2013/10/08(火) - 10:14
10月7日、イタリア・ミラノで第97回ジロ・デ・イタリアのコースプレゼンテーションが開催され、コルサローザの全貌が明らかになった。第97回大会は2014年5月9日に北アイルランドのベルファストで開幕。異例となる3つの休息日を挟んで、3週間アイルランドとイタリアを駆け抜ける。
ミラノ中心部のアイスパレスで開催されたコースプレゼンテーションには、ディフェンディングチャンピオンのヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)やイヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)らが出席。有力選手たちが見守る中、全長3449.9kmにおよぶ24日間の闘いの全貌が明らかにされた。
事前に発表されていた通り、第97回ジロは北アイルランド(イギリス)最大の都市ベルファストで開幕する。初日は21.7kmのチームタイムトライアルで、2つの平坦ステージをこなしてアイルランドのダブリンに到着。その後、選手たちは南イタリアのバーリまで空路まで移動する。
「休息日は最低5ステージ終了後」「メジャーレース開催期間は23日間以内」というUCIルールに則って、当初は休息日を挟まずにイタリアに移動する予定だったが、今回のみ特例として第3ステージ後に休息日が登場する。それに伴い、3つの休息日が設定され、開催期間が24日間に延長されているのが特徴。充分な移動時間が確保されることは選手や関係者にとっては朗報だ。
プーリア州のバーリで再始動するジロは、ステージを繋ぎながらイタリア半島を北上。第5ステージと第6ステージで大会最初の山頂フィニッシュが登場する。なお、第97回ジロには合計9つの山頂フィニッシュが設定されている。スプリンター向きの平坦ステージは約8ステージ。
ワインの産地バローロを舞台にした第12ステージの個人タイムトライアル(46.4km)は平坦基調。対照的に、グラッパの産地バッサーノ・デル・グラッパをスタートする第19ステージの個人タイムトライアル(26.8km)は上りっぱなしの山岳コース。平均勾配8%の登りが待っている。
2周目の最後を飾る第14ステージと第15ステージの山頂フィニッシュは、2004年に亡くなったマルコ・パンターニに捧げるステージ。パンターニが1999年にチェーンを落としながらも49人を抜いてステージ優勝を果たしたオローパと、1998年に総合優勝を決定づけたモンテカンピオーネが登場する。
最終週の幕開けを告げる第16ステージは、2013年に降雪のためキャンセルになったポンテ・ディ・レーニョ〜ヴァルマルテッロ間の139kmが予定されている。ガヴィア峠とステルヴィオ峠を越え、ヴァルマルテッロにゴールするこの第16ステージこそが大会のクイーンステージ。標高2758mのステルヴィオ峠がチーマコッピ(大会最高地点)だ。
そしてマリアローザ争いは最終日前日のモンテ・ゾンコランで決着。2つの難関山岳を越えた先に待つゾンコランは、登坂距離10.1kmで平均勾配11.9%。中盤にかけてコンスタントに15%オーバーが登場する激坂であり、最大勾配は22%に達する。スペインのアングリルに肩を並べるこの「ヨーロッパ最難関の峠」で第97代チャンピオンが誕生。翌日はトリエステにゴールする平坦ステージが設定されている。
出席した選手たちの声を統合すると、第97回大会は「クライマー向きのバランスの取れたコース」。ニーバリはジロ出場を断言していないが、バッソやカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)は出場に前向きな姿勢を見せている。
全ステージのコースプロフィールはフォトギャラリーにて。
ジロ・デ・イタリア2014ステージリスト
5月9日(金)第1ステージ ベルファスト〜ベルファスト(イギリス)21.7km(チームTT)☆☆☆
5月10日(土)第2ステージ ベルファスト〜ベルファスト(イギリス)218km ☆☆
5月11日(日)第3ステージ アーマー〜ダブリン(アイルランド)187km ☆
5月12日(月)休息日
5月13日(火)第4ステージ ジョヴィナッツォ〜バーリ 121km ☆
5月14日(水)第5ステージ タラント〜ヴィジャーノ 200km ☆☆☆
5月15日(木)第6ステージ サッサーノ〜モンテカッシーノ 247km ☆☆
5月16日(金)第7ステージ フロジノーネ〜フォリーニョ 214km ☆☆
5月17日(土)第8ステージ フォリーニョ〜モンテコピオーロ 174km ☆☆☆☆
5月18日(日)第9ステージ ルーゴ〜セストラ 174km ☆☆☆
5月19日(月)休息日
5月20日(火)第10ステージ モデナ〜サルソマッジョーレ 184km ☆
5月21日(水)第11ステージ コッレッキオ〜サヴォーナ 249km ☆☆☆
5月22日(木)第12ステージ バルバレスコ〜バローロ 46.4km(個人TT) ☆☆☆☆
5月23日(金)第13ステージ フォッサーノ〜リヴァローロ・カナヴェーゼ 158km ☆☆
5月24日(土)第14ステージ アリエ〜オローパ 162km ☆☆☆☆
5月25日(日)第15ステージ ヴァルデンゴ〜モンテカンピオーネ 217km ☆☆☆☆
5月26日(月)休息日
5月27日(火)第16ステージ ポンテ・ディ・レーニョ〜ヴァルマルテッロ 139km ☆☆☆☆☆
5月28日(水)第17ステージ サルノーニコ〜ヴィットーリオ・ヴェネト 204km ☆☆
5月29日(木)第18ステージ ベッルーノ〜リフージオ・パナロッタ 171km ☆☆☆☆
5月30日(金)第19ステージ バッサーノ・デル・グラッパ〜チーマ・グラッパ 26.8km(個人TT) ☆☆☆☆☆
5月31日(土)第20ステージ マニアーゴ〜モンテ・ゾンコラン 167km ☆☆☆☆☆
6月1日(日)第21ステージ ジェモーナ・デル・フリウリ〜トリエステ 169km ☆
