2014/11/15(土) - 09:12
5千人の観客を動員し、初開催ながら大成功となったナイターシクロクロス「スターライト幕張」。大会プロデュースを手がけたレースオーガナイザーの根本了慈さん、棈木亮二さん(チャンピオンシステム・ジャパン)に話を聞いた。
話を伺ったのは前夜のナイトレースを終えた大会2日目、会場にて。(聞き手:綾野 真)
根本了慈さん
ー 昨夜の大興奮とも言えるような盛り上がりをみて、プロデューサーとしてどんな感慨をお持ちですか?
予想以上の盛り上がりに、ちょっとビビリました(笑)。まずエリミネーターはあの豪華な選手たちが走ってくれたこと、あの迫力あるゴールスプリントを皆さんと一緒に観ることが出来たのは、とても幸せでした。
ー ライトに照らされたホームストレートでのスプリント合戦というのは、何か独特の雰囲気がありましたね。
ゴールを見守ったみんなから出た、「ウォォォォ〜!」という地の底から湧き上がるような歓声が響いた時、こちらも思わず身震いしてしまいいました。これは本当に新しい感覚なんだと思いましたね。
ー 夜の屋外レースという特殊な状況でしたが、なにか観戦してもらうために工夫したことなどはありますか?
今回はとくにセクションと呼ばれるところに重点的にライトを設置しました。コース全体の安全性を確保しながらも、そこに観客の皆さんが集まって来てくれたらいいな、という思惑がありました。狙い通り、僕が観に行った時、「ニ曲坂」といったポイントにまるで海外のCXレースにようにコース以外の空間が観客で埋まっているという状況になっているのをみて、これはスゴイ!と興奮しました。
選手もヤル気が出たと思うし、走るのがラクだったはずです。コースサイドが人垣なのでコースがわかりやすい(笑)。観客の人たちが案内してくれる感じ。
ー サイクルモードも女性が非常に多くて、スターライトの会場に来てくれた人も多かったようですね。まだ自転車レース、ロードレースさえも観たことがない層の人達が、いきなり夜のシクロクロスという不思議な競技を目撃して「すごい、これが自転車レースなの!」「何このレース!」「面白い!」と叫んでいたのが印象に残りました。
こちらも思わず心のなかでガッツポーズをとってしまうような感じでしたね!
ー レッドブルのDJなど会場の雰囲気作りも良かったですね。会場全体がぐっとお洒落な、ポップな空間になった。
走りながら会場にはずっとゴキゲンな曲が流れていて、選手たちからも「すごく良かったよ」と言ってもらえたので、嬉しかったです。これが仕掛けたかったことです。
いろいろな人に、いろいろな角度からレースを観て頂けたと思います。もし来年もできるとしたら、コースもさらにテクニカルなものにして、もっともっとエキサイティングな仕掛けを考えたいと思います。「エンターテインメントショー」と言えるまでにもっていけると面白いと思っています。
ー コースレイアウトも最高でした。私もマスターズの部を走らせてもらいましたが、今までの国内のレースにはないテクニカルな部分、かつファンな設定で、手強いながらもかなり楽しんで走ることが出来ました。
ありがとうございます。自分がシクロクロスを始めたのが今から4年前なんですが、いろいろなレースを転戦して、ナイトレースも走って、アメリカのレースも観て、その経験値をフルに使って考えだしたコースなんです。今シーズンもC1でしっかり走って、吸収して、自分のイベントに注ぎ込んでいきたいと思います(笑)。走った人に笑顔で「これ大変だよ〜!」と言ってもらえるような、サイコーのコースを作りたいですね。
棈木亮二さん
ー シクロクロス東京も定着した感がありますが、ここにきてさらにショー要素の強い面白いナイトレースでした。初めて開催してみて、いかがだったでしょうか?
