここまでで素敵な日を過ごした。明日は普通のジャージに戻るよ。静かになれる。ストレスは少なくなる」。
再びマイヨジョーヌを着たシャヴァネル。しかしそれが今度も長くは続かないことは知っている。明日は一級山岳の山頂フィニッシュステージだ。
シャヴァネルは言う。「明日はマイヨジョーヌを守るためにすべてをかけて闘う。でも僕はその闘いがコンタドールとシュレクとエヴァンスの闘いになるということを知っているよ。途中までは全力で対抗する。それでジャージを失っても気にしないよ。今、僕は人に囲まれている。浮かれてしまうこの気持ちを上手く言い表す言葉が見つからないな。道には多くのファンたちがいてすごい応援をしてくれる。これが僕のハートを温めてくれるんだ」。
遅れたクレーデン ランスのアシストは大丈夫か?
山岳で常に安定的な力を見せるアンドレアス・クレーデンがクラックして遅れた。優勝候補争いのメイン集団から2分以上の遅れ。
アームストロングの山岳での重要なアシストにして今年こそ表彰台にも上りたいクレーデンは、最初の山岳テストでもろくも脱落。アームストロング、ライプハイマー、ブライコヴィッチと合わせ4人の「エースになれる選手」がいるレディオシャックだが、これから始まる山岳ステージに不安要素を残すことになった。
text&photo:Makoto Ayano
中級山岳以上の最初の山岳テスト
ツール最初の山岳ステージということに加え、土曜日とあって沿道に観客の多いこと。後半の山岳地帯に入ると、白地に赤文字で「JURA」とい書かれた旗と、黄色に赤いボタンのマークに「Made
in JURA」の旗がやたらと目立つ。JURA地方のPRにとバラ巻かれたもののようだ。
ジュラ山脈の地形それ自体がフランスとスイスの国境をなしているとおり、レースが目指すのはスイス国境にほど近いゴールのレ・ルッススキー場だ。ちなみにレ・ルッスはフランスのスキー発祥の地だそうだ。
細かい山道を縫って山間部を走る<再びの>クラシックのようなコースに、地図とにらめっこでショートカットを繰り返しながらプレスカーで追いかける。中級山岳といえど、実際は立派に厳しい山道。山岳が得意でない選手には歯が立たないコースに思えた。
メイン集団を引き続けたユキヤ 山岳もイケる?
ゴール2つ手前の2級山岳ヴグラン峠で集団を待つ。ラジオツールが「ビーボックスのジャポネ、アラシロがプロトンを引いている」と、普段伝えない情報までオマケして伝えてくれていた。ユキヤは集団を引き連れ、力強いペダリングでぐいぐいと山道を登る。
タイム差はどんどん縮まり、ピノーを含む先頭集団から3分弱の差をもってBboxブイグテレコムの青いジャージが先頭を固めるメイン集団が現れた。その先頭にユキヤ。「まだ引いている!」
日本人が集団の先頭を引く光景はやはり目を引くせいか、フランス2のモトTVカメラがユキヤにかぶりつきで並走する(こちらとしては撮影の邪魔です)。
先頭固定で「献身的に」引き続けたユキヤの役割は、この日エースで臨んだニコラ・ヴォゴンディとサブエースのトマ・ヴォクレール、ピエリック・フェドリゴらを最後の勝負が掛かる局面までにできるだけいい位置まで引き上げることだった。ユキヤはほぼ先頭固定で集団を引き続け、逃げ集団とのタイム差縮小に大きく貢献した。
沿道の観客たちもこちらが日本人と知ってか「アラシロ、ナンバワーン!」(なぜか英語)と声をかけてくれる。
ユキヤが山でこれだけの仕事ができることに驚いた、と言っては失礼だろうか?
5月のジロ・デ・イタリア第20ステージの最高標高山岳であるガリビエ峠でも主要選手を含む集団からそれほど遅れずにこなしたこともあり、すでに大きく登坂力を向上させた実感はあった。しかし回復力が差となって現れるグランツール第3週目のそれと違い、今ツール初めての山岳で見せた印象的なその走りは、ユキヤがオールラウンドな力をつけつつあることを確信させてくれる。
たしかにかつて67kgあった体重は6月末の時点で63kgと過去最高に軽く、去年と比べると絞りきれた身体が別人のようなシルエットだ(だから撮影してて見つけにくい)。トレードマークのぷりっとしたお尻は小さくなってしまったが、それと引換えに登れる力を身につけたようだ。パワーウェイトレシオの向上ということか。
ボーネンがいなくても成功したクイックステップ
レ・ルッスのゴール前4km、勾配がなくなる頂上で撮影することにした。シャヴァネルがアタックし、ピノーに迫る。
ジュラ山脈に「アレ、シルヴァン!」「アレ、ピノー!!」の声がこだまする(シャヴァネルは人気を確立しているからファーストネームになる?)。逃げるピノーにシャヴァネルが追いついたとき、フランス人観客の熱狂ぶりは最高潮に達した。でもすぐにシャヴァネルはピノーを置いて行ってしまう。
シャヴァネルはゴール後に明かしている。「ピノーは僕を引こうとしたけど、彼は本当に疲れていたから無理だったね」。
ピノー「最後の上りでは全開だった。シルヴァンが一人で来ていることを知って助けようと思った。それができたのはたった20mだったけど」。
シャヴァネルの2勝目と、ピノーのマイヨアポアキープ。2つの結果はクイックステップにとって大成功だ。
ちょうど1週間前、ロッテルダムで開かれたクイックステップのチーム記者会見に興味を示すジャーナリストがほとんどいなかった。エーススプリンターのボーネンを欠くチームに、「どうやって闘うつもりだ」といった冷たい声がかけられ、チームはただ「アタックにつぐアタックで攻撃する。このツールで1勝出来れば成功だろう。しかし2つ、3つと狙う」と話していた。そしてその通り、ここまでの一週間で、すでにその目標は達成してしまった。
クイックステップの大成功は、ボーネンで闘うよりも良かったのではないかと言う声が聞こえてきそうだ。
「大怪我転じて福となす」 脚に火が点いたシャヴァネル
2勝目を挙げたシャヴァネルは言う。「キャリア最高の日だよ。第2ステージで勝ってマイヨジョーヌを取ったけど、人は僕に『勝てなかっただろう』と言った。僕は今日その疑いを晴らして、ツールのステージに勝てることを証明したよ。今日はチャンスとその脚があると思っていたんだ。脚に火が点いているよ!
