埼玉県さいたま市・秋ヶ瀬公園で2日間開催された「秋ヶ瀬の森バイクロア4」。アットホームな雰囲気で人気を呼び続ける、ナイスなシクロクロスイベントの様子を編集部・磯部が体験フォトレポートします。



バイクロア初日はチームラリーAからスタート。前列にくまモンがいますバイクロア初日はチームラリーAからスタート。前列にくまモンがいます
楽しむことなら俺たちに任せろ!なBlue Lugチーム楽しむことなら俺たちに任せろ!なBlue Lugチーム ピットワークはチームラリーの楽しみの一つ。スムーズにこなせましたか?ピットワークはチームラリーの楽しみの一つ。スムーズにこなせましたか?


「秋ヶ瀬公園」と聞いて「?」な方も、「彩湖のすぐ北側」と聞けばすぐに分かるかもしれない。埼玉県さいたま市、都心からクルマで30分という場所で開催されているシクロクロスイベントが「秋ヶ瀬の森バイクロア」。今年で4回目ながら、人気が人気を呼び、あっという間に一大イベントに成長した大会だ。

種目で分ければシクロクロスなのだが、今回会場を訪れて思ったのは、もとになる競技がたまたまシクロクロスだっただけであって、もはやバイクロアという一つのジャンル、または自転車祭りに進化したイベントなんだな、ということ。

多くの出店で賑わったバイクロア食堂&マーケット多くの出店で賑わったバイクロア食堂&マーケット 家族でのんびりレース観戦できるのはバイクロアならでは。特製ツリーデッキもあったぞ家族でのんびりレース観戦できるのはバイクロアならでは。特製ツリーデッキもあったぞ

埼玉・小川町の麦雑穀工房マイクロブルワリーが出店埼玉・小川町の麦雑穀工房マイクロブルワリーが出店 うまそう!!うまそう!!


会場には大手はもちろん、ハンドメイドやマイナー自転車工房系の出展ブースに加え、雑貨やアパレル、そしてクラフトのワークショップが軒を連ね、さらには多数の飲食店も。そしてそれらのほとんどが、地元埼玉の企業・ショップで、まさに「地元のお祭り」と言って差し支えない。

昨年に続いて最寄り駅からのシャトルバスの用意や、キッズ用のスペース"ベビロア"もあるからクルマを持たない方、家族連れにもフレンドリーだ。DJやMCも会場を盛り上げてくれるし、競技志向を全面に押し出す従来のシクロクロスとは全く違い、もっとポップで、カルチャーテイストな、「良い大人が思いっきり遊ぶ場」なのだ。

グラウンドの芝生や周辺のトレール、少しの舗装路、林のなかの小径をつないだコースは誰にでも走りやすいけれど、よく見ればあちこちにタイムを縮められるポイントがあって、ベテラン選手にとっても楽しい。コース途中に丸太が4つ転がってたり、大きな岩が鎮座してたり、「乗っていけるもんなら乗ってみろよ」といきなり堆肥の山がデデンと鎮座してたりする。公式レースだと怒られそうなレイアウトだが、別に良いのだ。だってバイクロアだから。

チームラリーAをぶっちぎり勝利したCycleClub.jpチームラリーAをぶっちぎり勝利したCycleClub.jp フレンドクラスBを圧勝したクロスピストンズフレンドクラスBを圧勝したクロスピストンズ

コースには小さなバームも。通ったからって別に速くはないが、カッコ良く決まればそれで良いのだコースには小さなバームも。通ったからって別に速くはないが、カッコ良く決まればそれで良いのだ コース途中に臨時ピット出現!コーヒー→ポ○ロング→お手拭きの3連コンボをご提供コース途中に臨時ピット出現!コーヒー→ポ○ロング→お手拭きの3連コンボをご提供

本日の個人的一番ジャージが派手だったで賞:25LAS BICYCLE WORKS本日の個人的一番ジャージが派手だったで賞:25LAS BICYCLE WORKS 二子新地の「ABOVE BIKE STORE」。リーズナブルなプライスのオリジナルバイク「Steel Era」が人気二子新地の「ABOVE BIKE STORE」。リーズナブルなプライスのオリジナルバイク「Steel Era」が人気


取材に訪れた初日土曜日のメインイベントは、90分間を交代しながら走る「チームラリー」2レース。午前中の部はCycleClub.jpが、午後の部はクロスピストンズがぶっちぎりで制したのだが、上位チームも含めて目を三角にして走っているチームはどこにも無し。仲間にヤジを飛ばしたり、突然コース脇に参加者による、参加者のための補給(半分イジメに近い)ピットが出現して笑いを誘ったり。とにかく楽しんだ人の勝ち、笑った人が勝ち、という雰囲気が会場全体を包んでいる。

さて、今年から始まった面白い試みの一つがその名も「カーゴバイクレース」。要項を見てみれば「スタートして、荷物を積み込み、ゴールを目指す!速さだけでなく、運んだ荷物の量も重要なカーゴバイクレース。荷物を運べる自転車ならかご付きのママチャリからトレーラー付きの自転車まで何でもOK!」とある。なんともバイクロア感に溢れたカテゴリーだ(笑)。