何年も前から、アメリカのクロスベガスで観たナイトレースを目標にしていました。C1のスタートを観たときに、何かそれに近いものを見た気がしました。エリートのレースはスピードが速いので、ライトアップされたなかを一丸となって走り抜けていく選手たちの群れ。デジャブのような感覚がありました。
ー クロスカントリーエリミネーターは、じつは企画していながら自分では初めて観たんです(笑)。あまりの迫力に驚きました。観客の皆さんも予想以上に来てくださって、マウンテンバイクの層の方も多く来ていたので、いつものシクロクロスとは違う雰囲気はありましたね。見応えある面白いレースになりました。
来年はいろいろと組み直しが必要だと思いました。まずは開催時間が遅すぎるという話も伺いましたし、もしかすると2日間ではなくワンデイ開催のほうが良いのではないかとも思います。資金面との相談もありますし、サイクルモードの併催イベントということで、モードの運営側とのお話し合いも必要になります。併催イベントですからお互いにとって価値のあるものにして、よい効果を出す必要がありますから。どうやったら価値が上がるのかを、もう少し考えてやっていきたいと思っています。
ー 「サイクルモードの試乗コースや会場内を通るようなコースにすればもっと気づきの機会が増えて観客増につながるのでは?」という意見もあるようです。
なるほど。それだとやはり警察との交渉になってしまうし、現況不可能なことですが。
観客の皆さんへの「導線」はもっと考えなくてはいけないというか、もっとできることがあったのではないかと思っています。今回は私も途中でモード会場に行ってみて、会場内のトークショーに出てスターライト幕張のことをご案内をしたりしたんですが、イメージを上手く伝えられたり、掲示物などで誘導できれば、今回の倍のお客さんが来てくれるだろうと思っています。来年はそのあたりもしっかりやれれば、「何やっているんだろう、面白そうだぞ、行ってみようかな」という流れがつくれると思います。
私、あくまでメーカーの人(オーダージャージの会社チャンピオンシステムを経営)なので、イベント屋さんじゃないんですが(笑)、皆さんの喜んでくれる顔が嬉しくて、いい大会にしなきゃ!と思っています。すでにシクロクロス東京のほうも来年2月の開催が迫っていますから、そちらも手が抜けません。シクロクロス東京は今のところスポンサー不足で苦心していますので、このシクロクロスに魅力を感じていただける企業の協賛をお待ちしています。
ー これからも、走る人、観る人を楽しませてくれるエキサイティングなレースを期待しています。
photo&text:Makoto.AYANO
photo:Kei.TSUJI
話を伺ったのは前夜のナイトレースを終えた大会2日目、会場にて。(聞き手:綾野 真)
根本了慈さん
ー 昨夜の大興奮とも言えるような盛り上がりをみて、プロデューサーとしてどんな感慨をお持ちですか?
予想以上の盛り上がりに、ちょっとビビリました(笑)。まずエリミネーターはあの豪華な選手たちが走ってくれたこと、あの迫力あるゴールスプリントを皆さんと一緒に観ることが出来たのは、とても幸せでした。
ー ライトに照らされたホームストレートでのスプリント合戦というのは、何か独特の雰囲気がありましたね。
ゴールを見守ったみんなから出た、「ウォォォォ〜!」という地の底から湧き上がるような歓声が響いた時、こちらも思わず身震いしてしまいいました。これは本当に新しい感覚なんだと思いましたね。
ー 夜の屋外レースという特殊な状況でしたが、なにか観戦してもらうために工夫したことなどはありますか?
今回はとくにセクションと呼ばれるところに重点的にライトを設置しました。コース全体の安全性を確保しながらも、そこに観客の皆さんが集まって来てくれたらいいな、という思惑がありました。狙い通り、僕が観に行った時、「ニ曲坂」といったポイントにまるで海外のCXレースにようにコース以外の空間が観客で埋まっているという状況になっているのをみて、これはスゴイ!と興奮しました。
選手もヤル気が出たと思うし、走るのがラクだったはずです。コースサイドが人垣なのでコースがわかりやすい(笑)。観客の人たちが案内してくれる感じ。
ー サイクルモードも女性が非常に多くて、スターライトの会場に来てくれた人も多かったようですね。まだ自転車レース、ロードレースさえも観たことがない層の人達が、いきなり夜のシクロクロスという不思議な競技を目撃して「すごい、これが自転車レースなの!」「何このレース!」「面白い!」と叫んでいたのが印象に残りました。
こちらも思わず心のなかでガッツポーズをとってしまうような感じでしたね!
