2014/11/19(水) - 09:01
サイクルモードに出展した約170のブースの中から、注目の新モデルや気になるプロダクツを一挙に紹介する第3弾。満を持してホイール群を発表したヴィットリア・ジャパン、Edge1000Jが注目のガーミンを取り扱ういいよねっと、チタン製のディスクロードとCXバイクを発表したエヴァディオをピックアップします。
ヴィットリア・ジャパン(ヴィットリア、アスチュート、zero rh+、モーガンブルー)
タイヤメーカーとして長い歴史を持ち、多くのプロライダーから愛用されてきたヴィットリアが、ロードとMTBの両ジャンルでホイールを発表した。それもロードは8モデル、MTBは4モデルと初年度から幅広いラインナップを揃え、独自に開発した最新鋭のテクノロジーが多く採用。ヴィットリア・ジャパンの藤井隆士さんは「これまで数多くのビッグレースをサポートしてきた中で見えてきた『必要なもの』がヴィットリアのホイールに搭載されています」と説明する。
まずトピックスとして挙げられるのが、ロードとMTBそれぞれのハイエンドである「QURANO」と「RACE」のリムに用いられるカーボン素材である。商用としては初の採用となる、グラフェンというナノ素材を添加することで、従来のカーボンと比較して温度に対する安定性や強度を高めることに成功しているという。同じくリムでは、ロード用ミドルグレードの「ELUSION」にプラズマ電解皮膜処理を施しブレーキング性能の向上を図った「NERO」が設定されることも注目だ。
そして、タイヤブランドらしくリムは形状にも凝っており、ロードは近年主流の23~25mm幅に、MTB用は近年主流のチューブレスを極低圧で使用しても外れにくい様に最適化されているという。また、タイヤとのマッチングについて、本国より来日したプロダクトマネージャーのステファン・アントンさんは「ヴィットリアとの組み合わせがベストです。ただし、他ブランドと組み合わせても違和感の無いようにロゴを抑えたシックなデザインとしています。」とコメント。多くのブランドが既成品を使用するハブもオリジナルとしており、工具無しでフリーボディーを脱着できる「SwitchIT」システムを搭載した。
タイヤはロード用トレーニング向けチューブラー「Mondiale」を除いてはほぼ継続となる。ただし、従来「GEAX(ジアックス)」として展開していたMTB用タイヤがヴィットリアブランドに統一。またブランドロゴも一新されている。
昨年より取り扱いを開始したイタリアの新興サドルブランド「アスチュート」。シーズン途中で登場した幅広タイプやネオンカラーに続いて、ブランド初のオフロード向けモデルとなる「SKY LINE TACA」が登場した。アスチュートが拠点とするベネト地方の方言で「しがみつく/粘着性の」という意味を持つモデル名の通り、後方のエッジ部分やノーズに滑り止め加工を施していることが特徴。基本的な構造は金属レール採用のロード用の「SKY LINE」と共通としている。
「SKY LINE TACA」はノーマルモデル、穴あきモデルの2タイプが用意され、穴あきモデルには裏面をネオンカラーとした「FLUO」がラインナップされる。なお、アスチュートは蛍光塗料にスキー用を使用しているため、ネオンカラーのデメリットである退色が起こりにくいのだとか。
その他、2015年からはイタリアのアパレルブランド「zero rh+」の展開がスタートする。ウェア類も豊富にラインナップされるが、注目はヘルメット。セカンドグレードの「ZY」やサードグレードの「ZW」はベーシックな造りで、頭の形を選びづらそう。豊富なカラーバリエーションも特徴で、ZYやZWはカタログ値でこそ200g台中盤となっているものの、つけ心地は予想に反して軽やか。シンプルなルックスも魅力的だ。
いいよねっと(ガーミン)
いいよねっとブースでは、遂に国内でもリリースされたガーミンの新型ハイエンドモデル「Edge1000J」が大きな注目を集めた。更に大型化されたモニター部によって視認性や操作性が向上したのはもちろんのこと、高性能サイクルコンピューターの王者たる実用的かつユニークな新機能を豊富に搭載していることが特徴だ。
過去の自分や仲間とバーチャルで対戦できる「セグメント」や、スマートフォンの着信を画面上で確認できる「スマートノーティファイ」、シマノDi2との連携、アクションカメラVIRB-Jのリモート操作、パワーメーターVector-Jのベクトル表示などが新たに可能に。もちろん、GPS計測精度も向上されており、Edge510J/810Jで搭載されたLiveTrack機能も採用されている。