カーゴバイクレースにはバイクロアTシャツを販売したCup and Coneのヨダさんも。車名は「積みたがり2014」カーゴバイクレースにはバイクロアTシャツを販売したCup and Coneのヨダさんも。車名は「積みたがり2014」 カーゴバイクレース優勝のアラスカさん。丸太4本、麻袋3袋、タイヤ1本を積んでゴールカーゴバイクレース優勝のアラスカさん。丸太4本、麻袋3袋、タイヤ1本を積んでゴール

なんかヤバいの来た!なんかヤバいの来た! なんの自転車か分からないけど良い。それが良いなんの自転車か分からないけど良い。それが良い


争うのは自転車に積んだ積載量で、運動会の借り物競走のごとく、コースに散らばった荷物をどれだけ積んで帰ってこれるか。着順は成績に関係無く、とりあえず制限時間内に帰ってこれればOKというゆるさなのだが、これがまた最高にイカしてた。

ロケットレースで岩を乗り越える私・磯部。ボケボケの写真を撮ってくれたのは後輩の藤原君であるロケットレースで岩を乗り越える私・磯部。ボケボケの写真を撮ってくれたのは後輩の藤原君である ちなみに優勝を決めたのは丸太4本、麻袋3袋、タイヤ1本をトレーラーにぶち込んだ「アラスカ」さん。なんでも普段からMTBのコース・トレイル整備のためにトレーラーを使っていて、今回は優勝を狙ってきたのだとか。初開催ながらわざわざバイクを仕立ててきた方もいて、来年はさらなる盛り上がりに期待できそうだ。

そして私・磯部は、コースを4人ずつ1周走り、勝ち上がり式で優勝を争う「ロケットレース」に参加してみた。最初の予選1組目は「シングルトラック前に先頭に立ち、フタをしてやり過ごす作戦」が成功して1位通過したものの、2レース目の準決勝でMTBエリートライダーと実業団ロードレーサーの前にあえなく敗退。それでも岩と丸太を乗車のままクリアしたり、負けなりに会場を湧かせることに成功し自己満足に浸った(☜ここ重要)のであった。

夜景の中を走るサンセットレース。これもバイクロアならではの名物レースだ夜景の中を走るサンセットレース。これもバイクロアならではの名物レースだ
☆キラキラサンタさん☆☆キラキラサンタさん☆ サンセットレースを制したのは臼杵レーシングの伊井賢一さんサンセットレースを制したのは臼杵レーシングの伊井賢一さん


陽も傾く16時過ぎから始まる最終カテゴリーがKnogプレゼンツの「サンセットレース」。詳しくは我らが綾野編集長による昨年の参戦記を見て欲しいが、今年も会場のあちこちから「見えねー!」という笑い声が聞こえたり、電飾キラキラのサンタが走っていたり、キクミミさんが走っていたりと大変楽しかったのだ。



バイクロアのスタッフさん。中心にいるのが松原満作さんだバイクロアのスタッフさん。中心にいるのが松原満作さんだ さて、こんなポップで堅苦しくない素敵なイベントを作っているのは、実行委員会の松原満作さん。バイクロアを始めるきっかけは、周りの自転車仲間と「地元埼玉で何かイベントをやりたいね」と思いついたことだそう。

MCとして会場を盛り上げてくれた「伯爵」。ナイスウィリー!MCとして会場を盛り上げてくれた「伯爵」。ナイスウィリー! 「目指しているのは"地元の草レース"なんです。出展メーカーやショップ、フードもほぼ全て地元の会社。例えばアパレルブランド、ワークショップ…。ツリーハウス、バンド演奏といったアトラクション。普通の自転車イベントって、レースに出るお父さんしか楽しめないけれど、これならば家族揃って楽しいし、自転車イベントが家族にとっても楽しくなるじゃないですか。」とは松原さん。

この日は松原さんをはじめ、他のスタッフもカーゴバイクレースに出て楽しんだ。大会を運営しているスタッフが自ら楽しんでいるし、だから楽しい雰囲気が自然とできあがったのかな、と感じる。

松原さんは来年度の大会に関しても、「もっともっと楽しいことを仕掛けていきたいんです!」と意欲的だ。「今年はカーゴバイク選手権を始めて開催したけれど、とても良かったですね。競技としてみれば底辺ですが、この場所はもともと遊びに来ている方も多いから、たくさんの方の目に触れる。そうした方が参加してみたい!となって、自転車に興味を持ってくれば良いですよね。」と語ってくれた。

2日目はあいにく会場に脚を運ぶことができなかったが、日曜日にはバイクロア名物?のオウルクラスが開催され、大いに盛り上がったようだ。主催者さまより写真が届いたので、その一部紹介すると共にレポートを締めくくろう。笑いに満ちた、とても良いグラスルーツイベントだった。また来年も是非参加したい。

2日目のオウルクラスの模様(主催者提供)
野茂さんですね野茂さんですね (c)バイクロア実行委員会先頭争いは脚がかわいくないプリキュアvsうんこさん先頭争いは脚がかわいくないプリキュアvsうんこさん (c)バイクロア実行委員会

キクミミさんの後ろに迫るカオナシ(カオス)キクミミさんの後ろに迫るカオナシ(カオス) (c)バイクロア実行委員会地元埼玉のマスコットキャラ、コバトン地元埼玉のマスコットキャラ、コバトン (c)バイクロア実行委員会

マツコなんちゃらマツコなんちゃら (c)バイクロア実行委員会ジバニャンっぽいやつジバニャンっぽいやつ (c)バイクロア実行委員会


text&photo:So.Isobe


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