シマノが主催する、自転車総合イベント「シマノ・バイカーズフェスティバル」。今年も信州の涼しい風を感じながら、富士見パノラマにて盛りだくさんの内容で行われたイベントの模様をお伝えしよう。

シマノ・バイカーズフェスティバル、エンデューロスタートシマノ・バイカーズフェスティバル、エンデューロスタート

7月28・29日に長野県富士見町富士見パノラマで開催された「シマノ・バイカーズフェスティバル」は、今年で22回目の開催を迎えた、MTBを中心とした多数のプログラムに参加できる人気イベントだ。夏の最後に行われる「シマノ鈴鹿ロードレース」と共にシマノが主催するホビーサイクリストに向けた夏の恒例イベントとなっている。

復活した辻浦圭一(ブリヂストン・アンカー)復活した辻浦圭一(ブリヂストン・アンカー) ロンドン五輪へ調整のため参加した片山梨絵(SPECIALIZED)ロンドン五輪へ調整のため参加した片山梨絵(SPECIALIZED)


「シマノ・バイカーズフェスティバル」は標高1000mほどの避暑地、富士見高原で行われるため、都会の夏の暑さから解放されるべく、レジャーを兼ねて家族連れが多数参加して賑わう。そのため種目もレースだけでなく、ツーリングも充実しているのが特徴だ。


二日間開催で楽しめる多数のイベント

メイン会場である富士見パノラマのゲレンデで行われるレースは多くのクラス分けがされ、XCでは60分または30分のXCマラソン、4時間または2時間のエンデューロ、EKIDENファミリーリレー、ショートトラックXC、そして小学生対象のキッズXCが両日に行われる。

エンデューロのピットにはたくさんのテントが並んだエンデューロのピットにはたくさんのテントが並んだ 特設コースを下るDH特設コースを下るDH


またDHレースも大会当日のみの特設コースを使用し、年齢別男女とリジットクラス、登り区間のあるスーパーD、2~3人の集団で走りで2番手のタイムで競われるチームDHなど種目が満載だ。シリアスライダーから大所帯の仲間まで誰もが楽しむことができる。

標高2000m近くを高原サイクリング標高2000m近くを高原サイクリング そして会場の周辺を走るツーリングは、これまた多彩で魅力的なラインナップが揃う。「富士見町里山ランチツーリング」は里山シングルトラックライドを楽しんだ後にBBQを楽しめるし、「入笠山天上トレッキング」はゴンドラに乗って標高2000mの自然探索。「富士見B級グルメツーリング」は富士見町を散策しながら1500円分のチケットでグルメ巡りができるなど、それぞれ家族で楽しめるショートツーリングとなっている。

MTBでトレイルを存分に楽しみたいなら「釜無林道ビューツアー」で豪快な林道ダウンヒル。トレイルをつないで信州の山を走り回りたいライダーへはロングツーリングの「入笠山トレイルツアー」・「高遠城址ワンウェイツーリング」・「諏訪大社ワンウェイツーリング」・「八ヶ岳牧場ワンウェイツーリング」が選べる。

シマノサポートライダーからアドバイスを受けるスクールも開催シマノサポートライダーからアドバイスを受けるスクールも開催 より距離が長くタイムを計測するラリー形式の「富士見 KING OF MOUNTAIN ツーリングエンデューロ」でMTBの王者を狙うのものよし。ロードやクロスバイクで富士見町・原村・北杜市を巡る「八ヶ岳グランツーリング・ロング/ショート」で高原サイクリングを一日使って走ることもできる。

シマノ・バイカーズフェステバルは各種目を組み合わせて参加できるので、土曜はレースに出て日曜はツーリングと二日間に渡って違う楽しみ方で過ごせるのだ。イベントエントリーの参加料は基本料金プラス各種目となる。
これとは別に当日受付で個人種目参加者は無料の「激坂ゲレンデヒルクライム」と「富士見トレジャーハントツーリング」もある。

今回レポーターである私が頭を悩ませて選んだのは、土曜午後からの「釜無林道ビューツアー」と日曜の「八ヶ岳牧場ワンウェイツーリング」の2種類。走るコースに応じてバイクを選び、MTBは下り用のフリーライドリジッドバイクと、長い距離を走るXCリジッドバイクを用意して参加した。


楽しみ方満載のメイン会場

シマノサポートライダー達がイベントの進行を務めるシマノサポートライダー達がイベントの進行を務める 土曜朝からの一番レースは60分のXCマラソンからスタート。レースの先導に立つのはシマノがサポートするプロライダーの松本駿、門田基志、井手川直樹、清水一輝各選手と渡辺キャリーさん、丸山八千代さん、そして復帰後初のイベントとなる辻浦圭一選手。

レースがスタートして「シマノ・バイカーズフェステバル」の二日間が始まった。総合MCはがらぱさん、DHはアリー、サブは絹代さんが務める。マラソン終了後は白熱のキッズレースがスタートしていく。

