2014/06/14(土) - 03:44
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネと同時進行で、スイスでは第78回ツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)が開催される。「第4のグランツール」と呼ばれる歴史ある大会には、3連覇が懸かったコスタやウィギンズ、クロイツィゲルの他、豪華スプリンター勢が出場予定だ。
2つの個人TTが登場 終盤の2連続超級山頂フィニッシュで決着
同時期開催のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネと並んで、ツール・ド・フランスの重要な前哨戦として知られるツール・ド・スイス。7月のツールを狙うオールラウンダーやスプリンターたちがスイスに集結する。
その歴史は古く、第1回大会が開催されたのは今から80年前の1933年。ドーフィネよりも14年歴史が長く、今年で開催78回目を迎える。全9ステージで、歴史だけではなく開催期間もドーフィネよりも長い。かつては2週間にわたってで行なわれていたことから「第4のグランツール」とも呼ばれていた。
コースの特徴として、ドーフィネと違ってスプリンターにチャンスがある平坦ステージが多く設定される。そのため、ツールに向けて最終調整に入るスプリンターたちの出場は、ドーフィネではなくこのスイスに集中する。
2014年大会はスイス南部イタリア語圏のベッリンツォーナで開幕する。イタリア語圏から北部のドイツ語圏に入り、そこから西部のフランス語圏を目指す9日間。同じスイスで開催されるツール・ド・ロマンディが西部のフランス語圏に限定されるのに対し、ツール・ド・スイスは「スイス一周レース」という名に相応しく、スイス全土を巡る。
初日は高低差180mの登りを含む9.4kmの個人タイムトライアル。2日目には今大会最高地点の超級山岳フルカ峠(標高2416m)を含む4つの難関山岳が登場する。ここで早くも総合優勝候補は絞り込まれるだろう。
起伏に富んだ第3ステージを経て、第4〜6ステージはスプリンター向きの平坦ステージが設定されている。総合争いが再び加熱するのは第7ステージの個人タイムトライアルだ。全長24.5kmのアップダウンコースで総合成績にシャッフルがかけられる。同時にTTスペシャリストたちによる競演に注目だ。
第78代覇者を決めるのは第8ステージと第9ステージの連続山頂フィニッシュだ。今大会最長219.1kmコースの先に超級山岳ヴェルビエが置かれた第8ステージでクライミングバトルが繰り広げられる。そして最終日、2つの1級山岳をこなした後に挑む超級山岳ザース・フェーで決着。例年よりも山岳ステージの比率が高いコース設定であると言える。
ツール・ド・スイス2014ステージリスト
6月14日(土)第1ステージ ベッリンツォーナ〜ベッリンツォーナ 9.4km(個人TT)
6月15日(日)第2ステージ ベッリンツォーナ〜ザルネン 181.8km
6月16日(月)第3ステージ ザルネン〜ハイデン 202.9km
6月17日(火)第4ステージ ハイデン〜オッシンゲン 160.4km
6月18日(水)第5ステージ オッシンゲン〜ビューレン・アン・デア・アーレ 183.6km
6月19日(木)第6ステージ ビューレン・アン・デア・アーレ〜ドレモン 192.8km
6月20日(金)第7ステージ ヴォルプ〜ヴォルプ 24.5km(個人TT)
6月21日(土)第8ステージ ドレモン〜ヴェルビエ 219.1km
6月22日(日)第9ステージ マルティニー〜ザース・フェー 156.7km
コスタの3連覇なるか?ウィギンズやカヴ、サガンがスイスに挑む
2012年と2013年大会で総合優勝を果たしたのは、現在アルカンシェル(世界チャンピオンジャージ)を着るルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)だ。もちろんコスタは大会3連覇を目指して出場する。ツール・ド・フランスも見据えているだけに、相性の良いスイスで勢いをつけておきたいところだ。
チームスカイはクリス・フルーム(イギリス)をドーフィネに、ブラドレー・ウィギンズ(イギリス)をスイスに送り込む。ツール出場が決まっていない中、カリフォルニア覇者の走りに注目が集まる。
2008年大会の覇者ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)や、ジロ・デ・イタリアを終えたばかりのカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)、2013年大会総合2位のバウク・モレマ(オランダ、ベルキン)、ローハン・デニス(オーストラリア、ガーミン・シャープ)らもリーダージャージ争いに加わるだろう。2010年大会の覇者フランク・シュレク(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)は弟アンディとともに出場する。
総合争いと並行して注目したいのがスプリントバトルだ。ボーネンやレンショーを引き連れて出場するマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)や、ミラノ〜サンレモ覇者のアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)、ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)、サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)らが揃う。
ワイルドカード枠で出場するゲラルド・チオレック(ドイツ、MTNキュベカ)やハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、IAMサイクリング)もモチベーション高くスプリントに挑んでくるだろう。
2013年大会でステージ2勝を飾り、3年連続でポイント賞に輝いたペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)は様々なコースに対応可能。大集団スプリントはもちろんのこと、ピュアスプリンターが遅れるようなアップダウンコースでも勝利を狙える。今年もポイント賞候補の筆頭だ。
2つの個人タイムトライアルでは、トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)とファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)らが激突。オリカ・グリーンエッジから出場するMTBクロスカントリー世界チャンピオンのニノ・シューター(スイス)の走りにも注目だ。
