2016/04/09(土) - 20:26
パリ~ルーベの開催を前に、メリダがディスクブレーキ採用のレーシングロード「SCULTURA DISC」を発表した。その特徴はリアブレーキの発熱を抑えるフィンや、フォーカスが開発したスルーアクスル規格「R.A.T.」を採用したこと。ベルギーで開催されたプレゼンテーションの画像と共に紹介する。
メリダのロードラインアップは、現在3シリーズで構成されている。エアロロードの「REACTO(リアクト)」、エンデュランスロードの「RIDE(ライド)」、そして今回ディスクブレーキ仕様が追加されたオールラウンドモデルの「SCULTURA(スクルトゥーラ)」だ。2006年のデビュー以来、世界各国のレースで勝利に貢献してきた実績あるレースバイクだ。
今回登場したディスクブレーキモデルのベースとなったのは、昨年のフルモデルチェンジによって誕生した4代目SCULTURA。サポートチームのランプレ・メリダからのフィードバックを取り入れ、ライドクオリティーを高めながら、前作より軽量化を果たし、空力性能や快適性の向上を実現している。正式デビューとなった昨年のジロ・デ・イタリアでヤン・ポラン(スロベニア)の難関山岳ステージ制覇に貢献したほか、多くのビッグレースでランプレ・メリダの活躍を支えている。
今回発表された「SCULTURA DISC」の主たる開発キーワードは3つ。快適性の向上、ブレーキ熱の処理、スルーアクスルの作業性向上だ。そのフォルムはリムブレーキモデルと似通っているものの、ディスクブレーキ特有の問題や高い制動力に対応するべく、様々なアップデートが施された。
まずはメリダのこだわりである快適性から。リムブレーキモデルではダイレクトマウントブレーキを採用し、シートステー間のブリッジを廃すことで縦方向の柔軟性を高めている。これはディスクブレーキモデルも共通で、更にリアセンターを8mm延長し、タイヤクリアランスを3mm拡大することで、よりショック吸収性に優れる28mm幅のタイヤを装着可能とした。カーボンには自然由来の「Bio Fiber」をインサートしており、素材面でも快適性の向上を図っている。
快適性の次にメリダが重要視するのは、リアブレーキから発せられる熱の処理だ。この問題を解決すべく、SCULTURA DISCではリアブレーキの取り付け台座に鍛造アルミ製の放熱フィンを装着。4分間ブレーキングし続けた後の温度を計測すると、放熱フィンの非装着時と比べて、装着時はキャリパーの温度上昇を35℃(約37%)抑えることに成功。グランツールに登場する山岳ステージのような長距離のダウンヒルでより安定した制動力を得ることが可能となった。キャリパー台座はシマノが提唱するフラットマウントで、ローター径は前後とも160mmを標準としている。
ホイールの固定方式は前後共にスルーアクスルを採用するが、従来のクイックレリーズに比べるとホイール交換に時間がかかることをメリダは問題視した。その解決策として採用したのが、フォーカスが特許を持つ「R.A.T」というシステムだ。このR.A.Tとはスルーアクスル先端をT字のフックとしてフレーム側の専用形状の受けに引っ掛けることでホイールの固定を行うというもの。レバーを90°ひねるだけで脱着可能となっており、ホイール交換時間の大幅な短縮を実現している。同時に、従来のスルーアクスルよりも固定力が向上しているという。
フレーム単体重量は、ランプレ・メリダが使用するCF4グレードで比較すると、リムブレーキモデルが800gに対して、ディスクブレーキモデルは900g(サイズは共に54cm)。メリダによれば、チーム使用機材で組み上げた場合にディスクブレーキモデルは400~800gの重量増になるとしている。
「SCULTURA DISC」は既にランプレ・メリダによって実戦投入されており、ロンド・ファン・フラーンデレンでは出場した全ライダーが使用。ランプレ・メリダは、ディスクブレーキ装備のバイクを全ライダーが使用した初めてのUCIワールドチームとなった。
久方ぶりの雨天レースが期待されるパリ~ルーベでも、引き続きランプレ・メリダの全ライダーが「SCULTURA DISC」を使用する予定だ。今後はグランツールにおける雨の山岳ステージや、イル・ロンバルディアを始めとした下りが勝負の鍵を握るレースを中心に投入する用意があるという。
国内で展開される販売パッケージやサイズ、価格などは後日発表される。バイクの詳報やプレゼンテーションの模様、インプレッションは後日シクロワイアード内にてレポートする予定だ。
