2014/03/21(金) - 09:05
3月15日(土)、雲ひとつない好天の下で人気の耐久レースイベント「TOKYOエンデューロ River Stage 2014」が開催された。荒川沿いのサイクリストにはなじみ深く、首都圏からのアクセス良好な彩湖道満グリーンパークで行われる本大会は自転車雑誌ファンライドが企画運営する、安定した運営が魅力の大会だ。
今年も、自転車イベントシーズンの開幕を告げる人気イベント「TOKYOエンデューロ River Stage 2014」が開催された。特に雪の影響が大きかった今年の冬は路面状況も悪く、自転車乗りには厳しい冬となっていた。自転車に乗らなかった、他のスポーツをしていた、ローラー台専門だった、シクロクロスやMTBに打ち込んでいた、雪でも関係なく乗っていたなどなど、様々な冬を過ごしていた関東のサイクリスト。
冬の間は大きなイベントも少なく、春の訪れを今か今かと待ち続けたサイクリスト達にとって、都心から至近の彩湖で開催される本大会はサイクリングシーズンの開幕を告げる位置づけの大会だ。今年の大会では、Time Trial Japan 2014のプロローグという位置づけで、タイムトライアルの部が新設されたことが大きなトピックだ。
5時45分の駐車場オープンに合わせて、参加者の車が大会会場へと列をなしている。エンデューロで大切なのは、長い競技時間中待機している場所をどこに確保するかという問題だ。タイムトライアルには参加せず、4時間エンデューロのみの参加者も、場所取りのために駐車場オープンに合わせて来場する人も多い。
6時からは選手受付とコース試走が始まるため、早々に準備を終えた参加者たちはゼッケンと計測チップを装着し、コースに出ていく。タイムトライアル参加者は、すこしでもタイムを縮めるために、またウォーミングアップのために入念に試走を行っていた。特に本大会のコースは直角コーナーやクランクもあるため、タイムトライアルの参加者に限らず、事前に試走することは安全上の観点からも非常に重要だ。
さて、ファンライドの細沼編集長からタイムトライアルの諸注意などが済めば女子のノーマルの部から順にスタートしていく。ノーマルの部というのは、エアロヘルメットやDHバーを使用しない通常の自転車でも参加できるカテゴリーで、TTに出てみたいけれど専用の機材がないと楽しめないのでは?と尻ごみしている人でもTTの楽しさを味わえるカテゴリーだ。一方、機材は揃っているシリアスな選手には、機材使用に制限のないアルティメットの部というカテゴリーが用意されている。普段、なかなか使う機会のないTTバイクを思う存分走らせることのできる貴重な機会だ。
この日がお披露目となった、豪華なTTスタート台にはTime Trial Japanのロゴがあしらわれており、気分を盛り上げてくれる。左右を壁に覆われるため、スタートに集中することができることやスロープからのスタートで最初からビッグギアを踏んでいけることなど、TTをより楽しむために工夫されたスタート台からはファンライドのTTにかける熱い想いが感じられた。
また、ホットシートが用意され、暫定の上位陣が腰かけることができることも盛り上げに一役買っている。リアルタイムで記録が更新されていくため、めまぐるしく入れ替わる順位を反映して、ホットシートに座る人も入れ替わっていくので、非常に白熱した時間が演出されていた。
また、個人TTだけではなくチームTTも用意されており、走りなれた仲間とのコンビネーションを活かしたレースを楽しんでいた。先頭交代のタイミングや、ローテーション順序など個人TTに比べて戦略が大切になってくるチームTTは単なる体力勝負ではなく、頭脳を含めたチーム力が問われる種目。声掛けをしながら走り抜ける参加チームは辛そうではあると同時に非常に楽しそうにしているのが印象的だった。
さて、TTも終わればメイン種目の4時間エンデューロが始まる。約650チームの参加者が、彩湖周回コースを4時間にわたって走り抜ける。大きな事故もなくレースは順調に進んでいくが、序盤は風が強く向かい風のホームストレートと、追い風のバックストレートでは10km/h以上も速度に差が出ていたよう。そこは、山本和弘選手をはじめとするC-projectの選手や、全日本TT女子ジュニア2位の伊藤杏菜選手といったゲストライダーの絶妙なペースメイクによって、安全にレースが進行していた。
ピットエリアには、向かい風で披露困憊と言った様子の参加者たちが次々と帰ってくる。スムーズな計測チップ交換をするために、アンクルバンドを外して付け替えるチームメンバーのかいがいしい姿が目立つピットには常に人が大勢おり、熱気にあふれていた。
