2022/04/18(月) - 15:13
Jプロツアー第3戦の西日本ロードクラシック広島大会Day2は、小林海(マトリックスパワータグ)が開幕3連勝を決め、マトリックスパワータグが4位までを独占する結果となった。第3戦にして早くも2度目の表彰台独占の一方で、安原監督は「素直に喜べない」と、憂いを口にする。その理由は何か?
西日本ロードクラシック2日目も青空の下スタート photo:Satoru Kato
西日本ロードクラシック広島大会2日目のDay2。Jプロツアーは広島県中央森林公園の1周12.3kmのコースを13周するレースが予定されていた。しかしこの日午前中に行われたレース中のアクシデントにより、12周147.6kmに変更された。150kmを切る距離となったものの、それでもJプロツアーでは最長に類する距離のレースだ。
広島空港の誘導灯を1列棒状でくぐっていく集団 photo:Satoru Kato
前日に続き朝から青空が広がる1日。風の冷たさは無くなり、日差しに暑さを感じるようになった正午にスタートしたレースは、1周目から各チームの出方をうかがうようなアタックが繰り返される。その中から、3周目に入ると5名の先行が容認される。メンバーは、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)、松田祥位(チームブリヂストンサイクリング)、中川拳(愛三工業レーシングチーム)、風間翔眞(シマノレーシング)入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)。
3周目に形成された5名の先頭集団 photo:Satoru Kato
レース前半はシエルブルー鹿屋がメイン集団を牽引 photo:Satoru Kato
メイン集団はシエルブルー鹿屋を先頭に、各チームが整列して進行していく。先行した5名との差は、レース中盤までに最大で3分20秒まで広がる。
レース後半からはマトリックスパワータグがメイン集団をペースアップさせていく photo:Satoru Kato
フランシスコ・マンセボを先頭にマトリックスパワータグがメイン集団を崩壊させるペースアップ photo:Satoru Kato
この状況を見て、コースサイドで指示を出していたマトリックスパワータグの安原監督は、メイン集団の牽引を指示。「ホセ(ビセンテ・トリビオ)で勝負できるだろうけれど、(入部)正太朗の存在が気になるから2分くらいまで差を詰めさせた」と言うよに、6周目から集団前方に集まったマトリックスパワータグのメンバーはメイン集団をペースアップさせる。
残り2周 小林海(マトリックスパワータグ)が先頭集団に追いつく。後方からレオネル・キンテロも続く photo:Satoru Kato
小林海(マトリックスパワータグ)を先頭に最終周回へ photo:Satoru Kato
先行する5名との差は、8周目には2分30秒あったが、10周目には1分以内まで一気に縮まる。残り2周、リーダージャージを着る小林海(マトリックスパワータグ)がメイン集団から追走。先行集団から遅れた風間と入れ替わるように合流し、さらにはレオネル・キンテロも続いた。先行集団はマトリックスパワータグ3名が主導してペースアップしていく。
後方集団はチームブリヂストンサイクリングのメンバーが追走 photo:Satoru Kato
最終周回 独走でフィニッシュを目指す小林海(マトリックスパワータグ) photo:Satoru Kato
3本指を見せて開幕3連勝をアピールしてフィニッシュする小林海(マトリックスパワータグ) photo:Satoru Kato
最終周回までにマトリックスパワータグの3名が中川、松田、入部を切り離す。残り半周ほどになると小林が独走を開始。後続との差をみるみる広げた小林はそのままフィニッシュまで逃げ切り。3本指を見せて3連勝をアピールした。
30秒ほど遅れて、キンテロ、トリビオ、フランシスコ・マンセボの順にフィニッシュ。1位から4位までをマトリックスパワータグが独占し、今季2度目の表彰台独占となった。
2位から4位もマトリックスパワータグが占めた photo:Satoru Kato
「ここは厳しいコースだからウチのチーム向きではあるけれど、ここまで出来るとは思わなかった」と言うマトリックスパワータグの安原監督。「でも表彰台独占も年に1回くらいあればヨッシャ!って思うけれど、こうも連続すると素直に喜べない」と、複雑な心境を口にする。
「マリノ(小林海)らが追いつくことは考えていたけれど、そこにはブリヂストンや愛三工業が必ずついて来ると思っていた。他のチームは集団を引いてるわけでもなく、脚を残しているはずなのに、それでも誰もついて来なかった。よく言えば作戦通りと言えるかもしれないけれど、自転車のレースなんて作戦通りにいくことなんてほとんど無い。それが出来てしまうのはどうなのかと」