また、スピードとケイデンスのセンサーも刷新され、加速度センサーを用いた測定方法へとアップデート。マグネットを必要とせず、また従来モデルではスピード/ケイデンス一体式であったことからクリアランス的に取り付け不可能であったバイクに装着可能になるなど様々なメリットを持っている。もちろん計測精度についても安定しており、誤差はとても少なそうだ。
その他、実際に見て触って操作できる貴重な機会とあって500J、510J、810Jの3種類のEdgeシリーズや、アクションカメラVIRB-J、フィットネスバンドvivofitにも多くの来場者が感心を寄せていた。
また、いいよねっとブースではサポートライダーの宮澤崇史選手(ヴィーニファンティーニNIPPO)とサッシャさんのトークショーが行われた。その内容は高機能なEdgeシリーズの使いこなすっためのチップスや活用方法など毎回ブースからはみ出すほどの来場者が集まり、「なるほど」という声が多く聞かれた。
エヴァディオ
国内ブランドのエヴァディオは、ディスクBRロードとディスクBRシクロクロスという、現在トレンドとなっているなジャンルそれぞれにチタンモデルを発表。カーボン全盛の昨今、デザインも似たり寄ったりというバイクが多い中にあって、非常にエッジが効いており、その独特の金属光沢はと美しい溶接部分は、エンスーな来場者を唸らせていた。
チタンCXの「PHOENIX」は担ぎやすさを重視して曲げ加工が施されたトップチューブが特徴的で、スラムForce CX1とアメリカンクラシックで組まれた展示車は実測7.3kgほどと軽く、実戦的なバイクに仕上がっている。ディスクブレーキロードの「PEGASUS」はなんとフォークまでチタン製。ブース担当の犬塚憲明さん曰く「企画段階ではカーボンフォークで考えていたのですが、ルックスのまとまりを重視して製品版はチタンフォークとしました」とのこと。2モデルとも鏡面仕上げによって浮かび上がらせたロゴも非常に美しく、新しい金属バイクを探している方には有力な選択肢になるだろう。
その他、高い品質に定評のあるワタナベ塗装がペイント手がけたゴージャスの仕上がりのピュアカーボンレーシングバイク「VENUS 01」やフルカーボンサドルなども展示されていた。
text:Yuya.Yamamoto
photo:CW編集部
ヴィットリア・ジャパン(ヴィットリア、アスチュート、zero rh+、モーガンブルー)
タイヤメーカーとして長い歴史を持ち、多くのプロライダーから愛用されてきたヴィットリアが、ロードとMTBの両ジャンルでホイールを発表した。それもロードは8モデル、MTBは4モデルと初年度から幅広いラインナップを揃え、独自に開発した最新鋭のテクノロジーが多く採用。ヴィットリア・ジャパンの藤井隆士さんは「これまで数多くのビッグレースをサポートしてきた中で見えてきた『必要なもの』がヴィットリアのホイールに搭載されています」と説明する。
まずトピックスとして挙げられるのが、ロードとMTBそれぞれのハイエンドである「QURANO」と「RACE」のリムに用いられるカーボン素材である。商用としては初の採用となる、グラフェンというナノ素材を添加することで、従来のカーボンと比較して温度に対する安定性や強度を高めることに成功しているという。同じくリムでは、ロード用ミドルグレードの「ELUSION」にプラズマ電解皮膜処理を施しブレーキング性能の向上を図った「NERO」が設定されることも注目だ。
そして、タイヤブランドらしくリムは形状にも凝っており、ロードは近年主流の23~25mm幅に、MTB用は近年主流のチューブレスを極低圧で使用しても外れにくい様に最適化されているという。また、タイヤとのマッチングについて、本国より来日したプロダクトマネージャーのステファン・アントンさんは「ヴィットリアとの組み合わせがベストです。ただし、他ブランドと組み合わせても違和感の無いようにロゴを抑えたシックなデザインとしています。」とコメント。多くのブランドが既成品を使用するハブもオリジナルとしており、工具無しでフリーボディーを脱着できる「SwitchIT」システムを搭載した。
タイヤはロード用トレーニング向けチューブラー「Mondiale」を除いてはほぼ継続となる。ただし、従来「GEAX(ジアックス)」として展開していたMTB用タイヤがヴィットリアブランドに統一。またブランドロゴも一新されている。