text:Kei Tsuji
2つの個人TTが登場 終盤の2連続超級山頂フィニッシュで決着
同時期開催のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネと並んで、ツール・ド・フランスの重要な前哨戦として知られるツール・ド・スイス。7月のツールを狙うオールラウンダーやスプリンターたちがスイスに集結する。
その歴史は古く、第1回大会が開催されたのは今から80年前の1933年。ドーフィネよりも14年歴史が長く、今年で開催78回目を迎える。全9ステージで、歴史だけではなく開催期間もドーフィネよりも長い。かつては2週間にわたってで行なわれていたことから「第4のグランツール」とも呼ばれていた。
コースの特徴として、ドーフィネと違ってスプリンターにチャンスがある平坦ステージが多く設定される。そのため、ツールに向けて最終調整に入るスプリンターたちの出場は、ドーフィネではなくこのスイスに集中する。
2014年大会はスイス南部イタリア語圏のベッリンツォーナで開幕する。イタリア語圏から北部のドイツ語圏に入り、そこから西部のフランス語圏を目指す9日間。同じスイスで開催されるツール・ド・ロマンディが西部のフランス語圏に限定されるのに対し、ツール・ド・スイスは「スイス一周レース」という名に相応しく、スイス全土を巡る。
初日は高低差180mの登りを含む9.4kmの個人タイムトライアル。2日目には今大会最高地点の超級山岳フルカ峠(標高2416m)を含む4つの難関山岳が登場する。ここで早くも総合優勝候補は絞り込まれるだろう。
起伏に富んだ第3ステージを経て、第4〜6ステージはスプリンター向きの平坦ステージが設定されている。総合争いが再び加熱するのは第7ステージの個人タイムトライアルだ。全長24.5kmのアップダウンコースで総合成績にシャッフルがかけられる。同時にTTスペシャリストたちによる競演に注目だ。
第78代覇者を決めるのは第8ステージと第9ステージの連続山頂フィニッシュだ。今大会最長219.1kmコースの先に超級山岳ヴェルビエが置かれた第8ステージでクライミングバトルが繰り広げられる。そして最終日、2つの1級山岳をこなした後に挑む超級山岳ザース・フェーで決着。例年よりも山岳ステージの比率が高いコース設定であると言える。
ツール・ド・スイス2014ステージリスト
6月14日(土)第1ステージ ベッリンツォーナ〜ベッリンツォーナ 9.4km(個人TT)
6月15日(日)第2ステージ ベッリンツォーナ〜ザルネン 181.8km
6月16日(月)第3ステージ ザルネン〜ハイデン 202.9km
6月17日(火)第4ステージ ハイデン〜オッシンゲン 160.4km
6月18日(水)第5ステージ オッシンゲン〜ビューレン・アン・デア・アーレ 183.6km
6月19日(木)第6ステージ ビューレン・アン・デア・アーレ〜ドレモン 192.8km
6月20日(金)第7ステージ ヴォルプ〜ヴォルプ 24.5km(個人TT)
6月21日(土)第8ステージ ドレモン〜ヴェルビエ 219.1km
6月22日(日)第9ステージ マルティニー〜ザース・フェー 156.7km
コスタの3連覇なるか?ウィギンズやカヴ、サガンがスイスに挑む
2012年と2013年大会で総合優勝を果たしたのは、現在アルカンシェル(世界チャンピオンジャージ)を着るルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)だ。もちろんコスタは大会3連覇を目指して出場する。ツール・ド・フランスも見据えているだけに、相性の良いスイスで勢いをつけておきたいところだ。
チームスカイはクリス・フルーム(イギリス)をドーフィネに、ブラドレー・ウィギンズ(イギリス)をスイスに送り込む。ツール出場が決まっていない中、カリフォルニア覇者の走りに注目が集まる。
2008年大会の覇者ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)や、ジロ・デ・イタリアを終えたばかりのカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシング)、2013年大会総合2位のバウク・モレマ(オランダ、ベルキン)、ローハン・デニス(オーストラリア、ガーミン・シャープ)らもリーダージャージ争いに加わるだろう。2010年大会の覇者フランク・シュレク(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)は弟アンディとともに出場する。
総合争いと並行して注目したいのがスプリントバトルだ。ボーネンやレンショーを引き連れて出場するマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)や、ミラノ〜サンレモ覇者のアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)、ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)、サーシャ・モードロ(イタリア、ランプレ・メリダ)らが揃う。
ワイルドカード枠で出場するゲラルド・チオレック(ドイツ、MTNキュベカ)やハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、IAMサイクリング)もモチベーション高くスプリントに挑んでくるだろう。
2013年大会でステージ2勝を飾り、3年連続でポイント賞に輝いたペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)は様々なコースに対応可能。大集団スプリントはもちろんのこと、ピュアスプリンターが遅れるようなアップダウンコースでも勝利を狙える。今年もポイント賞候補の筆頭だ。
2つの個人タイムトライアルでは、トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)とファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)らが激突。オリカ・グリーンエッジから出場するMTBクロスカントリー世界チャンピオンのニノ・シューター(スイス)の走りにも注目だ。
text:Kei Tsuji
Amazon.co.jp
スイスの形 THE SHAPE OF SWISS (乳牛) 『スイスお土産』
Aquspi Creation
スイス・rubis(ルビス)社 ツイーザー・クラシック 1K102-CD
rubis (ルビス)社