ー レッドブルのDJなど会場の雰囲気作りも良かったですね。会場全体がぐっとお洒落な、ポップな空間になった。
走りながら会場にはずっとゴキゲンな曲が流れていて、選手たちからも「すごく良かったよ」と言ってもらえたので、嬉しかったです。これが仕掛けたかったことです。
いろいろな人に、いろいろな角度からレースを観て頂けたと思います。もし来年もできるとしたら、コースもさらにテクニカルなものにして、もっともっとエキサイティングな仕掛けを考えたいと思います。「エンターテインメントショー」と言えるまでにもっていけると面白いと思っています。
ー コースレイアウトも最高でした。私もマスターズの部を走らせてもらいましたが、今までの国内のレースにはないテクニカルな部分、かつファンな設定で、手強いながらもかなり楽しんで走ることが出来ました。
ありがとうございます。自分がシクロクロスを始めたのが今から4年前なんですが、いろいろなレースを転戦して、ナイトレースも走って、アメリカのレースも観て、その経験値をフルに使って考えだしたコースなんです。今シーズンもC1でしっかり走って、吸収して、自分のイベントに注ぎ込んでいきたいと思います(笑)。走った人に笑顔で「これ大変だよ〜!」と言ってもらえるような、サイコーのコースを作りたいですね。
棈木亮二さん
ー シクロクロス東京も定着した感がありますが、ここにきてさらにショー要素の強い面白いナイトレースでした。初めて開催してみて、いかがだったでしょうか?
何年も前から、アメリカのクロスベガスで観たナイトレースを目標にしていました。C1のスタートを観たときに、何かそれに近いものを見た気がしました。エリートのレースはスピードが速いので、ライトアップされたなかを一丸となって走り抜けていく選手たちの群れ。デジャブのような感覚がありました。
ー クロスカントリーエリミネーターは、じつは企画していながら自分では初めて観たんです(笑)。あまりの迫力に驚きました。観客の皆さんも予想以上に来てくださって、マウンテンバイクの層の方も多く来ていたので、いつものシクロクロスとは違う雰囲気はありましたね。見応えある面白いレースになりました。
来年はいろいろと組み直しが必要だと思いました。まずは開催時間が遅すぎるという話も伺いましたし、もしかすると2日間ではなくワンデイ開催のほうが良いのではないかとも思います。資金面との相談もありますし、サイクルモードの併催イベントということで、モードの運営側とのお話し合いも必要になります。併催イベントですからお互いにとって価値のあるものにして、よい効果を出す必要がありますから。どうやったら価値が上がるのかを、もう少し考えてやっていきたいと思っています。
ー 「サイクルモードの試乗コースや会場内を通るようなコースにすればもっと気づきの機会が増えて観客増につながるのでは?」という意見もあるようです。
なるほど。それだとやはり警察との交渉になってしまうし、現況不可能なことですが。
観客の皆さんへの「導線」はもっと考えなくてはいけないというか、もっとできることがあったのではないかと思っています。今回は私も途中でモード会場に行ってみて、会場内のトークショーに出てスターライト幕張のことをご案内をしたりしたんですが、イメージを上手く伝えられたり、掲示物などで誘導できれば、今回の倍のお客さんが来てくれるだろうと思っています。来年はそのあたりもしっかりやれれば、「何やっているんだろう、面白そうだぞ、行ってみようかな」という流れがつくれると思います。
私、あくまでメーカーの人(オーダージャージの会社チャンピオンシステムを経営)なので、イベント屋さんじゃないんですが(笑)、皆さんの喜んでくれる顔が嬉しくて、いい大会にしなきゃ!と思っています。すでにシクロクロス東京のほうも来年2月の開催が迫っていますから、そちらも手が抜けません。シクロクロス東京は今のところスポンサー不足で苦心していますので、このシクロクロスに魅力を感じていただける企業の協賛をお待ちしています。
ー これからも、走る人、観る人を楽しませてくれるエキサイティングなレースを期待しています。
photo&text:Makoto.AYANO
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