表彰式 三原市長がプレゼンターを務めた photo:Satoru Kato
写真右から、プロリーダージャージの小林海(マトリックスパワータグ)、ネクストリーダージャージの山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)、プレゼンターを務めた三原市の岡田吉弘市長 photo:Satoru Kato
「まだ4月だし調子が上がっていないというのもあるかもしれない。ブリヂストンはネイションズカップで主力がいないのもあったけれど、警戒はしていた。でも結局こういう形になってしまったから、もっと他が頑張ってくれないと、と思う。マリノが強いというのも、強いから手が付けられないじゃなくて、マリノのような選手を作れと。ウチの外国人選手くらいならボクらでやっつけられますよ、となって欲しい」と、他チームに注文をつけた。
開幕戦で優勝した時から今シーズンの小林の強さが選手やチーム関係者から聞かれていたが、2連勝したことでその声はさらに強まった。そして3連勝を目の当たりにして「勝てる方法が見つからない」という声も聞かれるほど。
小林の連勝はまだ続くのか?。1週間後に控える次戦「群馬CSCロードレース」で、各チームの出方に注目したい。
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西日本ロードクラシック広島大会2日目のDay2。Jプロツアーは広島県中央森林公園の1周12.3kmのコースを13周するレースが予定されていた。しかしこの日午前中に行われたレース中のアクシデントにより、12周147.6kmに変更された。150kmを切る距離となったものの、それでもJプロツアーでは最長に類する距離のレースだ。
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前日に続き朝から青空が広がる1日。風の冷たさは無くなり、日差しに暑さを感じるようになった正午にスタートしたレースは、1周目から各チームの出方をうかがうようなアタックが繰り返される。その中から、3周目に入ると5名の先行が容認される。メンバーは、ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)、松田祥位(チームブリヂストンサイクリング)、中川拳(愛三工業レーシングチーム)、風間翔眞(シマノレーシング)入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)。
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メイン集団はシエルブルー鹿屋を先頭に、各チームが整列して進行していく。先行した5名との差は、レース中盤までに最大で3分20秒まで広がる。
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この状況を見て、コースサイドで指示を出していたマトリックスパワータグの安原監督は、メイン集団の牽引を指示。「ホセ(ビセンテ・トリビオ)で勝負できるだろうけれど、(入部)正太朗の存在が気になるから2分くらいまで差を詰めさせた」と言うよに、6周目から集団前方に集まったマトリックスパワータグのメンバーはメイン集団をペースアップさせる。
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先行する5名との差は、8周目には2分30秒あったが、10周目には1分以内まで一気に縮まる。残り2周、リーダージャージを着る小林海(マトリックスパワータグ)がメイン集団から追走。先行集団から遅れた風間と入れ替わるように合流し、さらにはレオネル・キンテロも続いた。先行集団はマトリックスパワータグ3名が主導してペースアップしていく。
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最終周回までにマトリックスパワータグの3名が中川、松田、入部を切り離す。残り半周ほどになると小林が独走を開始。後続との差をみるみる広げた小林はそのままフィニッシュまで逃げ切り。3本指を見せて3連勝をアピールした。
30秒ほど遅れて、キンテロ、トリビオ、フランシスコ・マンセボの順にフィニッシュ。1位から4位までをマトリックスパワータグが独占し、今季2度目の表彰台独占となった。
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「ここは厳しいコースだからウチのチーム向きではあるけれど、ここまで出来るとは思わなかった」と言うマトリックスパワータグの安原監督。「でも表彰台独占も年に1回くらいあればヨッシャ!って思うけれど、こうも連続すると素直に喜べない」と、複雑な心境を口にする。