一方、待機エリアには走り終えた参加者、準備中の参加者がおもいおもいにリラックスし、出番に備えていた。簡単にマットを敷いただけのチームから、タープやテントを張る人、お湯を沸かして暖をとったり、ハンモックに揺られたりと緑いっぱいの彩湖というロケーションを満喫しているチームが目立った。特に家族連れで参加しているチームは、ピクニックも兼ねているようなほのぼのとした様子のチームが多かった。
他にも、チャンピオンシステムの出展や、ワコーズ、エキップアサダによるメカニックサービス、ケータリングカーなども出店しており、多くの参加者が各ブースの足を運んでいた。中でも毎年恒例の堂城賢さんによるやまめの学校は、わかりやすい教え方もあって、人だかりができるほどの人気ぶり。待機時間中にも参加者に楽しんでもらうための工夫が凝らされていた。
終了時間が近づくにつれ、コース両脇にびっしりとチームメートたちが詰めかけ、檄を飛ばしている中を選手たちが走り抜けていく。12時45分にはエンデューロも終了。疲れ切った最終走者をチームメートたちが温かく迎え入れていく様子は、エンデューロの醍醐味だ。
エンデューロが終了しても、まだ大会は終わっていない。そう、2種目のキッズレースが残っているのだ。ご両親の熱い声援につつまれながら、未就学児のキッズ500メートルと小学校2年生までのキッズ1kmが行われた。実はこの大会、キッズにうれしいことに完走すればもれなく金メダル(お菓子入り)がもらえるのだ。自転車イベントって楽しい!と子供に思ってもらうことで、家族みんなでイベントに来やすくなる素敵な仕掛けだ。
ビギナーから上級者まで様々なスキルのホビーレーサーが楽しめるファンライド主催のイベント。次回は6月1日(日)に日本最大級のヒルクライム大会「Mt.富士ヒルクライム」が開催される。今週末よりいよいよエントリーが開始となる同大会は、例年人気のため出場したい人は要チェックだ。
また、今回プロローグを行ったTime Trial Japanシリーズは、第1戦が6月14日(土)に渡良瀬遊水地で行われる。今回の大会でTTに興味が湧いた方はぜひエントリーしてみてはいかがだろうか?エントリーは3月24日(月)開始となっている。
text:Naoki.YASUOKA
photo:CW編集部
今年も、自転車イベントシーズンの開幕を告げる人気イベント「TOKYOエンデューロ River Stage 2014」が開催された。特に雪の影響が大きかった今年の冬は路面状況も悪く、自転車乗りには厳しい冬となっていた。自転車に乗らなかった、他のスポーツをしていた、ローラー台専門だった、シクロクロスやMTBに打ち込んでいた、雪でも関係なく乗っていたなどなど、様々な冬を過ごしていた関東のサイクリスト。
冬の間は大きなイベントも少なく、春の訪れを今か今かと待ち続けたサイクリスト達にとって、都心から至近の彩湖で開催される本大会はサイクリングシーズンの開幕を告げる位置づけの大会だ。今年の大会では、Time Trial Japan 2014のプロローグという位置づけで、タイムトライアルの部が新設されたことが大きなトピックだ。
5時45分の駐車場オープンに合わせて、参加者の車が大会会場へと列をなしている。エンデューロで大切なのは、長い競技時間中待機している場所をどこに確保するかという問題だ。タイムトライアルには参加せず、4時間エンデューロのみの参加者も、場所取りのために駐車場オープンに合わせて来場する人も多い。
6時からは選手受付とコース試走が始まるため、早々に準備を終えた参加者たちはゼッケンと計測チップを装着し、コースに出ていく。タイムトライアル参加者は、すこしでもタイムを縮めるために、またウォーミングアップのために入念に試走を行っていた。特に本大会のコースは直角コーナーやクランクもあるため、タイムトライアルの参加者に限らず、事前に試走することは安全上の観点からも非常に重要だ。
さて、ファンライドの細沼編集長からタイムトライアルの諸注意などが済めば女子のノーマルの部から順にスタートしていく。ノーマルの部というのは、エアロヘルメットやDHバーを使用しない通常の自転車でも参加できるカテゴリーで、TTに出てみたいけれど専用の機材がないと楽しめないのでは?と尻ごみしている人でもTTの楽しさを味わえるカテゴリーだ。一方、機材は揃っているシリアスな選手には、機材使用に制限のないアルティメットの部というカテゴリーが用意されている。普段、なかなか使う機会のないTTバイクを思う存分走らせることのできる貴重な機会だ。