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
ミラノ中心部のアイスパレスで開催されたコースプレゼンテーションには、ディフェンディングチャンピオンのヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)やイヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)らが出席。有力選手たちが見守る中、全長3449.9kmにおよぶ24日間の闘いの全貌が明らかにされた。
事前に発表されていた通り、第97回ジロは北アイルランド(イギリス)最大の都市ベルファストで開幕する。初日は21.7kmのチームタイムトライアルで、2つの平坦ステージをこなしてアイルランドのダブリンに到着。その後、選手たちは南イタリアのバーリまで空路まで移動する。
「休息日は最低5ステージ終了後」「メジャーレース開催期間は23日間以内」というUCIルールに則って、当初は休息日を挟まずにイタリアに移動する予定だったが、今回のみ特例として第3ステージ後に休息日が登場する。それに伴い、3つの休息日が設定され、開催期間が24日間に延長されているのが特徴。充分な移動時間が確保されることは選手や関係者にとっては朗報だ。
プーリア州のバーリで再始動するジロは、ステージを繋ぎながらイタリア半島を北上。第5ステージと第6ステージで大会最初の山頂フィニッシュが登場する。なお、第97回ジロには合計9つの山頂フィニッシュが設定されている。スプリンター向きの平坦ステージは約8ステージ。
ワインの産地バローロを舞台にした第12ステージの個人タイムトライアル(46.4km)は平坦基調。対照的に、グラッパの産地バッサーノ・デル・グラッパをスタートする第19ステージの個人タイムトライアル(26.8km)は上りっぱなしの山岳コース。平均勾配8%の登りが待っている。
2周目の最後を飾る第14ステージと第15ステージの山頂フィニッシュは、2004年に亡くなったマルコ・パンターニに捧げるステージ。パンターニが1999年にチェーンを落としながらも49人を抜いてステージ優勝を果たしたオローパと、1998年に総合優勝を決定づけたモンテカンピオーネが登場する。
最終週の幕開けを告げる第16ステージは、2013年に降雪のためキャンセルになったポンテ・ディ・レーニョ〜ヴァルマルテッロ間の139kmが予定されている。ガヴィア峠とステルヴィオ峠を越え、ヴァルマルテッロにゴールするこの第16ステージこそが大会のクイーンステージ。標高2758mのステルヴィオ峠がチーマコッピ(大会最高地点)だ。
そしてマリアローザ争いは最終日前日のモンテ・ゾンコランで決着。2つの難関山岳を越えた先に待つゾンコランは、登坂距離10.1kmで平均勾配11.9%。中盤にかけてコンスタントに15%オーバーが登場する激坂であり、最大勾配は22%に達する。スペインのアングリルに肩を並べるこの「ヨーロッパ最難関の峠」で第97代チャンピオンが誕生。翌日はトリエステにゴールする平坦ステージが設定されている。
出席した選手たちの声を統合すると、第97回大会は「クライマー向きのバランスの取れたコース」。ニーバリはジロ出場を断言していないが、バッソやカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)は出場に前向きな姿勢を見せている。
全ステージのコースプロフィールはフォトギャラリーにて。
ジロ・デ・イタリア2014ステージリスト
5月9日(金)第1ステージ ベルファスト〜ベルファスト(イギリス)21.7km(チームTT)☆☆☆
5月10日(土)第2ステージ ベルファスト〜ベルファスト(イギリス)218km ☆☆
5月11日(日)第3ステージ アーマー〜ダブリン(アイルランド)187km ☆
5月12日(月)休息日
5月13日(火)第4ステージ ジョヴィナッツォ〜バーリ 121km ☆
5月14日(水)第5ステージ タラント〜ヴィジャーノ 200km ☆☆☆
5月15日(木)第6ステージ サッサーノ〜モンテカッシーノ 247km ☆☆
5月16日(金)第7ステージ フロジノーネ〜フォリーニョ 214km ☆☆
5月17日(土)第8ステージ フォリーニョ〜モンテコピオーロ 174km ☆☆☆☆
5月18日(日)第9ステージ ルーゴ〜セストラ 174km ☆☆☆
5月19日(月)休息日
5月20日(火)第10ステージ モデナ〜サルソマッジョーレ 184km ☆
5月21日(水)第11ステージ コッレッキオ〜サヴォーナ 249km ☆☆☆
5月22日(木)第12ステージ バルバレスコ〜バローロ 46.4km(個人TT) ☆☆☆☆
5月23日(金)第13ステージ フォッサーノ〜リヴァローロ・カナヴェーゼ 158km ☆☆
5月24日(土)第14ステージ アリエ〜オローパ 162km ☆☆☆☆
5月25日(日)第15ステージ ヴァルデンゴ〜モンテカンピオーネ 217km ☆☆☆☆
5月26日(月)休息日
5月27日(火)第16ステージ ポンテ・ディ・レーニョ〜ヴァルマルテッロ 139km ☆☆☆☆☆
5月28日(水)第17ステージ サルノーニコ〜ヴィットーリオ・ヴェネト 204km ☆☆
5月29日(木)第18ステージ ベッルーノ〜リフージオ・パナロッタ 171km ☆☆☆☆
5月30日(金)第19ステージ バッサーノ・デル・グラッパ〜チーマ・グラッパ 26.8km(個人TT) ☆☆☆☆☆
5月31日(土)第20ステージ マニアーゴ〜モンテ・ゾンコラン 167km ☆☆☆☆☆
6月1日(日)第21ステージ ジェモーナ・デル・フリウリ〜トリエステ 169km ☆
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
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