富士ゼロックス提供のその場で表彰式のプリントサービス富士ゼロックス提供のその場で表彰式のプリントサービス ブースエリアでは、シマノを始めとした多数のブランドのバイク試乗コーナーがあり、今年モデルチェンジしたグラビティコンポ「セイント」と新しく登場したエントリーモデル「ジー」の展示・試乗も行われていた。またシマノサポートライダー達によるMTBライディングスクール。参加者は手取り足取りの指導に熱心に聞き入っていた。

各レースの表彰も随時行われ、表彰者にはその場で表彰台に乗った写真がカレンダーになった富士ゼロックス提供のプリントサービスが行われ、「良い思い出になる」と参加者の皆さんに好評だった。

お昼になると4時間・2時間エンデューロの招集時間となり、ピットエリアには多くのテントが立ち並び、ライダー達がスタートに集まる中、片山梨絵選手がロンドンオリンピック出場を前に調整を兼ねてエンデューロに出走することに。オリンピックへの意気込みを語り、会場からは大きな声援が送られた。


壮快なダウンヒルを味わえる「釜無林道ビューツアー」に参加

土曜日に午前・午後2回開催された「釜無林道ビューツアー」は、富士見パノラマのゴンドラで入笠山の山頂駅のある標高1780mへ上がり、ここからさらに自走で2000mまで登ってから走る下り基調の林道ダウンヒルツアー。普段は閉鎖されている釜無林道を通ることができて、約24kmの行程中ダウンヒル区間は9.8km・標高差830mを一気に駆け下るというもの。

「釜無林道ビューツアー」へ出発!「釜無林道ビューツアー」へ出発! ゴンドラで標高1780mの山頂駅へゴンドラで標高1780mの山頂駅へ


八ヶ岳が見渡せるゴンドラに乗って頂上駅に降りたら、Cコースを少し走って林道へ入り、入笠山湿原を経由して登っていく。ダウンヒルを楽しむならそれ相応に登る…のだが、夏の日差しの暑さに2000m近くとなると、息が上がり歩く参加者もちらほら。我慢して登り続けると、疲れも忘れるぐらいの空が広がる絶景ポイントに到着だ!。ここで皆さんと集合写真を撮りながらパノラマビューを楽しむ。

大阿原湿原を経由しながらさらに登ると、林道の入り口に到着してやっと待望のダウンヒルスタート! 林道なので道幅は広いもののとにかく石が多いので、オーバースピードで転ばないように様子を見ながら慎重に下る。途中にエイドステーションがありここで水と果物ゼリーで一休み。

八ヶ岳の周辺を見渡せる場所で記念撮影八ヶ岳の周辺を見渡せる場所で記念撮影 通常は閉鎖されている釜無林道を走ることのできる貴重な機会だ通常は閉鎖されている釜無林道を走ることのできる貴重な機会だ


ダブルトラックのダウンヒルを楽しむダブルトラックのダウンヒルを楽しむ ゴールのご褒美は美味しいのむヨーグルトゴールのご褒美は美味しいのむヨーグルト



再スタートは班に分かれてのグループ走行で。周りの人達も路面に慣れてきたのでこちらもペースアップ! 平均斜度8%とあってスピードが落ちない、まさしく壮快ダウンヒルの一言だ。私が持ち込んだバイクはリジッドなからもフロントフォーク150mmのストロークと太いタイヤのおかげで余裕を持って走ることができた。MTBはコースの状況に応じて使い分けるのも大事と思った次第だ。

釜無林道の区間が終わると、次は路面が変わって湿った土となり、木の枝や水切りのギャップが連続する区間へ。ここもスピードが落ちず、スリリングさが楽しい区間だ。ダウンヒル区間終了後は里山に降りて、信州のお酒で有名な真澄の宮坂醸造のエイドステーションで、冷やしたトマトやきゅうりを丸かじりすると夏の暑さが和らぐ。日差しが落ちてきて涼しく感じられる夕暮れ時に、民家と畑を抜けて富士見パノラマへと戻ってきた。

受付で完走の確認を行うと、富士見高原の飲むヨーグルトを渡されて一気飲み。半日だったが、日常では味わえない風景とコースで満足度が高いツーリングだった。

エンデューロ最後の走者がゴール!皆でお出迎えしましたエンデューロ最後の走者がゴール!皆でお出迎えしました 4時間を走り切った充実感あふれる表情!4時間を走り切った充実感あふれる表情!


ツーリングから帰ってくると、ちょうど4時間エンデューロの終了のタイミング。子どもたちのゴールを迎える家族の表情がとても精悍だった。

このエンデューロにはJシリーズで切磋琢磨して争う横山航太・前田公平ら五人のチーム「チームわかば」も参戦。「一年に一度チームを結成して参加しています。Jシリーズではライバルですが、今日は力を合わせて優勝しました」とそれぞれ楽しんだコメントしてくれた。

名酒真澄も飲み放題名酒真澄も飲み放題 4時間エンデューロ5人の部表彰 お疲れ様でした!4時間エンデューロ5人の部表彰 お疲れ様でした!


プログラム終了後、地元の保存会の方が叩く「富士見太鼓」のリズムを聞き入って、最後のお楽しみは豚の丸焼きと真澄の振る舞い酒を楽しんで、二日目のロングツーリングのために早く寝る事にしよう。


text&photo:Akihiro.NAKAO