この日がお披露目となった、豪華なTTスタート台にはTime Trial Japanのロゴがあしらわれており、気分を盛り上げてくれる。左右を壁に覆われるため、スタートに集中することができることやスロープからのスタートで最初からビッグギアを踏んでいけることなど、TTをより楽しむために工夫されたスタート台からはファンライドのTTにかける熱い想いが感じられた。
また、ホットシートが用意され、暫定の上位陣が腰かけることができることも盛り上げに一役買っている。リアルタイムで記録が更新されていくため、めまぐるしく入れ替わる順位を反映して、ホットシートに座る人も入れ替わっていくので、非常に白熱した時間が演出されていた。
また、個人TTだけではなくチームTTも用意されており、走りなれた仲間とのコンビネーションを活かしたレースを楽しんでいた。先頭交代のタイミングや、ローテーション順序など個人TTに比べて戦略が大切になってくるチームTTは単なる体力勝負ではなく、頭脳を含めたチーム力が問われる種目。声掛けをしながら走り抜ける参加チームは辛そうではあると同時に非常に楽しそうにしているのが印象的だった。
さて、TTも終わればメイン種目の4時間エンデューロが始まる。約650チームの参加者が、彩湖周回コースを4時間にわたって走り抜ける。大きな事故もなくレースは順調に進んでいくが、序盤は風が強く向かい風のホームストレートと、追い風のバックストレートでは10km/h以上も速度に差が出ていたよう。そこは、山本和弘選手をはじめとするC-projectの選手や、全日本TT女子ジュニア2位の伊藤杏菜選手といったゲストライダーの絶妙なペースメイクによって、安全にレースが進行していた。
ピットエリアには、向かい風で披露困憊と言った様子の参加者たちが次々と帰ってくる。スムーズな計測チップ交換をするために、アンクルバンドを外して付け替えるチームメンバーのかいがいしい姿が目立つピットには常に人が大勢おり、熱気にあふれていた。
一方、待機エリアには走り終えた参加者、準備中の参加者がおもいおもいにリラックスし、出番に備えていた。簡単にマットを敷いただけのチームから、タープやテントを張る人、お湯を沸かして暖をとったり、ハンモックに揺られたりと緑いっぱいの彩湖というロケーションを満喫しているチームが目立った。特に家族連れで参加しているチームは、ピクニックも兼ねているようなほのぼのとした様子のチームが多かった。
他にも、チャンピオンシステムの出展や、ワコーズ、エキップアサダによるメカニックサービス、ケータリングカーなども出店しており、多くの参加者が各ブースの足を運んでいた。中でも毎年恒例の堂城賢さんによるやまめの学校は、わかりやすい教え方もあって、人だかりができるほどの人気ぶり。待機時間中にも参加者に楽しんでもらうための工夫が凝らされていた。
終了時間が近づくにつれ、コース両脇にびっしりとチームメートたちが詰めかけ、檄を飛ばしている中を選手たちが走り抜けていく。12時45分にはエンデューロも終了。疲れ切った最終走者をチームメートたちが温かく迎え入れていく様子は、エンデューロの醍醐味だ。
エンデューロが終了しても、まだ大会は終わっていない。そう、2種目のキッズレースが残っているのだ。ご両親の熱い声援につつまれながら、未就学児のキッズ500メートルと小学校2年生までのキッズ1kmが行われた。実はこの大会、キッズにうれしいことに完走すればもれなく金メダル(お菓子入り)がもらえるのだ。自転車イベントって楽しい!と子供に思ってもらうことで、家族みんなでイベントに来やすくなる素敵な仕掛けだ。
ビギナーから上級者まで様々なスキルのホビーレーサーが楽しめるファンライド主催のイベント。次回は6月1日(日)に日本最大級のヒルクライム大会「Mt.富士ヒルクライム」が開催される。今週末よりいよいよエントリーが開始となる同大会は、例年人気のため出場したい人は要チェックだ。
また、今回プロローグを行ったTime Trial Japanシリーズは、第1戦が6月14日(土)に渡良瀬遊水地で行われる。今回の大会でTTに興味が湧いた方はぜひエントリーしてみてはいかがだろうか?エントリーは3月24日(月)開始となっている。
text:Naoki.YASUOKA
photo:CW編集部
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