photo:Makoto.Ayano
メリダのロードラインアップは、現在3シリーズで構成されている。エアロロードの「REACTO(リアクト)」、エンデュランスロードの「RIDE(ライド)」、そして今回ディスクブレーキ仕様が追加されたオールラウンドモデルの「SCULTURA(スクルトゥーラ)」だ。2006年のデビュー以来、世界各国のレースで勝利に貢献してきた実績あるレースバイクだ。
今回登場したディスクブレーキモデルのベースとなったのは、昨年のフルモデルチェンジによって誕生した4代目SCULTURA。サポートチームのランプレ・メリダからのフィードバックを取り入れ、ライドクオリティーを高めながら、前作より軽量化を果たし、空力性能や快適性の向上を実現している。正式デビューとなった昨年のジロ・デ・イタリアでヤン・ポラン(スロベニア)の難関山岳ステージ制覇に貢献したほか、多くのビッグレースでランプレ・メリダの活躍を支えている。
今回発表された「SCULTURA DISC」の主たる開発キーワードは3つ。快適性の向上、ブレーキ熱の処理、スルーアクスルの作業性向上だ。そのフォルムはリムブレーキモデルと似通っているものの、ディスクブレーキ特有の問題や高い制動力に対応するべく、様々なアップデートが施された。
まずはメリダのこだわりである快適性から。リムブレーキモデルではダイレクトマウントブレーキを採用し、シートステー間のブリッジを廃すことで縦方向の柔軟性を高めている。これはディスクブレーキモデルも共通で、更にリアセンターを8mm延長し、タイヤクリアランスを3mm拡大することで、よりショック吸収性に優れる28mm幅のタイヤを装着可能とした。カーボンには自然由来の「Bio Fiber」をインサートしており、素材面でも快適性の向上を図っている。
快適性の次にメリダが重要視するのは、リアブレーキから発せられる熱の処理だ。この問題を解決すべく、SCULTURA DISCではリアブレーキの取り付け台座に鍛造アルミ製の放熱フィンを装着。4分間ブレーキングし続けた後の温度を計測すると、放熱フィンの非装着時と比べて、装着時はキャリパーの温度上昇を35℃(約37%)抑えることに成功。グランツールに登場する山岳ステージのような長距離のダウンヒルでより安定した制動力を得ることが可能となった。キャリパー台座はシマノが提唱するフラットマウントで、ローター径は前後とも160mmを標準としている。
ホイールの固定方式は前後共にスルーアクスルを採用するが、従来のクイックレリーズに比べるとホイール交換に時間がかかることをメリダは問題視した。その解決策として採用したのが、フォーカスが特許を持つ「R.A.T」というシステムだ。このR.A.Tとはスルーアクスル先端をT字のフックとしてフレーム側の専用形状の受けに引っ掛けることでホイールの固定を行うというもの。レバーを90°ひねるだけで脱着可能となっており、ホイール交換時間の大幅な短縮を実現している。同時に、従来のスルーアクスルよりも固定力が向上しているという。
フレーム単体重量は、ランプレ・メリダが使用するCF4グレードで比較すると、リムブレーキモデルが800gに対して、ディスクブレーキモデルは900g(サイズは共に54cm)。メリダによれば、チーム使用機材で組み上げた場合にディスクブレーキモデルは400~800gの重量増になるとしている。
「SCULTURA DISC」は既にランプレ・メリダによって実戦投入されており、ロンド・ファン・フラーンデレンでは出場した全ライダーが使用。ランプレ・メリダは、ディスクブレーキ装備のバイクを全ライダーが使用した初めてのUCIワールドチームとなった。
久方ぶりの雨天レースが期待されるパリ~ルーベでも、引き続きランプレ・メリダの全ライダーが「SCULTURA DISC」を使用する予定だ。今後はグランツールにおける雨の山岳ステージや、イル・ロンバルディアを始めとした下りが勝負の鍵を握るレースを中心に投入する用意があるという。
国内で展開される販売パッケージやサイズ、価格などは後日発表される。バイクの詳報やプレゼンテーションの模様、インプレッションは後日シクロワイアード内にてレポートする予定だ。
photo:Makoto.Ayano
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