「マリノ(小林海)らが追いつくことは考えていたけれど、そこにはブリヂストンや愛三工業が必ずついて来ると思っていた。他のチームは集団を引いてるわけでもなく、脚を残しているはずなのに、それでも誰もついて来なかった。よく言えば作戦通りと言えるかもしれないけれど、自転車のレースなんて作戦通りにいくことなんてほとんど無い。それが出来てしまうのはどうなのかと」
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「まだ4月だし調子が上がっていないというのもあるかもしれない。ブリヂストンはネイションズカップで主力がいないのもあったけれど、警戒はしていた。でも結局こういう形になってしまったから、もっと他が頑張ってくれないと、と思う。マリノが強いというのも、強いから手が付けられないじゃなくて、マリノのような選手を作れと。ウチの外国人選手くらいならボクらでやっつけられますよ、となって欲しい」と、他チームに注文をつけた。
開幕戦で優勝した時から今シーズンの小林の強さが選手やチーム関係者から聞かれていたが、2連勝したことでその声はさらに強まった。そして3連勝を目の当たりにして「勝てる方法が見つからない」という声も聞かれるほど。
小林の連勝はまだ続くのか?。1週間後に控える次戦「群馬CSCロードレース」で、各チームの出方に注目したい。
西日本ロードクラシックDay-2 結果(147.6km)
1位 | 小林 海(マトリックスパワータグ) | 3時間42分36秒 |
2位 | レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ) | +32秒 |
3位 | ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) | +32秒 |
4位 | フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) | +32秒 |
5位 | 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) | +1分9秒 |
6位 | 金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム) | +1分10秒 |
Y1・Y2・マスターズ結果
Y1結果(36.9km) | ||
1位 | 平山雷斗(BUCYOCOFFEE/CLTCyclingTeam) | 59分22秒 |
2位 | 中尾涼介(VC AVANZARE) | +0秒 |
3位 | 辻 洸之介(LINKVISION GIRASOLE CYCLING) | +0秒 |
4位 | 吉中美空(VC福岡エリート) | +1秒 |
OP | 松井颯良(三味線Racing ※オープン) | +1秒 |
5位 | 望月 蓮(Avenir Yamanashi Yamanakako) | +1秒 |
6位 | 三木颯一郎(松山学院高等学校 自転車競技部) | +1秒 |
(表彰対象はオープン参加を除く上位6名) | ||
Y2結果(24.6km) | ||
OP | 村瀬琶音(※オープン) | 39分47秒 |
1位 | 武西憲進(E'quipe u Racing) | +58秒 |
OP | 広野達徳(チームGINRIN熊本 ※オープン) | +59秒 |
OP | 桑原 悠(TeamUKYO Reve ※オープン) | +1分39秒 |
2位 | 佐竹清亮(AVENTURA VICTORIA RACING) | +3分1秒 |
3位 | 伊藤幹将(E'quipe u Racing) | +6分22秒 |
4位 | 飯干智章(VC福岡ユース) | +6分22秒 |
(表彰対象はオープン参加を除く上位4名) | ||
マスターズ結果(36.9km) | ||
1位 | 宇根智浩(Aki Rising Bicycle team) | 58分12秒 |
2位 | 波片鉄平(CR3W) | +18秒 |
3位 | Sandu Ionut(TeamZenko) | +22秒 |
4位 | 中村やすし(VC福岡エリート) | +1分16秒 |
5位 | 深堀 理(VC福岡エリート) | +1分22秒 |
OP | 吉田達史(チーム岡山 ※オープン) | +1分51秒 |
6位 | 菟田竜一(TEAM SANREMO) | +2分12秒 |
text&photo:Satoru Kato
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