昨年より取り扱いを開始したイタリアの新興サドルブランド「アスチュート」。シーズン途中で登場した幅広タイプやネオンカラーに続いて、ブランド初のオフロード向けモデルとなる「SKY LINE TACA」が登場した。アスチュートが拠点とするベネト地方の方言で「しがみつく/粘着性の」という意味を持つモデル名の通り、後方のエッジ部分やノーズに滑り止め加工を施していることが特徴。基本的な構造は金属レール採用のロード用の「SKY LINE」と共通としている。
「SKY LINE TACA」はノーマルモデル、穴あきモデルの2タイプが用意され、穴あきモデルには裏面をネオンカラーとした「FLUO」がラインナップされる。なお、アスチュートは蛍光塗料にスキー用を使用しているため、ネオンカラーのデメリットである退色が起こりにくいのだとか。
その他、2015年からはイタリアのアパレルブランド「zero rh+」の展開がスタートする。ウェア類も豊富にラインナップされるが、注目はヘルメット。セカンドグレードの「ZY」やサードグレードの「ZW」はベーシックな造りで、頭の形を選びづらそう。豊富なカラーバリエーションも特徴で、ZYやZWはカタログ値でこそ200g台中盤となっているものの、つけ心地は予想に反して軽やか。シンプルなルックスも魅力的だ。
いいよねっと(ガーミン)
いいよねっとブースでは、遂に国内でもリリースされたガーミンの新型ハイエンドモデル「Edge1000J」が大きな注目を集めた。更に大型化されたモニター部によって視認性や操作性が向上したのはもちろんのこと、高性能サイクルコンピューターの王者たる実用的かつユニークな新機能を豊富に搭載していることが特徴だ。
過去の自分や仲間とバーチャルで対戦できる「セグメント」や、スマートフォンの着信を画面上で確認できる「スマートノーティファイ」、シマノDi2との連携、アクションカメラVIRB-Jのリモート操作、パワーメーターVector-Jのベクトル表示などが新たに可能に。もちろん、GPS計測精度も向上されており、Edge510J/810Jで搭載されたLiveTrack機能も採用されている。
また、スピードとケイデンスのセンサーも刷新され、加速度センサーを用いた測定方法へとアップデート。マグネットを必要とせず、また従来モデルではスピード/ケイデンス一体式であったことからクリアランス的に取り付け不可能であったバイクに装着可能になるなど様々なメリットを持っている。もちろん計測精度についても安定しており、誤差はとても少なそうだ。
その他、実際に見て触って操作できる貴重な機会とあって500J、510J、810Jの3種類のEdgeシリーズや、アクションカメラVIRB-J、フィットネスバンドvivofitにも多くの来場者が感心を寄せていた。
また、いいよねっとブースではサポートライダーの宮澤崇史選手(ヴィーニファンティーニNIPPO)とサッシャさんのトークショーが行われた。その内容は高機能なEdgeシリーズの使いこなすっためのチップスや活用方法など毎回ブースからはみ出すほどの来場者が集まり、「なるほど」という声が多く聞かれた。
エヴァディオ
国内ブランドのエヴァディオは、ディスクBRロードとディスクBRシクロクロスという、現在トレンドとなっているなジャンルそれぞれにチタンモデルを発表。カーボン全盛の昨今、デザインも似たり寄ったりというバイクが多い中にあって、非常にエッジが効いており、その独特の金属光沢はと美しい溶接部分は、エンスーな来場者を唸らせていた。
チタンCXの「PHOENIX」は担ぎやすさを重視して曲げ加工が施されたトップチューブが特徴的で、スラムForce CX1とアメリカンクラシックで組まれた展示車は実測7.3kgほどと軽く、実戦的なバイクに仕上がっている。ディスクブレーキロードの「PEGASUS」はなんとフォークまでチタン製。ブース担当の犬塚憲明さん曰く「企画段階ではカーボンフォークで考えていたのですが、ルックスのまとまりを重視して製品版はチタンフォークとしました」とのこと。2モデルとも鏡面仕上げによって浮かび上がらせたロゴも非常に美しく、新しい金属バイクを探している方には有力な選択肢になるだろう。
その他、高い品質に定評のあるワタナベ塗装がペイント手がけたゴージャスの仕上がりのピュアカーボンレーシングバイク「VENUS 01」やフルカーボンサドルなども展示されていた。
text:Yuya.Yamamoto
photo:CW編集部