今日の登りは山というよりは4%の勾配。それが僕に向いていると分かっていたんだ」。
シャヴァネルの第2ステージの勝利は、選手たちの自主的なニュートラりゼーションに助けられた面がある。雨やオイルで滑り易くなった路面のおかげで、落車があまりに多く起こったため、後方メイン集団の選手たちがレースをやめてしまったからだ。
「僕ら(クイックステップ)にとって信じられないほどのツールになっている。僕たちはチーム全体で臨んで、パーフェクトにコトが進んでいる。スパでの勝利はよっぽどのことだけど、僕らは2度目の勝利を挙げた。素晴らしいよ。3勝目を狙うよ!」。
4月のリエージュ~バストーニュ~リエージュのゴール前で大落車に見舞われ、脳震盪と頭蓋骨骨折という大怪我を負ったシャバネルは、今ツールへの出場はほぼ絶望視されていた存在だ。しかし予想に反して出場。そして誰も予想だにしないステージ2勝を挙げてしまった。
シャヴァネルは5月をケガの治療と療養にあて、レースを走らずに過ごした。そのことが結果的には良い走りにつながっていると言う。
「今このツールでの体調の良さをみる限り、僕は来年は5月にレースを走らないようにしようと思うよ」。
かつてツールでは逃げても逃げても捕まり続けてきたが、2008年にはようやく逃げきって初のステージ優勝を遂げているシャヴァネル。この勝利がツールでの3勝目だ。
アタックにつぐアタックが走りの信条。その走りから春のクラシック要員としてコフィディスからクイックステップに移籍。ボーネンとのダブルエースとして十分なサポート体制でクラシックに臨むも、カンチェラーラに苦汁を飲まされてきた。しかしツールでその走りが実り、幸せの頂点に。
公言通り攻撃に出たピノー、マイヨアポアを守る
すでにレース前に公言していたとおりにマイヨアポアを守るためにアタックしたピノー。公言以上に最後の山岳ポイント以外の5つの山頂をトップ通過し、赤い水玉ジャージを守りきった。
ピノーは言う「マイヨアポアを確実にするためにポイントを稼がなきゃならなかった。僕はよくアタックしすぎると批判されるけど、このツールではそれがうまく行っている。いい逃げに乗ったけど、サミュエル(ドゥムラン)と闘うことになると思った。でもうまく行ったよ。最後の坂では全力を出し尽くした」。
フランス人によるステージ優勝2つとマイヨジョーヌ2つ、そしてマイヨアポア。まだツールも序盤戦とはいえ、ここまでの結果はフランス人ファンにとって十分満足出るものだ。
レース後、フランス人ファンたちは大盛り上がりでレ・ルッスを下った。滝のような土砂降りの雨がTシャツ姿でそぞろ歩くファンたちを濡らすが、難民のようになって尚喜びの歌を歌いながら駐車場までの遠い道のりを歩くフランス人たちの陽気な表情が印象に残った。
しかし、来る水曜日、7月14日にはキャトーズ・ジュイエ=フランス革命記念日が待っている。
本当のマイヨジョーヌ争奪戦の前に
「ツールの総合が狙えるのではないか」というオールラウンダー説もどこへやら、カンチェラーラはやはり山を先頭集団ではこなせなかった。サクソバンクのチームメイトたちに付き添われて最後の山を登ったカンチェラーラは言う。「僕は出し切っていた。暑かった。本当に暑かった。僕にはもうたくさんだ。ジャージは守れなかった。ここまでで素敵な日を過ごした。明日は普通のジャージに戻るよ。静かになれる。ストレスは少なくなる」。
再びマイヨジョーヌを着たシャヴァネル。しかしそれが今度も長くは続かないことは知っている。明日は一級山岳の山頂フィニッシュステージだ。
シャヴァネルは言う。「明日はマイヨジョーヌを守るためにすべてをかけて闘う。でも僕はその闘いがコンタドールとシュレクとエヴァンスの闘いになるということを知っているよ。途中までは全力で対抗する。それでジャージを失っても気にしないよ。今、僕は人に囲まれている。浮かれてしまうこの気持ちを上手く言い表す言葉が見つからないな。道には多くのファンたちがいてすごい応援をしてくれる。これが僕のハートを温めてくれるんだ」。
遅れたクレーデン ランスのアシストは大丈夫か?
山岳で常に安定的な力を見せるアンドレアス・クレーデンがクラックして遅れた。優勝候補争いのメイン集団から2分以上の遅れ。
アームストロングの山岳での重要なアシストにして今年こそ表彰台にも上りたいクレーデンは、最初の山岳テストでもろくも脱落。アームストロング、ライプハイマー、ブライコヴィッチと合わせ4人の「エースになれる選手」がいるレディオシャックだが、これから始まる山岳ステージに不安要素を残すことになった。
text&photo:Makoto Ayano
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