2010/02/19(金) - 09:01
ここまでツアー・オブ・オマーンで勝利に手が届いていなかったベルギーチャンピオンのトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)が、平坦コースの第5ステージでようやく優勝。ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)は総合リーダージャージを着て最終個人タイムトライアルに挑むことになった。
海沿いの平坦路を進む選手たち photo:A.S.O.最終日前日の第5ステージは、首都マスカットに近いワタタヤとスルタン・カブース・スタジアムを結ぶ148km。コースの大部分は海沿いの平坦路だが、幸い集団を破壊するような強風は吹かなかった。
元世界チャンピオンのアレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)、ニキータ・エスコフ(ロシア、カチューシャ)、マテウス・プロンク(オランダ、ヴァカンソレイユ)の逃げが決まったのは20km地点。この3名は50km地点で最大5分のリードを稼ぎ出した。
逃げたマテウス・プロンク(オランダ、ヴァカンソレイユ)、ニキータ・エスコフ(ロシア、カチューシャ)、アレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム) photo:A.S.O.リーダージャージ擁するリクイガスがコントロールするメイン集団は、先頭3名とのタイム差を計りながらレース後半にかけて確実にペースを上げて行く。バッランら3名はゴール25km手前で1分のリード。しかしゴール15km手前で3名は吸収された。
ここから集団先頭で主導権を争ったのはクイックステップ、リクイガス、サクソバンク、そしてチームスカイ。最後は大集団によるスプリントに持ち込まれ、先頭でバトルを繰り広げたボーネンが、フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)に競り勝ち優勝。今大会初勝利を飾った。
リクイガスやチームHTC・コロンビアがコントロールするメイン集団 photo:A.S.O.直前のツアー・オブ・カタールでステージ2勝を飾っていたボーネンだが、オマーンでの勝利はこれが初めて。「決して簡単な勝利ではなかった。ラスト30〜40mで何とかアエドを抜いたんだ。今朝チームメイトたちに声をかけ、チーム一丸となって勝利を狙おうと気合いを入れたところだった。チーム全体が上がり調子で、今はとてもいい気分だ」。ボーネンはボーナスタイム10秒を獲得し、総合2位にジャンプアップしている。
ステージ7位に沈んだベンナーティはボーナスタイムを獲得出来ず、総合2位のボーネンとのタイム差は僅かに2秒。総合争いは最後の個人タイムトライアルで決することに。
スプリントバトルを繰り広げるトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ)やフアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク) photo:A.S.O.最終個人TTは、少し起伏のある18.6kmのコースで行なわれる。総合2位のボーネンは「勝負は明日の個人TTで決まる。この冬はTTにフォーカスしてトレーニングを積んで来たんだ」と自信を覗かせながらも、「でも明日はいつものTTとは違う。バイクもノーマルバイクを使用するし、コースもチャレンジングだ。プレッシャーを感じずに走りたい」とコメントしている。
総合トップのベンナーティも決して個人TTが苦手な選手ではない。特に距離の短いコースでは上位に絡むこともある。昨年のブエルタ・ア・エスパーニャプロローグ(5km)で5位、2008年ジロ・デ・イタリア最終個人TT(24km)で7位に入っている。
地元メディアのインタビューを受けるトム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) photo:A.S.O.ベンナーティの総合トップの座を狙っているのは、総合で16秒遅れのTTスペシャリストたち。世界チャンピオンのファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)やキャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・トランジションズ)、マルコ・ピノッティ(イタリア、チームHTC・コロンビア)らが、総合ジャンプアップを狙ってくるだろう。
レース展開はレース公式サイト、選手コメントはクイックステップ公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2010第5ステージ結果
1位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) 3h23'52"
2位 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)
3位 ミカエル・ファンスタイエン(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
4位 バーデン・クック(オーストラリア、サクソバンク)
5位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)
6位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
7位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)
8位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム)
9位 ドミニク・ロラン(カナダ、サーヴェロ)
10位 クラース・ロデウィック(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
個人総合成績
1位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス) 15h36'21"
2位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) +02"
3位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ) +06"
4位 ガティス・スムクリス(ラトビア、アージェードゥーゼル)
5位 リー・ハワード(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)
6位 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク) +10"
7位 ニコライ・トルソーフ(ロシア、カチューシャ) +11"
8位 シリル・ルモワンヌ(フランス、ソール・ソジャサン) +14"
9位 ロジャー・ハモンド(イギリス、サーヴェロ・テストチーム) +16"
10位 セバスティアン・イノー(フランス、アージェードゥーゼル)
ポイント賞
タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)
新人賞
ガティス・スムクリス(ラトビア、アージェードゥーゼル)
チーム総合成績
サクソバンク
text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.
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元世界チャンピオンのアレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)、ニキータ・エスコフ(ロシア、カチューシャ)、マテウス・プロンク(オランダ、ヴァカンソレイユ)の逃げが決まったのは20km地点。この3名は50km地点で最大5分のリードを稼ぎ出した。
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ここから集団先頭で主導権を争ったのはクイックステップ、リクイガス、サクソバンク、そしてチームスカイ。最後は大集団によるスプリントに持ち込まれ、先頭でバトルを繰り広げたボーネンが、フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)に競り勝ち優勝。今大会初勝利を飾った。
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ステージ7位に沈んだベンナーティはボーナスタイムを獲得出来ず、総合2位のボーネンとのタイム差は僅かに2秒。総合争いは最後の個人タイムトライアルで決することに。
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総合トップのベンナーティも決して個人TTが苦手な選手ではない。特に距離の短いコースでは上位に絡むこともある。昨年のブエルタ・ア・エスパーニャプロローグ(5km)で5位、2008年ジロ・デ・イタリア最終個人TT(24km)で7位に入っている。
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レース展開はレース公式サイト、選手コメントはクイックステップ公式サイトより。
ツアー・オブ・オマーン2010第5ステージ結果
1位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) 3h23'52"
2位 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)
3位 ミカエル・ファンスタイエン(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
4位 バーデン・クック(オーストラリア、サクソバンク)
5位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)
6位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
7位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス)
8位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、チームミルラム)
9位 ドミニク・ロラン(カナダ、サーヴェロ)
10位 クラース・ロデウィック(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
個人総合成績
1位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、リクイガス) 15h36'21"
2位 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップ) +02"
3位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ) +06"
4位 ガティス・スムクリス(ラトビア、アージェードゥーゼル)
5位 リー・ハワード(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)
6位 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク) +10"
7位 ニコライ・トルソーフ(ロシア、カチューシャ) +11"
8位 シリル・ルモワンヌ(フランス、ソール・ソジャサン) +14"
9位 ロジャー・ハモンド(イギリス、サーヴェロ・テストチーム) +16"
10位 セバスティアン・イノー(フランス、アージェードゥーゼル)
ポイント賞
タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)
新人賞
ガティス・スムクリス(ラトビア、アージェードゥーゼル)
チーム総合成績
サクソバンク
text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.
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